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名高き君への献身
60:デプレッションの人的支援
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※サミュエル目線
翌朝、スヤスヤと眠っていたアーサンが身動ぎして目を覚ました。
「ふぇ……あ、ううぅ」
「!」
「んんんん!」
不機嫌な声をあげて寝ぼけ眼で、キョロキョロと目線が彷徨っている。
「アーサン、おはよう」
バッと俺の方を見たかと思えば、すぐに反対方向に首を捻って、苦し気な唸り声を漏らす。
昨日よりは落ち着いているようだが、対話は出来そうにない。
「アーサン……アーサン……」
「うぅう、がぅうう」
「アーサン…………俺、馬鹿だし根性も無い。お前の為にって躍起になって、魔法医にはなれない。ただ、ココに居る事しか出来ない。でも、精一杯やってみるから」
気休めになればと思って、乱れまくっている気の流れを包むように、俺の気功を流し込む。
『ビクッ!』
「!」
「……へぁ?」
「アーサン?」
「…………」
先程まで反射的だった動きに、意思が感じられる。
「俺だ。サミュエルだ。側にいる」
「……?」
落ち着いているが、混乱は解けていない。迷子の子どもみたいな顔をしていた。
「お、ぉおじ……声、声が……音が……首、首! 首首首!」
「ッ、コールを」
声の音量が上がり始めた。またパニックになる。
医者を呼ぶコールを押して、アーサンの手を握る。
「あッああ! ごめんなさい! 許してください!! ごめんなさいごめんなさいぃ!」
「アーサン、アーサン。誰も責めてない。怖がらなくていい」
虚空に許しを乞い続けるアーサンの手が異常に冷たい。ガタガタ震えて目をずっと見開いている。琥珀がギョロっとバタバタ音のする方へ傾くと、コールを聞き付けて看護師がきてくれた。
「ぎゃああ!」
「アーサン、大丈夫だから。怖くない怖くない」
出来る限り優しい口調で声をかけながら、看護師に怯えるアーサンを撫でる。
「また、パニックが起きてて……」
「落ち着くお薬少し投与しましょうか」
「お願いします。後、片手だけでも、自由になりませんか?」
「それは……担当医にお聞きしますね」
鎮静剤を投与されて、浅い呼吸を繰り返しながら声が収まっていった。
けれど、記憶に蝕まれるアーサンは、未だ魘される。
看護師が他の先生方もお呼びすると退出する行くのを見送る。
「く、首……音が……火が……ヒュッ、フーッ」
出て来る単語だけで……酷く残酷な記憶だとわかる。
俺は、ずっとアーサンの手を握っていた。そうするしか出来ないからだ。
「ヒュッ、ヒューッ、カヒュ、ゲホッ、ハッ、ヒュク」
「!?」
呼吸が乱れて、喉からおかしな音がする。過呼吸ってヤツだ。
「ああッゲホ! ヒュッ、ヒク」
「……アーサン」
「んっ」
呼吸を正しく行わせる為にキスをして、息を吸うリズムを整える。
「はぁ、んん……はー、はぁー」
「そうそう、その調子だ」
アーサンの息が整って行く中で、涙がボロボロと流れていく。拭ってやってもキリが無い。
「アーサン、全部吐き出していいからな。ここに居るからな」
「はひゅ……ふぅ……」
「よしよし、苦しかったな。大丈夫……大丈夫だからな」
急激な興奮と鎮静を朝から繰り返して、食事の前にもう一眠りしてしまった。
「おはようサミュエル。朝からパニックがあったみたいだな」
「……ああ。なぁ、マグナ。片腕だけでも自由に出来ないか?」
「……………難しい相談だな。昨日だって、セニア大先生がすぐさま駆け付けて対処してくれたから良かったが、コイツはパニックの初動で自分の両眼を潰したんだ」
「…………」
「自傷行為に躊躇が無い。だから、拘束を解くのは、もう少し冷静になってからだ。担当医もそう言うはず」
自傷行為と言ってくれているが、恐らくアーサンが行っているのは、自殺行為だ。
俺達の声も存在も届かない程の精神状態。
このままだと二度と修復出来ない事態になるのは目に見えている。
「ほら、あーん。あーーんして」
「…………」
「アーサン、食べろよ。コレちゃんと美味いから」
「…………」
『ボタボタ』
「……食べてくれ……頼む」
大人しくなったが、口に入れられた物を咀嚼さえせず、ぼぉっと一点を見つめては、零してしまっている。
看護師が喉に詰まらないように、細かく切り分けて、胃に流し込んでいた。
昼には、離乳食のように柔らかい食事が用意されるだろう。
「うぅ…………うぅ……あぁぁ」
「気持ち悪い?」
背を摩って、桶を前に持っていくとほぼ胃液の嘔吐。水で口を濯ぐ事さえ上手く出来ない。
桶を洗って、病室に戻る途中で……
「サミュエル、少しいいだろうか」
「?」
医院長のジャナルさんに呼び止められ、廊下の隅にて、話を聞く。
「ガレー・ゼ・ルーラ大病院の医院長が直々に謝罪をさせて欲しいとの事だ。家族である君に判断して欲しい」
「………ジャナルさん……俺は、コレでも、大分怒ってるんですよ」
「……ああ」
「謝罪されても無意味です。けど、誠意は見せて欲しいですね。アーサンに加害したヤツを牢屋にぶち込んで拷問して欲しいです」
「そこは安心してくれ。もう加害者は豚箱行きが決まっている。他国の医療従事者が、異例の名誉国民であるアーサンに手を出したとあっては、国同士の関係に歪みが入りかねない。生半可な刑罰では済まないだろう」
「はは、それを聞けて良かったです」
罪状の重さをぶち上げてくれるなら、俺はそれでいいが……それなりに貰うもん貰っとかねえと。
「諸々の医療費を払ってくれれば良いって伝えてください。あまり余計な事考えたくないんで」
「わかった。そう伝えよう」
ジャナルさんが俺の肩をポンポンと叩きながら励ましてくれる。
「君が側に居れば、アーサンはきっと大丈夫だ。あまり思い詰めないように」
「はい……」
俺が入院している間、アーサンもこんな風に不安で胸が引き裂かれる思いをしていたのかもしれない。
朝食を摂って、病室に戻れば薬を飲んでクークー寝ているアーサンが居た。
寝顔は穏やかで、いつものアーサンだ。
『ガチャ』
「おはようございますサミュエルさん。アーサン先生の担当医になります。ケロニカです」
「あ、はい」
街の精神病院は、ここまで重篤な症状の患者を隔離出来るスペースが無い為、ドルフィン病院での入院となっている。
ドルフィン病院に精神科は無かったが、精神科医の資格を持った内科医がいた為、彼が抜擢された。
ケロニカ……先生は柔らかい雰囲気の魔法医だが、カルテに書かれた現状のアーサンに出ている症状を説明する際には酷く表情が曇った。
「脳に外傷はありませんが、心因性の失顔症、パニック発作、怯え方からして、恐らく幻聴もあります」
「!」
「内服薬で落ち着かせて、心理療法を行っていきます」
「……俺に出来る事は、ありますか?」
「勿論です」
今のアーサンへの接し方について教えてもらった。
まぁ、聞けば当然っちゃ当然の事ばかりだけれど、それが今は大事なんだ。
自分は味方である事を伝える。
言葉を遮らずに最後まで聞く事。
批判的な言い方はしない。
沢山褒めてやる。
本人のペースで回復を待つ事。
「何か変わった事があったら、遠慮せず些細なことでもいいです。すぐに知らせてください。相談も受けますので絶対に抱え込まないでください」
「はい…………あの」
昨日と今日で複雑な思いがごちゃ混ぜになって、何とか消化しようとしたいのに胃の中でぐちゃぐちゃしたままだ。
「ココで寝泊まりって、していいんですか?」
「……普通は許可は出来ないんですけど、今回に限っては寧ろお願いしたいです」
隔離された病室は、面会時間が決まっている。俺の時は病状もあって極めて限られた時間のみだったが、アーサンの現状は誰かが側に居た方が安心出来る。
ココの魔法医で俺とアーサンの関係性を知らない人間は居ない。
「(アーサンの寝袋借りるか)」
「病院でサポート出来る事はさせてくださいね」
「ありがとうございます先生。でしたら……少しお願いが」
「?」
ケロニカ先生に一つお願い事をした。
翌朝、スヤスヤと眠っていたアーサンが身動ぎして目を覚ました。
「ふぇ……あ、ううぅ」
「!」
「んんんん!」
不機嫌な声をあげて寝ぼけ眼で、キョロキョロと目線が彷徨っている。
「アーサン、おはよう」
バッと俺の方を見たかと思えば、すぐに反対方向に首を捻って、苦し気な唸り声を漏らす。
昨日よりは落ち着いているようだが、対話は出来そうにない。
「アーサン……アーサン……」
「うぅう、がぅうう」
「アーサン…………俺、馬鹿だし根性も無い。お前の為にって躍起になって、魔法医にはなれない。ただ、ココに居る事しか出来ない。でも、精一杯やってみるから」
気休めになればと思って、乱れまくっている気の流れを包むように、俺の気功を流し込む。
『ビクッ!』
「!」
「……へぁ?」
「アーサン?」
「…………」
先程まで反射的だった動きに、意思が感じられる。
「俺だ。サミュエルだ。側にいる」
「……?」
落ち着いているが、混乱は解けていない。迷子の子どもみたいな顔をしていた。
「お、ぉおじ……声、声が……音が……首、首! 首首首!」
「ッ、コールを」
声の音量が上がり始めた。またパニックになる。
医者を呼ぶコールを押して、アーサンの手を握る。
「あッああ! ごめんなさい! 許してください!! ごめんなさいごめんなさいぃ!」
「アーサン、アーサン。誰も責めてない。怖がらなくていい」
虚空に許しを乞い続けるアーサンの手が異常に冷たい。ガタガタ震えて目をずっと見開いている。琥珀がギョロっとバタバタ音のする方へ傾くと、コールを聞き付けて看護師がきてくれた。
「ぎゃああ!」
「アーサン、大丈夫だから。怖くない怖くない」
出来る限り優しい口調で声をかけながら、看護師に怯えるアーサンを撫でる。
「また、パニックが起きてて……」
「落ち着くお薬少し投与しましょうか」
「お願いします。後、片手だけでも、自由になりませんか?」
「それは……担当医にお聞きしますね」
鎮静剤を投与されて、浅い呼吸を繰り返しながら声が収まっていった。
けれど、記憶に蝕まれるアーサンは、未だ魘される。
看護師が他の先生方もお呼びすると退出する行くのを見送る。
「く、首……音が……火が……ヒュッ、フーッ」
出て来る単語だけで……酷く残酷な記憶だとわかる。
俺は、ずっとアーサンの手を握っていた。そうするしか出来ないからだ。
「ヒュッ、ヒューッ、カヒュ、ゲホッ、ハッ、ヒュク」
「!?」
呼吸が乱れて、喉からおかしな音がする。過呼吸ってヤツだ。
「ああッゲホ! ヒュッ、ヒク」
「……アーサン」
「んっ」
呼吸を正しく行わせる為にキスをして、息を吸うリズムを整える。
「はぁ、んん……はー、はぁー」
「そうそう、その調子だ」
アーサンの息が整って行く中で、涙がボロボロと流れていく。拭ってやってもキリが無い。
「アーサン、全部吐き出していいからな。ここに居るからな」
「はひゅ……ふぅ……」
「よしよし、苦しかったな。大丈夫……大丈夫だからな」
急激な興奮と鎮静を朝から繰り返して、食事の前にもう一眠りしてしまった。
「おはようサミュエル。朝からパニックがあったみたいだな」
「……ああ。なぁ、マグナ。片腕だけでも自由に出来ないか?」
「……………難しい相談だな。昨日だって、セニア大先生がすぐさま駆け付けて対処してくれたから良かったが、コイツはパニックの初動で自分の両眼を潰したんだ」
「…………」
「自傷行為に躊躇が無い。だから、拘束を解くのは、もう少し冷静になってからだ。担当医もそう言うはず」
自傷行為と言ってくれているが、恐らくアーサンが行っているのは、自殺行為だ。
俺達の声も存在も届かない程の精神状態。
このままだと二度と修復出来ない事態になるのは目に見えている。
「ほら、あーん。あーーんして」
「…………」
「アーサン、食べろよ。コレちゃんと美味いから」
「…………」
『ボタボタ』
「……食べてくれ……頼む」
大人しくなったが、口に入れられた物を咀嚼さえせず、ぼぉっと一点を見つめては、零してしまっている。
看護師が喉に詰まらないように、細かく切り分けて、胃に流し込んでいた。
昼には、離乳食のように柔らかい食事が用意されるだろう。
「うぅ…………うぅ……あぁぁ」
「気持ち悪い?」
背を摩って、桶を前に持っていくとほぼ胃液の嘔吐。水で口を濯ぐ事さえ上手く出来ない。
桶を洗って、病室に戻る途中で……
「サミュエル、少しいいだろうか」
「?」
医院長のジャナルさんに呼び止められ、廊下の隅にて、話を聞く。
「ガレー・ゼ・ルーラ大病院の医院長が直々に謝罪をさせて欲しいとの事だ。家族である君に判断して欲しい」
「………ジャナルさん……俺は、コレでも、大分怒ってるんですよ」
「……ああ」
「謝罪されても無意味です。けど、誠意は見せて欲しいですね。アーサンに加害したヤツを牢屋にぶち込んで拷問して欲しいです」
「そこは安心してくれ。もう加害者は豚箱行きが決まっている。他国の医療従事者が、異例の名誉国民であるアーサンに手を出したとあっては、国同士の関係に歪みが入りかねない。生半可な刑罰では済まないだろう」
「はは、それを聞けて良かったです」
罪状の重さをぶち上げてくれるなら、俺はそれでいいが……それなりに貰うもん貰っとかねえと。
「諸々の医療費を払ってくれれば良いって伝えてください。あまり余計な事考えたくないんで」
「わかった。そう伝えよう」
ジャナルさんが俺の肩をポンポンと叩きながら励ましてくれる。
「君が側に居れば、アーサンはきっと大丈夫だ。あまり思い詰めないように」
「はい……」
俺が入院している間、アーサンもこんな風に不安で胸が引き裂かれる思いをしていたのかもしれない。
朝食を摂って、病室に戻れば薬を飲んでクークー寝ているアーサンが居た。
寝顔は穏やかで、いつものアーサンだ。
『ガチャ』
「おはようございますサミュエルさん。アーサン先生の担当医になります。ケロニカです」
「あ、はい」
街の精神病院は、ここまで重篤な症状の患者を隔離出来るスペースが無い為、ドルフィン病院での入院となっている。
ドルフィン病院に精神科は無かったが、精神科医の資格を持った内科医がいた為、彼が抜擢された。
ケロニカ……先生は柔らかい雰囲気の魔法医だが、カルテに書かれた現状のアーサンに出ている症状を説明する際には酷く表情が曇った。
「脳に外傷はありませんが、心因性の失顔症、パニック発作、怯え方からして、恐らく幻聴もあります」
「!」
「内服薬で落ち着かせて、心理療法を行っていきます」
「……俺に出来る事は、ありますか?」
「勿論です」
今のアーサンへの接し方について教えてもらった。
まぁ、聞けば当然っちゃ当然の事ばかりだけれど、それが今は大事なんだ。
自分は味方である事を伝える。
言葉を遮らずに最後まで聞く事。
批判的な言い方はしない。
沢山褒めてやる。
本人のペースで回復を待つ事。
「何か変わった事があったら、遠慮せず些細なことでもいいです。すぐに知らせてください。相談も受けますので絶対に抱え込まないでください」
「はい…………あの」
昨日と今日で複雑な思いがごちゃ混ぜになって、何とか消化しようとしたいのに胃の中でぐちゃぐちゃしたままだ。
「ココで寝泊まりって、していいんですか?」
「……普通は許可は出来ないんですけど、今回に限っては寧ろお願いしたいです」
隔離された病室は、面会時間が決まっている。俺の時は病状もあって極めて限られた時間のみだったが、アーサンの現状は誰かが側に居た方が安心出来る。
ココの魔法医で俺とアーサンの関係性を知らない人間は居ない。
「(アーサンの寝袋借りるか)」
「病院でサポート出来る事はさせてくださいね」
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