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名高き君への献身
59:フルスロットルの茫然自失
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※サミュエル目線
気功の特訓を初めて一ヶ月半が経過していた。
週一で来るアーサンは毎度毎度絶品料理を振る舞うから、全員の胃袋を掴んで離さず、炊事係へのプレッシャーが半端ない。
「ふぅ……先生、調節上手く出来るようになったけど、まだ帰れない?」
「驚異的な学習能力だな。飲み込みが早い。一時的に帰宅してもいいが、調整はもう一段階残っておるのを忘れるな」
「はい」
俺に才能なんてものは何も無いと思っていたが、何処にでも可能性は転がってるもんだ。
気功法は俺の身体にガッチリハマっていて、循環もスムーズだ。
「サミュエル!!」
「兄弟子?」
兄弟子のキンジュが血相を変えて走り込みから帰って来た。
「どうしました?」
「落ち着いて、落ち着いて聞いてくれよ!」
「?」
「アーサンが倒れた!」
…………は?
「命に別状は無いけど、状態が最悪らしい! 早く帰れ! 迎えの特急馬車が来てる!」
「…………」
「サミュエル!」
「ぅ、あ、行く、今行く」
あまりに唐突な出来事で、頭が真っ白になって何も考えられなかった。
アーサンが? どうして?? 今日は大病院に行ってる日じゃないのか?
気が動転したまま、迎えの特急馬車に乗って街へと帰る事になった。
馬車には同乗していたマグナが居た。
「サミュエル!」
「マグナ、どう言う事だ! 説明しろ!」
「ひとまず、深呼吸して聞いてくれ……大分事態は深刻だ」
「そ、んな事……言われて、落ち着けるかよ」
「……アーサンの記憶に空白の期間がある事は知ってるよな?」
幼児の頃の記憶が無いって聞いていたが、それがなんだってんだ。
「知ってる……それがなんだ?」
「大病院の記憶障害の治療器具で……無理矢理記憶をこじ開けられて、酷いショック症状が出てる」
「具体的に言え! どんな事になってる!」
マグナが言い辛そうに口をモゴモゴとさせる。
やがて、言葉を慎重に選んで、口を開いた。
「誰の事も認識出来なくなって、短時間で自傷行為を繰り返している」
普段のアーサンからは想像も出来ない混乱っぷりに愕然としてしまう。自傷行為って……あの、アーサンが??
「何が、どうなってんだ」
「……言葉も、まともに発せないんだ。俺も、わからない」
対話さえ出来ない状況。
一体どんな記憶を持っていたと言うんだ。
「なんで……治療器具なんか」
「アーサンに対して過激な反抗心を持った輩が、アーサンの記憶についてのカウンセリングを盗み聞きして、治療器具で犯行に至ったらしい」
「…………なんでだよ……なんで、アイツが何したって言うんだよ」
「………………アーサンは若くして、魔法医の成功者になった。それを面白くないと思う連中は居る。それに……紋章無しへの差別意識の苛烈さを失念していた」
「!!?」
アーサンが襲われた要因には、俺との関係も含まれている。
「ふざけんなよマジで……!!」
「本当にな……ふざけている」
マグナも冷静を装っているが、眉間の皺はだいぶ深い。
特急馬車で、ドルフィン病院へと到着したのは空に星が出始めた頃だった。
マグナに案内されて、病院の奥にある隔離された病室に駆け込んだ。
『ガララ』
「アーサ──」
「ぎゃあああああああああああああ!」
「ッ!?」
「アーサン、落ち着いて! サミュエルさんだよ! 大好きなサミュエルさん!」
「くそ! 鎮静剤これ以上入れれないぞ!」
「…………」
ベッドに押さえ付けられるアーサンの絶叫が病室内に反響する。
頭を掻き毟ったのか、白髪に赤が散っている。振り乱す頭には何重もの包帯が見えた。
ギョロギョロと動き回る充血した蜂蜜色の目は、何処を見ようとしているのかわからない。
手足を振り乱して、必死に押さえ込む同僚達を、払い除けようとアーサンも必死だ。
そして、見た事ない勢いで、気が乱れている。
「サミュエルさぁん! 声かけてあげてくださぁい!」
「貴方の声なら聞くかも!」
「ッ!」
アーサンの心知ったる同僚達が俺へ声をかけてくれた。
気後れしながらも、暴れるアーサンの元へ歩み寄る。
「アーサン」
「ぐ、ぐぅうう」
「アーサン……ただいま」
「ぃ、いいい!」
俺の声に少し反応して、ギョロついていた目とパチリと視線が合った。
「アーサン、アーサン、大丈夫だから」
手を差し伸ばしたら、ギョッとした顔で乱暴に振り払われた。
「うああああ!」
『ガン!』
「ッ……」
アーサンに拒絶されて、思っている以上にショックを受けている自分がいた。
アーサンが自分をこんな風に拒むのは初めてだった。
弾かれた手が痛い。
「アーサン!? サミュエルさんだよ!?」
「サミュエルさんもわからなくなっちゃったの!?」
「あッコラ!」
マグナがアーサンの口に指を突っ込むとゴリっと嫌な音が聞こえた。
舌を噛もうとしたのを寸前で阻止した。
三人に押さえ込まれて、ベッドに拘束具で身動きを封じ込められていく。
『ガチャン!』
「……アーサン?」
「んんんんん! ぃいいいい!」
身を捻りながら、頭を振り乱すアーサンは……まるで別人のように見えた。
俺の知らない生き物みたいになってしまったアーサンを見て、俺は……どうしていいか、わからない。
「うぐぅうう! ああああああああ!」
『ガシャンガシャンガシャン』
拘束具を解こうとアーサンは涎を垂らしながら絶叫する。
「アーサン……大丈夫か?」
「はぁ! ぁ!!」
「……何が見える?」
「はっ、はっ、ううぎいい、うう、あば、ううううう!」
頭を振り乱して叫び続けるアーサンが何かを口にした。だが、それは言葉として成立していない。ただ、途中で音の無い口の動きで何を言ったかわかっただけだ。
「……王子、様?」
「ぁああああああああ!!」
俺の声に対して、獣のような絶叫が痛々しい慟哭へと変化していった。
その声に思わず、アーサンの頭を抱き込んでしまった。
「アーサン……アーサン、泣かないで」
「ぅわあああああ、あああああああ!」
魔法医達も、今のアーサンの現状には、お手上げ状態だった。
「本当に記憶が蘇っただけ?」
「脳自体には異常は見られない」
「じゃあ……どうして、こんな」
「……心因性だろうが……心の傷は、魔法では癒せない」
マグナも同僚達も頭を抱えて悩み込む中、俺はただアーサンを抱きしめて宥めるだけだった。
王子様って、どう言う意味だ?
この国の王子様と交流はあるが、昔の記憶によるものなら……アーサンは、何処かの王族と交流があったのか?
そもそも、アーサンの出身地がわからない。
「(……いや、待てよ……アーサンがあの奴隷商に売られたのは、奴隷商人が仕入れの為に少し遠出をして街に引き上げようと準備をしていた時だ)」
あの辺りで購入したならば、恐らく出身地も近い。
「(…………なんかドンチャン騒がしかった思い出があるけど、アーサンの記憶とも関係があるのか?)」
俺は遠い昔の記憶を探り、手がかりになりそうな事柄を拾い集める。
「サミュエル、睡眠薬を投与するから、そのまま抱えてろ」
「よしよし、大丈夫。大丈夫だから、少し眠ろうな」
「ぁあ、ぁあああ……」
投与された睡眠薬によって、すぐにトロトロと瞼が下がり、やがてアーサンはスヤリと眠りについた。
「サミュエルさん、今日は泊まっていってください」
「え? でも……ここ、面会時間決まってる部屋なんじゃ」
「アーサンの側に居てあげてください。お願いします」
「……わかりました。ありがとうございます」
アーサンの同僚達に頭を下げられて、俺は病室で過ごせる事になったのだった。
涙で濡れた頬と目元を拭って、血が付着している髪と指先も綺麗にしていく。
「…………こんなに傷付いても、気にならないぐらい、心の傷は大きくて痛いんだな」
…………アーサンが心の病になっちまった。
気功の特訓を初めて一ヶ月半が経過していた。
週一で来るアーサンは毎度毎度絶品料理を振る舞うから、全員の胃袋を掴んで離さず、炊事係へのプレッシャーが半端ない。
「ふぅ……先生、調節上手く出来るようになったけど、まだ帰れない?」
「驚異的な学習能力だな。飲み込みが早い。一時的に帰宅してもいいが、調整はもう一段階残っておるのを忘れるな」
「はい」
俺に才能なんてものは何も無いと思っていたが、何処にでも可能性は転がってるもんだ。
気功法は俺の身体にガッチリハマっていて、循環もスムーズだ。
「サミュエル!!」
「兄弟子?」
兄弟子のキンジュが血相を変えて走り込みから帰って来た。
「どうしました?」
「落ち着いて、落ち着いて聞いてくれよ!」
「?」
「アーサンが倒れた!」
…………は?
「命に別状は無いけど、状態が最悪らしい! 早く帰れ! 迎えの特急馬車が来てる!」
「…………」
「サミュエル!」
「ぅ、あ、行く、今行く」
あまりに唐突な出来事で、頭が真っ白になって何も考えられなかった。
アーサンが? どうして?? 今日は大病院に行ってる日じゃないのか?
気が動転したまま、迎えの特急馬車に乗って街へと帰る事になった。
馬車には同乗していたマグナが居た。
「サミュエル!」
「マグナ、どう言う事だ! 説明しろ!」
「ひとまず、深呼吸して聞いてくれ……大分事態は深刻だ」
「そ、んな事……言われて、落ち着けるかよ」
「……アーサンの記憶に空白の期間がある事は知ってるよな?」
幼児の頃の記憶が無いって聞いていたが、それがなんだってんだ。
「知ってる……それがなんだ?」
「大病院の記憶障害の治療器具で……無理矢理記憶をこじ開けられて、酷いショック症状が出てる」
「具体的に言え! どんな事になってる!」
マグナが言い辛そうに口をモゴモゴとさせる。
やがて、言葉を慎重に選んで、口を開いた。
「誰の事も認識出来なくなって、短時間で自傷行為を繰り返している」
普段のアーサンからは想像も出来ない混乱っぷりに愕然としてしまう。自傷行為って……あの、アーサンが??
「何が、どうなってんだ」
「……言葉も、まともに発せないんだ。俺も、わからない」
対話さえ出来ない状況。
一体どんな記憶を持っていたと言うんだ。
「なんで……治療器具なんか」
「アーサンに対して過激な反抗心を持った輩が、アーサンの記憶についてのカウンセリングを盗み聞きして、治療器具で犯行に至ったらしい」
「…………なんでだよ……なんで、アイツが何したって言うんだよ」
「………………アーサンは若くして、魔法医の成功者になった。それを面白くないと思う連中は居る。それに……紋章無しへの差別意識の苛烈さを失念していた」
「!!?」
アーサンが襲われた要因には、俺との関係も含まれている。
「ふざけんなよマジで……!!」
「本当にな……ふざけている」
マグナも冷静を装っているが、眉間の皺はだいぶ深い。
特急馬車で、ドルフィン病院へと到着したのは空に星が出始めた頃だった。
マグナに案内されて、病院の奥にある隔離された病室に駆け込んだ。
『ガララ』
「アーサ──」
「ぎゃあああああああああああああ!」
「ッ!?」
「アーサン、落ち着いて! サミュエルさんだよ! 大好きなサミュエルさん!」
「くそ! 鎮静剤これ以上入れれないぞ!」
「…………」
ベッドに押さえ付けられるアーサンの絶叫が病室内に反響する。
頭を掻き毟ったのか、白髪に赤が散っている。振り乱す頭には何重もの包帯が見えた。
ギョロギョロと動き回る充血した蜂蜜色の目は、何処を見ようとしているのかわからない。
手足を振り乱して、必死に押さえ込む同僚達を、払い除けようとアーサンも必死だ。
そして、見た事ない勢いで、気が乱れている。
「サミュエルさぁん! 声かけてあげてくださぁい!」
「貴方の声なら聞くかも!」
「ッ!」
アーサンの心知ったる同僚達が俺へ声をかけてくれた。
気後れしながらも、暴れるアーサンの元へ歩み寄る。
「アーサン」
「ぐ、ぐぅうう」
「アーサン……ただいま」
「ぃ、いいい!」
俺の声に少し反応して、ギョロついていた目とパチリと視線が合った。
「アーサン、アーサン、大丈夫だから」
手を差し伸ばしたら、ギョッとした顔で乱暴に振り払われた。
「うああああ!」
『ガン!』
「ッ……」
アーサンに拒絶されて、思っている以上にショックを受けている自分がいた。
アーサンが自分をこんな風に拒むのは初めてだった。
弾かれた手が痛い。
「アーサン!? サミュエルさんだよ!?」
「サミュエルさんもわからなくなっちゃったの!?」
「あッコラ!」
マグナがアーサンの口に指を突っ込むとゴリっと嫌な音が聞こえた。
舌を噛もうとしたのを寸前で阻止した。
三人に押さえ込まれて、ベッドに拘束具で身動きを封じ込められていく。
『ガチャン!』
「……アーサン?」
「んんんんん! ぃいいいい!」
身を捻りながら、頭を振り乱すアーサンは……まるで別人のように見えた。
俺の知らない生き物みたいになってしまったアーサンを見て、俺は……どうしていいか、わからない。
「うぐぅうう! ああああああああ!」
『ガシャンガシャンガシャン』
拘束具を解こうとアーサンは涎を垂らしながら絶叫する。
「アーサン……大丈夫か?」
「はぁ! ぁ!!」
「……何が見える?」
「はっ、はっ、ううぎいい、うう、あば、ううううう!」
頭を振り乱して叫び続けるアーサンが何かを口にした。だが、それは言葉として成立していない。ただ、途中で音の無い口の動きで何を言ったかわかっただけだ。
「……王子、様?」
「ぁああああああああ!!」
俺の声に対して、獣のような絶叫が痛々しい慟哭へと変化していった。
その声に思わず、アーサンの頭を抱き込んでしまった。
「アーサン……アーサン、泣かないで」
「ぅわあああああ、あああああああ!」
魔法医達も、今のアーサンの現状には、お手上げ状態だった。
「本当に記憶が蘇っただけ?」
「脳自体には異常は見られない」
「じゃあ……どうして、こんな」
「……心因性だろうが……心の傷は、魔法では癒せない」
マグナも同僚達も頭を抱えて悩み込む中、俺はただアーサンを抱きしめて宥めるだけだった。
王子様って、どう言う意味だ?
この国の王子様と交流はあるが、昔の記憶によるものなら……アーサンは、何処かの王族と交流があったのか?
そもそも、アーサンの出身地がわからない。
「(……いや、待てよ……アーサンがあの奴隷商に売られたのは、奴隷商人が仕入れの為に少し遠出をして街に引き上げようと準備をしていた時だ)」
あの辺りで購入したならば、恐らく出身地も近い。
「(…………なんかドンチャン騒がしかった思い出があるけど、アーサンの記憶とも関係があるのか?)」
俺は遠い昔の記憶を探り、手がかりになりそうな事柄を拾い集める。
「サミュエル、睡眠薬を投与するから、そのまま抱えてろ」
「よしよし、大丈夫。大丈夫だから、少し眠ろうな」
「ぁあ、ぁあああ……」
投与された睡眠薬によって、すぐにトロトロと瞼が下がり、やがてアーサンはスヤリと眠りについた。
「サミュエルさん、今日は泊まっていってください」
「え? でも……ここ、面会時間決まってる部屋なんじゃ」
「アーサンの側に居てあげてください。お願いします」
「……わかりました。ありがとうございます」
アーサンの同僚達に頭を下げられて、俺は病室で過ごせる事になったのだった。
涙で濡れた頬と目元を拭って、血が付着している髪と指先も綺麗にしていく。
「…………こんなに傷付いても、気にならないぐらい、心の傷は大きくて痛いんだな」
…………アーサンが心の病になっちまった。
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