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名高き君への献身
58:忘却のリメンバー
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「(あーあ……出張が無ければ、もっとしっかりサミュエルの様子見に通えるのに)」
サミュエルの気功特訓が始まって一ヶ月半が経過した現在……私は出張で、ガレー・ゼ・ルーラ大病院に来ている。
長距離移動を転移魔法で一瞬で移動させてもらった。転移魔法の交通費は馬鹿にならないが、向こうの経費で落として貰うからいいけど、なんか悪い気がする。
私が何故、大病院に来てるかと言うと、魔石が脳梁に再形成される事に関して解明が進んだので、出来るだけ多くの魔力障害科医の方々と意見交換がしたいとジャナル医院長に相談したら、大病院でそういう場をセッティングされてしまった。
しかも、セニア先生もいらっしゃるらしい。
ガレー・ゼ・ルーラ大病院は、世界一の規模を誇る巨大総合病院。
故に会議室までの、道のりが……遠い!
受付を済ませて、フークイ医院長にご挨拶をしてから、会議室へ看護師に案内されるが、すごい道のりだった。
もう帰り道わかんない。迷子になる。
「アーサン先生」
「あ、セニア先生ご無沙汰しております」
「こんにちは。彼はもう全快?」
「お陰様で。気功を習える程には」
「そうか。良かった」
端的な挨拶を済ませて、会議室に入ってプレゼンの準備をする。
パワポなんてないから、資料のめくり芸だ。
時刻前に大病院に所属していた魔力障害科医が会議室に集まり始めた。
一人一人と挨拶をしながら、堅苦し過ぎない程度の空気感を作る。
私よりずっと優秀な方々だ。
魔力欠落体質者による特発性脳梁魔石結晶性関節症に置いて、脳梁に魔石が再生成される原因についての資料を見てもらう。
マウス実験を主にした魔力の流れ方についての図と人間の魔力がどのように巡っているか照らし合わせると、ほぼ同じ魔力回路である。様々な動物とも類似性が見られた。
しかし、魔物の魔力の巡り方は、人間のものとは全く違うものである。生きた魔物を研究している魔物専門の生物学者の意見と提供資料を交えて、皆の意見を貰う。
「こんなに違うんですね」
「例外は居るが、魔力は全生物共通で持っている。しかし、魔石が発生しているのは魔物と呼ばれている魔法を扱う生物のみ」
「その魔物には魔物の魔力回路が存在してます。そして、主に魔石を保有する部位もほぼ同じです」
「……心臓ですか」
魔物の魔石は主に胸の当たり。心臓部付近に存在する。
「…………なるほど」
「あー……そうですよね」
説明する前に察し始めてる先生方。
まぁ、魔力障害科医ならハッとする内容だ。
「魔力は血液と同じです。魔力を巡らせ、送り出す心臓部が存在するのです」
「魔物は胸部、その他の生物は頭部に魔力の心臓があると?」
「その理論だと、患者だけではなく我々の頭部にも魔石が出来るのでは?」
「そこなんですが……次の資料を見てください」
魔物に魔石が出来て、人間や他の動物に出来ない理由は魔力回路にもう一つ違いがあるからだ。
「……身体への巡り方が異なるのか」
「魔物は心臓部を中心に魔力回路が多いのに、末端は少ないですね」
「マウスや人間は一定の魔力回路が血管のようにぐるりと回っている……ほぉ」
「魔石の生成は魔力密度に比例してるように見える」
「いや、魔力を行き渡らせる為に生成されるのか?」
「魔石結晶性以外で人体に魔石が確認されないわけだ」
魔石を食べる文化圏の者達の中でも、魔石結晶性関節症を発症する成人の報告はされていない。記録にあるのは、前例の二件だけだ。その二件も、病になる程の魔力量であったとしても、関節以外に魔石は発生していなかったと死亡解剖で報告されている。
「先程出た、滞った魔力を行き渡らせる為に魔石が生成されるのではないかと言う意見ですが、重要なポイントだと思います」
そもそも魔道具で使用される魔石は、大気中の魔力を取り込んで溜めておく物ではなく、魔道具に魔力を巡らせる役割を担っている。
「魔石を摂取した者に一定量の魔力が無い場合。摂取した魔石が消化、小腸で吸収された後、空の魔力回路を巡り、心臓部の脳の中心、脳梁に再生成されてしまう。極めて稀な症例ですが、紋章の無い魔力欠落体質者に対して魔石を食べさせる民間療法がある以上、特発性脳梁魔石結晶性関節症を患う方は確実に存在しています」
悲しい事に、この病気を根絶するには紋章無しに対する意識改革が必要となる。
「人の手で起こり得る、じわじわと死に至る病。発症患者のデッサンを見ていただければ、深刻性は伝わると思います」
「…………あの、アーサン先生」
「はい」
「このデッサンはアーサン先生が?」
「はい。私が描かせていただきました」
少しざわついたのは、全員がデッサンの被写体の患者が私の夫だと知っているからだ。
目を背けたくなる程の痛々しい姿をこれでもかと繊細に描いた物に複雑な表情を浮かべる先生達。
「はぁぁ……難易度は高いが、治療法はアーサン先生によりほぼ確立された。しかし、病の原因が差別意識とは……問題が大き過ぎる」
「魔力欠落の障害を無くしたい気持ちはわからなくも無いですが、最早個性としか言いようがない体質です」
「ぁぁぁぁ……別ベクトルの難病ですよコレ」
魔力障害科の領域を越えて、地域に根ざしてしまった差別意識の改革という社会問題に踏み込む根幹治療が必要である。
方法として様々な意見が出て来たが、コレは各々持ち帰って他の分野の先生とも話し合わなければならない問題である。
有意義な時間であった。
もし、地域の差別問題をどうにか出来れば、病の根絶は可能だ。あの長ったらしい病名も言わずに済む。
「アーサン先生」
「ああ、モルガン先生」
会議室を出た後、魔力障害科医のモルガン先生が声を掛けてくれた。同い年ぐらいで、絵に描いたように典型的な好青年の風貌だ。
「お疲れ様でした。お帰りの前に、よろしければ病院内を見学されていきませんか?」
「いいんですか?」
「フークイ医院長から、是非にと」
「ありがたいです。最新技術の震源を見れるなんて」
嬉しいと思えるあたり、私も医者になったものだ。
そして、改めて……最新技術の医療魔道具を編み出しているガレー・ゼ・ルーラ大病院は、とんでもねぇ場所だった。
病院内には、数多くの最新の医療魔道具が動いている。魔法による手術を行う機器や高度な生命維持装置の魔導具もあると言うのだから驚きだ。
「アレは?」
「ああ、アレは事故やストレスで記憶障害を起こされた患者の記憶を正常に再生する機械です」
「へぇ……! そんな事が出来るんですね」
VRゴーグルのような形の機械は記憶に携わる医療具だと言う。
「逆に、精神ストレスの原因となる記憶を抑え込む事も出来ます。一時的に記憶喪失になってしまうのでまだまだ改良の余地がありますが、退役軍人や戦争孤児には効果覿面です」
そういえば、私はこの世界で生まれてから奴隷になるまでの記憶が無いんだよね。
いや、思い出さなくても別に困らないけど……ちょっと気になるじゃん。
「アーサン先生?」
「……あのぉ、実は──」
私の記憶の欠落について話したところ、モルガン先生は驚きつつもカウンセリングを経てからなら、と提案してくれた。
「いつから記憶が無いかわかります?」
「産まれてから、凡そ……六年ぐらい? 何一つ覚えて無くて」
「住んでいた土地も、親の事も、周囲の事も、自分の事も……全般性健忘の症状ですね」
解離性健忘症の一種である全般性健忘は自分の経験や世界の事も情報全てを失った状態。
もしかしたら、極度のストレス状態にあったのかもしれないと言われた。
奴隷商に売られたのは確実なんだし、嫌な記憶であってもおかしくない。
「もし、ストレスによる全般性健忘の場合、あまり記憶の再生はおすすめ出来ません。受け止めきれずに、脳が封じている事柄ですので……強いショックで、精神に異常をきたしてしまうかもしれません」
「……そうですか」
最もな診断だ。
気になってはいるが、好奇心は猫を殺す。今が幸せなんだから、辛い記憶をわざわざ思い出す必要性は何一つ無い。
この生活を壊す程の価値は無いだろう。
気になるけど、めちゃくちゃ気になるけど……!!
「我慢します」
「経過観察ですね」
結局、VRゴーグルは使う事なく、モルガン先生の案内は滞りなく終えられた。
「ありがとうございました。大変勉強になりました」
「こちらこそ、為になるお話と今後の課題も見えました。お互いにこれからも頑張りましょう」
「はい」
モルガン先生に見送られて、受付で退去のサインをしている最中に、私の視界が何かに覆われた。
『ガン!』
「きゃあ!」
「ぇ、なに!?」
「紋無しの肩担ぎめ!!」
理不尽な怒声を浴びせられながら、私は強制的に記憶の再生をされた。
サミュエルの気功特訓が始まって一ヶ月半が経過した現在……私は出張で、ガレー・ゼ・ルーラ大病院に来ている。
長距離移動を転移魔法で一瞬で移動させてもらった。転移魔法の交通費は馬鹿にならないが、向こうの経費で落として貰うからいいけど、なんか悪い気がする。
私が何故、大病院に来てるかと言うと、魔石が脳梁に再形成される事に関して解明が進んだので、出来るだけ多くの魔力障害科医の方々と意見交換がしたいとジャナル医院長に相談したら、大病院でそういう場をセッティングされてしまった。
しかも、セニア先生もいらっしゃるらしい。
ガレー・ゼ・ルーラ大病院は、世界一の規模を誇る巨大総合病院。
故に会議室までの、道のりが……遠い!
受付を済ませて、フークイ医院長にご挨拶をしてから、会議室へ看護師に案内されるが、すごい道のりだった。
もう帰り道わかんない。迷子になる。
「アーサン先生」
「あ、セニア先生ご無沙汰しております」
「こんにちは。彼はもう全快?」
「お陰様で。気功を習える程には」
「そうか。良かった」
端的な挨拶を済ませて、会議室に入ってプレゼンの準備をする。
パワポなんてないから、資料のめくり芸だ。
時刻前に大病院に所属していた魔力障害科医が会議室に集まり始めた。
一人一人と挨拶をしながら、堅苦し過ぎない程度の空気感を作る。
私よりずっと優秀な方々だ。
魔力欠落体質者による特発性脳梁魔石結晶性関節症に置いて、脳梁に魔石が再生成される原因についての資料を見てもらう。
マウス実験を主にした魔力の流れ方についての図と人間の魔力がどのように巡っているか照らし合わせると、ほぼ同じ魔力回路である。様々な動物とも類似性が見られた。
しかし、魔物の魔力の巡り方は、人間のものとは全く違うものである。生きた魔物を研究している魔物専門の生物学者の意見と提供資料を交えて、皆の意見を貰う。
「こんなに違うんですね」
「例外は居るが、魔力は全生物共通で持っている。しかし、魔石が発生しているのは魔物と呼ばれている魔法を扱う生物のみ」
「その魔物には魔物の魔力回路が存在してます。そして、主に魔石を保有する部位もほぼ同じです」
「……心臓ですか」
魔物の魔石は主に胸の当たり。心臓部付近に存在する。
「…………なるほど」
「あー……そうですよね」
説明する前に察し始めてる先生方。
まぁ、魔力障害科医ならハッとする内容だ。
「魔力は血液と同じです。魔力を巡らせ、送り出す心臓部が存在するのです」
「魔物は胸部、その他の生物は頭部に魔力の心臓があると?」
「その理論だと、患者だけではなく我々の頭部にも魔石が出来るのでは?」
「そこなんですが……次の資料を見てください」
魔物に魔石が出来て、人間や他の動物に出来ない理由は魔力回路にもう一つ違いがあるからだ。
「……身体への巡り方が異なるのか」
「魔物は心臓部を中心に魔力回路が多いのに、末端は少ないですね」
「マウスや人間は一定の魔力回路が血管のようにぐるりと回っている……ほぉ」
「魔石の生成は魔力密度に比例してるように見える」
「いや、魔力を行き渡らせる為に生成されるのか?」
「魔石結晶性以外で人体に魔石が確認されないわけだ」
魔石を食べる文化圏の者達の中でも、魔石結晶性関節症を発症する成人の報告はされていない。記録にあるのは、前例の二件だけだ。その二件も、病になる程の魔力量であったとしても、関節以外に魔石は発生していなかったと死亡解剖で報告されている。
「先程出た、滞った魔力を行き渡らせる為に魔石が生成されるのではないかと言う意見ですが、重要なポイントだと思います」
そもそも魔道具で使用される魔石は、大気中の魔力を取り込んで溜めておく物ではなく、魔道具に魔力を巡らせる役割を担っている。
「魔石を摂取した者に一定量の魔力が無い場合。摂取した魔石が消化、小腸で吸収された後、空の魔力回路を巡り、心臓部の脳の中心、脳梁に再生成されてしまう。極めて稀な症例ですが、紋章の無い魔力欠落体質者に対して魔石を食べさせる民間療法がある以上、特発性脳梁魔石結晶性関節症を患う方は確実に存在しています」
悲しい事に、この病気を根絶するには紋章無しに対する意識改革が必要となる。
「人の手で起こり得る、じわじわと死に至る病。発症患者のデッサンを見ていただければ、深刻性は伝わると思います」
「…………あの、アーサン先生」
「はい」
「このデッサンはアーサン先生が?」
「はい。私が描かせていただきました」
少しざわついたのは、全員がデッサンの被写体の患者が私の夫だと知っているからだ。
目を背けたくなる程の痛々しい姿をこれでもかと繊細に描いた物に複雑な表情を浮かべる先生達。
「はぁぁ……難易度は高いが、治療法はアーサン先生によりほぼ確立された。しかし、病の原因が差別意識とは……問題が大き過ぎる」
「魔力欠落の障害を無くしたい気持ちはわからなくも無いですが、最早個性としか言いようがない体質です」
「ぁぁぁぁ……別ベクトルの難病ですよコレ」
魔力障害科の領域を越えて、地域に根ざしてしまった差別意識の改革という社会問題に踏み込む根幹治療が必要である。
方法として様々な意見が出て来たが、コレは各々持ち帰って他の分野の先生とも話し合わなければならない問題である。
有意義な時間であった。
もし、地域の差別問題をどうにか出来れば、病の根絶は可能だ。あの長ったらしい病名も言わずに済む。
「アーサン先生」
「ああ、モルガン先生」
会議室を出た後、魔力障害科医のモルガン先生が声を掛けてくれた。同い年ぐらいで、絵に描いたように典型的な好青年の風貌だ。
「お疲れ様でした。お帰りの前に、よろしければ病院内を見学されていきませんか?」
「いいんですか?」
「フークイ医院長から、是非にと」
「ありがたいです。最新技術の震源を見れるなんて」
嬉しいと思えるあたり、私も医者になったものだ。
そして、改めて……最新技術の医療魔道具を編み出しているガレー・ゼ・ルーラ大病院は、とんでもねぇ場所だった。
病院内には、数多くの最新の医療魔道具が動いている。魔法による手術を行う機器や高度な生命維持装置の魔導具もあると言うのだから驚きだ。
「アレは?」
「ああ、アレは事故やストレスで記憶障害を起こされた患者の記憶を正常に再生する機械です」
「へぇ……! そんな事が出来るんですね」
VRゴーグルのような形の機械は記憶に携わる医療具だと言う。
「逆に、精神ストレスの原因となる記憶を抑え込む事も出来ます。一時的に記憶喪失になってしまうのでまだまだ改良の余地がありますが、退役軍人や戦争孤児には効果覿面です」
そういえば、私はこの世界で生まれてから奴隷になるまでの記憶が無いんだよね。
いや、思い出さなくても別に困らないけど……ちょっと気になるじゃん。
「アーサン先生?」
「……あのぉ、実は──」
私の記憶の欠落について話したところ、モルガン先生は驚きつつもカウンセリングを経てからなら、と提案してくれた。
「いつから記憶が無いかわかります?」
「産まれてから、凡そ……六年ぐらい? 何一つ覚えて無くて」
「住んでいた土地も、親の事も、周囲の事も、自分の事も……全般性健忘の症状ですね」
解離性健忘症の一種である全般性健忘は自分の経験や世界の事も情報全てを失った状態。
もしかしたら、極度のストレス状態にあったのかもしれないと言われた。
奴隷商に売られたのは確実なんだし、嫌な記憶であってもおかしくない。
「もし、ストレスによる全般性健忘の場合、あまり記憶の再生はおすすめ出来ません。受け止めきれずに、脳が封じている事柄ですので……強いショックで、精神に異常をきたしてしまうかもしれません」
「……そうですか」
最もな診断だ。
気になってはいるが、好奇心は猫を殺す。今が幸せなんだから、辛い記憶をわざわざ思い出す必要性は何一つ無い。
この生活を壊す程の価値は無いだろう。
気になるけど、めちゃくちゃ気になるけど……!!
「我慢します」
「経過観察ですね」
結局、VRゴーグルは使う事なく、モルガン先生の案内は滞りなく終えられた。
「ありがとうございました。大変勉強になりました」
「こちらこそ、為になるお話と今後の課題も見えました。お互いにこれからも頑張りましょう」
「はい」
モルガン先生に見送られて、受付で退去のサインをしている最中に、私の視界が何かに覆われた。
『ガン!』
「きゃあ!」
「ぇ、なに!?」
「紋無しの肩担ぎめ!!」
理不尽な怒声を浴びせられながら、私は強制的に記憶の再生をされた。
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