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52:ハイテンションの愛好者【R18版】

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※サミュエル目線

 俺に盛られた媚薬の効果はとっくに切れてるはずなのに、疼いて疼いて仕方ない。
 満たされているのに、もっと欲しがってしまう。
 
「ゼェ……ハァ……ごめ、ん。ちょっと……タイム」
「アーサン?」

 動いていてくれたアーサンの体力が尽きた。俺が動けば良いと思ったけど、その余裕さえ無い程にアーサンは疲労困憊の様子。

「ごめん……ハァ、ああーー……情け無い」
「(……可愛い)」
「さみゅえる、んっ……コレ、使う?」
「……張型?」
「疼いてるなら、発散しないと辛いでしょ……ゼェ……ハァ……十五分だけ、コレ使う?」

 何処から出したのか、男性器を模した張型。アイツらが使っていた物よりデカいし、アーサンが持ってる分、余計卑猥物に見える。

「すげえ癪だけど、ハァ、コレ使ってる君も見たいっちゃあ見た、い、ゼェ」
「……変態……それじゃ、興奮して休めないだろ」
「ぅ……」
「…………風呂場でしてくる。ちゃんと出て来るまで休んどけよ」

 張型を奪うように手に持ち、浴室へと入る。シャワーで汗を流し、腿を伝うアーサンの白濁に、強い疼きが治らない。
 アーサンが、俺でこんなに興奮してくれてるのかと思うと……嬉しい。

「ん……っ」
『クプ』

 タイルの上に座って濡らした張型を、股にゆっくり押し進めていって、根元まで飲み込んだ。
 その張型はアーサンのより一回り小さくて、物足りなさを感じるけど、コレはこれで感じられる。
 アーサンのじゃないのに、俺の中は喜んでる。
 俺って……本当に淫乱なんだな。

『クプクプ』
「んん、ふっ……ぁ、ぐ」

 アーサンがすぐ側に居るのに……俺は、自分のマンコに異物突っ込んでオナニーしてる。その状況に興奮している自分に呆れてしまう。

「(男に戻ったら、マンコ無くなるのに、こんな快感知っちまって、大丈夫なのか?)」

 仮初の体にのめり込んでいる危うさに、俺は不安を募らせる。
 男に戻ったとして……アーサンが女の俺を恋しがるかも……そんなの嫌だ。耐えられない。
 アーサンとのセックスは男に戻っても最高だろうけど、アーサンの気持ちはわからない。
 どんな俺でも好きでいてくれるけど、好きの熱量に偏りが生まれる可能性だってある。
 アーサンの愛は揺らがないのに、男女の身体の相性だけは、同一人物でも差が出るだろうし……あ……あぁ! 俺は俺なのに俺じゃない俺を好きになるアーサンの妄想してる俺が既に、もう訳分かんねぇ! 頭ん中ぐちゃぐちゃで、もう思考が纏まらない!

「ぅ、んんん! あぁ、さん」

 セックスが無くても、アーサンは昔っからずっと俺を大事にしてくれた。愛してくれた。こんな一夜はただのサプライズイベントだ。深く考えるな。
 もう今は、この疼きを和らげる事だけ考えよう。

「(手……疲れるし……イイトコロ、ブレる)」

 アーサンがくれる刺激より大分軽いから、達するまで時間がかかりそう。焦ったい。

『ムニ』
「!」

 張型の底に、イカの吸盤みたいなのが着いてた。

「…………アーサン、底になんかついてるー」
「ああ……それ床や壁にくっつけて固定出来るヤツー」

 浴室外からアーサンの返答があって、そういう機能もあるのかと納得した。
 ココでは海産物からいろいろな発明が生まれているらしいが、これもそうなんだろうな。

「…………」
『キュプ』

 位置を調節して、壁にくっつけてみた。
 すごく卑猥だが、コレなら……

『クチュ……グプン!』
「んあ!」

 腰を突き出して、一気に奥まで受け入れる。安定した角度と自分の格好に、一気に興奮が昂る。

『グプ! ジュプ、クプ』
「あっあ、これ、やば」
『ズリュ、パチュン』
「んん、んあッ」

 張型に腰を激しく打ち付けて動いていると、アーサンに後ろから突かれる妄想が浮かぶ。

「好き……好き、アーサン! 愛してる」
『ジュプッ、ゴチュ、パチュ』
「イく、イくイく……!」
『プシャア』


 妄想のアーサンに好きだと愛を囁きながら、壁と張型を潮で派手に濡らした。
 ジョボジョボと粗相のように浴室のタイルを弾く俺の潮。

「はぁっ、はぁ……やっべぇ」

 大興奮しすぎて危うく転ける所だった。
いやでも、興奮したのは俺だけじゃないはず。あんだけ声出したんだ。アーサンだって興奮したはず。そのはずなのに、今は全くベッド側から音沙汰が無い。
 もしかして……寝た??
 ッ、今のままほっとかれたら不味い! 
 シャワーで全身を流してから急ぎ足で浴室を出る。全裸のままベッドの方へ足を踏み入れた時、俺は自分の目を疑った。

「…………おい」
「……だってそういう部屋だもん」

 ベッドから見た浴室が、ガラス張りのようになって中が全部丸見えとなっていた。

「さっきの……全部……」
「うん。見てた」

 壁に尻突き出して、自分で腰振って、アーサンに抱かれてる妄想しながら、潮を壁に打ち付けて、余韻で大量に潮を漏らしてる姿も全部??

「…………俺、ド変態じゃねえかよ」
「ド変態はお互い様だけど、ド変態として、私が格の違いを見せてあげよう」

 意味のわからない張り合いをしてきたアーサンが、全身茹った俺の手を取ってクローゼットへ招いた。

「(お互い全裸で部屋の中動くのって……馬鹿みたいだ)」
「新婚さん向けに、ラブシチュエーションに特化してる部屋だからね」
『キィ……』
「!?」

 クローゼットの中には男女問わずに……すごい、服が…………うわぁ……娼館のポスターでしか見た事ないようなエグいのも複数。

「あんな姿見せられたら、私はもう自分を抑えられないよ」
「ぇ」
「男のサミュエルに着せたかったけど、今の君にも着て欲しい!」
『ババババ!』
「ぉ、落ち着けアーサン。それ、を……俺に?」

 アーサンが取り揃える衣服に絶句する俺。男の俺に着せる気だったと言っていたが……どう見てもほぼ女物だ。

「レディースデザインを女性の君が着てもあんまり旨味がないって思ってたけど、さっきの様子を見るに、中身が男なら……精神女装の羞恥が成り立つ」
「何言ってんだアーサン」
「夜明けまでセックスファッションショーだサミュエル」
「ちょ、ちょっ、と……待っ! ぎゃあ!」

 煽りに煽りまくった結果、アーサンの性癖を爆発させてしまった。
 今まで紳士的に接してくれていたアーサン。こんな度し難い欲望を押さえ込んで、俺を尊重して触れてきていたのか。

「あぁしゃ、すごぃ……はげしぃ!」
「バニースーツを見つけたら、お尻の尻尾と耳を揺らしちゃう君を想像して……もう……もう、君を抱きたくて抱きたくて、堪らなくなった」
「あぅ! あっ、あっ!」

 バニースーツの股座の布をズラして、アーサンの猛りが突き立てられる。

「可愛いよサミュエル……ああ、男の君にも早く着せたい」
「おと、こ、で……コレは、ぁあ! キツい」
「サイズはあるから大丈夫」

 そういう意味じゃない。
 バニースーツを着た男の自分を想像出来ない。絶対、見るに堪えない。

『クチュン、ズリュ、グプ』
「イく、イくぅ……ん、んんんん!」
「はぁ……小刻みに尻尾揺れてる……エロ可愛いぃ」

 特殊な服を着せられて、アーサンに愛でまくられる。
 
「看護師の服まであるの? 最早、私の為にあるよね? ナースキャップもつけて」
『ズチュン!』
「うぁ! あ、あぅ!!」

 アーサンに突かれながら、女物の服と下着を着せられて、俺はもう訳が分からなくなった。
 看護師の服はダメだろ。ディテールが若干違うけど、アーサンの職場の服だぞ。

「童貞を殺す服だ」
「どう、ころ……は?」
「ドチャクソスケベだけど、脱がし方わからない服」
「…………」

 言語が通じなくなってきた。偶にこういう事はあったが、アーサンの謎言語が連続でどんどん出てくるのは初めてだ。

「一息入れようね。よしよし」
「んぅ、んっ、んん……やぁ、動いてアーサン」
「はしゃぎすぎて無理させてる自覚はあるから……明日の為にも、ちゃんと休憩時間挟もうね」
「ぉ、奥、ずっと押し上げて、るの、ヤバい、からぁ……」

 裸エプロンで背後から抱かれて、休憩を入れられても、こっちは何一つ休まらない。焦ったい甘イきを連続的に繰り返させられる。
 大分慣れてきたのか、早漏だったアーサンは遅漏一歩手前までの耐久を手に入れていた。
 俺ばっかりイってる。悔しいけど、アーサンに与えられる快感は特別だから仕方ない。

『ドチュ、ドチュ!』
「イく、イくイく、またイっちゃうから!」
「私も、イくから! 一緒に……っ!」
『ビュク、ビュルル!』
「んんぁあ!!」
『プシュン!』

 潮を吹きながら腰がガクガクと跳ねるのを止められず、アーサンに卑猥な姿をずっと見せつけてしまっている。
 これ以上はもう無理だ。体力的にも、精力的にも無理すぎる。

「はぁ、もぅむい……」
「!」

 ガクンと身体が崩れた所でアーサンの動きが止まった。
 
「そろそろお開きにしようか」
「ふぇ?」
「空が明るくなってきたし……お互いに、もう十分良い夜になったから」
「……ん」

 アーサンが濡れタオルで俺の身体を丁寧に清めてくれた。なんだか入院してた頃を思い出す。

「…………よく、一緒に寝てて俺に手ぇ出さなかったな。こんな性欲強いのに」
「勃起はめちゃくちゃしてたけど……婚前交渉は、不誠実な気がして……めちゃくちゃ我慢した」
「やっぱり、アーサンは優しいな」

 七割俺の所為でぐしょ濡れになったシーツを替えながら、飲み物を渡してきた。

「こんだけ派手にイかせたのに、そう言ってくれる?」
「変態と優しいは両立出来るんだな」
「変態という名の紳士……ふふ」

 満足気に笑って、俺にキスをするアーサン。顔が良い。好きだ。

「アーサン……俺が男に戻ったらもう一回抱いて欲しい」
「え? うん。女の時より激しくなると思うから覚悟しといて」
「は? ぇ、え? なんで?」
「私はどんなサミュエルも好きだけど、やっぱり男のサミュエルは今より体積が多いから嬉しい」
「ど、独特な喜び方だな」

 一グラムでも、俺がこの世に多い方が良いから、男の身体の方が良いって?

「(……相性云々で不安になった俺が馬鹿みたいだ)」
「おやすみ、私のサミュエル」
「……おやすみ」
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