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16:恥知らずのマニッシュ【R18版】
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のびのび自由に生活して、いつの間にか私達が再会して三年の月日が経っていた。
十五歳となり、立派な男へとお互い成長していた……のだが。
「…………」
「…………」
「……なぁ、エナジードリンク」
「黙れ」
「そろそろ名前付けてくれよ。あと三年で成人なのに」
「ふん」
彼が未だに自分で名乗らない。
この三年で街の環境は大分良い方へ変わったが、彼はますます人との関わりを断つようになってしまった。教会にも来ず、家でバター作りや家事などの仕事をやってくれている。短時間だが早朝に外仕事へ出てもいるが、それは人と顔を合わせない仕事内容だ。
料理も少し出来るようになってきたけど、憂いばかりが増えていく。
「成人したら一人暮らししたいだろ? 早起きも出来て家事もこなせるなら、問題ないだろうけど……人とはちゃんと付き合っていかないと」
「俺は別に一人暮らしじゃなくてもいい」
「……うーん」
「お前が困るのか? まさか……恋人でも出来た?」
「いや、恋人とか居ないけど……ぶっちゃけ君が居なくなるのは寂しいし辛い。けど、お互い男だし……不都合な事が今後増えるだろ」
早朝の仕事で彼は私を置いて出て行くからあまり知らないだろうが、私は起床時……三年前から向き合っている事柄がある。
「不都合ってなんだ?」
「…………わかるだろ。男なら」
「わからねえよ」
「………………あーーもう……勃起だよ。勃起」
「なんだそんな事か」
そうだ。普通の生理現象だ。だが、それは“男にとっての”生理現象であり、精神的にまだ女性の部分が多い私にとって勃起はびっくり現象なんだ。自分の股間にぶら下がってるブツには慣れたが、それが排泄以外の機能を示してきて正直ドン引きしてる。
現象を知ってるのと、現象を体感するのとでは全く違う。
女性の月経とは違う。痛くもないし、血も出ない。けど、すごい……なんか、こう……違和感と言うか、全くコントロールが出来ない異物が芯を持って股間で聳え勃ってる。下手にそういう知識がある所為で、初めて勃起した時は有り得ない程に動揺して、吐きそうだった。
性的興奮以外でも、ついうっかり勃ってしまうのは、生理不順の月経よりある意味厄介だ。アイデアを閃く時みたいに、ハッとして起き上がる。十五歳の若くフレッシュな肉体はそれが顕著だ。
「勃起や性処理を見られるのが恥ずかしいってのか?」
「……うん」
「はぁ……アーサン、お前天才の癖に馬鹿だな」
「なんて言われようだ。恥ずかしいのは普通の事だろ」
「俺の見た時は何も言わなかったじゃねえか」
一緒に暮らしていれば、彼の生理現象を目撃する事もあった。その時は、驚いたけど、男なら普通の事。悪い事じゃないってわかってる。けど、自分の身に起きてる事が妙に嫌だ。汚い事のように感じる。
「他人のは恥ずかしくない。自分のが恥ずかしいんだ」
「意味わかんねえ……それで俺を追い出そうとしてるのか?」
「いや、だって……気不味いだろ。私、だいぶ勃ちやすいみたいで……君の目にも触れちゃう」
「…………」
ベッドの上でもじもじしてる私の隣に無言で腰掛けてきた彼は、真剣な表情で身を寄せてきた。
「な、なに?」
「一人にしないって、言った癖に……」
「あ……れは……ぁぁ……うん、ごめん」
君が怖がっていたからなんて言ったら……仕方なく一緒に居たようなニュアンスになる。
それは絶対に違う。私もそれを望んだんだし。それを今、私は自分の保身で壊そうとしてる。
「アーサン、俺の目見ろ」
「……うん」
「お前も男だろ。勃起ぐらいで縮こまるな」
「そうなんだけど……うぅ~~……触りにくくてぇ」
「は?」
自分の体の一部なのに、触り難い。
体に悪いと思いながらも、十分に出来ずにエロい夢見てコソコソと洗濯物を洗うんだ。
「お前抜いてねえの?」
「上手く出来ないだけ……」
「ちゃんと抜いてないから勃っちやすいんだよ」
「え? そういうもん?」
「知らねえけど、原因はそれだろ」
呆れられて、ズボンの上から無遠慮に私のを確認するようにガッと掴んできた。
「わ!」
「最後いつ出した?」
「えっと……二週間前に、少し」
「禁欲でもしてんのかテメェ……つか、デカいな」
「ッ~~! もう! やめろってば!」
身を捻って、彼の手から逃れてベットに踞る。
「アーサン、身体に悪いぞ。医者の不摂生ってヤツだ」
「医者じゃない」
「ほぼ医者だろ。教会以外でもお前の魔法は頼られてんだから」
ここ三年で、魔力コントロールと使える魔法と知識は増やした。けれど、無免許だから出来る事は限られている。それでも人手が必要って時に呼ばれるだけだ。災害時とかに。
「出来ないなら俺が教えてやるから」
「それこそ恥ずかしいって!」
「なら、一緒にやってやるよ」
「い、いぃ一緒に!?」
彼が私の足を掴んでガバッと開脚させた。
「ぃやだ、離して」
「落ち着け、アーサン」
コツンと額がぶつかる。吊り上がった目が私を真っ直ぐ見つめて、目を瞑りたくなる。
「ぅ……」
「お前の身体の為に、俺がしてやる事だ。だから協力しろ」
「なんて物言いだ」
「ハッ、お前の傲慢が移ったんだよ」
「移るわけないじゃんか…………もぉ、ふふ」
つい笑ってしまった。彼も吊られて笑うから、緊張の糸が緩んでいく。
「怖がるな。痛くない」
「それでも……君に見られてると恥ずかしい」
「恥ずかしいだけじゃないだろ」
「恥ずかしいって、マジで」
「……ふぅん」
『グイ』
「わっ! ちょっ、ちょっと! 待ってぇ! パンツ下げないでええ!」
彼の視線が私のモノに注がれる。じわじわと下半身に熱が集まって、ヒクヒク動いているのが目視出来た。
「恥ずかしいって、マジで」
「……ふぅん」
『グイ』
「わっ! ちょっと!」
ズボンを下着ごと腿まで下ろされて、勃起したモノを彼の前に晒す事となってしまった。
「おー……すげぇな」
「そ、そんなまじまじと見ないでくれ」
「隠すな隠すな」
前を隠そうとしたら、止められた。
血管の浮き出たグロテスクな肉棒に彼の視線が直接突き刺さり、私の身体はカッと熱くなった。涙が滲んできた。
「泣くなよ」
「生理現象だから」
「……はぁ、お綺麗な顔に磨きがかかるな」
「何?」
「別に……ほら、一緒にしてやる」
「!」
彼も下を脱いで、自分のを私に見せた。
「なんで勃起してんの?」
「男ってのはそういうもんだって知ってるんだろ?」
「そうだけど……えぇ」
臨戦体制の彼のモノが私のに擦り付けられる。その刺激だけで私のが更に硬くなった。
「アーサン、俺の動きを真似しろ」
「ん……うん……」
「手ぇ貸せ」
彼の手と私の手で二つのモノを包むように握り込まされて、そのまま一緒に上下に扱き始めた。
「ぁ、ぅう、あ」
「……っ」
「やば……い、これ」
「……」
彼は無言で喘ぐ私を見ているが、私はそれどころじゃない。こんな行為で快感を得ている自分が信じられない。
彼の手を煩わしている。
「あの……無理に、しなくても……」
「何言ってんだ。自分でやるより気持ちいいだろ?」
「……きもちぃ、けど……汚れ、ちゃうって」
「口より、もっと手ぇ動かせ」
彼の手が私のを更に強く扱いて腰が浮くほど強い刺激がきた。
「あ、あ! あぅう!」
もう何も考えられなくなって、私はただ彼の動きに合わせるしか出来なかった。
「はぁ……アーサン……っ、もうイけそうか?」
「わからなっ、い」
「イきそうになったら、言えよ」
「んっん」
腰がガクガク震えてくる。足の指がベッドのシーツを引っ掻いて無意識に快感から逃れようとしているようだった。
「……っ!」
「ぁ! あ! イくッ!!」
彼のモノが逃げる私にグイグイ押し付けられて、その刺激で呆気なく私はイッてしまった。彼も一拍置いて、私の腹に白濁を散らした。
「はー……はぁ……」
「……」
「……なんか、言って」
『グイン』
彼は無言で私を見詰めている。そして、私の肩を掴んで自分との立場を逆転させた。
『ドサッ』
「うお!」
「アーサン……実践だ。自分で手を動かせ」
「はっ、はぁ、連続?」
「出来るだろ?」
彼の足が腰に巻き付いて固定される。
腹に散った精液が伝って、性器と手を濡らした。
「俺の動きをもう一度再現しろ」
「……う、うん……わかった」
誘導されながら自分で手を動かし始める。初めはぎこちない単調な動きで、上下に擦るだけだったそれが、さっき見た彼の手の動きを反映する。
二人の手と息が上がっていく。
「はっ、はっ……ぅ、んん」
『グチュクチュ、ヌチュ』
「アーサン……」
「ごめ、腰が」
「いい。いいんだ。そのまま好きに動け」
手の動きに合わせて、腰が動いて彼を揺さぶってしまう。まるでセックスみたいだ。
「うっ……ぁ、あっ」
「(艶っぽい声……ああ、まずいまずいまずい……興奮以外にも、余計な事が迫り上がっている)」
「アーサン」
私の頬に擦り寄って、甘えるように、縋るように、名を囁かれる。
……悔しかった。
「うっ!」
「んんぁ……」
二人で再び果てた。
もうぐちゃぐちゃだ。身体も、頭の中も、胸の中も……ただ、唯一……悔しいと胸中で叫んだ。
こんなにも、感情が昂っているのに……彼の名を呼べない。
「頼む……名前を呼ばせてくれ」
「……まだ、無理だ」
「なんで」
「…………ひとまず、身体を綺麗にしねえと」
彼に流されて……現在賢者モード。
すっごいスッキリしたけど、虚しい。
「手伝ってくれたのは、ありがたいよ。けど、やっぱ一人でするから……いい」
「気持ち良さそうだったけど?」
「気持ち良かったけど……あまりに刺激が強い。それに変な気分になる……最中に君の名を呼べないのは、辛い」
「……そうか」
「嬉しそうだなぁムカつく」
私が辛いと言うと、何故か嬉しそうな彼。何故だ。何もわからない。
「なんで、まだ名乗らないんだ?」
「……俺の勝手だ」
「いいのが思いつかないのか?」
「それもある」
そう言って、笑いながら肘を摩っていた。
十五歳となり、立派な男へとお互い成長していた……のだが。
「…………」
「…………」
「……なぁ、エナジードリンク」
「黙れ」
「そろそろ名前付けてくれよ。あと三年で成人なのに」
「ふん」
彼が未だに自分で名乗らない。
この三年で街の環境は大分良い方へ変わったが、彼はますます人との関わりを断つようになってしまった。教会にも来ず、家でバター作りや家事などの仕事をやってくれている。短時間だが早朝に外仕事へ出てもいるが、それは人と顔を合わせない仕事内容だ。
料理も少し出来るようになってきたけど、憂いばかりが増えていく。
「成人したら一人暮らししたいだろ? 早起きも出来て家事もこなせるなら、問題ないだろうけど……人とはちゃんと付き合っていかないと」
「俺は別に一人暮らしじゃなくてもいい」
「……うーん」
「お前が困るのか? まさか……恋人でも出来た?」
「いや、恋人とか居ないけど……ぶっちゃけ君が居なくなるのは寂しいし辛い。けど、お互い男だし……不都合な事が今後増えるだろ」
早朝の仕事で彼は私を置いて出て行くからあまり知らないだろうが、私は起床時……三年前から向き合っている事柄がある。
「不都合ってなんだ?」
「…………わかるだろ。男なら」
「わからねえよ」
「………………あーーもう……勃起だよ。勃起」
「なんだそんな事か」
そうだ。普通の生理現象だ。だが、それは“男にとっての”生理現象であり、精神的にまだ女性の部分が多い私にとって勃起はびっくり現象なんだ。自分の股間にぶら下がってるブツには慣れたが、それが排泄以外の機能を示してきて正直ドン引きしてる。
現象を知ってるのと、現象を体感するのとでは全く違う。
女性の月経とは違う。痛くもないし、血も出ない。けど、すごい……なんか、こう……違和感と言うか、全くコントロールが出来ない異物が芯を持って股間で聳え勃ってる。下手にそういう知識がある所為で、初めて勃起した時は有り得ない程に動揺して、吐きそうだった。
性的興奮以外でも、ついうっかり勃ってしまうのは、生理不順の月経よりある意味厄介だ。アイデアを閃く時みたいに、ハッとして起き上がる。十五歳の若くフレッシュな肉体はそれが顕著だ。
「勃起や性処理を見られるのが恥ずかしいってのか?」
「……うん」
「はぁ……アーサン、お前天才の癖に馬鹿だな」
「なんて言われようだ。恥ずかしいのは普通の事だろ」
「俺の見た時は何も言わなかったじゃねえか」
一緒に暮らしていれば、彼の生理現象を目撃する事もあった。その時は、驚いたけど、男なら普通の事。悪い事じゃないってわかってる。けど、自分の身に起きてる事が妙に嫌だ。汚い事のように感じる。
「他人のは恥ずかしくない。自分のが恥ずかしいんだ」
「意味わかんねえ……それで俺を追い出そうとしてるのか?」
「いや、だって……気不味いだろ。私、だいぶ勃ちやすいみたいで……君の目にも触れちゃう」
「…………」
ベッドの上でもじもじしてる私の隣に無言で腰掛けてきた彼は、真剣な表情で身を寄せてきた。
「な、なに?」
「一人にしないって、言った癖に……」
「あ……れは……ぁぁ……うん、ごめん」
君が怖がっていたからなんて言ったら……仕方なく一緒に居たようなニュアンスになる。
それは絶対に違う。私もそれを望んだんだし。それを今、私は自分の保身で壊そうとしてる。
「アーサン、俺の目見ろ」
「……うん」
「お前も男だろ。勃起ぐらいで縮こまるな」
「そうなんだけど……うぅ~~……触りにくくてぇ」
「は?」
自分の体の一部なのに、触り難い。
体に悪いと思いながらも、十分に出来ずにエロい夢見てコソコソと洗濯物を洗うんだ。
「お前抜いてねえの?」
「上手く出来ないだけ……」
「ちゃんと抜いてないから勃っちやすいんだよ」
「え? そういうもん?」
「知らねえけど、原因はそれだろ」
呆れられて、ズボンの上から無遠慮に私のを確認するようにガッと掴んできた。
「わ!」
「最後いつ出した?」
「えっと……二週間前に、少し」
「禁欲でもしてんのかテメェ……つか、デカいな」
「ッ~~! もう! やめろってば!」
身を捻って、彼の手から逃れてベットに踞る。
「アーサン、身体に悪いぞ。医者の不摂生ってヤツだ」
「医者じゃない」
「ほぼ医者だろ。教会以外でもお前の魔法は頼られてんだから」
ここ三年で、魔力コントロールと使える魔法と知識は増やした。けれど、無免許だから出来る事は限られている。それでも人手が必要って時に呼ばれるだけだ。災害時とかに。
「出来ないなら俺が教えてやるから」
「それこそ恥ずかしいって!」
「なら、一緒にやってやるよ」
「い、いぃ一緒に!?」
彼が私の足を掴んでガバッと開脚させた。
「ぃやだ、離して」
「落ち着け、アーサン」
コツンと額がぶつかる。吊り上がった目が私を真っ直ぐ見つめて、目を瞑りたくなる。
「ぅ……」
「お前の身体の為に、俺がしてやる事だ。だから協力しろ」
「なんて物言いだ」
「ハッ、お前の傲慢が移ったんだよ」
「移るわけないじゃんか…………もぉ、ふふ」
つい笑ってしまった。彼も吊られて笑うから、緊張の糸が緩んでいく。
「怖がるな。痛くない」
「それでも……君に見られてると恥ずかしい」
「恥ずかしいだけじゃないだろ」
「恥ずかしいって、マジで」
「……ふぅん」
『グイ』
「わっ! ちょっ、ちょっと! 待ってぇ! パンツ下げないでええ!」
彼の視線が私のモノに注がれる。じわじわと下半身に熱が集まって、ヒクヒク動いているのが目視出来た。
「恥ずかしいって、マジで」
「……ふぅん」
『グイ』
「わっ! ちょっと!」
ズボンを下着ごと腿まで下ろされて、勃起したモノを彼の前に晒す事となってしまった。
「おー……すげぇな」
「そ、そんなまじまじと見ないでくれ」
「隠すな隠すな」
前を隠そうとしたら、止められた。
血管の浮き出たグロテスクな肉棒に彼の視線が直接突き刺さり、私の身体はカッと熱くなった。涙が滲んできた。
「泣くなよ」
「生理現象だから」
「……はぁ、お綺麗な顔に磨きがかかるな」
「何?」
「別に……ほら、一緒にしてやる」
「!」
彼も下を脱いで、自分のを私に見せた。
「なんで勃起してんの?」
「男ってのはそういうもんだって知ってるんだろ?」
「そうだけど……えぇ」
臨戦体制の彼のモノが私のに擦り付けられる。その刺激だけで私のが更に硬くなった。
「アーサン、俺の動きを真似しろ」
「ん……うん……」
「手ぇ貸せ」
彼の手と私の手で二つのモノを包むように握り込まされて、そのまま一緒に上下に扱き始めた。
「ぁ、ぅう、あ」
「……っ」
「やば……い、これ」
「……」
彼は無言で喘ぐ私を見ているが、私はそれどころじゃない。こんな行為で快感を得ている自分が信じられない。
彼の手を煩わしている。
「あの……無理に、しなくても……」
「何言ってんだ。自分でやるより気持ちいいだろ?」
「……きもちぃ、けど……汚れ、ちゃうって」
「口より、もっと手ぇ動かせ」
彼の手が私のを更に強く扱いて腰が浮くほど強い刺激がきた。
「あ、あ! あぅう!」
もう何も考えられなくなって、私はただ彼の動きに合わせるしか出来なかった。
「はぁ……アーサン……っ、もうイけそうか?」
「わからなっ、い」
「イきそうになったら、言えよ」
「んっん」
腰がガクガク震えてくる。足の指がベッドのシーツを引っ掻いて無意識に快感から逃れようとしているようだった。
「……っ!」
「ぁ! あ! イくッ!!」
彼のモノが逃げる私にグイグイ押し付けられて、その刺激で呆気なく私はイッてしまった。彼も一拍置いて、私の腹に白濁を散らした。
「はー……はぁ……」
「……」
「……なんか、言って」
『グイン』
彼は無言で私を見詰めている。そして、私の肩を掴んで自分との立場を逆転させた。
『ドサッ』
「うお!」
「アーサン……実践だ。自分で手を動かせ」
「はっ、はぁ、連続?」
「出来るだろ?」
彼の足が腰に巻き付いて固定される。
腹に散った精液が伝って、性器と手を濡らした。
「俺の動きをもう一度再現しろ」
「……う、うん……わかった」
誘導されながら自分で手を動かし始める。初めはぎこちない単調な動きで、上下に擦るだけだったそれが、さっき見た彼の手の動きを反映する。
二人の手と息が上がっていく。
「はっ、はっ……ぅ、んん」
『グチュクチュ、ヌチュ』
「アーサン……」
「ごめ、腰が」
「いい。いいんだ。そのまま好きに動け」
手の動きに合わせて、腰が動いて彼を揺さぶってしまう。まるでセックスみたいだ。
「うっ……ぁ、あっ」
「(艶っぽい声……ああ、まずいまずいまずい……興奮以外にも、余計な事が迫り上がっている)」
「アーサン」
私の頬に擦り寄って、甘えるように、縋るように、名を囁かれる。
……悔しかった。
「うっ!」
「んんぁ……」
二人で再び果てた。
もうぐちゃぐちゃだ。身体も、頭の中も、胸の中も……ただ、唯一……悔しいと胸中で叫んだ。
こんなにも、感情が昂っているのに……彼の名を呼べない。
「頼む……名前を呼ばせてくれ」
「……まだ、無理だ」
「なんで」
「…………ひとまず、身体を綺麗にしねえと」
彼に流されて……現在賢者モード。
すっごいスッキリしたけど、虚しい。
「手伝ってくれたのは、ありがたいよ。けど、やっぱ一人でするから……いい」
「気持ち良さそうだったけど?」
「気持ち良かったけど……あまりに刺激が強い。それに変な気分になる……最中に君の名を呼べないのは、辛い」
「……そうか」
「嬉しそうだなぁムカつく」
私が辛いと言うと、何故か嬉しそうな彼。何故だ。何もわからない。
「なんで、まだ名乗らないんだ?」
「……俺の勝手だ」
「いいのが思いつかないのか?」
「それもある」
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