虹色の約束

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8・交わり②※

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 俺が出した精液を使って、星波の長い指がナカを解す。

「あ、ぅ、うう……!」

 二本目の指が入ると圧迫感が強くなった。痛くないのは、俺を眠らせた間に星波が時折触れていたからだろう。
 今だけは感謝しておこう。この異物感に痛みまであったら、俺は恥を惜しんで泣いていたと思う。
 両足を広げられて全部晒け出してる時点で許容範囲を超えた恥ずかしさだからな。

「ん、んん!」
「…………」

 星波の目は真剣だった。めっちゃ見られてる。

「(恥ずかしい……けど、星波が俺で興奮してると思うと、悪くない、気がする)」

 優しく動かされる指がたまにコツっと何かを擦る。

「ん!」

 その度に身体が仰け反りそうになるのをグッと堪える。
 気持ちが良いのかわからないが、そこに触れられるとピクっと前が反応するのを見るにきっと前立腺という場所なんだろう。
 星波は気付いておらず、内部を解しながら愛撫するだけ。
 焦ったい快感が蓄積されていく。もっとそこを弄られたい。
 はしたないと理解しながらも無意識のうちに腰が揺れる。

「空矢さん、痛くないですか?」
「いたくは、ない……」
「痛かったらすぐに言ってくださいね」

 申告するのは、痛みだけじゃなく、もっと違うものも訴えた方がいいのだろうか。

「く、ぅ……はっ、んん……あ!」

 そこじゃない……もっと上を、ぁ違、う。

  期待している箇所とはズレていて、星波の不器用さが遺憾無く発揮されていた。
 焦らされて、切なくて、頭がおかしくなりそうだ。
 もう、恥ずかしがっている場合ではない。

「せ、な」
「はい」

 俺は、ナカを解しいる星波の手に自分の手を添えた。

「?」
「ここ……」

 星波の手ごと動かし、誘導する。指先がシコリにぶつかる。
 星波の目を見て言う勇気はなく俯き加減になってしまう。
 羞恥で全身真っ赤に染まって心臓が口から飛び出そうなほど脈打つが、それよりも早く星波に触れて欲しかった。

「ここ……ですか?」
「ん、そこ……きもちぃ」
『グリュ……コツコツ』
「うん、んっ……じょーずだな」

 素直に伝えると、星波の喉仏が上下した。星波は、さっきまでとは明らかに違う動きで指を動かし始めた。

「あ"っ、あ、あ……っ、あっ」

 星波の指が肉壁越しにソコを刺激して快楽を与えてくる。学習が早い。
 快感に耐えられず漏れる声に嫌気がした俺は、両手で口元を押さえて声を抑えようとした。
 すると、星波はその手首を掴み床に縫い付けた。

「声、我慢しないでください」
「はず、かしぃ」
「これから、もっと恥ずかしい事するんですから……」

 指は三本にまで増えていた。
 バラバラに動かされ、時々前立腺を刺激される。強弱のついた責め方にまた絶頂へと導かれる感覚に陥る。
 
「あ"! あぁっ! ……ぃや、いやだっ」
「大丈夫ですから」

 耳元で囁かれる優しい声。脳みそが蕩けるような甘い感覚が押し寄せてきた。
 背が反り返り、足先に力が入る。

「もう、いいかな」

 独り言のように呟きながら指を引き抜かれた。排泄感に似たそれに身震いし、喪失感に襲われる。
 星波は俺の膝を折り曲げ、脚を限界まで開かせた。
 露わになる後孔が星波の目に映り、ひくついている様が丸見えになった。あまりの羞恥に目尻に涙が溜まる。

「ゆっくり行きますから……深呼吸してください」
「……わか、った」

 言われた通りに何度か深く息を吸って吐いてを繰り返して気を落ち着かせているうちに、後孔にピトっと指とは比べものにならない熱を持った質量のものが当てられるのを感じた。

「は、うぇ……それ、入るか?」
「そんな大きくないですよ」
「自信持てよ。デケェって」

 星波の体格なら普通サイズだろうが、俺にとっちゃ充分巨根だ。
 俺の言葉に照れ臭そうにしながらも、後孔に先走りを塗り込む様な動きを見せる。
 ぬちゅっといやらしい水音が聞こえて、鼓膜を刺激する。

『クプ……』
「ッ……ぐ」

 ゆっくりと挿入されるそれは、ナカの粘膜を押し退けるように進んでくる。その存在感に、思わず顔をしかめた。

 痛くはない。でも、苦しくて仕方がない。
 息が詰まる。目眩がする。俺の様子を察して星波は一旦挿入を止めて顔色を伺ってくる。

「深呼吸してください」
「……はっ……ふ、ぅ」

 上手く出来ず浅い息遣いになってしまう。それでも星波の指示に従って必死に呼吸をする。

「は、ケホッ……かひゅ」

 過呼吸の様な荒い呼吸音。
 こんなに頑張ってるのに、一向に楽にならず、身体は緊張しきって指一本動かせる状態じゃない。
 俺のパニくる様子を見た星波は、無理に呼吸を続ける口をキスで塞いだ。
 そして舌を絡め取り俺の口内を犯した。
同時に胸を揉まれ、親指で先端を擦られ摘まれる。刷り込まれた快楽が硬直していた緊張の糸を解していく。
 次第に、息苦しくなり星波の肩を軽く叩いて抵抗を示すと、星波は最後に舌を吸い上げてから離れた。
 一気に肺に流れ込んでくる空気に咳き込みそうになったが、きちんと深呼吸が出来る様になっていた。
 このタイミングを逃すまいと星波は腰を推し進める。
 俺は星波にしがみついて受け入れる事に集中した。
 一番太い部分が通過する時はどうしても痛みが伴ったが、後は意外とスムーズに入った気がする。

「はーっ……はーっ……」
「……暫く、このまま」
「ああ」

 なんとか入りきったものの、まだ少し苦しい。星波も額に汗をかいていて辛そうだ。
 俺は星波の首に腕を回し頭を撫でてやった。
 嬉しそうに微笑む星波が愛しく感じて、額に伝う雫を拭ってやる。

「……繋がってます。空矢さんと、一つに……」

 感動に浸っている星波だったが、俺には一つの不安があった。
 それは星波にちゃんとした気持ち良さを感じさせてあげられるか、というものだ。
 女性と違い男の腸内は受け入れる事が前提に無い。
 星波にも俺で気持ち良くなって欲しい。

「星波……きもちぃ?」
「……はい……もう、出そうです」

 眉間に皺を寄せて耐えている表情から余裕が無いことがよくわかる。
 その事に安心した反面、俺で興奮している星波の様子に無意識に後ろが締まり、星波のカタチを強く感じる。その刺激に星波がビクッと身体を震わせた。

「……空矢さん」
「悪い、わざとじゃない」

 話す余裕も出来てきた。そろそろ良い頃かもしれない。

「星波……もう、大丈夫だから……動いて」

 言い終わると同時に、中にある質量が膨張した気がした。
 驚いて見上げてみると、瞳孔が開きっぱなしのヤバい顔の星波がいた。完全にキマっていた。
 
『ズ、ズルル』

 ゆっくり引き抜かれる感覚に、背筋がゾワゾワッとする。排泄感とはまた違った感覚だ。快感を拾える程では無いが、何とも言えぬ未知の感覚。
 ギリギリまで引き抜かれたモノが、再びゆっくりと奥へ打ち付けられる。

『グリュ、グプン』
「んっ、んぅ! ッ~~」

 指では届かなかった場所に届き、繰り返される度にどんどん深いところへと侵入してくる。
 肉壁越しのシコリをゆっくり抉るような動きに、星波の肩に頭を押し付ける。

「ん……ふ、ぅ、そこ……きもちぃ、もっと」
「ココ、ココがイイんですね?」

 素直に伝えると、星波はソコばかり狙って器用に腰を打ち付けてきた。
 指よりも太く熱い楔が容赦なく何度も打ち込んでくる。指とはまた違う。
 苦しかったピストンが、快楽によって塗り替えられていく。

「はっ……あぁ! あっ、ぅ、せな、星波!」
「そらや、さ……俺、もう」

 限界なのか星波はペースを上げた。肌のぶつかり合う音が部屋中に響き渡り、逆上せそうなくらい熱が籠った空間に二人の吐息と喘ぎ声が木霊する。

『ヌル』
「うっ! 俺のは、いいから!」
「でもっ、苦し、そうで」

 俺の張り詰めた陰茎を握り込んだ星波の動きに合わせて先走りが飛び散り星波の手を汚す。
 自分でするより遥かに気持ちが良い。
 俺は手を伸ばして星波の手を退けようとするが力が入らない。
 俺は首を横に振り、必死に我慢する。だがそれも、前立腺を穿たれたことで簡単に崩壊した。
 頭のてっぺんから足の先まで電流が流れるような痺れに腰を浮かせて精を放つ。

「っ~~~~ぁ、くぅっ!!」
「はっ……ぅ、は」

 星波が俺のナカから引き抜いて、外に白濁液を放った。腹の上に吐き出されたそれは暖かく生々しい。
 二人分の荒い呼吸音だけが響く。
 腹の中にあった圧迫感が無くなると喪失感に苛まれる。
 強烈な質量で穿たれた後孔が星波の形に拡がっているのがよくわかった。

「はっ……はっ……はぁ~~……空矢さん、大丈夫ですか?」

 俺の頬を伝う生理的な涙を優しく拭ってくれた。

「……だいじょうぶ」

 まだ少しぼーっとしているが、心配を掛けないように起き上がると背中が妙にチリチリと痛む。日焼けした時みたいだ。

「星波……背中、痛い。ちょっと見て」
「はい…………あ」

 ダメな感じのリアクションだ。

「す、すみません。床に擦れて、赤くなってます」
「……軟膏塗ってくれ」
「はい……」

 しゅんとして落ち込む星波。
 軟膏を塗られる位置的にそこまで広範囲にダメージは負っていない。

「ごめんなさい。俺が、その場で押し倒しちゃったから」
「次は布団でシような」
「はい……」

 
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