巻き込まれ転移者の特殊スキルはエロいだけではないようです。

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おまけ

おまけ・産卵期

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 モモと言う名を貰って、もう何年目か。
 最愛の伴侶と子ども達と過ごせる幸福に時間を忘れてしまう。

「モモ、おはよう」
「ジュン……おはよう。今日も早いな」

 朝食の準備をしながら微笑むジュン。番となって結構経つが、ジュンの可愛さは衰え知らずだ。本人に言えば、毎度呆れられるが、私は心の底からそう思っている。

「おはようモモパパ!」
「おはよう」
「卵あった!?」
「無かった」
「えぇ~……」

 もう四ヶ月、毎日このやり取りをしている。アカリは本当に妹が欲しいんだろう。熱意がすごい。
 ヒカリは、下の子達のベビーベッドへ行き、愛おしそうに眠っている末弟の頭を撫でていた。
 
「最近寒くなってきたから、模様替えしなきゃ」
「また皆コロンコロンになるのか。楽しみだな」
「うん、楽しみ!」

 寒気に備えて厚着をする子ども達はずんぐりとして本当に愛らしく、口に含んでしまいたくなる。
 
「ぱぁぱ」
「ぱーぱ……はぁぁ」
「うにゃぁぁあ」
「あ、起きちゃった」

 最近ポツポツ喋り出した成長速度の早いヒヨリとヒナタが舌足らずに父を呼ぶ。末弟のアサヒは寝起きの機嫌が悪く泣き出してしまった。
 朝のこの時間が一番騒がしい。
 三つ子を夜着から着替えさせて、歯磨きをヒカリとアカリも連れ立って鏡の前でシャコシャコ。自分が多腕を産み出せる身体で本当に良かった。腕二本で人間は子育てをしているのか。大したものだ。
 朝の身支度の間にジュンが朝食を食卓へ並べる。
 
「出来たよー」
「あーい」

 バタバタと自分の席に着く上二人と、よちよち歩きで後追いをするヒカリとヒナタ。アサヒも私の腕の中で歩くように足をパタパタしている。
 我が子達は今日も元気だ。目紛しく変わる表情が愛くるしい。目に入れても痛くないとはよく言ったものだ。
 不思議な気持ちになる。心には喜びしか無いが、徐々に重くなる身体。

「(産卵期が近いな……)」

 今年もやってきた。
 孕ませるわけにはいかない。さて、今回はどう処理しようか。
 私の身体はもう自分で与える刺激では達せない身体になっている。ジュンの身体は搾精のスキルで性交特化になっている為、並大抵の挿入者では、秒も持たない。しかし、私はジュンの搾精の催促に耐えれる事が出来る。
 強い刺激に耐性が出来たら、それ以下の弱い刺激では反応が鈍る。
 私も例外ではない。

「モモパパ、ぼーっとしてる」
「大丈夫ー?」
「あ、ああ……」

 注意散漫になっている。子供達の無垢な瞳に自分が少し恥ずかしくなった。
 食事が終わったら、各々の好きに動き始める。

「遊びに行ってきまぁす!」
「行ってきます!」
「気を付けてな。行ってらっしゃい」

 遊びに出て行ったアカリとヒカリをジュンが見送っていた。
 私は庭に繋がる窓を開けて、朝の散歩から帰ってきたカムフラに専用の皿によそった食事を与える。

「どうだった?」
「バウ!」

 ふむ。変わりなしと……魔物の動きにも大きな異常も無く、平穏そのものだ。

「かむぅ!」
「おおっと、カムは今食事中だからな。食べ終わってから」
「やぁ!」
「かむぅ!」

 下の三人は最近、カムフラに夢中だ。
 背中に乗ったり、一緒に庭で走り回っている。
 飛び付こうとする三人を抑えて、カムフラの食事が終わったところで離してやる。
 三人と一匹がすごい勢いで戯れ始めた。
 
「モモ」
「ん?」
「体調大丈夫か? そろそろだろ?」

 流石にジュンには隠せない。
 隣に腰掛けたジュンが心配そうに俺を見つめる。
 
「少し、身体が重い」
「……もう、出来てきてるのか?」

 ジュンが聞きたいのは、卵の素の事だろう。
 
「そうだな……まだ小さいが出来ている感覚がある。妊娠を避けるなら当分、控えないとダメだ」
「そっか」

 少し俯くジュンも不安そうだ。
 私達の性行為の頻度は高い。それを急に減らさなければならないこの時期は、ジュンにとっても負担が大きい。
 自然界とは違い、交わって産んで終わりではない。面倒見切れない無責任な子作りは避けるべきだ。
 子ども達を見守りながら、私達はひっそりと話し合った。
 子を作らない産卵期は毎度心労が絶えない。

 その夜、子ども達を寝かしつけて、私達の寝室に鍵をかける。
 
「んっ……はぁ……んんぁ、ふぁ」

 ジュンを膝の上で抱き締めながら、濃厚なキスを交わす。唇を離した時に漏れるジュンの吐息がとても色っぽい。

「はぁっ、ぁ……モモ」

 舌を深く絡めながらジュンの夜着を少し捲り、ぷっくりと主張している乳首が目に入る。
 その愛らしい乳首を弄るとジュンの身体がピクリと跳ねた。
 本当に感じやすい身体だ。少しずつ触れる面積を増やして、胸を揉みしだく。

「ふ、んっ……んんっ」

 私の首に腕を回したまま、浅く呼吸を繰り返すジュンは、必死に物足りなさに耐えるようでとても愛らしい。
 既にジュンの下は、欲情の兆しを見せており、ズボンを下ろしてやると赤く熟れた愛らしいモノがぷるんと飛び出す。
 その先端からはトロりと蜜が溢れている。
 手に取って指を絡めて優しく握ってやる。

「お、れも……」

 ジュンが私のズボンを寛げると、ジュン以上に張り詰めたモノが聳え立っている。
 お互いのモノを擦り合わせながら唇を貪る。時折、わざと唇を離し耳や首筋を舐め上げると可愛らしい声で鳴いていた。
 下肢からはくちゅくちゅとした水音に混じって荒い息遣いが寝室に響く。
 手を重ねて一緒に動かすと、ジュンが首を反らして唇をはくはくと動かした。

「う、ぁ……っ!」
「……っ」
『ビュク』

 ジュンの射精と同時に、私も吐精した。
 お互いの精液を混ぜ合わせるように指を絡ませて上下に擦る。

「ふっ、ふぅ……っ……粒が」
「ああ、わかるよ」

 精液に混ざった丸い透明な粒が陰茎を刺激する。

「んっ……ん、あぅ」

 達したばかりなのにジュンは、また興奮し始めていた。本当に淫らで困った身体だ。
 小さな粒が弾けた衝撃で、二度の射精を終えたジュンがダウンした。ジュンにパジャマを着せ、私も脱ぎ捨てた夜着を軽く羽織る。
 
「モ、モ」
「なんだ?」
「ちゅぅ、して」

 甘えるように身体を密着させ、ねだるジュンに軽くキスをする。満足げに笑みを浮かべたジュンがふわふわとした笑顔を浮かべた。

「んぅ……へへっ」
「ふっ…………おやすみ、ジュン」
「おやすみ……もも……」

そのまま眠りに就いたジュンをベッドに寝かせ、私も隣に潜り込む。自分より高い体温が微睡みへ誘ってくる。

※※※

 日に日に体調が悪くなり、産卵最終日のピークを迎える頃には、ベッドから出れずに、ただ生殖器に溜まった卵の素を桶に排泄するだけになっていた。

『ポト、ポトポト』
「うっ……ふぅ、うぅ……」

 排泄時の快楽は凄まじいものだ。それでも、ジュンの手助けが無ければ満足に出来ないのであまり発散されずに蓄積されてしまう。
 
『コンコン』
「モモパパ~大丈夫?」
「ぱぁぱ」

 鍵のかかった扉の向こうから、子ども達の声がする。

「ああ、大丈夫だ……心配要らない。ジュンパパの言う事ちゃんと聞いてくれたら、私も治る」
「わかった!」
「った!」

 ジュン一人に育児を任せてしまっている。
 腕二本で五人の子どもをあやし、食事や雑務もやらなければならない。
 体力はあっても、体は一つだ。働きづめで疲れるだろうに、隙さえあればジュンは私の手伝いにくる。

「全員お昼寝した。カムフラに見てもらってるから、五分ならいける」
『グジュリ』
「うっ!」
「二回は出させてやるから」

 いや、もう……手淫がどんどん上達していく。こうも、下方面に才能があると搾精超強化スキルを得るのは必然だったように思える。

『ビュク! ゴポポ!』
「んんんっ!」
「二回……もう一回いけるな」
「ぁ、待て、ジュン」

 有言実行で二回イかされたが、時計を見たジュンが下を脱いで私の股座に膝をつく。
 まだ張り詰めたモノを柔らかい太腿に挟み込んで、ジュンは腰を前後に動かし始めた。

「んぅ……はっ、モモ……」
「っ!?」

 この体位は初めてで驚くが、ジュンに動いてもらえる分快楽も大きく非常に気持ちいい。ジュンの太腿をマッサージするように手を当てて撫で上げると、顔を赤くしたジュンが更に動きを早めた。

『グジュ、ヌプ、ヌプン』
「はぁっ……モモ、気持ちいいか?」
「ああ、もう……出る」
『ビュルル! ゴポン!』

 ジュンの内腿で盛大にイった。

「いっぱい……出たな」

 俺のを解放するように股を開くジュン。
 ヌチャリと内腿が糸を引くのが、堪らなく淫美で目が離せない。

「ガウガウ!」
「ああ、起きたみたいだ。それじゃ行ってくる」
「……ああ」

 布でいろいろ拭き取ってから、なんともないように立ち上がり、ジュンは子ども達の元へ向かっていった。

「……」
『トプ……トプ……』

 五分強で溜まった卵の素を見て、自分のジュン依存が可視化された気がして頭を抱えた。
 もう何日もジュンを抱いていない。だが、たった数日の事だ。
 子ども達の世話をしていたら一日はあっという間に過ぎるというのに、一人ではどうも時の進みが緩やかに感じる。
 ジュンと二人きりの時は、時間など意識したこともなかった。
 出しているはずなのに、欲求が溜まっていく。

 ああ、ジュン……ジュン……私のジュン……今すぐお前を愛したい。抱き締めて、腕の中で快楽に鳴かせたい。
 
 自然と息が荒くなった。その熱い吐息に反応したかのように、人の形に当てはめた身体が変化していく。
 ウシガイの姿に戻ってしまった。
 シーツの上を這いずって、ピークを過ぎたのか苦しさが徐々に引いていく。
 久しぶりだ。この状態は。

『ガチャ』
「開いてる……パパ?」
「!」

 ああ、そうだ。ジュンが出てってから鍵をかけるの忘れてた。

「あ、パパが兎になってる」
『ヒカリ、入っちゃダメって言われていただろ?』
「だって……パパ一人じゃ寂しいでしょ?」

 ヒカリは一人を嫌がる節があるからか、私が寂しくて泣いてるんじゃないかと心配して勝手に入ってきたようだ。
 優しい子に育っていて安心する。触手を伸ばして頭を撫でる。

『私は大丈夫』
「ふーん……でも、モモパパ寂しい顔してるよ?」

 なんて鋭い子だろう。子どもという生き物は何でもお見通しだと言われているのがよく分かった気がする。

『……寂しいけど、今は一緒にいられない。だから、良い子でジュンパパの言う事をちゃんと聞くんだ。ヒカリは賢い子だからな』
「うん……じゃ、寂しくないように、コレあげる」
『……ありがとう』

 紙を折って何かを模した物をヒカリからもらった。
 体の内側がほっこり暖かくなる。
 ヒカリが、『またね!』と元気に言って部屋を出て行った。
 しばらく床に寝転びながら、貰った物をしみじみと眺めていると、時間がいつの間にか過ぎていた。
 だいぶ落ち着いて、ウシガイの姿でいろいろ片付けを行っていたら、ジュンが夕飯を運びにきてくれた。

「モモ? ウシガイに戻ってるけど、体力消耗激しかった? 大丈夫?」
『問題ない。もう落ち着いた。明日から元に戻れそうだ』
「そりゃ良かった。子ども達がモモパパモモパパって、寂しがってたから」
『悪い事をした』
「仕方ないよ。生理現象なんだから」

 下の子達の食事がある為すぐに出て行ったが、明らかにホッとした顔をしていた。
 運ばれた食事に手をつける。

「(美味い……)」

 食事一つ、何もかもが乾いた身体に染み渡るような幸福感を与えてくれる。
 本当に贅沢になったものだ。ただ食事をするだけの事だが、ジュンの手作りというだけでどうしてこんなにも嬉しく感じるのか。
 モソモソとゆっくり口を動かした。
 ジュンと出会って、たくさんの喜びを貰った。不安も貰った。幸福の有難さを知った。
 今もその幸せは続く。私は、充分過ぎるほど恵まれている。
 もっとジュンと居たい、子ども達と一緒に居たいという欲求が募る。

「(ジュンもそう思ってくれているのだろうか?)」

 いくら考えても、ジュンの心は私には分からない。
 けれど、恐らく……

『ガチャ』
「モモ、人型になれる?」
『ああ』

 同じ事を願ってくれている気がする。
 全身の筋力が収縮し、胴体が伸縮して、骨格と内臓の位置を人へ近付けていく。声帯を作り、目、鼻、口など顔のパーツを整えていく。
 細胞の表皮の色を健康的な色合いに変え、より人へ近い姿に擬態する。

 全ての変化を終えて、人の姿になった私を見て、ジュンが表情を輝かせ、抱きついてきた。

「もう我慢しなくていいんだ。モモ、いっぱいシよ」

 私も堪らず抱き締め返す。その抱擁が心地良くてジュンの肩に顔を埋めた。
 ベッドの上で、私を押し倒し、ジュンが馬乗りになる

「モモ、好き。好き……大好き」
「ああ、私もだ。ジュン、好きだ……愛してる」

 貪るようにキスを交わし、唇を合わせたままお互いの服をはだけさせていく。
 ジュンの香りがいつも以上に甘く、理性を揺さぶる。

「んぅ……ふ、はぁ……ん」
「んんっ……」

 すぐに呼吸もままならなくなり、口が離れると銀色の糸が二人を繋いだ。ぷつりと切れた糸を拭いもせず、すぐにまたキスを繰り返す。
 舌同士を擦り合わせ、吸い上げて何度も角度を変える。
 呼吸の合間に漏れるジュンの吐息に腰が疼く。
 揺れるジュンの腰が私のモノと布越しに擦れ、キスをしながら声を漏らした。

「ふっ……ぁ、モモの硬くなってる」
「……お前もだ」

 夜着がスルリと肩から外され、空気に触れた肌に噛み付く。

『ギチ』
「んっ……は、ぁ……」
「(……防御力が高すぎて、通常の人間相手だと骨を噛み砕く程の力を込めてやっと痕がつく)」
「モモ、ぁ、モモ、モモ……もっと、触って」

 前の開いた夜着の隙間から両手を肌に沿わせる。筋肉の凹凸を堪能するように撫で上げながら、胸筋を鷲掴みにし、指の股で突起を挟み込んだ。

「はぅ! あ、ぁ……」
「ジュン……気持ちいいか?」
「あ、き、もちいい」

 親指と人差し指でコリコリと乳首を転がすとビクビクと体を震わせる。徐々に芯を持ち、赤く熟れていく。
 私の腹に両手をついて、ねだるように胸を突き出す。
 出会ってすぐの、まだ何も知らない頃のジュンが今の自分を見たら卒倒してしまうかもしれないな。

「あ、ぁ……ん、はぁ……っモモ」
「本当、見違える程、いやらしくなったな」

 少し刺激を与えるだけで、乳首を硬くし、ジュンが身悶えながら私の言葉に妖艶に微笑む。

「愛しい存在と、ずっとこんなコト、してる、んっ、からだ……エロくならないほうが、おかしい、だろ?」
「……そうだな」

 欲に素直で、淫らで、艶やかで、私はいつだって目を奪われている。
 何度見ても、飽きることなどない。私の心と体はジュンを求めて仕方がないのだ。

「あ、っん……もう、ココに……モモの、中に欲しい」
「……今すぐにでも」
「ぱぱぁ」
「「ッッ!?」」

 眠たげな子どもの声がした方へ二人して弾かれるように顔を向けた。
 目を擦るアカリが扉の向こうからこちらを覗いていた。
 しまった。性急過ぎて鍵を忘れていた。

「……ど、どうしたの? もう寝る時間だろ?」
「ももぱぱぁ、おねがい……してう?」
「あっ……ああ、妹の件ね。大丈夫、モモパパ頑張ッ!」

 あれほど淫乱な姿を見せていたのに、瞬時に父親の顔になったジュンの変わり身の早さに感心しつつ興奮してしまった。
 布越しに押し付けていたモノがより大きくなってしまう程。

『すまん』
「(子どもの前で……何大きくしてるんだ)」
「……んにゃ、ぱぱぁちゃんと着て、寝なきゃ、だめよぉ」
「はいはい。はい、わかりましたぁ。おやすみ!」
「おにゃすひ」
『パタン』

 寝室のドアが閉まり、一気に室内が静かになった。
 ジュンは苦笑いを浮かべながら私とベッドから降りて、扉の鍵をかけた。

『カチャン』
「鍵を付けても、かけ忘れたら元も子もないな」
「ああ」
「……仕切り直しだ」

 すごい切り替えだ。
 私としても、ありがたいが……父親の顔をしたジュンを抱きたいと思う私は外道かもしれない。
 怒るだろうから、言わない。私も善悪はわかるようになった。

『スル』
「ジュン、数日振りで乱暴になるかも……先に謝っておく」

 再度私の上に馬乗りになったジュンの下穿きを脱がせ、既に反応しているソレに触れる。軽く握って上下に擦るとジュンの息が上がった。
 顔が赤く、目尻が下がる様はとても艶っぽい。半開きの口から覗く舌が赤い。

「んっ、いいよ。俺も、我慢出来ないから……いつもより、乱暴でも……んっ、構わない」

 私の下をズラして、フルリと鎌首を持ち上げたモノの上にジュンがゆっくりと腰を落としていく。
 支えられた性器の先端に窄まりが当たり、誘うようにひくつく。グチュリと先走りと愛液でジュンの後孔が水音を立てた。
 一番太い部分を飲み込む瞬間のジュンの顔が快楽に歪む。何度身体を重ねても慣れることのない挿入は今でも気持ちがいいらしい。この先に待っている快感を期待して涎を垂らしている自身の根元を握って耐える姿がとても可愛い。
 グッと最後まで埋め込み、一息吐いたジュンの腰を掴んで一気に突き上げた。

「ひゃう! あ、あぁ……あ」

 腰を引き寄せ、下腹同士をぶつける程強く押し込んだ衝撃に、ビクリと背中をしならせる。体を丸め、私にしがみついた状態で小さく震えると熱い吐息が私の首筋にかかった。
 ジュンの中が収縮し、絡み付いてくる。
 よく、私の性器を凶悪だとジュンは言うが、私からしたらジュンのナカこそ凶悪だと思う。
 肉粒が幹を、裏筋を、先端の溝を擦り上げる。内腔が全体をその肉壁が揉み解すように蠢く。動いていなくてもすぐに果ててしまいそうだ。
 より多くの雄の精液を搾精する為だけに特化した蠕動運動。
 そこにジュンの絶頂での締め付けも加わるとどうなるか、もう知っている。

「くっ……ううぅ……」
「あ、あぁ……挿れた、だけで、イっちゃった……モモの、モモのが、奥、に……」

 身体を逸らして、俺に見せつけるように、スリスリと腹をさする。
 私のモノがジュンのどこまで入っているのかを示され、頸から火が出そうなほど熱くなる。

『バチュッ! ドチュンドチュン!』
「んっ、ああ、だめ、モモ……そんなにしたら、またすぐイっちゃう!」
「何度でも、果てればいい」

 腹を撫でた手を片方取り、その掌に口付ける。長い指を一本一本舌で愛撫して、パクリと口に含んだ。
 付け根から指先まで唾液を塗り込み、丹念にしゃぶるとジュンが腰をくねらせて興奮した様子で甘く喘ぐ。

「あ、あっ、ゆび……気持ちいい」

優しく指の間を舐め上げ、関節に甘く歯を立てる。舌を絡ませて吸い付き、また舐める。

「お、れも、舐める……モモ、ちょうだい」
「……ああ」

 お互いの指を口に含んで、より鮮明に食感を感じる。
 ジュンは、私の手をまるで性器のように舌を這わせて自分の腰を揺らしている。なんとも淫猥な光景だ。


「ん、んっ……ぁ、ん」
「ジュン……」
「はぁ……モモ……指輪、買いに行こうか」
「指輪?」

 急に買い物の話しを振られ、思わず動きを止めてしまう。
 嬉しそうに目を細め、頬擦りしながらジュンが私の手の腹を舐める。
 指輪とは何だろうか?
 指につけるリング状のアクセサリー。装飾品としてのリングならこの指には必要ない。一応、指につけようと思えば付けられるが……形を変えたら、外れてしまう。

「何故だ?」
「ふふ……人間は、結婚した相手に指輪を贈るんだ……別にいいかなって、思ってたけど…………やっぱり、俺も、モモに贈りたい。俺のモノだって、証」

 あ、エンゲージリングの事か!
 確かアレは腕輪だった気がするが……ジュンは異世界人だ。ジュンの世界では、指輪がエンゲージリングなのだろう。

「……ならば、私もジュンに贈ろう」
「あっ」

 上に乗っていたジュンを押し倒して、抱え込むように抱き締める。
 体勢の変化でより奥に入り込んで、ジュンのつま先がピンと張る。

「あっ、あっあっあぁぁ……」
「一緒になってもう五年以上経つが、もう一度結婚しよう」
「ひっく、ぁんん! は、い」

 涙で潤むジュンの瞳に余裕の無い私が映る。こんな私でも、ジュンは何度だって伴侶にしてくれるのだろう。
 瞼にキスを落とし、涙を拭ってやる。

「ふ、ぅ……ぁ、奥……グリグリされてる」
「奥は、嫌か?」
「ん、イイ……好き。好き……もっとモモと繋がりたい。ずっと、繋がってたい」
「……私も」

 指を絡めて手を繋ぎ、腰に足が絡み付き、互いを抱き締める。
 ジュンに、もっと求められたいという感情が心の奥から湧いてくる。また下腹部が重くなった。
 私を求め、身悶える姿に魅了される。喉が渇き、渇望する。
 愛を注いでも注がれても、潤い溺れているのに、渇望は治らない。
 ジュンの胎内に埋まっている雄が、より質量を増す。その質量で内腔を押し広げ、抜き差しをスムーズにする。快感が増す度、濡れた柔肉が甘く吸い付いてくる。
 そんな内部の変化まで手に取るようにわかる。


「あっ、あ、あぁ……っん」
「はぁ……っん」
『グチュ! ズプン! ゴチュン!』
「イく、イく……また、モモので、イっちゃう!」
「くっ……あ、あぁ」
『バチュンッ!』

 胎内がよりキツく締まったと同時に私はジュンの中に精液を吐き出した。一滴残らず搾り取ろうとするように絡み付く柔肉に、全てくれてやる。

「は、はぁ……ん、モモ」
「あぁ……っふ」

 吐精後の余韻に浸りながら小さく震える唇を深く塞ぐ。ジュンの口端から垂れた唾液を舐めとり、そのまま舌を差し込むとジュンも私の舌に吸い付いてきた。お互いの舌を絡めて、口腔を貪る。
 なんて甘い、気持ちいい口付けだ。

「ジュン……ジュン……ジュン、ジュン」
「……なぁに? モモ?」
「愛してる。愛してるんだ……ああ、どうすればいい。愛しさが溢れて、狂いそうだ。私は、どうしたらいい?」

 気持ちが溢れすぎて、どうしたらこの気持ちを鎮められるかわからない。
 深く繋がり合い、混じり合った後でさえ足りない。

「一度に処理しようとしなくていいよ。出せる分だけ、いっぱい愛して。俺も俺達の子ども達も」
「……そうだな」
「今は、俺が独占しちゃお」

 可愛い事をサラリと言ってくれる。

「ジュン、今夜は寝かせてやれない」
「奇遇だな。俺もだ」

 その晩、ジュンは頑丈と名高いヒノエノ木で作られたベッドを壊した。
 主に、私が早漏になった所為だ。

END
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