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おまけ
おまけ・その後の話②
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『ガチャ……バタン』
寝室の扉が閉じられて、薄暗い部屋に二人きり。
俺は背伸びをしてモモにキスをすると、彼は目を細めて笑ってくれる。
「んぅ……」
唇を重ねるだけの優しい触れ合いから舌を絡ませる大人の口付けに変わる。
ちゅく、ぴちゃと音が鳴って、鼓膜を刺激する音に熱が上がっていく。
「ふは……」
「……お前は、本当に可愛いな」
「モモぐらいだよ。そんな事言うの」
「いいんだ。私だけじゃないと困る」
束ねていた黒髪の紐を解かれて、肩甲骨に毛先が広がる感覚が妙に鮮明だ。
モモに抱き締められながら、ゆっくりと布団に押し倒される。
俺を見下ろす眼差しは優しくて、いつもより瞳が柔らかくなるのが、好きだ。
「ジュン、脱がすぞ」
「うん」
服のボタンを外されて、肌を露わにする。
「……ぁ……もも、んっ」
まだ風呂の温度が抜けていない肌の熱を堪能するように、首筋から鎖骨まで丁寧に舐められていく。
時折甘噛みされたり、跡を付けるように強く吸われる。その度に俺が身を捩って悶える様を楽しんでいるモモ。
モモはそういう所がある。普段は真面目で良い父親の顔をしているのに、いざコトが始まると意地悪になる。俺が嫌がったり、逃げようとする素振りを見せると執拗に責めてくる。
昔は俺の嫌がる事はしたくないって言ってたのに、俺の本気の嫌か、たじろぎの嫌か判断出来る様になってから、少しタガを緩めたらしい。俺も本気で嫌だったら抵抗してるが、嫌じゃないからされるがままになってしまっているのだが。
「あ……ん……もも」
胸元まで下りてきたモモの顔に俺は制止をかける。
「なんだ? 痛かったか?」
「うぅん……キスしたい」
「わかった」
モモが屈んで俺に顔を寄せてくる。
彼の頬に手を添えて、引き寄せるように力を加えると、意図を理解して口を開けてくれた。
「んぅ……」
「はぁ……」
熱い吐息が零れる。角度を変えて何度も貪り合う。
『グリ』
「んんっ!」
両胸の突起を同時に押し潰され、痺れが走る。ビクっと身体が跳ねて、腰が浮いてしまう。
キスも胸を弄る手も止まらない。モモは俺を逃がさない様にしっかりと押さえ込んでくる。
「ん……ふっ……う」
指先で摘まれて引っ掻かれてると身体の奥が熱くなっていく。
快楽を教え込まれたソコはぷっくり腫れて、もっと触って欲しそうにピンと芯を持ち、主張を始めた。
「ジュン……」
「あぁ! んやぁ!」
性器と変わらぬ感度を持つ突起に爪を立てられ鋭い快感を与えられる。そのまま口に含み、飴玉を転がす様に舌で執拗に責め立てられる。
「ひゃっ、あっ! だめ、ダメだっ、もも、ももぉ!」
身体中の熱が一気に下半身に集まる。
モモは俺が絶頂を迎えそうなのを察知して動きを止めた。
寸止めされた俺が潤んだ目でモモを睨むとモモは微笑みながら額に口づけを落とす。
「あまり煽るな」
「あぉって、ない」
「……無意識は恐ろしいな」
「?」
苦笑してモモは、自分の膝をついている場所に目を落とした。俺もモモの視線を追う。
……股の間にあるモモの足に擦り付けるように腰が縦に波打っていた。
「ぁ、あ、違……」
「何が違う? よくある事だ。そう恥ずかしがるな」
卑猥なダンスをしてしまった事実を指摘される。俺は羞恥で首まで真っ赤になった。
しかし、この状態は苦しいだけだ。
一度行動を意識してしまうとどんどん辛くなる。
顔を覆って必死に耐えようとするとモモはそんな事させまいと腕を剥がしてくる。
俺の目尻に浮かんだ涙にモモが吸い付いて、宥めるような口付けを施して頭を撫でられる。
「私しか見ていないんだ。存分に乱れても、何も問題は無い」
「……ぅ、ん」
「このままでは動き辛い。足を開いてくれ」
促されるままに、腿を挟んでいた両足を開脚する。股座でパジャマの薄生地を押し上げていた自身が苦しげにひくついていた。
モモがズボンごとパンツをずらすと、勢いよく飛び出したいつ見ても凶悪な造形の性器の先端から先走りの雫が飛び散る。
その光景を目の当たりにした俺は堪らず喉を鳴らした。
「……口が開いてる。咥えたいのか?」
「なっに、違……わ、ない、かもしれない」
ダラっと涎が垂れてしまい、否定し辛い。しても説得力が無い。
この身体は、モモの全てを欲している。大好物を目の前にした犬のように舌を出して息を荒げている自分に気付いても、どうしようもない。
『ピト』
「ほら、ジュン。あーん、してみろ」
俺の胸に跨りながら、唇に自身の先を押し付けてくるモモを見上げた。
愉快気に笑うモモを見て、俺はちょっとムカついて眉間に皺を寄せる。
「……モモのエッチ」
「ふふ、今更だろう?」
「…………そうだな」
言い合うつもりはない。俺は素直に従って大きく口を開けた。モモはそんな俺の頭を押さえてゆっくりと挿入していく。
「ぐっ……んっ……んんっ」
熱くて硬い質量が口内を満たして呼吸が詰まる。
俺の唾液なのかモモの先走りなのか分からない液体が混ざって口腔を満たして口角から溢れ出す。
モモの性器は人間のモノとは違って、表面に肉粒が無数に生えている。それが喉奥や頬の内側に擦れる度に気持ち良くてゾクゾクした。
「んぅ……ふ……んっ……んっ!」
上顎に亀頭が当たってビクッと腰が揺れる。
「ジュン、すごく気持ちいい」
「んぶっ! ん、ん、ふっ!」
両手を掴まれて、モモが動く。激しく抜き差しされて、まるで道具のように扱われるがそれも嫌じゃなかった。
「く……っ、は……ジュン、そろそろ出る……」
切羽詰まったモモの声音に俺は応えるように強く吸い上げる。するとモモの腰が震えて喉に大量の精液が叩き付けられた。
「んぅっ……んんぅ!」
飲み込みが間に合わず、口に溜まっていく。ズルリと引き抜かれた瞬間、溢れないように口を結ぶ。頬が少し膨れる程度には収まった。
もったりと粘性のある生暖かい感触が舌の上に乗っている。
モゴモゴと小分けに嚥下していると、モモが何を思ったのかククッと喉を鳴らした。
「?」
「ゴックン出来たか? 飲み込むまで、次はなしだぞ?」
「ぅ、ゲホ! ゴホッゴホッ!」
なんで今このタイミングで言うんだソレを!
「やめろ。萎える」
「そうか? 娼館にはこういうプレイもあるんだろ?」
「あるけど、俺の守備範囲外だ。もぉ……」
俺の上から降りたモモと向かい合うように身体を起こす。
「セックスの最中に子どもの事あんまり言わないでくれ」
「……すまん。嫌だったか。しかし、何故? 悪い事ではないはずだが?」
「うーん……そう、なんだけどさ。純粋な子ども達の事思うと、エッチな気持ちでいる自分が酷く恥ずかしくて、居た堪れなくなる」
「……?」
モモはピンと来てないようだ。コレは個人的なメンタルの問題だしな。
性的な事を未だにいけない事、汚い事だと思ってしまっている所為だ。
「……自分の汚さが浮き彫りになると言うか」
「お前は綺麗だが?」
「……いや、そうじゃなくてコレは俺の考え方の問題。ごめん、変な空気にして」
「…………ジュン」
モモが神妙な顔付きで俺の頬に張り付いた髪を払うように撫でてきた。
「私にはよくわからない部分だ。しかし、やはりお前は美しいぞ。ジュンが汚れと思っているものは、私にとってはジュンの模様の一つにしか過ぎない。だから、そんな風に自分を貶めるような言い方は止めてくれ」
「……ありがとう。わかったよ」
モモは俺が自虐的な態度を取ると途端に不機嫌になる。
自分を傷付けるな。大切にしろ。耳にタコが出来るくらい言われた言葉だ。
けど、それはそれとしてセックスの子どもの話題はNGとした。俺の精神上どうしても無理だ。
モモは深々と頷き了解してくれた。
「……続き、するか?」
「ああ。勿論」
向き合った状態から、お互いの服を全て脱がし合い、肌を密着させる。
対面座位の状態で俺達は何度も口付けを交わしながら、挿入の準備をする。
潤滑油要らずの俺のアナルはしとどに濡れて、モモの性器を待ちわびていた。
指で軽く解されただけで、すぐにでもモモのモノを受け入れる事が出来る。
「挿れるぞ?」
「ん、きて」
『くちゅ』
「あっ……ぁ……ふぅ……っ!」
『ぐぷん!』
モモの首に腕を回して抱き着き、腰に足を絡めて身体を固定する。
奥まで入り込んだ熱い楔に息が止まりそうになる。
「ん……は……はいった、ぜんぶ」
「そうだ。ジュンの好きな所に私のモノが届いている」
「ん……わかる、モモの、ドクンドクンしてる」
脈打つモモ自身を感じながら微笑む。
モモも俺の腹を撫でながら嬉しそうに目を細めた。
「動いても大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
「……ふっ、く……ぅ……ん、ん」
『パチュッパチュン』
「はっ……んっ……んんっ」
最初はゆっくり、徐々に速度を上げてピストンされる。
突き上げられる度に前立腺が刺激されて快感が身体中に広がっていく。
「あ、そこっ! んっ……いいっ! んゃ、もっと……!」
「もっとか。良いだろう。お望み通り……っ」
「あぅ! ひぃ! ぁああ! 激しすぎ、はげし、いっ!」
急に激しく揺さぶられて目の前がチカチカした。
結合部からはジュブジュブと卑猥な音が響き、肉同士がぶつかり合う乾いた音と混じって聴覚を刺激する。
ああ、何百と経験したはずの営みと快楽なのに、何故こんなにも飽きも慣れも無く、夢中になれるのだろう。
「はっ……ふっ……んんっ! イき、そ……!」
「ああ、いいぞ」
「やっぁ、だめ! 奥ぐりぐりしたら! すぐイッちゃうから!」
「はは、ジュンは本当にココが好きだな」
「好き、すき! 奥、モモのでゴリゴリされると頭真っ白になって、気持ち良くて……っ!」
聞かれた事以上の事をベラベラと喋ってしまう。モモはそんな俺の痴態を見て楽しげに笑い、より一層腰の動きを強めた。
「は、ぁ、イクッ、イグゥッ!!」
「ジュン、私も……」
「なか、出して、いっぱい……モモのせーえき欲しい……っ」
四肢でモモに縋り付いて、自らモモを締め付ける。
絶頂に向けて駆け上がる感覚に背筋が震えた。
一際強く打ち付けられて最奥まで突かれた瞬間、俺は精液を吹き上げモモと自分の腹を汚した。
「ぁ……ぁ、あつい」
ドプンとナカにモモの精液が注ぎ込まれる。
疲れが癒えていく感覚は、爽快感があって好き。
暫く余韻に浸っていると、モモが身体を離そうとしたので、慌てて身体に回した手足に力を入れる。
「ジュン、ちょっと、力を緩めてくれ」
少し焦った様子でモモが俺を引き剥がそうとする。
俺は眉間にシワを寄せた。嫌だ。まだこのままが良い。そう意思表示すると、モモは困ったように溜息を吐いて苦笑を浮かべた。
「……仕方のない奴だな」
呆れたような物言いだが、声音は優しかった。
モモは優しく俺の頭を撫でて、そのまま長い髪を指に絡ませて遊んでいる。
「モモ、まだシたい」
「……明日起きれなくなるぞ」
「一回だけ」
「一回で済んだ事あったか?」
「…………」
無いな。いつも最終的に二回三回して寝落ちするパターンが多い。
今日だってきっとそうなる。
「ジュン、また明日の夜にシような」
「……うん」
もう少し、モモの熱を感じていたかったが、あまりわがままを言ってはモモに呆れられてしまう。
手足を解いて、二人でセックスの後始末をして着替えた。
ベッドに横になったら、甘えるように首に頬擦りする。
モモは俺の意図に気付いたのか、俺の背中に腕を回し、あやすようにポンポンと叩いた。
モモの胸に抱かれて、次第に眠気が襲ってくる。
「ジュン、おやすみ」
「……おやすみ」
意識が落ちる瞬間、モモにキスをされた気がするが確認する間も無かった。
※※※
『チュンチュン……』
『ゴソゴソ』
「ん、んん……ジュン、朝からは熱烈だな」
……? モモの寝惚けた声が聞こえて目が覚めた。覚醒しきれていない頭でモモの言葉を理解しようとしたら……ベッドの中でモゾモゾと何かが這い回っていた。
何だコレはとぼんやりしていると、モモが目を開けた俺にキスをしてきた。
「んっ……ん、ぁ」
ぬるりと舌を絡めあう。ゆったりとマイペースに。
脳が蕩けてしまいそうに甘い。
満足して口を離すと、モモが幸せそうに微笑んでいた。
額をくっつけて、もう一度キスを──
「……パパ?」
「「!!?」」
俺達は勢いよく飛び起きて布団を捲り上げた。
ベッドの中にはアカリが居た。
モゾモゾゴソゴソしてた原因はいつの間にか潜り込んだアカリだったらしい。
「ア、アカリ……おはよう。どうした?」
「卵探しに来たの」
「……はぁ、アカリ。そんな昨日の今日で卵は見つからないよ」
俺は大きな欠伸をしながらアカリを諭す。
モモはまだ眠そうに目を擦っている。
しかし、そんな事はお構い無しに、アカリは頬をぷくぅ~っと膨らませて、不服を訴えている。
「いつ!? いつ見つかるの!?」
「アカリ、命はそう簡単に産まれないんだ。大事な家族を迎える為の準備が色々あるんだよ」
「……でもぉ」
「アカリ、とりあえず朝ごはん食べようか」
「うぅぅ~」
アカリは納得いかない様子だったが、空腹には勝てなかったようで渋々と部屋を出て行った。
「モモ、大丈夫か?」
「……ああ、平気だ」
少し青い顔をしているモモの体調が心配になった。平気と言いつつ手で顔を覆っている。
「…………お前が言っていた事がよくわかった」
「?」
「子どもに自分の性欲を見られるのは、酷く心苦しい」
「……ああ、そうだな」
先程の甘ったるいキスを思い出して冷や汗が止まらない。
俺のは興奮して勃ちそうになっていたが、モモのは完全に息子さんが反応していた。
知らなかったとは言え、娘の前で勃った罪悪感でモモは酷く落ち込んでいた。
「鍵でも取り付けとくか?」
「……そうだな」
次の子達を考える前に上の子達への対策が必要のようだ。
寝室の扉が閉じられて、薄暗い部屋に二人きり。
俺は背伸びをしてモモにキスをすると、彼は目を細めて笑ってくれる。
「んぅ……」
唇を重ねるだけの優しい触れ合いから舌を絡ませる大人の口付けに変わる。
ちゅく、ぴちゃと音が鳴って、鼓膜を刺激する音に熱が上がっていく。
「ふは……」
「……お前は、本当に可愛いな」
「モモぐらいだよ。そんな事言うの」
「いいんだ。私だけじゃないと困る」
束ねていた黒髪の紐を解かれて、肩甲骨に毛先が広がる感覚が妙に鮮明だ。
モモに抱き締められながら、ゆっくりと布団に押し倒される。
俺を見下ろす眼差しは優しくて、いつもより瞳が柔らかくなるのが、好きだ。
「ジュン、脱がすぞ」
「うん」
服のボタンを外されて、肌を露わにする。
「……ぁ……もも、んっ」
まだ風呂の温度が抜けていない肌の熱を堪能するように、首筋から鎖骨まで丁寧に舐められていく。
時折甘噛みされたり、跡を付けるように強く吸われる。その度に俺が身を捩って悶える様を楽しんでいるモモ。
モモはそういう所がある。普段は真面目で良い父親の顔をしているのに、いざコトが始まると意地悪になる。俺が嫌がったり、逃げようとする素振りを見せると執拗に責めてくる。
昔は俺の嫌がる事はしたくないって言ってたのに、俺の本気の嫌か、たじろぎの嫌か判断出来る様になってから、少しタガを緩めたらしい。俺も本気で嫌だったら抵抗してるが、嫌じゃないからされるがままになってしまっているのだが。
「あ……ん……もも」
胸元まで下りてきたモモの顔に俺は制止をかける。
「なんだ? 痛かったか?」
「うぅん……キスしたい」
「わかった」
モモが屈んで俺に顔を寄せてくる。
彼の頬に手を添えて、引き寄せるように力を加えると、意図を理解して口を開けてくれた。
「んぅ……」
「はぁ……」
熱い吐息が零れる。角度を変えて何度も貪り合う。
『グリ』
「んんっ!」
両胸の突起を同時に押し潰され、痺れが走る。ビクっと身体が跳ねて、腰が浮いてしまう。
キスも胸を弄る手も止まらない。モモは俺を逃がさない様にしっかりと押さえ込んでくる。
「ん……ふっ……う」
指先で摘まれて引っ掻かれてると身体の奥が熱くなっていく。
快楽を教え込まれたソコはぷっくり腫れて、もっと触って欲しそうにピンと芯を持ち、主張を始めた。
「ジュン……」
「あぁ! んやぁ!」
性器と変わらぬ感度を持つ突起に爪を立てられ鋭い快感を与えられる。そのまま口に含み、飴玉を転がす様に舌で執拗に責め立てられる。
「ひゃっ、あっ! だめ、ダメだっ、もも、ももぉ!」
身体中の熱が一気に下半身に集まる。
モモは俺が絶頂を迎えそうなのを察知して動きを止めた。
寸止めされた俺が潤んだ目でモモを睨むとモモは微笑みながら額に口づけを落とす。
「あまり煽るな」
「あぉって、ない」
「……無意識は恐ろしいな」
「?」
苦笑してモモは、自分の膝をついている場所に目を落とした。俺もモモの視線を追う。
……股の間にあるモモの足に擦り付けるように腰が縦に波打っていた。
「ぁ、あ、違……」
「何が違う? よくある事だ。そう恥ずかしがるな」
卑猥なダンスをしてしまった事実を指摘される。俺は羞恥で首まで真っ赤になった。
しかし、この状態は苦しいだけだ。
一度行動を意識してしまうとどんどん辛くなる。
顔を覆って必死に耐えようとするとモモはそんな事させまいと腕を剥がしてくる。
俺の目尻に浮かんだ涙にモモが吸い付いて、宥めるような口付けを施して頭を撫でられる。
「私しか見ていないんだ。存分に乱れても、何も問題は無い」
「……ぅ、ん」
「このままでは動き辛い。足を開いてくれ」
促されるままに、腿を挟んでいた両足を開脚する。股座でパジャマの薄生地を押し上げていた自身が苦しげにひくついていた。
モモがズボンごとパンツをずらすと、勢いよく飛び出したいつ見ても凶悪な造形の性器の先端から先走りの雫が飛び散る。
その光景を目の当たりにした俺は堪らず喉を鳴らした。
「……口が開いてる。咥えたいのか?」
「なっに、違……わ、ない、かもしれない」
ダラっと涎が垂れてしまい、否定し辛い。しても説得力が無い。
この身体は、モモの全てを欲している。大好物を目の前にした犬のように舌を出して息を荒げている自分に気付いても、どうしようもない。
『ピト』
「ほら、ジュン。あーん、してみろ」
俺の胸に跨りながら、唇に自身の先を押し付けてくるモモを見上げた。
愉快気に笑うモモを見て、俺はちょっとムカついて眉間に皺を寄せる。
「……モモのエッチ」
「ふふ、今更だろう?」
「…………そうだな」
言い合うつもりはない。俺は素直に従って大きく口を開けた。モモはそんな俺の頭を押さえてゆっくりと挿入していく。
「ぐっ……んっ……んんっ」
熱くて硬い質量が口内を満たして呼吸が詰まる。
俺の唾液なのかモモの先走りなのか分からない液体が混ざって口腔を満たして口角から溢れ出す。
モモの性器は人間のモノとは違って、表面に肉粒が無数に生えている。それが喉奥や頬の内側に擦れる度に気持ち良くてゾクゾクした。
「んぅ……ふ……んっ……んっ!」
上顎に亀頭が当たってビクッと腰が揺れる。
「ジュン、すごく気持ちいい」
「んぶっ! ん、ん、ふっ!」
両手を掴まれて、モモが動く。激しく抜き差しされて、まるで道具のように扱われるがそれも嫌じゃなかった。
「く……っ、は……ジュン、そろそろ出る……」
切羽詰まったモモの声音に俺は応えるように強く吸い上げる。するとモモの腰が震えて喉に大量の精液が叩き付けられた。
「んぅっ……んんぅ!」
飲み込みが間に合わず、口に溜まっていく。ズルリと引き抜かれた瞬間、溢れないように口を結ぶ。頬が少し膨れる程度には収まった。
もったりと粘性のある生暖かい感触が舌の上に乗っている。
モゴモゴと小分けに嚥下していると、モモが何を思ったのかククッと喉を鳴らした。
「?」
「ゴックン出来たか? 飲み込むまで、次はなしだぞ?」
「ぅ、ゲホ! ゴホッゴホッ!」
なんで今このタイミングで言うんだソレを!
「やめろ。萎える」
「そうか? 娼館にはこういうプレイもあるんだろ?」
「あるけど、俺の守備範囲外だ。もぉ……」
俺の上から降りたモモと向かい合うように身体を起こす。
「セックスの最中に子どもの事あんまり言わないでくれ」
「……すまん。嫌だったか。しかし、何故? 悪い事ではないはずだが?」
「うーん……そう、なんだけどさ。純粋な子ども達の事思うと、エッチな気持ちでいる自分が酷く恥ずかしくて、居た堪れなくなる」
「……?」
モモはピンと来てないようだ。コレは個人的なメンタルの問題だしな。
性的な事を未だにいけない事、汚い事だと思ってしまっている所為だ。
「……自分の汚さが浮き彫りになると言うか」
「お前は綺麗だが?」
「……いや、そうじゃなくてコレは俺の考え方の問題。ごめん、変な空気にして」
「…………ジュン」
モモが神妙な顔付きで俺の頬に張り付いた髪を払うように撫でてきた。
「私にはよくわからない部分だ。しかし、やはりお前は美しいぞ。ジュンが汚れと思っているものは、私にとってはジュンの模様の一つにしか過ぎない。だから、そんな風に自分を貶めるような言い方は止めてくれ」
「……ありがとう。わかったよ」
モモは俺が自虐的な態度を取ると途端に不機嫌になる。
自分を傷付けるな。大切にしろ。耳にタコが出来るくらい言われた言葉だ。
けど、それはそれとしてセックスの子どもの話題はNGとした。俺の精神上どうしても無理だ。
モモは深々と頷き了解してくれた。
「……続き、するか?」
「ああ。勿論」
向き合った状態から、お互いの服を全て脱がし合い、肌を密着させる。
対面座位の状態で俺達は何度も口付けを交わしながら、挿入の準備をする。
潤滑油要らずの俺のアナルはしとどに濡れて、モモの性器を待ちわびていた。
指で軽く解されただけで、すぐにでもモモのモノを受け入れる事が出来る。
「挿れるぞ?」
「ん、きて」
『くちゅ』
「あっ……ぁ……ふぅ……っ!」
『ぐぷん!』
モモの首に腕を回して抱き着き、腰に足を絡めて身体を固定する。
奥まで入り込んだ熱い楔に息が止まりそうになる。
「ん……は……はいった、ぜんぶ」
「そうだ。ジュンの好きな所に私のモノが届いている」
「ん……わかる、モモの、ドクンドクンしてる」
脈打つモモ自身を感じながら微笑む。
モモも俺の腹を撫でながら嬉しそうに目を細めた。
「動いても大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
「……ふっ、く……ぅ……ん、ん」
『パチュッパチュン』
「はっ……んっ……んんっ」
最初はゆっくり、徐々に速度を上げてピストンされる。
突き上げられる度に前立腺が刺激されて快感が身体中に広がっていく。
「あ、そこっ! んっ……いいっ! んゃ、もっと……!」
「もっとか。良いだろう。お望み通り……っ」
「あぅ! ひぃ! ぁああ! 激しすぎ、はげし、いっ!」
急に激しく揺さぶられて目の前がチカチカした。
結合部からはジュブジュブと卑猥な音が響き、肉同士がぶつかり合う乾いた音と混じって聴覚を刺激する。
ああ、何百と経験したはずの営みと快楽なのに、何故こんなにも飽きも慣れも無く、夢中になれるのだろう。
「はっ……ふっ……んんっ! イき、そ……!」
「ああ、いいぞ」
「やっぁ、だめ! 奥ぐりぐりしたら! すぐイッちゃうから!」
「はは、ジュンは本当にココが好きだな」
「好き、すき! 奥、モモのでゴリゴリされると頭真っ白になって、気持ち良くて……っ!」
聞かれた事以上の事をベラベラと喋ってしまう。モモはそんな俺の痴態を見て楽しげに笑い、より一層腰の動きを強めた。
「は、ぁ、イクッ、イグゥッ!!」
「ジュン、私も……」
「なか、出して、いっぱい……モモのせーえき欲しい……っ」
四肢でモモに縋り付いて、自らモモを締め付ける。
絶頂に向けて駆け上がる感覚に背筋が震えた。
一際強く打ち付けられて最奥まで突かれた瞬間、俺は精液を吹き上げモモと自分の腹を汚した。
「ぁ……ぁ、あつい」
ドプンとナカにモモの精液が注ぎ込まれる。
疲れが癒えていく感覚は、爽快感があって好き。
暫く余韻に浸っていると、モモが身体を離そうとしたので、慌てて身体に回した手足に力を入れる。
「ジュン、ちょっと、力を緩めてくれ」
少し焦った様子でモモが俺を引き剥がそうとする。
俺は眉間にシワを寄せた。嫌だ。まだこのままが良い。そう意思表示すると、モモは困ったように溜息を吐いて苦笑を浮かべた。
「……仕方のない奴だな」
呆れたような物言いだが、声音は優しかった。
モモは優しく俺の頭を撫でて、そのまま長い髪を指に絡ませて遊んでいる。
「モモ、まだシたい」
「……明日起きれなくなるぞ」
「一回だけ」
「一回で済んだ事あったか?」
「…………」
無いな。いつも最終的に二回三回して寝落ちするパターンが多い。
今日だってきっとそうなる。
「ジュン、また明日の夜にシような」
「……うん」
もう少し、モモの熱を感じていたかったが、あまりわがままを言ってはモモに呆れられてしまう。
手足を解いて、二人でセックスの後始末をして着替えた。
ベッドに横になったら、甘えるように首に頬擦りする。
モモは俺の意図に気付いたのか、俺の背中に腕を回し、あやすようにポンポンと叩いた。
モモの胸に抱かれて、次第に眠気が襲ってくる。
「ジュン、おやすみ」
「……おやすみ」
意識が落ちる瞬間、モモにキスをされた気がするが確認する間も無かった。
※※※
『チュンチュン……』
『ゴソゴソ』
「ん、んん……ジュン、朝からは熱烈だな」
……? モモの寝惚けた声が聞こえて目が覚めた。覚醒しきれていない頭でモモの言葉を理解しようとしたら……ベッドの中でモゾモゾと何かが這い回っていた。
何だコレはとぼんやりしていると、モモが目を開けた俺にキスをしてきた。
「んっ……ん、ぁ」
ぬるりと舌を絡めあう。ゆったりとマイペースに。
脳が蕩けてしまいそうに甘い。
満足して口を離すと、モモが幸せそうに微笑んでいた。
額をくっつけて、もう一度キスを──
「……パパ?」
「「!!?」」
俺達は勢いよく飛び起きて布団を捲り上げた。
ベッドの中にはアカリが居た。
モゾモゾゴソゴソしてた原因はいつの間にか潜り込んだアカリだったらしい。
「ア、アカリ……おはよう。どうした?」
「卵探しに来たの」
「……はぁ、アカリ。そんな昨日の今日で卵は見つからないよ」
俺は大きな欠伸をしながらアカリを諭す。
モモはまだ眠そうに目を擦っている。
しかし、そんな事はお構い無しに、アカリは頬をぷくぅ~っと膨らませて、不服を訴えている。
「いつ!? いつ見つかるの!?」
「アカリ、命はそう簡単に産まれないんだ。大事な家族を迎える為の準備が色々あるんだよ」
「……でもぉ」
「アカリ、とりあえず朝ごはん食べようか」
「うぅぅ~」
アカリは納得いかない様子だったが、空腹には勝てなかったようで渋々と部屋を出て行った。
「モモ、大丈夫か?」
「……ああ、平気だ」
少し青い顔をしているモモの体調が心配になった。平気と言いつつ手で顔を覆っている。
「…………お前が言っていた事がよくわかった」
「?」
「子どもに自分の性欲を見られるのは、酷く心苦しい」
「……ああ、そうだな」
先程の甘ったるいキスを思い出して冷や汗が止まらない。
俺のは興奮して勃ちそうになっていたが、モモのは完全に息子さんが反応していた。
知らなかったとは言え、娘の前で勃った罪悪感でモモは酷く落ち込んでいた。
「鍵でも取り付けとくか?」
「……そうだな」
次の子達を考える前に上の子達への対策が必要のようだ。
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