巻き込まれ転移者の特殊スキルはエロいだけではないようです。

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おまけ

IF・飼い殺しルート

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※王宮に監禁ルート
※胸糞なので閲覧自己責任
※最後♡喘ぎ注意





 上質なベッドの上。低反発ながら、絶妙な沈み込み加減で俺を受け止めている。
 シーツの海を悠々自適に泳ぎたいが、そうもいかない。

『ギィ、ギシ……ギィ』
「あっ……あぁ」

 手枷に足枷、首輪まで着けられて自由を剥奪されている俺は、毎日毎日何人もの男の相手をさせられていた。
 何故か最初から痛みは無く、自身が生み出す快楽に弄ばれ、こうして甘い声を漏らしている。

「あぁんっあっ、ぁう」
「ほら、出しますよ。しっかり受け止めてください」
「ぅ、あ。あぁぁぁーーー!」

 埋め込まれた性器がビクビクと震えながら白濁液を注ぎ、俺のナカは一滴残さず搾り取ろうと蠕動する。
 そして、俺はいくらセックスしても疲れない。
 何日前か、何ヶ月前かわからないが、この世界に若者達と共に召喚されて魔王を倒して欲しいと王に懇願された。
 帰る術も無く、唐突過ぎて意味がわからなかった。もっと意味がわからなかったのは、世界を越える際に授かる異世界人特有のチートスキルを鑑定された後だ。
 俺は何の説明もなくココに連れてこられて、恐らく睡眠薬を飲まされのか意識が途中で無くなっていて、起きたら現在と同じ状態だった。アナル処女を散らされている最中に覚醒して、酷く困惑して暴れようとしたが快楽に蝕まれて出るのは喘ぎ声ばかり。
 それから毎日何時間も代わる代わる犯される。
 抵抗は無意味で、許された自由は食事と排泄と睡眠。
 世話係は居るが、俺を抱く男達と変わらない。と言うか、一番厄介なヤツは世話係だ。

「ぁ、あ……んん、ふ」
「食事中にこんなにして、はしたないですねぇ」

 世話係は首輪と手枷が繋がっている俺に食事を摂らせてくれるが、毎度俺の性器を扱き上げながら口に運ぶ。
 喉に詰まらないようによく噛んで食べているが、口が開いてしまいそうになる。
 けれど、貴重な栄養を無駄に出来ず必死にこの拷問のような食事を続ける。

「あぁ、ジュンイチロー様、美味しいですか? 気持ちいいですか?」
「ぅ……っ、っ」
「ジュンイチロー様から溢れる蜜で、手がこんなに汚れてしまいました」
「~っ、んっんっ、んんん!」

 ぐちゅぐちゅ音をたてながら俺の股間を揉みしだき、喉の動きつぶさに観察され、ベテランの介護士のような手際で口に料理を突っ込まれる。美味しいし、気持ちいいけど、どっちかだけにして欲しい。
 これが一日三回もあるんだ。精神的に辛い。
 なによりも嫌な日課が一日の最後にやってくる。

「さぁ、どうぞ」
「ぁ、あぁ……ひぁ、あ」

 晩御飯を食べた後は決まって風呂場に連行される。
 そして、ここでも地獄が始まる。

「ぁ、あっ、あぁ! ゃ、やめ……ぁ」
『グチュグチュン』
「一日お疲れ様でした」

 散々こき使われたアナルを執拗に洗浄され、性感帯である前立腺をゴシゴシと擦られる。

「あ、あ……ぅ、ぅ」
「声が響いていますよ。我慢できなくて出てしまったんですか。可愛いですね」
『ヌポ』
「あ、あ……ぅ」

 ようやく解放されたかと思えば、浴槽に浸かる俺にツラツラと世間話や他の転移者の近況報告をしてくる。
 その間も俺の身体をマッサージするように撫でたり、乳首を摘まれたりして、下半身がムズムズするから止めて欲しい。

「ぁ、ん……ん」
「ああ、ジュンイチロー様……そろそろご就寝の時間です。上がりましょう」
『ジャラ』

 優しい口調だが、首輪の手綱を引っ張って有無を言わせず俺を湯から引き上げる。
 服を着せたり髪を乾かしたりは凄く丁寧で、むしろ優しくして貰っているがチャラにはならない。
 常に微笑を讃える年齢不詳の男、この世話係に逆らったらどうなるか想像付かない。言い難いヤバさが醸し出されている。
 現状打破を考えようとも手立ての全てがこの世話係に捻じ伏せられる。
 就寝時間になって最高のベッドに横になる。マッサージの所為で身体が悶々としてしまう。
 そして、前より後ろが男を欲している事に気付いて絶望した。
 
「(……なんで、俺だけこんな)」

 他の転移者達は王宮内を自由に闊歩して、訓練を積み、ゆっくりと食事も風呂も出来ている。
 何故、俺だけ監禁されて、男に抱かれなければならないのか。
 本当に意味がわからない。
 胸の内で徐々に妬みが生まれ始めていた。
 中途半身に熱を持たされた身体。手枷の可動域が狭い所為で自慰が出来ない。欲求不満が夜と相まって俺のネガティヴ思考を加速させいく。
 
※※※

 週に一度、部屋から出られる日がある。
 勿論、世話係付きだ。

「……ジュンイチロー様、皆さまお待ちかねですよ」
「……はい」

 何度目かわからないが、そろそろ精神的に限界かもしれない。
 王宮の廊下を世話係と歩きながら重い足を引き摺るように動かしていく。
 鎖の音とバクバクと胸を打つ心臓の音を聞きながら、深呼吸をして心を落ち着かせる。

『コンコンコン』

 部屋の扉を開けると、そこには非番の騎士達が薄着で俺を待っていた。
 騎士達は一糸乱れぬ姿で俺に一礼をする。敬意に反して、向けられるその視線が怖い。まるで獣が獲物を見るようなギラついた目でこちらを伺っていた。
 この瞬間が一番嫌いだ。
 人権があるフリをされる。

「さぁ、脱ぎましょうね」
「っ……」

 プツプツとシャツのボタン後ろ外されて、スルリと下着ごとズボンを脱がされ丸裸にされていく。
 数多の視線に晒されてのストリップに俺はもう死にたくなっていた。
 どうして、俺なんだ。
 何度同じ事を考えただろうか。
 何度目かも分からない程にこの質問が頭を過る。
 理不尽な辱めに耐えて、ただ男達の欲望に振り回される日々を送っていると、段々と思考が麻痺していくのを感じていた。自覚した途端に怖くなる。

「では、お楽しみください」

 スッと俺から離れて部屋から出て行く世話係。
 騎士達の中央に一人、俺は手枷と足枷と首輪だけを身に付けて、彼等の眼前に居る。
 今日は特にヤバい。いつも以上に騎士達から欲望の熱気が漂ってくる。
 早く終わらせたい。

「あぁ……ジュンイチロー様」
「ふぁ……っ」

 背後から耳元で囁かれる声にゾワっと背筋から腰まで電流が走った。
 首輪を掴まれて引き寄せられると、口の中に舌が入り込み俺の歯列をなぞっていく。
 キスをされながら無数の手が身体中をまさぐられて息が上がる。
 全身を愛撫されると、すぐに反応して先走りを零していた。

『ぐちゅぐちゅぐちゅ』

 アナルに指を突っ込まれてナカを押し広げられると肉壁が収縮する度にローションのような愛液が溢れてくる。それを塗り広げるように何度も擦り付けられ、前立腺も容赦なく刺激を与えられた。

「あっあ、ぁぁあーっ」

 快楽に頭が真っ白になり、目の前がチカチカする。射精感が高まり限界を迎える直前でピタリと全ての手が止まった。

「……あ?」

 突然の停止に物足りなさを感じて騎士達の様子を確認すると、急に頭を撫でられた。訳がわからず呆然としていると、頭を撫でる手に力が入り、俺を前屈みにさせる。そして、おもむろに取り出したモノを口に突っ込んできた。生臭さと質量のあるソレが喉の奥に当たって吐きそうになる。涙目になって吐き出そうとすると頭を押さえつけられ更に奥へと侵入してきた。

「う"ぇっ……んぶ」

 苦しさに嘔吐くが解放されずに無理矢理しゃぶらされる。口いっぱいに広がる雄臭い匂いと、舌に纏わりつく塩気の強い体液に眩む意識を何とか繋ぎ止めていると、髪を鷲掴みにされて前後左右に乱暴に揺すられる。
 苦しい、苦しい、辛い、助けて。誰か、お願い。許して。
 心の中で助けを求めるも、それが叶わない願いである事を知っていた。
 けれど、耐え難い苦痛のはずなのに、俺の身体はそれを快楽に変換し始めた。
 やがて、満足するまで口の中を犯した男が喉奥で熱い飛沫を放ち、溺れてしまう前に必死に飲み干していく。
 やっと解放されたかと思えば次は正面にいた別の男のモノが差し出され、再び口腔内へ。

「んぶっ、ぅ、えっ、ごほ、けほっ、げっ、がは!」
「ちゃんと飲んでください。溢したらやり直しですよ」
「苦しそうですね。全員分口でするの厳しそうなら手でお願いします」

 全員分を口で!? 冗談じゃない! 窒息死する!
 俺が首を横に振って否定すると両手に二本のモノを握らされた。
 そして、「頑張ってくださいね」という言葉がかけられる。
 俺は口に男のモノを咥えしゃぶりながら、両手にある脈打つ熱棒を扱く。
 屈辱的だ。こんなの嫌だ。なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。どうして俺ばっかりが……どうして……こんな……これに何の意味があるのか? 
 何故、俺がこんな目に遭わなければならない。そんな気持ちが芽生えては、熱に浮かされ消えていった。いつも通りの葛藤と羞恥と快楽。

「ジュンイチロー様は本当に可愛いらしい。我々の為に尽くしてくれて感謝しております」
「っ……、っ」
「貴方の奉仕が無ければ、この国は立ち行かないでしょう」
「辛いお役目を全うされて、なんとご立派なことか」

 耳元で囁かれる言葉の数々が甘い蜜のように脳髄を溶かしていく。意味は分からずとも、なんとなくすごい褒められている事がわかった。
 頑張って偉い、我慢出来て偉い。褒められる事が無かったからそんな言葉でも労われて嬉しい。だからもっと聞きたい。もっと言って欲しい。もっともっと。褒めて、優しくして欲しい。
 男達の甘言を耳にしながら手と口を動かすと次第に絶頂感が訪れて、俺の脳内に白い光を放った。

『ビュク』
「ふっ……ぁ」

 口淫と手淫だけで俺は果ててしまった。
 膝がガクガクと震え、立っているのもやっとだった。

「では、こちらをお使いください」

 床にシーツを引かれて、そこに四つん這いにさせられる。尻を突き出すような格好を取らされ羞恥心に頬が赤くなった。

『ズプン』
「ひっ……」

 いきなり突き立てられる剛直。

『パンッ』

 乾いた肌のぶつかる音が響き、衝撃に息を詰まらせると容赦なく打ち付けられた。

『ドチュッドチュッ』

 激しくピストンされる度に身体中に痺れが走る。気持ち良い、凄く気持ちが良い。

「あ、あっ、ぁああああっ」

 快楽に飲まれる。理性が飛ぶ。
 もう何も考えられない。
 ひたすらに喘いで善がり狂った。
 獣の交わりのように本能のまま、何度も何度も欲と快楽に耽る。
 何度も何度も精液を注がれ、逞しい男達に跨って腰を振り、手淫と口淫を続ける俺は一体何をしているのか……思考が停止した頭の片隅に残った疑問も、やがて薄れていく。
 気持ちがいい。悪い事ではない。国の為だって言われた。良い事なんだ。俺にしか出来ない特別な……

「あっ! ぁ、あ! やだ、いやだ、恥ずかしぃ!」
「そういいながら、ココは随分とお悦びですよ?」

 背面駅弁の状態で両脚を持ち上げられ結合部を晒しあげられる。至近距離で卑猥に性器を咥え込んでヒクつくアナルを視姦されながら耳元で甘く囁かれた。

「貴方は見られて興奮しているんです。羞恥は快楽の起爆剤。恥ずかしい事は気持ちいいんです」
「ひぐ、ぁ、ああ……き、もちぃ?」

 そのまま耳を舌で舐られながら腰を揺らされると肉壁が痙攣して男の肉棒を締め付ける。

 快楽に支配された俺には最早抗う術はなかった。
 ただひたすらに与えられる快感を受け入れるだけ。
 見られている。蹂躙され、拡げられたアナルを。奥まで入り込んで、出て行く度に肉棒に縋り付く媚肉を。
 そして、勃起した俺のモノからダラダラと先走りが伝い落ちているところを。
 陵辱されているのに、身体は正直に反応していた。快楽を享受し、更なる快楽を求めてしまっている。

「気持ちいいですか?」
「きもちぃ、れす……」
「気持ち良くなってるところ、たくさん見せてください」
「ふぁぃ……見て、くらしゃい」

 俺は自分から足を広げて恥部を晒す。変態で淫乱でどうしようもない雌犬に成り下がってしまった。
 そんな俺を見て騎士達は愛でるように触れて笑いかけてくる。
 それがとても心地好くてゾクゾクする。
 自分の奥の奥の更に奥にある何かを知覚して、その扉が徐々に開いていく感覚に酔い痴れた。
 俺の全てが曝け出される。
 全て、全部、隠していたもの、奥底に仕舞い込んでいたモノ。
 犯されて、貫かれ、奥の奥まで掻き回されて、突かれて、揺さぶられて、弄ばれて、苛められて、辱められる。
 それが堪らなく気持ちが良かった。頭がおかしくなる程。
 身体を貪られると同時に精神が蝕まれていく。
 諦めが心と身体と頭の中を軽くしていく。
 現状を受け入れていく。


 集団レイプが終われば、俺は役目を終えたシーツの上に身を横たえる。
 世話係が俺の意識を確認してから騎士を退出させた。

「今日も頑張りましたね。偉いですよジュンイチロー様」
「はっ……はっ……はは、ははは」
「ご機嫌ですね」

 もう逃げられない。
 何処にも行けない。
 行きたくない。
 この檻から逃げ出したいと、そう思っていたはずなのに。
 
「さぁ、湯汲みに行きま」
『バギィン』
「!?」
「……あぁ、こんなに脆かったのか」
「…………」

 手枷を引きちぎった俺を驚愕の表情で見る世話係の首を鷲掴みにして床に押し付ける。

「かっ……ジュン、ジュンイチロー様!」
「あ、はは、ははは!」

 今、俺は自らしろの中に入っていく。
 何故なら俺は、そういう人間だから。
 だから、俺の願いを叶えて欲しい。

「世話係さん」

 首を掴む手に力を込めて絞め上げる。
 苦悶の声が漏れたが、お構い無しにギリギリと気道を圧迫した。
 やがて酸素を求めて開いた口に舌を捩じ込み、口内を荒々しく舐め回す。
 ゆっくり手から力を抜いて、世話係の気道を確保しながら覆い被さった。
 目を見開き呼吸を荒くさせる彼の耳元に口を寄せ囁く。

「もっと欲しい……」
「…………そうですか」

 息を整えた世話係が仄暗い笑みを零して俺を抱き締めてきた。

「頑張ったご褒美は大切ですからね。よしよし」

 なんか……全部どうでも良くなってきた。

※※※

 あれから、手枷や足枷を付けられたままだが、部屋から出られるようになった。
 そして、あれだけ毎日抱かれていたのに急に一度も抱かれなくなった。食事の時の世話係の手淫も無くなった。食事時に反射的に勃ってしまうのに慰められない。熱を常に持て余し、頭がぼーっとする。
 他の転移者達は魔王を既に何体か倒しているらしい。
 俺は彼らに合流する事はなく、週に二回対人の特訓をしている。不思議な事に振るった事のない大振りの斧のような武器を軽々と扱える。
 特訓を頑張った日には、世話係がご褒美と言って長時間の性行為が与えられ、ますます俺は思考は単純化させられていく。
 そして、俺に求められているのは、人を殺す事を躊躇わない精神力と殺しに抵抗を無くす事だそうだ。
 人はそんな簡単に殺人鬼になんてならないし、俺には向いていないと思っていた。

「無理なら、今後ご褒美は抜きですよ」
「やる。やります。頑張ります」
「はい。頑張った分だけ、皆様に気持ち良くしてもらいましょうね」
「はい……」

 世話係の前に座り込んで彼の膝に頭を乗せる。
 頭を撫でられながら、与えられるであろう快感に期待している自分がいた。
 待てを命じられた犬のようだ。従順にしていれば、良い事ばかり。






 だから、コレも良い事の為だ。ご褒美の為だ。頑張らなくてはいけない。頑張らなければ与えてもらえない。

「ぅ、うわあああ」
「助けてくれ、頼む……死にたくない」
「なんなんだお前!」

 土煙と硝煙で視界が悪い。足場も悪い。血生臭い。疲れていないのに汗が滲む。だけど気にせず、ひたすら斧を振るい人体を分割していく。
 銃のない戦争には魔法が持ち込まれているが、魔法障壁を重ね掛けした俺が突貫すると白兵戦は一気に攻勢になる。
 なんでも魔法の重ね掛けには限度があるらしい。魔力を纏い過ぎると人体や体内の魔石に悪影響が出るとか……俺には関係ないからよくわからない。
 ただ、人を殺すと必ずご褒美が貰えた。最初は土臭い野営地でされるのは嫌だったけど、今はもう慣れてしまった。
 ご褒美が待ち遠しくて仕方がない。
 早く殺さないと、誰かに取られてしまう気がする。
 先陣を切って最前線を駆け抜ける。
 

 今日はたくさん手柄を立てたのに、ご褒美が無かった。
 どうしてだろう? 明日の晩にもらえるかな? 俺の頭の中はそればかりで何も考えられない。
 野営地のテントには怪我人が大勢手当を受けている。その中で気になる人がいた。
 小柄な女性。銀髪で、可愛くて、華奢な人。怪我人を手当てして回っていた。けれど、何故だろう。

『クイクイ』
「! どういたしました?」
「ぁ、あー……?」

 ついスカートを摘んでしまった。

「聖女様、そいつもう真面に対話出来ませんよ。イテテ……話は通じるんですけど、もう頭が……その、色々アレな感じでして……」

 包帯を巻いている騎士が聖女様とやらに説明をしていた。

「あの、確かジュンイチロー様ですよね? ご活躍は予々お伺いしております」
「誰を殺せばご褒美くれますか?」

 俺の問いかけに聖女様は驚いていたがすぐに微笑んだ。慈愛に満ちた笑みとはこういうものを言うのだろうか。

「もう殺さなくていいんですよ? 条約の締結が行われたので、明日からは王宮へ向けての帰路になります」
「……ご褒美」
「ご褒美、ですか。ご褒美が欲しいんですね」

 譫言のように呟きねだる俺を聖女様は、まるで可哀想な子どもを見るような眼差しで見上げていた。
 
「……聖女様、俺達の替わりに一度ご褒美お願い出来ますか?」
「え?」
「いつもは俺達が頑張ったソイツにご褒美あげてたんですけど、今日の最後に悪あがきされてみんなこの様なんで」
「ご褒美とは、どのようなものですか? 私でよろしければお手伝いさせていただきます」
「聖女様が居てくださってよかった。あっちに専用のテントがあるので」

 包帯姿の男が指差したテントへ、俺の腕を引っ張り連れて行く聖女様。俺は何も考えずに着いて行った。ご褒美が欲しかったから。
 テントの中にはシーツやクッションが用意されていた。

「ジュンイチロー様、どのようなご褒」
『スリ』
「へあ!?」

 聖女様の困惑気味の声。でも、それよりも俺の方が驚いた。
 いつもの癖で、地面に座り込みながら口淫をする為に相手の股座に顔を擦り付けてしまった。女性なのにしっかりと存在を感じる。

「な、なにを! いけません、このような場所で!」
「…………ご褒美」
「!」

 拒絶された。ダメは守らなければ次が貰えない。我慢したら、ちゃんと貰える。

「まさか……ご褒美と言うのは…………そういう」
「…………」

 しょぼくれて蹲る。
 そんな様子を見かねた聖女様が頭を撫でてくれた。

「ジュンイチロー様……いけませんよ。このような事は」
「いや、いやです。ご褒美ください。頑張りました。これからも頑張ります」

 何の為に人を殺してきたと思ってるんだ。
 何に縋ってギリギリの心を保ってると思ってるんだ。
 俺は聖女様のスカート越しにモノを刺激する。

「あっ!」

 聖女様は敏感なようで、分厚い神官服越しの愛撫にしっかり反応していた。
 俺の手を止めようと抵抗しているが、普通の女性では振り解くのは無理だろう。

「だめ、擦っては……あぁ、ジュンイチロー様」
「……聖女様、おっきぃ」

 布を押し上げている聖女様のモノは小柄に見合わぬ立派なサイズだった。
 熱い呼気が喉を乾かす。反射的に口の中に唾液が溜まっていく。
 餌を前にした犬のように落ち着きがなくなる。
 不作法にスカートの中に手を滑らせて、下着をずり下ろし、託し上げる。
 間髪入れずに勃ち上がっている聖女様はモノを口に含む。

「はぅ!」
「……んっ、ふぅ」

 夢中で聖女様にご奉仕する。舐めて吸って、喉の奥まで使って刺激すると腰が跳ねて喜んだ。俺自身も下半身に熱が集まっていくのを感じた。ズボンが窮屈だ。
 早く脱ぎたい。
 聖女様は動く俺の頭を止めようと掴んで快感に耐えていたが、呆気なく俺の頭を抱え込んで絶頂を迎えた。勢いよく出た大量の精液を零さないように必死で飲み込む。苦味のある液体を舌の上で転がしてゆっくり嚥下する。もっとほしい。もっと、ご褒美、欲しい。

「はぁ……はぁ……なんて、事、を……私」
「ごほーび……下さい。ご褒美……」
「…………ジュンイチロー様」

 ふしだらに両脚を広げて媚びる俺を聖女様はどう思ったのだろう。
 憐れみか軽蔑か。わからないけどもういいや。
 この内を焦がす熱を解放して欲しい。

「あぁ……なんという……お可哀想に」
「……聖女様?」

 聖女様が泣き出してしまった。俺、何か間違えたのか? どうして泣くの?
 憐れみでも侮蔑でもない、その瞳に宿るのは慈愛の輝き。聖母のように美しい聖女様。俺には眩しいぐらいに綺麗に見えるのに。
 聖女様は自分の胸元に俺の頭を抱え込んだ。
 なんだか、懐かしい匂いがする。なんだったか忘れてしまったけど、酷く優しく懐かしい匂い。胸が絞られるように痛むのは何故?

「ひっく、ぅう……あああ」

 俺の口から出ているのは喘ぎ声ではなく泣き声だ。
 涙が止まらない。止め方を忘れてしまったみたいに、次から次に頬を伝い落ちていく。

「いい子、いい子ね。頑張ったのね。偉いわ」
「ひ、うぐ、ぇええん」
「いっぱい我慢してきたのね」

 ずっとずっとずーっと前に、誰かに言われた気がする言葉。
 ただ包み込んで、俺を愛してくれた人が居た気がする。
 思い出せない。誰だったか。
 思い出せないのが、悲しくて、寂しかった。
 ご褒美が欲しいと思っていたのに、燻っていた熱が萎え始めた。
 そして、聖女様の抱擁があまりにも心地好くて俺は眠りに落ちてしまった。

※※※

 王宮に戻ったら、皆慌ただしくしていた。戦争の後は毎度バタバタしている。
 俺は部屋に篭って世話係に聖女様の事を伝えていた。

「聖女様にご無体な事を……しかし、体を重ねるまではいかなかったんですね」
「ん。抱き締められて、急に胸が痛いのにあったかくなったんです。何か忘れてる気がする。大事な、そう大事な──」

 俺の言葉を遮るように、世話係が俺へキスをしてきた。
 触れるだけのキスを何度も角度を替えながら繰り返し、次第に深くなっていく。口の中へ入り込んできた舌が絡み合う。気持ち良くて頭が再びぼーっとしてくる。
 唇が離れると、俺達は互いに息を整えた。

「はっ、ぁ、はぁ……」
「ふぅ……ジュンイチロー様、続きは夜にいたしましょうか?」
「い、今がいい、です」
「では、しっかりおねだりしてください」
「……はい」

 世話係とヤる際は、彼がその気になれるように、おねだりをしなければならない。
 俺はベッドの上で自分の服をゆっくり脱いでいく。
 抱かれる為だけに行っている脱衣に羞恥で手が震える。

「(あれ? もう慣れたはずのに、なんでこんなに恥ずかしいんだ?)」

 ボタンを外すだけで、顔から火が出そうだ。冷や汗も出てきてしまう。

「ジュンイチロー様、随分と可愛らしい恥じらい方ですね」
「あ、ごめんなさい……ごめんなさぃ……」
「怒ってませんよ。ただ、初心に帰っただけです」

 確かに、恥じらうばかりだった頃に戻ったみたいだ。
 スルリスルスルと下着とズボンを脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になる。俺自身は半分反応していてヒクヒクと跳ねている。それを手で隠そうとした瞬間、彼の手に捕まった。

「さぁ、いつものように……」
「ぁ、はい」

 おねだりしないと、彼は俺を抱いてくれない。
 俺は恐る恐る口を開いた。声が震えてしまう。

「ぉ、ぉおれの、ココに……たくさん注いで、くだ、さい」

 俺は開脚して晒したアナルに指先を埋める。自分でも驚く程に、そこは柔らかくなっていた。
 泥沼のように沈む。それどころか、もっと欲しいと貪欲に奥へと誘う動きをしている。
 指を抜くと、愛液がトロリと糸を引いていた。
 その光景に頭がくらくらする。

「ココとは、どこですか?」
「あ、なる」
「違うでしょ? ココは貴方が女の子になる穴です。前に教えたでしょう? ほら言ってみてください。ココは、何でしたっけ?」

 彼は俺のアナルを弄り出した。
 人差し指で縁をなぞられ、中へ入っていく。
 第一関節が埋まるか埋まっていないかの浅い挿入なのに、腹の奥がキュンとなる感覚を覚えた。
 欲しい。欲しい欲しい。

「お、ぉ……おまんこ、おまんこです」

 言った途端、身体中の血が沸騰しそうなくらい熱くなる。熱を逃がすように息を吐くが追い付かない。
 世話係は嬉しそうに笑ってくれた。
 だけど、まだ挿れて貰えない。

「そう、よく言えましたね。では、もう一度」
「うっ……」
「(聖女の所為で洗脳が解けかけてる。もう一度調教して、使えるようにしなければ)」

 恥ずかしい。言わないと貰えない。
 だから、頑張らないといけない。
 俺は不意に聖女様を思い出す。あの優しい匂いを。
 何故? 何故だ? 何故聖女様の顔が浮かぶ? 聖女様は俺にとって何だ? 俺は、どうしてこんなに胸を痛めてるんだ?

「ジュンイチロー様?」
「ぁ、あっ……」

 声が出ない。おねだりの言葉が出てこない。
 言いたくない。でも、言わなきゃ。じゃないと……。
 俺は焦燥感に駆られる。早く。早く。
 どうしてだ。俺の口は言葉を紡ごうとしない。
 どうして言えない? どうして声がでない? 喉から出てくるのは言葉にならない母音ばかり。

「…………言えないのなら、仕方ありません。それでは、私は洗濯にでも」
「!?」

 世話係は無表情でスッと立ち上がって俺に背を向けた。

「待って! 待ってください! おねだりします、だから抱いて、ください」

 彼の袖を掴んで必死に懇願する。涙が止まらない。

「お、俺の、おまんこ、使って、くだ、さい」

 俺は泣きじゃくりながら、どうにかおねだりを絞り出す。
 情けない。なんて無様なんだ。
 恥ずかしい。消えてしまいたい。死んでしまいたい。
 世話係がこちらを振り向く。
 無表情だった顔がニヤァっといやらしく歪む。
 ゾクリとした。悪寒と期待からくる興奮で体が震える。
 世話係が近付いてきて、再び唇を重ねてきた。そして、俺のアナル……おまんこに指を這わせてくる。
 やっとだ。待ち望んだ快感。
 指が二本、三本と増やされ、中を掻き回される。
 快感と喜びが入り交じった声で喘ぐ。
 口内を犯されているせいか上手く声が出せない。
 それでも俺は夢中で彼にしがみついて快楽を享受していた。
 すると、彼は唇を離し、俺を見下ろして言う。

「おまんこ、どんな風に犯されたいんですか?」
「う、ぁ、あ、あの……奥まで、一気に突かれて、たくさん、たくさん精液欲しいです。奥、いっぱいトントンして、欲しい、です」

 俺は恥ずかしさから顔を真っ赤にして、尻すぼみになりながらも答える。

『ズルン』
「ああっ!」

 彼は指を勢い良く抜いた。それだけで軽くイってしまう。

「こんなに濡れてますよ。恥ずかしくても、身体は正直ですね」

 まるでローションを手に取ったかのように指はトロトロの愛液に塗れていた。
 それを俺に見せつけるように舐め取る。妖艶で官能的な仕草だ。
 その姿を見ているだけで、俺は更に興奮してしまう。
 世話係が俺を押し倒して腰を掴むと、熱くなった肉棒をおまんこに擦り付けてきた。
 早く、早く、早く欲しい。
我慢出来なくて自分から股を開いて受け入れようとした瞬間── ノック音が響いた。

『コンコン』

 誰か来たようだ。
 世話係は一瞬舌打ちをしかけたが、すぐにいつもの優しげな笑みを浮かべた。俺はというと中途半端に止められてしまったせいで身体が疼いてヘコヘコと腰が浮かしてしまう。

 世話係は服を整えると、俺の頭を撫でてから扉に向かった。
 誰かと何かを話して、すぐに世話係が帰ってきた。手には何かを持っている。

「騎士団長から差し入れをいただきましたよ」
「?」

 中にとろみのある何かが入っている瓶を数本、俺に見せびらかすように持っていた。
 世話係はベッドに上がると、そのうちの一本の蓋を開ける。
 傾けるとドロッとした透明のそれが流れ出る。手の上に少し垂らすと、俺の口元へ。

「舐め取ってください」
「……ん」

 言われた通りにする。生温かく、甘いような酸っぱいような不思議な味がした。
 指の付け根や掌に舌を這わせて、綺麗に舐め終わった時、異変に気付いた。
 全身が熱い。心臓がバクバクしている。頭の中がぼやぼやして思考が纏まらない。
 俺が戸惑っていると、世話係が俺の乳首を摘まんできた。
 ビリリッと電気が流れたように痺れる。

『ピュク』
「はぇ? あ……」

 たったそれだけで、俺の勃起したモノから精液が溢れ出た。
 敏感肌と言うには病的なまでに感度が引き上げられている。

「ふふ、効果が出てきたようですね」
「ぁ、これ、なに……ぃ、ひゃうっ」
「媚薬です。貴方の好きな気持ちいい事がより楽しめますよ」

 世話係は嬉しそうに笑って、俺のおまんこに再度肉棒が宛てがわれる。

「待って、待ってくだしゃ、今おまんこに挿れたら、おかしくなっちゃいますぅ」
「いいんですよ。それで」
『ズプン!』
「あっああああ!」

 一気に奥まで挿入され、そのまま激しく前後に腰を打ちつけられる。
 グチュッグチャッと音を立てて、おまんこから泡立った蜜が垂れてきた。
 媚薬の効果なのか、普段よりもずっと敏感で鮮明に快楽が脳を焼く。

「どうですか? おまんこ犯されてる気分は」
「う、あっ、あっ!」
「答えてください」
『グリュ』
「ひっ! きもち、いです! おまんこ、きもちいぃ! 奥まゴツンゴツンって当たって、お腹ジンジンして、あ、ぁぁあ! イクッ、イグゥッ!!」
「早すぎですよ。堪え性のない淫乱が」

 呆れているのか蔑んでいるのか、冷たい言葉を投げ掛けられても、今の俺には快楽にしかならない。
 ビクビクと体を痙攣させて、情けなく精液を吐き出すだけだった。
 そんな俺に構わず、世話係は尚も抽送を続ける。俺はされるがまま。何度も絶頂を繰り返して頭も体も壊れてしまいそうだ。
 不意に世話係が上半身を倒して密着してきた。耳を甘噛みしながら囁かれる。

「気持ちいいですね。幸せですね。もっと、欲しいでしょう?」

 悪魔の誘惑だ。こんなの断れない。断る理由がない。
 俺は涙目でコクコクと首肯する。
 すると、世話係はクスリと笑って俺の唇を奪った。そして舌を絡めてくる。
 舌が絡み合う度に幸福感に包まれる。キスは麻薬のようだ。
 暫くしてから、ゆっくりと唇を離される。唾液の糸が引いて、切れた。
 俺は物足りなさを感じて舌を伸ばす。世話係は満足そうに微笑んでもう一度口付けてくれた。
 俺はそれに気を良くして、今度は自分から舌を伸ばして彼の舌を求める。
 彼はそれに応えてくれて、舌同士を擦り合わせながら、唇で挟むようにして俺の舌を扱いた。
 それがとても心地好くて、俺は無意識に腰を揺らして、彼の肉棒を締め付ける。
 口内を蹂躙されながらおまんこを犯される。凄まじい快感だ。
 俺はもう、快楽のことしか考えられない。
 
「イキまくってますね。中がヒクついて私に吸い付いてますよ。私のモノで貫かれて気持ちいいですか?」
「はい、は、あ、きもちいです、きもぢいいれすぅっ」
「ちゃんと言えて偉いですね。ご褒美に中にたくさん注いであげますよ。嬉しいですね」
「はぃ、うれしいです、ありがとぉございます!」

 世話係は更に動きが激しくなる。
 肌と肉がぶつかる音が部屋中に響く。パンッ、パチュンと弾けるような音が煩いくらいだ。
 腰の動きに合わせるように、俺のナカは彼を搾り取ろうとギュウギュウと締め付けた。
 そのせいか、彼が一際強く打ち付けて達した瞬間、閉じていたはずの最奥まで穿たれ、熱い液体が叩き付けられるのを感じた。

「ぐ、出る」
「ひぐ! あがッ、あああ! あぁああ!」

 どぷっ、ビュルビュルと勢い良く注ぎ込まれる。
 その感覚すらも気持ちよくて仕方がなかった。俺もまた同時に絶頂を迎える。
 意識が真っ白になって、頭がクラクラした。気持ち良すぎて辛い。

「うぁ……」

 身体が弛緩していく。ぐったりとベッドに身を委ねる。
 
「ん……」
『ズル』
「……ぁ……ん、んぅ……ふ……ぁ」

 ナカからゆっくり引き抜かれていく感覚に小さく声を上げる。

「あっ、ああ、出る、出ちゃう! あ、あ、あんん!」
『プシャ』

 絶頂と媚薬の余韻で、一人で腰を揺らして潮を吹いてしまった。

「おやおや、シーツをこんなに濡らして……ふふ、世話のかかる人ですね」

 彼が離れてしまうのが何だか嫌だったから、力の入らない腕で抱き着いた。
 世話係は困ったように笑いながらも、優しく頭を撫でてくれる。その手が心地良い。
 俺は目を細めて、幸せな虚脱感に包まれながら眠りに就いた。

※※※

 召喚されて恐らく三年が経っていた。
 共に召喚された若い勇者達の凶報を聞いた。何度か挑んでいた竜の魔王に殺されたと聞いた。それはどうでもよかったが、これはチャンスじゃないか?

「俺が魔王を倒したら、ご褒美貰えますか?」
「そうですね。第二王子様は貴方をよく思っていないので、第一王子様に話を通してみましょうか。今のジュンイチロー様なら、魔王なんて一発ですから」

 流石にそこまで驕ってはいない。
 だが、何故か勝てる気がしていた。殺せると思った。
 



 結果は、世話係が言った通りだった。
 首を一撃で落とせた。血が吹き出して倒れ込む竜を見て確信に変わる。
 俺は強いらしい。
 魔王討伐後、世話係に連れられて謁見の間へ通された。
 王座に座るのは国王。隣には王妃がいた。そして誇らしげな第一王子と不機嫌そうな第二王子。
 俺は膝をつき、恭しく頭を下げる。世話係に言われた通りに。
 面を上げよ、と言われてから背筋を伸ばす。

「此度の魔王討伐における貴殿の功績は見事であった。褒美を与えよう」
「有難き幸せ」
「何か欲しいものはあるか?」
「……強いて言うならば、いつも通りのご褒美を頂戴できれば、俺は満足でございます」

 正直、あの快楽に勝るものはない。
 富や自由も悪くはないが、やはり俺にはこちらの方が合っているのだ。
 世話係をチラリと見遣る国王は不敵に笑んだ。

「ふむ、では貴公の望む褒美を与えてしんぜよう」
「ありがとうございます」

 世話係と謁見の間を後にした。

「ご褒美、楽しみです」
「はい。とっておきのご褒美を差し上げますよ」

 その夜の事だ。
 世話係がいつもの乱交部屋で俺の身体を縄で縛り付けていた。
 そして、縄を千切ったらご褒美は無しだと言われた。

「今からするのは、貴方だけのご褒美ではありません。戦争を戦い抜いた者達へのご褒美でもあるんです。貴方の体を知ってしまって真面に抜けない方もいるので」
「……縛る必要はあります?」
「ジュンイチロー様、私達は特殊な訓練を受けていますが、貴方が力加減を間違えたら死んでしまう方々もいるんですよ」

 諭すような口調。
 今まで素のままで大丈夫だったのは鍛え抜かれた騎士達だったからだ。
 それ以外の人にも俺自身をご褒美として与える。俺はそんな人達にご褒美を貰える。

「(WinーWinってこういう事を言うのか)」
「準備として、前に使った媚薬を一本使います。はい飲んで」
「んぐ!」

 媚薬を一瓶を口に突っ込まれて、無理矢理嚥下する。
 それから服を脱がされる。裸になった俺は股を大きく開かれて恥部を晒すような体勢を取らされた。その状態を縄で固定されて、両足と背中二箇所の四点から吊り上げられた。
 痛くは無いが、身動きが一切出来ない。

「ん……ぁ、ああっ……あつぃ」

 媚薬の影響が出始めて、すぐに身体中が火照って疼き始めた。息が荒くなる。身体中を甘い痺れが駆け巡る。腰が勝手に揺れて、勃起したペニスからは我慢汁が垂れて糸を引いていた。
 縄がギシギシと音を立てている為、下手に動けない。

「ジュンイチロー様、すごいですよ。おまんこから、洪水みたいに愛液がダラダラ流れてきてます」
『ポタポタ』

 指で秘裂を押し広げられ、そこから溢れる蜜が床に落ちていく。
 恥ずかしくて仕方が無いが、同時に酷く興奮している自分がいた。
 早く、早く挿れて欲しい。ナカを犯し尽くして欲しい。俺は、もうそのことしか考えられない。

「あ、ぁ……おねがいします、おまんこ犯してほしいですっ」
「上手におねだり出来て偉いですね。よしよし。もう少しお待ちくださいね」

 世話係が部屋を出て行き、俺は吊られた状態で放置された。
 どんどん媚薬の効果が強まっていく。
 身体は限界を訴え始める。イキたい。呼吸するだけで背筋がゾクゾクするし、腰に響く。
 苦しい。気持ちいい。気持ち悪い。気持ち良い。辛い。辛いけど気持ち良い。
 頭が、頭がどうにかなりそうだ。
 助けて、お願い、誰でも良い、何でも良い、この身体の熱を解放して欲しい。

『ガチャッ』

 扉の開く音が聞こえた。俺は必死にそちらへ涙に濡れた瞳を動かす。
 そこにいたのは、世話係と騎士。

「お待たせしましたジュンイチロー様。一人一人の対応になるので今までと比べ物にならないほど、長丁場になります。しっかり意識を保ってくださいね」
「よろしくお願いします」
「……は、い」

 薄着の騎士が吊られる俺の前に来て、喉を鳴らした。彼はズボンから自身を取り出し、軽く扱いて硬度を持たせ、一気に俺の中へ押し込んだ。

『ズプン!』
「うああ! ああっ!!」

突然与えられた快楽に耐え切れず絶頂を迎えたが、まだ挿入途中だったらしく、俺の尻と彼の肌がぶつかった感触はなかった。

「あ、や、ごめんなさい、イッちゃいました……」
「いえ、お気になさらず」

 俺を見下ろしながら騎士は舌舐めずりをした。まるで獣だ。
 彼は腰を振り始め、激しいピストンで責め立てられる。
 媚薬の効果もあって、またも呆気なく果ててしまった。
 
「ジュンイチロー様、力むと縄が切れます」
「すみませ、んんぅ、ひゃ、ああっ」
「ほら力を抜いて」

 そう言われても、身体は言う事を聞かない。勝手に力んでしまう。

『ジュプン、ズグッ!』
「ぅ、あ"、や、だめぇ」
「可愛い声ですね」
『ズンッ!!』
「ひっぎ、ぁ、あーっ!」

 奥の奥まで突かれて喉を晒して仰け反った。ビクビクとメスイキの痙攣を繰り返す。
 イっている最中にナカに熱い液体を注がれた。騎士は満足した様子で俺にキスをして部屋を出て行った。
 すると次の相手が入室してくる。
 それから俺は休むことなく……恐らく二日程、犯され続けた。
 飲まず食わずだったが注がれた精液で事なきを得ていた。
 ようやく終わった頃には、俺の喉は喘ぎ過ぎで枯れ果て、声が出なくなっていた。
 流石に二日間は死ぬかと思った。だが、死ななかった。俺の生命力は底無しらしい。
 世話係に縄を解いて貰ったら、一気に手足に痺れが走った。小一時間程、痺れが取れず、久々の食事がちゃんと食べれなかった。
 脳が快感で焼き切れてしまったのか、俺は前よりずっと快楽を貪るようになった。
 媚薬を盛られて一晩中ヤり続ける日もあれば、一日かけてゆっくり身体を開発していく時もあった。その度に俺は、何度もイカされまくって狂ったように鳴き叫ぶんだ。

 そして、戦争では前線で人を殺して、魔王が出れば出向いて殺す。
 何年も何年も繰り返した。
 年齢不詳だった世話係も少しづつ歳を取っていたが、俺はずっと召喚された当時の姿だった。
 王位は第一王子に譲られ、カリン王子は国王となった。時折俺を戯れに抱きにくる時がある。業務が多くてストレスが溜まると俺のナカに吐き出しにくる。
 第二王子のドトーリン王子は、何度か俺の元へ来て暗殺を試みていたが、俺は何をしても死ななかった。何度目かでそれがバレて、地下に投獄されしまった。
 聖女様はいつの間にか代替わりをしていて、あの小柄な聖女様は王宮には居なくなっていた。
 俺の日常は特に変わる事はなく、王宮の中で一人ベッドの上。首輪を繋がれて、ただひたすらに犯されるか殺すかの毎日だ。

『ギシ……ギィ、ギシ』
「ぁあ♡ もっと、もっとぉ♡」
「国の武神様がこんなにも色狂いだとは……貴方の武勇に憧れて王宮へ入った騎士もいるというのに」
「ひぅ、ぁああっ、おまんこきもちぃ♡♡」
「……ふふ、もう何も聴こえていないのですね。ああ、お労しい。せめて、最後までお付き合いさせていただきます。武神様」
「あ♡ あ♡ ああ♡ イく、イっく、イくーー♡♡」

 でも、この生活が、とても気持ち良くて、このままでいいと思っている。
 きっとこれから先、ずっとずっとずっとコレが続く。国が続く限り、俺はしろの中で生きる。
 死ぬまでずっと。



END
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