巻き込まれ転移者の特殊スキルはエロいだけではないようです。

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24・前夜

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 家に帰ると、水槽に触手を突っ込んで卵のお守りをしている肉兎状態のモモとお昼寝中のカムフラが居た。

「ただいま。卵の調子どう?」
『今のところ不整脈も無く、順調だ』

「良かった。明日は夕方までには帰るから……」
『……はぁ、一人で本当に大丈夫か?』
「ああ。モモが強くしてくれたし、聖女様から鎧もいただいた。それに火山はモモもカムフラもキツいだろ」

 モモには卵の面倒も見てもらわないと。帰ったら、俺も一緒に卵の面倒見たい。やり方覚えないと……

「(いかんいかん! 孵っても無いのに、次の子を考えるなんて!)」
『……ジュン、こっちへ来てみろ」
「!」

 モモに呼ばれて水槽へと向かう。
 ゆっくりと水槽内を掻き混ぜて、海藻の絨毯の上で卵が水流によってゆらりゆらりと揺れていた。

「触っても大丈夫か?」
『ああ』

 優しく指先で触れる。つるっとした感触の殻越しに確かな命を感じた。

「……生きてる」
『元気な私達の子どもだ』

 卵生の我が子……不思議な気持ちだ。
 でも、とても幸せな気分だった。

「よし、じゃあ、ご飯作るか。今日は何食べたい?」
『魚』
「わかった」

 モモのリクエスト通り、魚料理を作った。
 作っている最中に匂いに釣られてカムフラが起きてきて、尻尾をふりふりさせながら後ろを付いてきていた。

「食いしん坊め。よしよし、味見係としてつまみ食いを許してやろう」
「ハゥン」

 嬉しそうな鳴き声を漏らして、小皿へほぐした焼き魚の身を差し出すとペロッと一舐め。美味しかったようで尻尾を振りながらもっと欲しいと俺を見上げてきた。可愛い奴め。
 モモも一旦、卵の水槽から離れて一緒に食事を摂った。
 人型でスプーンやフォークの使い方が随分と上達したモモに時の流れを感じる。
 箸は無理って言われた。

「ウシガイの赤ちゃんは海藻を食べるんだろ?」
「ああ、人間の幼生は母乳からだったな」
「…………卵生なら母乳は要らないか」
「そうだな」

 卵生で良かった。俺の胸が敏感なのはスキルによるものだ。恐らく。
 授乳で万が一にも感じてしまうような事があれば、俺は立ち直れない気がする。
 
「ふむ……やはり素晴らしい。ジュンに調理された物だと尚更だ」
「そっか? モモの料理には負けるけど」

 俺が作った焼き魚を一口齧っては褒めちぎってくる。嬉しいけど、あんまり褒められると恥ずかしいから止めておく。
 
 食事を終えて、カムフラと週に一度の夜散歩に出掛けた。

「狼だけあって、夜のが活発だな」
「ハッハッハッ!」

 森の中を駆け回る散歩に道は無いが、どうって事はない。
 一時間程走り回って帰宅する。

「よし、お風呂入るぞカムフラ」
「ゥウ……」
「そんな顔してもダメ」

 夜散歩から帰ったらしっかり身体を綺麗にするようにしている。週に一度の入浴だ。
 お湯で濯ぐだけだけどな。
 俺から逃げても無駄だと分かっているが、抵抗する程には嫌らしい。
 乾かすのは好きなのに。
 
『バシャァーー……』
「あ、換毛期か……抜け毛が」
「バウ!」

 毛を梳くと抜け毛が目立っている。抜け方からして生え変わり。つまり、季節の変わり目だ。

「(もうそんな時期か)」

 お尻を振って水気を飛ばしてくるので、ソレを利用して全身の水滴を取ると満足げにしていた。
 
「綺麗になった……けど、櫛がいるな。毛がやばい」
「ガゥ!」
「わわわ! 今飛び付くな! 俺の服もお前の体毛だらけになるから! あ~あ……もう」

 お構いなしとばかりに飛びかかってくるカムフラ。

「何をしてるんだ」
『ススス……』
「す、すごい! モモの粒々触手ってブラシにもなるんだ! エロいだけじゃない!」
「私の肢体を何だと思ってるんだ」

 俺の寝間着に付いた毛もサッサと触手で取ってくれた。
 なんか犬飼ってる家庭の日常風景って感じで、なんか……いいな。
 ベッドに入って寝ようとしたら、隣に潜り込んで来たモモに抱き締められる。
 
『スンスン』
「なに? 臭い?」
「……ムラムラする」
「や、ダメだからな! 明日早いから!」
『ちゅ』

 頸にキスをされて、首筋を舐められると変な気分になって来る。

「ちょ、ほんと、だめ……」
『ペロ……ハミ』
「ひゃっ!?」

 耳たぶを軽く噛まれて、思わず声が出る。

「や、モモ……」
「『ジュン』」

 二つの甘い声で名前を呼ぶモモが俺の唇に触れて、そのまま舌が口内に入ってくる。
 熱い吐息を混ぜて絡ませ合うと自然と唾液の量が増えていった。

「ん……んぅ……はふ……ぁ」
「ハァ……」

 長い接吻を終えるとモモは名残惜しそうに口を離した。
 灯りを落とした部屋の中で赤い瞳が妖しく光っている。

「明日、早く起きないと」
「……我慢できない」
『スル』
「う、あ……あっ……そこ、は……あぁ……ッ!!」

 下着の中に入り込んだモモの手が、飼って知ったるアナルへ指先を差し込む。

俺の性感帯を知り尽くしたモモの指先が弱い所を的確に刺激してくる。

『グチュ』
「あ……あっ……ぃや、ダメだから……」
『クチュ、ニュプ』
「ふあ……あ、あ、あ……だ、めぇ……モモぉ」

 指を三本に増やして、激しく抜き差しを繰り返す。
 身体がどんどんその気になっていく。
 腰の奥が疼いて、熱くなる。

「も、モモ……モモォ……」
「ジュン、好きだ。愛してる」
「お、おれも、好き……」

 啄む様なキスを繰り返されて、思考が緩み始める。

「(い、一回だけ……一回だけなら)」
「……ダメ、か」
『ヌプン』
「え?」

 急にモモの指がナカから抜かれて、呆けた表情でモモを見る。

「なんで……」
「ジュンがダメとやめてを言うから……我慢する」
「っ……」

 モモに弄られたアナルがヒクついて、物足りなさを感じてしまう。
 一回だけならと覚悟と期待をしていた所為で持て余す身体の火照りと切ない感情。

「ジュン……?」
「……なんでもない」

 自分からダメだと言ったんだ。それを寸前で尊重して我慢を選んでくれたモモに甘えるのは、ちょっと……いや、大分情けない。

「…………」
「モモ?」

無言で俺を見つめるモモに声を掛ける。

「……ジュン、私を殴れ」
「は? なに言ってんだよ。そんな事するわけ無いだろ」
「じゃあ、蹴ってくれ」
「もっとしないよ! 多分今の俺のパワーで蹴ったらモモもそれなりに痛いぞ!」
「このままじゃ……寝込みを襲っちまう」

 我慢宣言したばかりなのに、揺らいでいるようだ。

「…………一回だけだなら……」
『ガバッ!』
「じゅ、じゅん……ッ!」

 布団を被ったままモモの上に跨って、自分でズボンと下着を脱いで騎乗位の姿勢を取る。

「一回だけ……だ」
「ああ……」

 
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