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おまけ

16:マイペースに謳歌する余生

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颯太目線




 大和さんの前の男が釈放される前に、引っ越しをした。
 僕の荷物ばかりだったけど、大和さんにも一つだけ大きな荷物があった。

「よっと……では、お荷物は以上になります」
「ありがとうございました」

 引っ越し屋さんによって運び込まれた段ボールと空の棚を眺めてから、大和さんの元へ。
 新居のトイレの扉を開ける。

『カチャ』
「大和さん、引っ越し屋さん帰られましたよ」
「ぅ……ぶ、ぅ」
「…………可愛い」

 デートの時に買った拘束具で両手を後ろに縛り、タンク側に身体を向けて腰掛けている大和さん。
 拘束具以外に身に付けているのは、ボールギャグと目隠し、そしてお尻に深々と咥え込んだバイブ。

「トイレの前を人が行き来しするの興奮しました?」

 事前に引っ越し屋さんへ、トイレは開けないでくださいと到着時伝えているので、事故は起きようが無かった。しかし、バレるかもしれないドキドキ感に大和さんは非常に興奮する傾向がある。

「んぅ……はぁ」

 お尻のバイブが激しく中を掻き乱している中、声を喉で堰き止めている大和さんは結構すごい。

「大和さん」
「っ……ゅ、ぅ」

 ボールギャグを外してあげると、唾液が糸を引いていた。

「お利口さんですね。ちゃんと声我慢できて、すごいです」
「ん……ぁ、う……」

 僕は大和さんの頭を撫でながら、バイブの平たい底をコンコンと叩く。

「コレで二回も射精できたんですか? すっかりお気に入りですね」
「颯太、ぅ、あっ、抜いて」
「……自分で出せます?」

 無理なら無理で、僕がゆっくり引き抜くだけなんだけど……大和さんは顔を真っ赤に恥辱に染めて小さく頷いた。

「う……んぅ」

 お尻をプルプルと震わせながら頑張って力み出している。
 あーー……えろい、写真に撮りたい。

「はぁ、ん、ぅあ!」
「もう少しですよ」
「あッ! あぁぁ!」
『ズルン』

 バイブが床でのたうつ様に動きの激しさがよくわかる。

「ありがとうございます。恥ずかしいのに、頑張ってくれて」
「はぁ……ぅう、颯太……」
「なんですか?」

 わかってるけど、わざと聞いてみる。羞恥に震えていた。

「ご褒美、欲しい……口に」
「ええ、ちゃんとあげますね」

 可愛いおねだりに頰が緩んでしまう。僕はズボンのジッパーを下げて性器を取り出し、大和さんを便器にちゃんと座らせて顎を掴んでこちらを向けた。
 そして、指で大和さんの口を軽く開くと待ちわびていた様に熱い口内へ迎えられる。

『ジュッ』
「……ぁむ、んむぅ」

 喉奥まで咥え込まれると舌が竿や雁首の凹凸を確かめるように舐め上げてくる。

『ジュプ、……チュパ』
「ぅぁ、大和さん……上手い、ですね。気持ちいいです」
「……♡」

 頬の肉を使って吸い付いてくる動きは中とはまた違って気持ちよい。思わず腰が動きそうなのを何とか堪える。
 大和さんの勃起した性器は萎える事なく張りがあり、亀頭も先走りと精液で濡れている。
 僕の昂りを咥えて、性器がピクピクと跳ね上がっているのが見えて、視覚的にも官能的に興奮してしまう。

「んッ、んぅ」
「大和さん、僕の精液いっぱい飲んでください」
「ごふ……んぁ」
「はぁ……ぁ、イく……っ!」

 腰を震わせて射精すると、大和さんが喉を上下させながらしっかり飲んでくれる。

「……上手にできましたね」
「……んっ……はあ……」
「もっと欲しい?」
「中、欲しい……全部」
「ふふ、いいですよ。たっぷりと注いであげますから……あ、ベッドのセッティング済んでない」

 うっかりしていた。シーツを被せてないし、枕も出していない。

「ココでいい……挿れてくれ。我慢出来ない」
「両手拘束でトイレセックスは流石に危ないですから。よし、対面座位でやりましょう」

 廊下に出て、床に座り大和さんを膝の上に招く。

「……なんか前にもあったな」
「カラオケで抱っこしましたよね」
「あの時は生殺しにされた」
「今はしっかりと種付けして差し上げますよ」
「……ん」

 お互いの性器を擦り合わせながら、キスをして、腰を支えながら挿入する。

「っあ、あぁん♡はぁー……いい」
「大和さんは前立腺責めるより、奥ゴリゴリされる方が好きですもんね」
「気持ちいい……」

 うっとりと蕩けきった顔で僕を見つめてくる。
 両手を拘束している分、僕がしっかり抱き抱えてあげないと安定しない。

「ん、あッ! あぅ……はぁあ♡」
「大和さん、前に中断したデートの続きは今夜にしますか?」
「っ!」

 耳元で囁くと中が締まった。
 腰を揺さぶる度に結合部から水音が響く。

「……ぁ、はぁ……颯太……」
「食事は何処に行きましょう、か。ぅ……ん」
「ひ、あッ、颯太の、好きなの、食べたい」
「いい、です、か?」
「うん……いっぱい、食べてる颯太が見たい」

 僕の事を知ろうとしてくれているのが伝わってきて、胸がキュンキュンときめいている。
 理性の糸をギリギリで保ちながら、大和さんの腰を掴んで下から突き上げる。

「あッ♡ んん、はげし……ッ!」
「ん、はぁ……大和さ、んっ」
「あッ、あッぁあ」

 大和さんの身体が強張り、絶頂の兆しを見せ始めた。

「じゃ、イタリアンに、行きましょう」
「イ、く、イくイく、イッ~~~~!」

 身体の奥に僕の迸りを放ち、余韻で何度か奥へ押し込んで絞り出す。

「ぅうー……ぐッ!」
「……はぁ」

 同時に大和さんも達して、お互いの腹に白濁を散らしていた。

「はぁー……はぁ……」
「大和さん、えっと……行って、くれます、か?」
「…………」

 ああ……ムッとさせてしまった。不可抗力のダブルミーニングを揶揄ってるわけではない。

「……連れてけ」
「はい!」

 コレは良くない辱めだ。聞き方を間違えた。
 シャワーを一緒に浴びて、段ボールだらけのリビングで一息吐く。手が自由になった大和さんが僕の手を握ってきた。

「アレ、放置プレイにはいいけどセックスだとお前に触れれないのが難点だな」
「……そうですね。拘束の度合いを考えましょうか」
「ああ」

 指を絡めて唇を寄せる姿に何か試されてるのかドギマギしてしまう。
 
「……大和さん」
「あのさ、颯太」
「はい」
「敬語、辞めないか? 癖なんだろうが、そろそろタメ口で話して欲しい」
「え……あーー、そうですよね。恋人なのに、僕ってばずっと敬語で」

 下の名前を呼べるだけであんなに嬉しかったのに……タメ口に呼び捨て……心臓が暴れ出す。

「……颯太さん、お願いします」
「うわ、敬語辞めてください。ぞわぞわして、気持ち悪いです」
「お、思った以上に不評でびっくりした」
「ちょっといろいろ思い出して」

 歴代彼女達は怒ると敬語になるタイプが多かったからビビってしまった。
 
「や、大和……」
「もっとスムーズに」
「やぁま、大和……」
「はっきり、しっかり……俺の目を見て」
「…………大和」

 大和さんと見つめ合い、名を口に出すだけで非常に恥ずかしい。

「俺の名前は卑猥か?」
「ちが、違います! 好きな人の名前って、呼び方変える時、緊張するじゃないですか……」
「そうか?」

 そういえば、大和さんはサラッと僕の名前呼んでくれてたな。

「大和、は、僕のタメ口、嬉しい?」
「嬉しい」
「そっか……なら、やってみまりゅ、ぉあ?」
「ははは! 別にゆっくりでいいぞ」

 ポンポンと頭を撫でられた。期待されている。よぉし、頑張るぞ!

「大和、食器を棚に仕舞って。終わったら服お願い」
「わかった」

 引っ越しの片付けを始める。
 僕の荷物が多いから、必然的に僕の指示が多くなる。

「颯太、俺働こうと思う」
「え?」
「引っ越しって金かかんじゃん。恋人におんぶにだっこは、良心が痛む」
「……ど、何処で?」
「それは、まだ考えてる。短時間バイトでも探すさ」

 僕の心境を慮ってか、短時間バイトで探すと言い出した。
 家に縛り付けていたいけど、大和の意識を尊重したい。

「……指輪」
「?」
「指輪、買いに行こう。変な虫が寄らないように」
「大袈裟だな」
「外で首輪を付けて歩かせられない、から、指輪で」

 本当に僕って重たいな。自分でも引く。でも、この溢れる独占欲は大和にだけしか湧かないから許して欲しい。

「……デート内容に追加するか?」
「は、ぅ……うん。夕飯前に行かないとね。さ、気合い入れて片付けてくよ」
「はいはい」

 大和は僕の頰にキスして、片付けに戻って行った。
 僕はというと、大和の不意打ちに腰が抜けていた。気合い入れたばっかりなのに。
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