毒舌お嬢と愉快な仲間たち

すけさん

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お見合い再び③

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「ねぇ、何か怒ってる?俺何かしたかな?」


首を傾げながら真剣に悩み始める。



もう、我慢の限界だった・・・


「武田さん、可愛い彼女がいるみたいだから私とデートする必要なんてないじゃないですか?」



私の言葉に考え込む色ぼけホスト!



「はぁ?彼女なんて居ないよ!!
花子ちゃん、一筋だけど・・・・
あ、もしかして真田に何か聞いた?」



私もあの現場に居たのに、いまだにしらばくれてるよ・・・・



「凄い可愛い彼女みたいですよね。
しかも名前で呼び合ってるみたいだし・・・」






「だから誤解だよ~
ってか、もしかして花子ちゃん嫉妬してるの?」



「馬鹿じゃないの?」



私はホスト風偽王子をギロリと睨みつける



「だってレナは正真正銘、実の妹だから・・・」



ホスト風偽王子の言葉に絶句する。



いっ、いっ・・・・


いもうと?


妹???



だって実の兄を葵君って呼ぶ?
普通、お兄ちゃんって呼ばない?



「えっ!?嘘言ってない!?妹が葵君なんて呼ぶの?」



「ねぇ、やっぱり嫉妬じゃない?」



満面の笑みを浮かべて嬉しそうに私に詰め寄る。



「だ・か・ら、何で私があんたなんかに嫉妬するのよ?」


「俺に惹かれてるから??」



ホスト風偽王子の言葉に頭が付いて行かなくなる。




「馬鹿みたい。何で私が好きだなんて思い違いするかな・・・
そのお気楽すぎる脳を蹴飛ばしたいんだけど!!」



「花子ちゃんが嫉妬か!いい傾向だね!!」



妙に納得した顔で私を見つめるホストに呆れてしまう。


どうして私が嫉妬なんてするのよ・・・



ブツブツと文句を言ってると・・・



「花子ちゃん、嫉妬した罰として明日のランチを一緒にするってどうよ?」


ウィンクしながら子犬のように尻尾をふってるみたい


このホスト・・・・


愛嬌を上手に使い女心を擽るのが上手いんだよな・・・




しかもなんで嫉妬したら罰が与えられなきゃなんないのよ!!



思わず笑ってしまった。



「あっ、花子ちゃんが笑ってくれた。」



満面の笑顔で私を見つめるホストの甘い雰囲気に溶けちゃいそうになる。


「分かったわよ!ランチ行けばいいんでしょ?」



「ヤッター!花子ちゃんが嫉妬したって認めた!」


嬉しそうに笑ってるホストを見ながら私も口元が緩む。



そして本来の目的である麹堂のお茶を買ってくると真田が手招きして私を呼んでる。



「山田さん、企画開発部にこの書類持って行って。」



「分かりました。」



久々に古巣の3階フロアに顔を出すと熊とすれ違う。


「あっ、花子ちゃん久しぶりだね。」


「お久しぶりです。槙さん!」


軽く会釈すると



「そういえば、武田さんとの仲はどうなってるんだよ!?
なんか午前中携帯と睨めっこしながらへこんでたけど・・・・」



私は槇の言葉に苦笑いを浮かべる。



「別に武田さんとは何でもないですし、只の同僚って関係ですけど」


「えっ?そうなんだ・・・・
そうそう、話は変わるけど花子ちゃんと同期の美奈子ちゃん可愛いよね!?その、彼氏っているのかな?」


デレデレしながら私に本題をぶつけてきた槇さんに可笑しくなる。



「う~ん、残念・・・・。
美奈子は最近彼が出来たんですよね」



私の言葉にショクを受けたようで肩を落とす。



「槇さんならきっと直ぐに素敵な彼女が出来ますよ!!」



「花子ちゃんに慰められるとは・・・・」


2人で可笑しくて笑ってしまう。



そのまま企画開発のフロアーを覗き込んで塩谷姉さんを探すが見つからない。





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