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『フッフ、もちろんさっきのは冗談です。私の妄想です。当たり前です。レイプは犯罪ですよ。そんな事をする訳がありません。さて、何処まで話したでしょうか?あぁ、そうです。修学旅行の話でしたね。私が中学2年生の時です。お決まりの奈良県の観光です。学校の教頭先生にズボンの中にシャツを入れろ‼︎と言われた以外はまぁまぁ楽しかった思い出です。』

 綺麗なバスガイドさんを期待したものの茶髪の場慣れした女性でした。見た目の年齢はまぁ20代だとは思いますが、性的な魅力は皆無でした。狭い車内という地獄のようなドライブが続きます。学校というものは全てにおいて強制参加です。周りに合わせない人間はとにかく人間失格というイメージで見られてしまいます。協調性!協調性!協調性です!

 だとしたら、学力や運動能力はどうでしょうか?全員が平均点とはいえません。得意な事や不得意な事は誰にでもあると社会も学校も容認します。それでも、協調性だけは容認しません。何ですか?頭の悪い馬鹿は許せても、自由な行動は許されないのですか?馬鹿なような集団行動、団体行動が続きます。こんなものは両隣の人間と手足を縛られて行動しているようなものです。息が苦しくなります。私は一生この両隣の人間という鎖に繋がられて三人四脚のように生きなくてはいけないのです。その人間の鎖が場所によって変わるだけです。家では家族、学校では教師、外では警察と、目に見えない腐敗臭のするゴミ共が私の自由を力を奪うのです。この当時の私はとにかく力が欲しくて欲しくて堪りませんでした。

 同級生の中学生男子と唯一同じなのは、性的な興味です。修学旅行中に不良の女子が男の部屋に入って、押し入れの中でオッパイを揉まれたらしいと噂になっていました。確かにスタイルは中学生の中でも育っている方だと思っていました。十分にセックス可能な身体だったと思います。まぁ、同級生の男子を椅子で叩いている姿を見なければの話です。なかなかに凶暴な女でした。顔は私の中学校内ならばギリギリで5点台です。顔にニキビが出来ていなかったので、見るだけで不愉快になるブサイクなニキビ下級女子には入りません。そう考えると6点でも良さそうです。

 目立たない私に春のようなものがやって来ました。7点台の違うクラスの女子から好きだと告白されました。最初は冗談かと思いましたが違ったようです。告白といえば体育館裏や放課後の教室を想像していたのに、図書館での自習中にされてしまいました。現実に予想通りの展開を望むべきではないのかもしれません。あの時のように舌を入れればいいのでしょうか?胸も身体もあの時の女性よりも2回りも小柄です。それに痩せた身体つきに抱き心地を期待する事は出来そうにありません。当然のように処女ですぐにやらせてくれる可能性はゼロです。面倒です。それに私の夢は最強の犯罪者になって全てを手に入れる事です。幸せ一杯の恋愛ごっこをしていたら夢を叶える事は出来ません。それに初恋の彼女以外の女性はただの動く肉の塊です。私の心を奪う事は許せません。さっさと消えろです。



『今思い出しても、ちょっと勿体なかったです。高校生二年生の時にバス停で一度だけ再会した時はなかなかの美人に成長していました。でも、私の行動範囲が広くなったので、彼女の評価は6点に下がりました。初恋の彼女も6点ぐらいなので、ハァ~~、本当に勿体なかったです。まぁ、付き合ってすぐに別れている場合もありました。気にするだけ無駄な時間です。それに初恋の彼女に対しての私の気持ちは常に10点満点です。心はいつまでも彼女を変わらずに1番に思い続けていました。』

 高校は違いましたが、家を出る時間は同じでした。いえ、わざわざ同じような時間を選んで私が家を出ていました。バス停に向かう高校生になった彼女を背後から何度も襲いたくて仕方がありません。色々な部分がすっかりと大人の女性に変化していました。背後から彼女の口に指を入れて、口内を掻き回したり、スカート中の性器の割れ目を何度も指で確かめたいと思って見ていました。そんな彼女も私の好意に薄々は気付いていたようです。そして、気づいているだけ何もしませんでした。やはり、まだまだ彼女に好きになってもらうには全てが足りないという事です。もっともっと強く賢くカッコ良くなる必要があるという事です。

 気づいているとは思いますが、いつの間にか私は高校生になっています。受験勉強はどうしたのかと気になるとは思いますが、私は小学生3年生までは自分が天才だと思っていました。漢字テストや掛け算100問の早解きなどの記憶力と高速計算は馬鹿みたいに凄かったです。私と弟の高校進学を心配してか、母親が家に訪問販売の男を連れて来ました。馬鹿のように『お母さんの事が好きならば、勉強しないとね。』などと言って来ました。その男の言葉で私は改めて気づいてしまいました。『あぁ、本当に私は母親の事を愛していないんだな。』と気づいてしまいました。とにかく気持ち悪かった事が今でも忘れられません。

 自分の母親を愛するのが当然だと思っているのなら間違いです。母親も弟も爺も婆も皆んな殺したい程に嫌いでした。その嫌いな相手を頼らないと生きられない自分の存在の弱さが、とにかく哀れで不愉快で、ボロボロになるまで壊したくなる程、嫌いでした。私が誰よりも強い犯罪者になりたいと思ったのは、この家族を頼らずに生きられる方法が他にないと結論したからです。見ず知らずの10歳の少年を助けてくれる人はいません。10歳の少年を働かせてくれる会社はありません。だとしたら、奪うしかありません。私の心はあの時に決まっていました。母親に叱られ、夜に家を出た日に決めました。『今は我慢するしかない、成長して力を手に入れるまでは我慢するしかない。』と冷たい石畳の階段に座り、私は私の心と魂に誓いを立てました。『殺す殺す殺す殺す、私の邪魔をするのは全部殺す。』その当時から私の中には私以外の存在が確かに存在していました。そう私以外の私です。
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