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第二章・騎士団入団編
第92話 コルトの街到着と小島の一軒家
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「まだ二、三日休みたい……」
甲板の上でお日様に当たりながら、心からそう思ってしまう。
筋肉痛と異常な怠さが、まだ身体に残っている。
でも、目的地が見えてきたから頑張るしかない。
海賊船が馬の蹄鉄のような形の、緑と茶色の山に囲まれた『コルト』の港街に入っていく。
天然の城砦といった感じで、三方を高い山で守られて、一方を海に守られている。
街に並ぶ建物はオレンジ色の三角屋根に、肌色のレンガの壁で作られている。
街の全体的な印象は静かな活気があるといった感じだ。
人間で例えると、頭の良い子供が大人振っている生意気な感じだ。
何となく知的な雰囲気が漂うこの街は、俺には合わないと思う。
ピンクや水色の陽気な建物が並んでいた、ハルシュタットの街が恋しい。
「ルディ、まずはどこに行くの?」
「そうだね。まずは騎士団の建物を探したいけど、ここで待っていれば、向こうからやって来るでしょう」
「じゃあ、このまま待機だね」
街の船着場に海賊船が停まったので、エイミーが聞いてきた。
船から降りて、観光ついでに自分達で探してもいいけど、それは無理だ。
海賊船が街の中に入って来たのだ。
武器を持った騎士団の兵士達が討伐にやって来る。
今船から降りたら、特に俺は女の子二人を人質にする極悪海賊として処理されてしまう。
「こっちだ! あの船は『ネレイド号』で間違いない!」
「船長は相当の手練れと聞くぞ! 全員油断するなよ!」
「絶対に逃すな! ここで皆殺しにするんぞ!」
「「「おおおおおおっ!」」」
甲板の上で待っていると予想通り、すぐに黒い制服を着た兵士達が走って来た。
軽い取り調べを受けてから、騎士団の建物に案内してもらおう。
今回は何も隠すような事はしてないから、寝ている女の子二人の身体を弄った事以外は全部話せる。
(いや、待てよ)
船長と船員、乗客の数人を殴ったり投げたりはした。
まぁ、海賊の仲間を見つける為だったと、言い訳すれば大丈夫だろう。
これから同じ騎士団で働く仲間を、暴行犯として捕まえたりしないはずだ。
「全員武器を捨てて、大人しく投降しろ! そうすれば、今すぐに死ぬ必要はないぞ!」
「私達は海賊じゃない! 海賊船に襲われて、船を沈没させられたんだ! 私は『タピオス号』の船長エドワーズだ! 船に乗っているのは私の船の船員と乗客達だ! 助けてくれ!」
白髪の船長が右手に持った白い布を、兵士達に見えるように大きく振っている。
集まっている兵士の数は六十人ぐらいしかいない。
この程度だと、ゼルドが炎の矢を撃ちまくれば全員倒せそうだ。
ちょっと街の安全性が気になるところだ。
「分かった。身元と船内を調べさせてもらう。抵抗するようならば海賊として、取り押さえさせてもらう」
「ありがとう、了解した。海賊と乗客の死体が大量に乗っている。乗客の死体は丁寧に扱ってくれ」
どうやら、あの三十二歳ぐらいの薄茶色の髪の男が偉いみたいだ。
兵士達の先頭に立って、船長と話をしている。
あの人に紹介状を見せて、面倒臭い取り調べは無しにしてもらおう。
「エイミー、メリッサ、あの人に紹介状を見せに行こうか」
「あっ、うん。紹介状、濡れてないかな?」
「やっぱり女の兵士はいないみたいね」
何か女の子に命令しているみたいで、他人から見たら偉そうな感じに見えないだろうか?
まぁ、エイミーはポケットから紹介状を探しているし、メリッサも普通に付いて来ている。
女の子二人を連れているからって、兵士達の殺気に満ちた視線を気にする必要はない。
「すみません。騎士団調査部への紹介状を持っているんですけど、騎士団に案内してくれませんか? ちなみに海賊船の船長は俺が倒しました」
茶髪の兵士に紹介状を見せて、ついでに自分の手柄もしっかりと報告する。
兵士は俺の顔を怪しそうに見ているけど、両隣にいる女の子二人を見て、警戒するのをやめてくれた。
剣の柄から右手を離すと、ゆっくりと近づいて来た。
「そうですか。それはありがとうございます。紹介状を見せてもらってもいいですか?」
「はい、どうぞ。シルビアさんという人からの紹介状です」
「すみません。調査部の建物は騎士団本部とは違う場所にあります。橋のかかった海の小島にあるので、所属している人の名前までは存じていません」
「そうなんですね」
手渡した紹介状を広げて、中身を確認していた茶髪兵士が教えてくれた。
どうやら、期待していた人脈は使えないようだ。
シルビアはエロ良いだけで、地位と知名度が凄い人ではなかった。
「紹介状は偽物ではなさそうですね。調査部の建物は海岸沿いを右側に進んだ所にあります。申し訳ありませんが、兵士をそこまで案内に付けさせてもらいます」
「いえいえ、助かります」
明らかに案内じゃなくて、監視だけど問題ない。
知らない街を女の子二人を案内しながら、一緒に歩くのは疲れそうだ。
♢
(海の匂いはあんまり好きじゃないな)
兵士一人の案内で薄茶色のレンガ道を歩いていく。
エイミーの家と同じで水場の近くだけど、この独特の海の匂いは必要ない。
無臭じゃないとエイミーの匂いが分からないし、台無しになる。
そのエイミーはこの匂いは気にならないようだ。
船を指差して、前を歩く案内役の兵士を質問攻めにしている。
「この船って、自由に使っていいんですか?」
「いえ、これは個人の所有物なので使えません」
「じゃあ、貸し出しの船とかありますか?」
「そういうのはありませんが、騎士団の船ならあります。任務で必要な時は申請書を提出してください」
「う~ん、魚釣りは任務じゃないよね」
海岸沿いと呼ばれる場所には、帆船じゃないけど、小さい船が浮いている。
流石に魚釣りは任務扱いにならないだろうから、岸釣りで我慢してほしい。
「魚なら売っているから、わざわざ釣らなくてもいいんじゃないの?」
「うん、そうなんだけど、お父さん達には自分が釣った魚を送りたいから」
「あぁ、なるほどね」
魚が欲しいなら買ってあげようかと思ったけど、そういう訳じゃないようだ。
未だに仕送りを一回もしていない俺と違って、エイミーは親思いの良い子だ。
でも、俺も農作業用にレーガンとローワンの二人を村に送った。
息子の代わりとなる労働力の方が、お金を送るよりも助かっているはずだ。
つまり、俺も親思いの良い子だ。
「魚釣りなら自信があるよ。暇な時に甲板で釣りをして、大物が釣れたら乗客に高値で売っていたから、私でよかったら手伝ってあげるよ」
「わぁー、是非お願いします!」
「ふふーん。三十キロ超えを釣ってあげるから期待していいよ」
「凄ぉーい! あっ、でも、小さめのアイテムポーチで送るから、小さく切らないと」
(それだと小さい魚でいいんじゃない?)
女の子同士で仲が良いみたいだけど、何だか俺が邪魔者みたいな気がしてきた。
俺も一緒に釣りに行こうかと思ったけど、今は二人っきりの方が良いと思う。
家族と離れて寂しいだろし、ここは二人に友達になってもらった方が良い。
空気をキチンと読んで、エイミーの友達作りを応援してあげよう。
「この橋の先にコルト騎士団の調査部があります。部外者は立ち入り禁止なので、私は入る事は出来ません」
女の子同士の微笑ましい会話を聞いていると、目的地に到着したようだ。
案内役の兵士が三百メートル程の橋の先に見える、直径四百メートル程の小島を指差している。
同じ騎士団ならば、部外者じゃないとは思うけど、兵士は橋を渡りたくないようだ。
「案内ありがとうございます。お陰で助かりました」
「いえ、仕事ですから。それでは失礼します」
本当にここまでしか案内してくれないようだ。
お礼を言ったら、兵士は駆け足で去っていった。
こんな場所に送られる人達だから、嫌われているんだろうな。
まぁ、それは別として、今から俺達はその嫌われ者達と仲良くしないといけない。
性格最悪の同僚達から、メチャクチャ嫌な仕事をさせられると思うと、俺も駆け足で逃げ出したくなる。
「挨拶するなら、手土産ぐらい用意しておけば良かったよ」
「う~ん、でも、海賊船と海賊捕まえたからいいんじゃないの? お手柄だよ」
「でも、船だけでしょ。やっぱり船長の死体がないと駄目でしょ」
海を埋め立てて作られた岩の橋を渡りながら、エイミーとメリッサと話していく。
橋の横幅は三メートル以上はあるので、馬車ぐらいは通れそうだ。
「それは騎士団が船の沈没場所を調べてくれれば見つかるんじゃない?」
「うん、ルディに貰った私の盾も見つけてもらわないと困るよ」
「あっははは。気にしなくていいよ。もっと良い盾を一緒に買いに行こう」
大丈夫。その盾は俺のアイテムポーチの中に、真っ二つの状態で保管している。
海賊船の船内に置かれていたのを見つけたので、エイミーに見つかる前にしっかりと回収した。
死んだゼルドには丸盾を盗んだ犯人として、海の底で永遠に見つからないでもらいたい。
「あっ、私も行きたい。海賊が使っていた剣は、何か汚いから使いたくない」
「それなら大丈夫。騎士団なら剣ぐらい置いてあるでしょう。さあ、さっさと建物に入るよ」
「えっー、自分のが欲しいよ」
余分な出費は困るので、メリッサには騎士団の剣で我慢してもらう。
薄汚れた岩を高く積んで作られた、円形の外壁の中にある門を通り抜けていく。
ハルシュタットの騎士団建物と似ているけど、目の前の四角い建物は一階建てだ。
どう見ても一軒家で、人嫌いの家族が住んでいそうだ。
♢
甲板の上でお日様に当たりながら、心からそう思ってしまう。
筋肉痛と異常な怠さが、まだ身体に残っている。
でも、目的地が見えてきたから頑張るしかない。
海賊船が馬の蹄鉄のような形の、緑と茶色の山に囲まれた『コルト』の港街に入っていく。
天然の城砦といった感じで、三方を高い山で守られて、一方を海に守られている。
街に並ぶ建物はオレンジ色の三角屋根に、肌色のレンガの壁で作られている。
街の全体的な印象は静かな活気があるといった感じだ。
人間で例えると、頭の良い子供が大人振っている生意気な感じだ。
何となく知的な雰囲気が漂うこの街は、俺には合わないと思う。
ピンクや水色の陽気な建物が並んでいた、ハルシュタットの街が恋しい。
「ルディ、まずはどこに行くの?」
「そうだね。まずは騎士団の建物を探したいけど、ここで待っていれば、向こうからやって来るでしょう」
「じゃあ、このまま待機だね」
街の船着場に海賊船が停まったので、エイミーが聞いてきた。
船から降りて、観光ついでに自分達で探してもいいけど、それは無理だ。
海賊船が街の中に入って来たのだ。
武器を持った騎士団の兵士達が討伐にやって来る。
今船から降りたら、特に俺は女の子二人を人質にする極悪海賊として処理されてしまう。
「こっちだ! あの船は『ネレイド号』で間違いない!」
「船長は相当の手練れと聞くぞ! 全員油断するなよ!」
「絶対に逃すな! ここで皆殺しにするんぞ!」
「「「おおおおおおっ!」」」
甲板の上で待っていると予想通り、すぐに黒い制服を着た兵士達が走って来た。
軽い取り調べを受けてから、騎士団の建物に案内してもらおう。
今回は何も隠すような事はしてないから、寝ている女の子二人の身体を弄った事以外は全部話せる。
(いや、待てよ)
船長と船員、乗客の数人を殴ったり投げたりはした。
まぁ、海賊の仲間を見つける為だったと、言い訳すれば大丈夫だろう。
これから同じ騎士団で働く仲間を、暴行犯として捕まえたりしないはずだ。
「全員武器を捨てて、大人しく投降しろ! そうすれば、今すぐに死ぬ必要はないぞ!」
「私達は海賊じゃない! 海賊船に襲われて、船を沈没させられたんだ! 私は『タピオス号』の船長エドワーズだ! 船に乗っているのは私の船の船員と乗客達だ! 助けてくれ!」
白髪の船長が右手に持った白い布を、兵士達に見えるように大きく振っている。
集まっている兵士の数は六十人ぐらいしかいない。
この程度だと、ゼルドが炎の矢を撃ちまくれば全員倒せそうだ。
ちょっと街の安全性が気になるところだ。
「分かった。身元と船内を調べさせてもらう。抵抗するようならば海賊として、取り押さえさせてもらう」
「ありがとう、了解した。海賊と乗客の死体が大量に乗っている。乗客の死体は丁寧に扱ってくれ」
どうやら、あの三十二歳ぐらいの薄茶色の髪の男が偉いみたいだ。
兵士達の先頭に立って、船長と話をしている。
あの人に紹介状を見せて、面倒臭い取り調べは無しにしてもらおう。
「エイミー、メリッサ、あの人に紹介状を見せに行こうか」
「あっ、うん。紹介状、濡れてないかな?」
「やっぱり女の兵士はいないみたいね」
何か女の子に命令しているみたいで、他人から見たら偉そうな感じに見えないだろうか?
まぁ、エイミーはポケットから紹介状を探しているし、メリッサも普通に付いて来ている。
女の子二人を連れているからって、兵士達の殺気に満ちた視線を気にする必要はない。
「すみません。騎士団調査部への紹介状を持っているんですけど、騎士団に案内してくれませんか? ちなみに海賊船の船長は俺が倒しました」
茶髪の兵士に紹介状を見せて、ついでに自分の手柄もしっかりと報告する。
兵士は俺の顔を怪しそうに見ているけど、両隣にいる女の子二人を見て、警戒するのをやめてくれた。
剣の柄から右手を離すと、ゆっくりと近づいて来た。
「そうですか。それはありがとうございます。紹介状を見せてもらってもいいですか?」
「はい、どうぞ。シルビアさんという人からの紹介状です」
「すみません。調査部の建物は騎士団本部とは違う場所にあります。橋のかかった海の小島にあるので、所属している人の名前までは存じていません」
「そうなんですね」
手渡した紹介状を広げて、中身を確認していた茶髪兵士が教えてくれた。
どうやら、期待していた人脈は使えないようだ。
シルビアはエロ良いだけで、地位と知名度が凄い人ではなかった。
「紹介状は偽物ではなさそうですね。調査部の建物は海岸沿いを右側に進んだ所にあります。申し訳ありませんが、兵士をそこまで案内に付けさせてもらいます」
「いえいえ、助かります」
明らかに案内じゃなくて、監視だけど問題ない。
知らない街を女の子二人を案内しながら、一緒に歩くのは疲れそうだ。
♢
(海の匂いはあんまり好きじゃないな)
兵士一人の案内で薄茶色のレンガ道を歩いていく。
エイミーの家と同じで水場の近くだけど、この独特の海の匂いは必要ない。
無臭じゃないとエイミーの匂いが分からないし、台無しになる。
そのエイミーはこの匂いは気にならないようだ。
船を指差して、前を歩く案内役の兵士を質問攻めにしている。
「この船って、自由に使っていいんですか?」
「いえ、これは個人の所有物なので使えません」
「じゃあ、貸し出しの船とかありますか?」
「そういうのはありませんが、騎士団の船ならあります。任務で必要な時は申請書を提出してください」
「う~ん、魚釣りは任務じゃないよね」
海岸沿いと呼ばれる場所には、帆船じゃないけど、小さい船が浮いている。
流石に魚釣りは任務扱いにならないだろうから、岸釣りで我慢してほしい。
「魚なら売っているから、わざわざ釣らなくてもいいんじゃないの?」
「うん、そうなんだけど、お父さん達には自分が釣った魚を送りたいから」
「あぁ、なるほどね」
魚が欲しいなら買ってあげようかと思ったけど、そういう訳じゃないようだ。
未だに仕送りを一回もしていない俺と違って、エイミーは親思いの良い子だ。
でも、俺も農作業用にレーガンとローワンの二人を村に送った。
息子の代わりとなる労働力の方が、お金を送るよりも助かっているはずだ。
つまり、俺も親思いの良い子だ。
「魚釣りなら自信があるよ。暇な時に甲板で釣りをして、大物が釣れたら乗客に高値で売っていたから、私でよかったら手伝ってあげるよ」
「わぁー、是非お願いします!」
「ふふーん。三十キロ超えを釣ってあげるから期待していいよ」
「凄ぉーい! あっ、でも、小さめのアイテムポーチで送るから、小さく切らないと」
(それだと小さい魚でいいんじゃない?)
女の子同士で仲が良いみたいだけど、何だか俺が邪魔者みたいな気がしてきた。
俺も一緒に釣りに行こうかと思ったけど、今は二人っきりの方が良いと思う。
家族と離れて寂しいだろし、ここは二人に友達になってもらった方が良い。
空気をキチンと読んで、エイミーの友達作りを応援してあげよう。
「この橋の先にコルト騎士団の調査部があります。部外者は立ち入り禁止なので、私は入る事は出来ません」
女の子同士の微笑ましい会話を聞いていると、目的地に到着したようだ。
案内役の兵士が三百メートル程の橋の先に見える、直径四百メートル程の小島を指差している。
同じ騎士団ならば、部外者じゃないとは思うけど、兵士は橋を渡りたくないようだ。
「案内ありがとうございます。お陰で助かりました」
「いえ、仕事ですから。それでは失礼します」
本当にここまでしか案内してくれないようだ。
お礼を言ったら、兵士は駆け足で去っていった。
こんな場所に送られる人達だから、嫌われているんだろうな。
まぁ、それは別として、今から俺達はその嫌われ者達と仲良くしないといけない。
性格最悪の同僚達から、メチャクチャ嫌な仕事をさせられると思うと、俺も駆け足で逃げ出したくなる。
「挨拶するなら、手土産ぐらい用意しておけば良かったよ」
「う~ん、でも、海賊船と海賊捕まえたからいいんじゃないの? お手柄だよ」
「でも、船だけでしょ。やっぱり船長の死体がないと駄目でしょ」
海を埋め立てて作られた岩の橋を渡りながら、エイミーとメリッサと話していく。
橋の横幅は三メートル以上はあるので、馬車ぐらいは通れそうだ。
「それは騎士団が船の沈没場所を調べてくれれば見つかるんじゃない?」
「うん、ルディに貰った私の盾も見つけてもらわないと困るよ」
「あっははは。気にしなくていいよ。もっと良い盾を一緒に買いに行こう」
大丈夫。その盾は俺のアイテムポーチの中に、真っ二つの状態で保管している。
海賊船の船内に置かれていたのを見つけたので、エイミーに見つかる前にしっかりと回収した。
死んだゼルドには丸盾を盗んだ犯人として、海の底で永遠に見つからないでもらいたい。
「あっ、私も行きたい。海賊が使っていた剣は、何か汚いから使いたくない」
「それなら大丈夫。騎士団なら剣ぐらい置いてあるでしょう。さあ、さっさと建物に入るよ」
「えっー、自分のが欲しいよ」
余分な出費は困るので、メリッサには騎士団の剣で我慢してもらう。
薄汚れた岩を高く積んで作られた、円形の外壁の中にある門を通り抜けていく。
ハルシュタットの騎士団建物と似ているけど、目の前の四角い建物は一階建てだ。
どう見ても一軒家で、人嫌いの家族が住んでいそうだ。
♢
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