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第26話 お料理作戦
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カイルは朝早くに起こされると、フィオナに連れられて呪いの城を出ていきました。やっと北の村に戻って、ラルフと仲直りするのだろうと安心しました。呪いの森も抜けると、村までは2時間ぐらいです。
フィオナ「今日から私達が戦うのはココよ。さあ、頑張るわよ!」
カイル「まさかとは思うけど、村に帰らずに毒虫退治に変更するの?ある程度、倒したら村に帰るよね?」
フィオナ「……カイル!村に帰りたいなら2日分の2万ゴールドは稼がないと帰れないわよ!一匹30ゴールドだから、1時間で1人40匹倒しましょう。8時間も戦えば帰れるから♬」
途中で疲れたり、お腹が減ったら呪いの城に戻るらしいです。昨日はほとんど戦ってないので、疲れてはいませんが、1日のノルマが1人300匹以上はキツイです。ラルフがいれば、1時間のノルマが1人30匹以下になるのに、いい加減どちらかが謝って仲直りして欲しいです。
『グゥシャ』『ドォス』
カイル「毒毛虫は突き刺したりすれば倒しやすいから、飛んでいる人面蛾よりはこっちの方を狙った方がいいかも!」
フィオナ「猫股もいると思うから、あんまり離れないようにね!それと平気そうでも毒消し草は定期的に食べるようにしてね!」
毒虫を探して、ズカズカと畑の中に入っていきます。今の時期は畑を休ませる為の休耕地がところどころにあり、毒の被害はありません。そもそも一年中、毒虫がいる土地で作られた野菜を食べても大丈夫なのかが不思議です。夕食に出された野菜に手をつけないでいると、『天然の農薬みたいなもんだから、綺麗に洗えば大丈夫だよ』とヤコプのお爺さんが教えてくれました。
フィオナ「川の水で洗えば毒の効果が薄れるらしいけど、下流の人には影響がないのかしら?」
カイル「ん~、洗った後に言って欲しかったけど、確かに下流に毒が流れているかもね。魚がプカプカと浮いていたら犯人は僕達になるんだね♬」
フィオナ「毒の効果ねぇ?錬金術で毒の武器や防毒の装備品が作れればいいんだけど、アイテム以上の錬金は高度だから、おばあちゃんや学校の知り合いには無理なのよね」
二人で毒の付いた服を洗いつつ、毒虫が落とした毒鱗粉を入れた小瓶を見つめます。戦って身体も暑くなっていたので川の水は冷たくて気持ちいいです。学校の友達は東海岸で海水浴でもしている頃かもしれません。二人ともラルフの気持ちも分かりますが、友達との青春を犠牲にしてでも助けたい人がいるんです。
カイル「戦わずにお金を稼げたらいいんだけどなぁ~」
フィオナ「……錬金術の手数料で稼げる人もいるみたいだけど、その手の職人はほとんどが工房を持っていて、注文も一部の大手企業としか取引きしてないみたいよ!私達のところにくるのは、せいぜい薬草同士の錬金ぐらいね」
フィオナの母親のカティナが服飾関係の仕事をしていますが、ほとんど店員みたいなものです。モンスターを倒して服飾品の素材を手に入れても、職人に加工してもらうだけで結構な手数料がかかります。無料で加工してくれる人がいないのなら、低価格の原材料として売る手段しかありません。
カイル「ん~、モンスターが落としたアイテムをお城で売ってたよね。もしかしたら、あそこで食べ物を売れば儲かるかもしれないよ?」
フィオナ「それは無理!だって料理得意じゃないし、材料も無いし、とにかく無理!」
元はお城なんだから、キッチンもあるだろうし、食材も村で格安で分けて貰えるはず。カイルには駄目な理由が分かりません。
フィオナ「私の料理はちょっとだけ独創的なようだから駄目なのよ!あんたが作った方が美味しいかもよ♬」
カイル「料理に独創的とか、斬新とか、付けて言う人は大抵は失敗しているよね?見た目が悪くても味が良ければ大丈夫だから、試しに作ってみようよ?」
なんとか、やる気を出させようと頑張ります。
フィオナ「面倒なのよ」
カイル「えっ!」
フィオナ「苦労して作っても食べてしまったら残らないでしょう!私は記憶に残るものより、記録として残せるものにしか興味がないの!作りたいなら自分で作りなさい!」
可愛い女の子が自分の為に作ってくれたら、男なら嬉しいと思うし、他の冒険者と仲良くなれば少しはモンスターを分けてくれると思ったんだけどなぁ~。カイルはなかなか良い作戦だと思ったのですが、フィオナにやる気がないのなら仕方ないと、諦めてしまいました。
フィオナ「今日から私達が戦うのはココよ。さあ、頑張るわよ!」
カイル「まさかとは思うけど、村に帰らずに毒虫退治に変更するの?ある程度、倒したら村に帰るよね?」
フィオナ「……カイル!村に帰りたいなら2日分の2万ゴールドは稼がないと帰れないわよ!一匹30ゴールドだから、1時間で1人40匹倒しましょう。8時間も戦えば帰れるから♬」
途中で疲れたり、お腹が減ったら呪いの城に戻るらしいです。昨日はほとんど戦ってないので、疲れてはいませんが、1日のノルマが1人300匹以上はキツイです。ラルフがいれば、1時間のノルマが1人30匹以下になるのに、いい加減どちらかが謝って仲直りして欲しいです。
『グゥシャ』『ドォス』
カイル「毒毛虫は突き刺したりすれば倒しやすいから、飛んでいる人面蛾よりはこっちの方を狙った方がいいかも!」
フィオナ「猫股もいると思うから、あんまり離れないようにね!それと平気そうでも毒消し草は定期的に食べるようにしてね!」
毒虫を探して、ズカズカと畑の中に入っていきます。今の時期は畑を休ませる為の休耕地がところどころにあり、毒の被害はありません。そもそも一年中、毒虫がいる土地で作られた野菜を食べても大丈夫なのかが不思議です。夕食に出された野菜に手をつけないでいると、『天然の農薬みたいなもんだから、綺麗に洗えば大丈夫だよ』とヤコプのお爺さんが教えてくれました。
フィオナ「川の水で洗えば毒の効果が薄れるらしいけど、下流の人には影響がないのかしら?」
カイル「ん~、洗った後に言って欲しかったけど、確かに下流に毒が流れているかもね。魚がプカプカと浮いていたら犯人は僕達になるんだね♬」
フィオナ「毒の効果ねぇ?錬金術で毒の武器や防毒の装備品が作れればいいんだけど、アイテム以上の錬金は高度だから、おばあちゃんや学校の知り合いには無理なのよね」
二人で毒の付いた服を洗いつつ、毒虫が落とした毒鱗粉を入れた小瓶を見つめます。戦って身体も暑くなっていたので川の水は冷たくて気持ちいいです。学校の友達は東海岸で海水浴でもしている頃かもしれません。二人ともラルフの気持ちも分かりますが、友達との青春を犠牲にしてでも助けたい人がいるんです。
カイル「戦わずにお金を稼げたらいいんだけどなぁ~」
フィオナ「……錬金術の手数料で稼げる人もいるみたいだけど、その手の職人はほとんどが工房を持っていて、注文も一部の大手企業としか取引きしてないみたいよ!私達のところにくるのは、せいぜい薬草同士の錬金ぐらいね」
フィオナの母親のカティナが服飾関係の仕事をしていますが、ほとんど店員みたいなものです。モンスターを倒して服飾品の素材を手に入れても、職人に加工してもらうだけで結構な手数料がかかります。無料で加工してくれる人がいないのなら、低価格の原材料として売る手段しかありません。
カイル「ん~、モンスターが落としたアイテムをお城で売ってたよね。もしかしたら、あそこで食べ物を売れば儲かるかもしれないよ?」
フィオナ「それは無理!だって料理得意じゃないし、材料も無いし、とにかく無理!」
元はお城なんだから、キッチンもあるだろうし、食材も村で格安で分けて貰えるはず。カイルには駄目な理由が分かりません。
フィオナ「私の料理はちょっとだけ独創的なようだから駄目なのよ!あんたが作った方が美味しいかもよ♬」
カイル「料理に独創的とか、斬新とか、付けて言う人は大抵は失敗しているよね?見た目が悪くても味が良ければ大丈夫だから、試しに作ってみようよ?」
なんとか、やる気を出させようと頑張ります。
フィオナ「面倒なのよ」
カイル「えっ!」
フィオナ「苦労して作っても食べてしまったら残らないでしょう!私は記憶に残るものより、記録として残せるものにしか興味がないの!作りたいなら自分で作りなさい!」
可愛い女の子が自分の為に作ってくれたら、男なら嬉しいと思うし、他の冒険者と仲良くなれば少しはモンスターを分けてくれると思ったんだけどなぁ~。カイルはなかなか良い作戦だと思ったのですが、フィオナにやる気がないのなら仕方ないと、諦めてしまいました。
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