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第3話 裏切り者
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ボア『ぐぅがぁ(右肋骨・粉砕骨折)!』
突然、背後から何者かに襲われました。
エルビン「アラン、何をしてるんだ!」
味方の一人が仲間を攻撃しているのを目撃します。慌てて助けようとしますが。
エルビン『うっ(頚椎・損傷)!』
こちらも背後から別の何者かに襲われてしまいました。
ライアン「おいおい、戦闘中に余所見は駄目だろう♬誰も逃すんじゃねぇぞ!」
地面に倒れたエルビンを足で踏んづけます。どうやら、仲間割れのようですが理由が分かりません。
ゴンゴーラ「どういうつもりだライアン?まさかとは思うが、私達を裏切るつもりか?」
仲間の中に犯罪組織のスパイが、紛れ込んでいた事が信じられないようです。ライアンは同じ一流冒険者仲間だと思って信頼していました。そして、彼が連れて来た仲間達も……。
ライアン「悪いが元々はこっち側の人間でね。それにアンタも直ぐにこっち側の人間になるんだぜ!」
ライアン以外にも六人の仲間がレイアの仲間だったようです。ライアン以外は唯一の部屋の出入り口になる、階段を封鎖する為に移動しています。
ゴンゴーラ「なんだと?」
地下三階に集まった16人の武装集団は二手に分かれました。ゴンゴーラ率いる救出・復讐チーム9人と、ライアン率いる新生アウトリュコス7人です。ゴンゴーラの仲間二人は卑怯な不意打ちで倒されてしまい、残りは7対7ですが、レイアとアンナの二人を加えると形勢は不利な状況です。
アンナ「レイア。今倒れた二人を連れて来い。試してみるにはちょうどいい」
不意打ちで倒れたゴンゴーラの仲間の二人を見ながら、良からぬ事を企んでいるようです。
レイア「はい、すぐに。ハァ~。この身体もそろそろ交換しないと駄目ね。そこの二人をこっちまで引き摺って来てちょうだい!」
アンナに返事をした後に、自分の身体を見ると、まだ矢が突き刺さったままです。邪魔そうに身体からズボッと矢を引き抜きながら、ライアンに指示を出します。
ライアン「了解」
ライアンは倒れているボアとエルビンの服を掴んで祭壇近くのレイア達まで引き摺って行きます。どちらも気を失っているようで抵抗しません。
バルカ「やらせるかよ!」
黙って仲間が引き摺られて行くのを見ている事が出来なかった武装集団の一人バルカが、鉄の剣をしっかりと握って果敢にライアンに攻撃します。
ライアン「ヘェ♬」
ガァン!と振り下ろされたバルカの剣を鞘から抜いた銀の剣で受け止めました。
バルカ「舐めんじゃねぇ!」
ビューという音と共に鉄の剣を右に振り払います。けれども、ライアンは軽く後ろに下がって回避すると、素早く前進して、右手片手に持った銀の剣をバルカの腹部に高速で突き刺しました。
バルカ『がぁふぅ(胃・損傷)!』
致命傷ではありませんでしたが、ライアンは突き刺さった銀の剣をそのまま抜かずに、剣に力を入れてバルカの腹を縦に斬り裂きました。
バルカ「ぐっ…この裏切り者がぁ……」
なんとか死ぬ前に出来た事はライアンを罵る事だけでした。
ライアン「やれやれ、素人が少し強くなっただけでこうも勇敢になれるとは驚きだな。格の違いが全く理解出来てねぇ。そうだろ、ゴンゴーラさん?」
銀の剣についた血を振り落としながら、まったく動こうとしない男に話しかけます。
ゴンゴーラ「…………」
男は返事をせずに考えます、数ヶ月間の訓練で強くなったとはいえ、元々はスライム程度のブロンズモンスター(銅硬貨)からスタートした武装集団です。現在はシルバーモンスター(銀硬貨)、6枚~8枚(1匹60~80ゴールド)ならば、一人で倒せるようになりましたが、ライアンは一人でゴールドモンスター(金硬貨)を倒せる実力です。
ゴンゴーラ「……逃げるなら……いや、逃げるような奴はいないか。各自で裏切り者の排除、私が女二人とライアンの相手をする。邪魔する者は敵味方問わず捻じ伏せろ!」
武装集団『オォー!』
まだ、裏切り者が潜んでいる可能性もあります。仲間を信用したい気持ちもありますが、今の最善の手は敵のトップを倒す事です。まだ誰も信用できない状況なので、ゴンゴーラは一人で倒す事に決めました。
バーンズ「……俺はレイアの首を斬り落とさないと気が済まない。お前一人なら今なら余裕で逃げ出せるぞ。この指輪も返してやるよ!」
右手の指に填めていた五個の速さの指輪を抜き取ると、四個だけフィオナに返しました。
フィオナ「四個だけ?残り一個は返さないつもりなの!だったら指輪代払いなさいよ!」
速さの指輪は一個5000ゴールドはします。返さないのなら代金を支払ってもらわないと納得できません。
バーンズ「チッ。ほら、俺の有り金全部だ!どうせ使える保障はないからな」
ポーチの中から魔法の袋を取り出すと、乱暴にフィオナに向かって投げつけました。
⚫︎魔法の袋:入れた物の音がしない魔法の袋。お金を入れて走っても音がしない優れもの。
フィオナ「ふぅ~ん」
魔法の袋は振っても中身のお金の音は聞こえませんが、この袋だけでも結構な値段がしそうです。階段付近でも四人の男達が剣や盾でガァン、ドォンとぶつかり合っています。アンナの事を助けてあげたいですが、アジトに囚われた女性達を助ける方が確実に達成できそうな仕事でした。逃げるように地下三階の部屋から階段を上って、フィオナは抜け出しました。
突然、背後から何者かに襲われました。
エルビン「アラン、何をしてるんだ!」
味方の一人が仲間を攻撃しているのを目撃します。慌てて助けようとしますが。
エルビン『うっ(頚椎・損傷)!』
こちらも背後から別の何者かに襲われてしまいました。
ライアン「おいおい、戦闘中に余所見は駄目だろう♬誰も逃すんじゃねぇぞ!」
地面に倒れたエルビンを足で踏んづけます。どうやら、仲間割れのようですが理由が分かりません。
ゴンゴーラ「どういうつもりだライアン?まさかとは思うが、私達を裏切るつもりか?」
仲間の中に犯罪組織のスパイが、紛れ込んでいた事が信じられないようです。ライアンは同じ一流冒険者仲間だと思って信頼していました。そして、彼が連れて来た仲間達も……。
ライアン「悪いが元々はこっち側の人間でね。それにアンタも直ぐにこっち側の人間になるんだぜ!」
ライアン以外にも六人の仲間がレイアの仲間だったようです。ライアン以外は唯一の部屋の出入り口になる、階段を封鎖する為に移動しています。
ゴンゴーラ「なんだと?」
地下三階に集まった16人の武装集団は二手に分かれました。ゴンゴーラ率いる救出・復讐チーム9人と、ライアン率いる新生アウトリュコス7人です。ゴンゴーラの仲間二人は卑怯な不意打ちで倒されてしまい、残りは7対7ですが、レイアとアンナの二人を加えると形勢は不利な状況です。
アンナ「レイア。今倒れた二人を連れて来い。試してみるにはちょうどいい」
不意打ちで倒れたゴンゴーラの仲間の二人を見ながら、良からぬ事を企んでいるようです。
レイア「はい、すぐに。ハァ~。この身体もそろそろ交換しないと駄目ね。そこの二人をこっちまで引き摺って来てちょうだい!」
アンナに返事をした後に、自分の身体を見ると、まだ矢が突き刺さったままです。邪魔そうに身体からズボッと矢を引き抜きながら、ライアンに指示を出します。
ライアン「了解」
ライアンは倒れているボアとエルビンの服を掴んで祭壇近くのレイア達まで引き摺って行きます。どちらも気を失っているようで抵抗しません。
バルカ「やらせるかよ!」
黙って仲間が引き摺られて行くのを見ている事が出来なかった武装集団の一人バルカが、鉄の剣をしっかりと握って果敢にライアンに攻撃します。
ライアン「ヘェ♬」
ガァン!と振り下ろされたバルカの剣を鞘から抜いた銀の剣で受け止めました。
バルカ「舐めんじゃねぇ!」
ビューという音と共に鉄の剣を右に振り払います。けれども、ライアンは軽く後ろに下がって回避すると、素早く前進して、右手片手に持った銀の剣をバルカの腹部に高速で突き刺しました。
バルカ『がぁふぅ(胃・損傷)!』
致命傷ではありませんでしたが、ライアンは突き刺さった銀の剣をそのまま抜かずに、剣に力を入れてバルカの腹を縦に斬り裂きました。
バルカ「ぐっ…この裏切り者がぁ……」
なんとか死ぬ前に出来た事はライアンを罵る事だけでした。
ライアン「やれやれ、素人が少し強くなっただけでこうも勇敢になれるとは驚きだな。格の違いが全く理解出来てねぇ。そうだろ、ゴンゴーラさん?」
銀の剣についた血を振り落としながら、まったく動こうとしない男に話しかけます。
ゴンゴーラ「…………」
男は返事をせずに考えます、数ヶ月間の訓練で強くなったとはいえ、元々はスライム程度のブロンズモンスター(銅硬貨)からスタートした武装集団です。現在はシルバーモンスター(銀硬貨)、6枚~8枚(1匹60~80ゴールド)ならば、一人で倒せるようになりましたが、ライアンは一人でゴールドモンスター(金硬貨)を倒せる実力です。
ゴンゴーラ「……逃げるなら……いや、逃げるような奴はいないか。各自で裏切り者の排除、私が女二人とライアンの相手をする。邪魔する者は敵味方問わず捻じ伏せろ!」
武装集団『オォー!』
まだ、裏切り者が潜んでいる可能性もあります。仲間を信用したい気持ちもありますが、今の最善の手は敵のトップを倒す事です。まだ誰も信用できない状況なので、ゴンゴーラは一人で倒す事に決めました。
バーンズ「……俺はレイアの首を斬り落とさないと気が済まない。お前一人なら今なら余裕で逃げ出せるぞ。この指輪も返してやるよ!」
右手の指に填めていた五個の速さの指輪を抜き取ると、四個だけフィオナに返しました。
フィオナ「四個だけ?残り一個は返さないつもりなの!だったら指輪代払いなさいよ!」
速さの指輪は一個5000ゴールドはします。返さないのなら代金を支払ってもらわないと納得できません。
バーンズ「チッ。ほら、俺の有り金全部だ!どうせ使える保障はないからな」
ポーチの中から魔法の袋を取り出すと、乱暴にフィオナに向かって投げつけました。
⚫︎魔法の袋:入れた物の音がしない魔法の袋。お金を入れて走っても音がしない優れもの。
フィオナ「ふぅ~ん」
魔法の袋は振っても中身のお金の音は聞こえませんが、この袋だけでも結構な値段がしそうです。階段付近でも四人の男達が剣や盾でガァン、ドォンとぶつかり合っています。アンナの事を助けてあげたいですが、アジトに囚われた女性達を助ける方が確実に達成できそうな仕事でした。逃げるように地下三階の部屋から階段を上って、フィオナは抜け出しました。
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