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第十一章
第3話『負けを認めない女』
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「そんな……私達の最高傑作が自殺するなんて」
ドロシーは両手で頭を押さえて、床に倒れている赤キメラを信じられない気持ちで見ています。
赤キメラの上顎の鋭い牙と下顎の鋭い牙の先端が、揃って上を向いています。
「グガァ……ガァ……」
そんな状態でも、赤キメラは辛うじて生きています。手足がピクピクと動いています。
通常のキメラならば、ドロシーの外科手術で治療も可能ですが、聖剣内蔵の赤キメラでは名剣でも刃が立ちません。出来る事と言えば、包帯を巻くか、添え木をする事ぐらいです。もちろん治りません。
(あれで最高傑作か。兄上の三十分の一ぐらいの力しかないだろうな)
テミスは落ち込んでいるドロシーにもマローネにも興味がないようです。
瀕死状態の赤キメラに近づいて行くと、その大きく開いた口の喉奥に、長さ十五センチ程に縮めた天爆の槍を放り込みます。長さは短く、威力は数百倍に跳ね上げています。
あとは大爆発させるだけですが、このまま爆発させるとマズイようです。
テミスは赤キメラの身体を宙に浮かせると、黒岩でその身体を何重にも覆い尽くしていきます。
部屋全体を黒岩が埋め尽くそうと増殖していきます。
「さあ、部屋から出るぞ。ここにいると岩に潰されて死ぬだけだ」
テミスはそう言って、ドロシーとマローネを連れて部屋を出て行きます。
そして、数分後……部屋の方向から、僅かな振動が起きました。
けれども、遺跡には目立った被害は出ませんでした。
黒岩の防壁が爆発の衝撃をほぼ完全に防ぎました。
♦︎
「聖剣とキメラを融合させた技術が知りたい。研究資料があるなら、その部屋まで案内しろ」
テミスは姉妹二人の手首を黒岩の手枷で繋いで、前を歩かせています。
ランプを左手に持って歩いているドロシーは、まだ負けを認めていないようです。
それでも、真っ直ぐに資料がある部屋に向かっています。
「くっ! この程度で勝ったと思わないでよ! あれは試作品なんだから!」
いつの間にか最高傑作が試作品に降格されたようです。
けれども、あれが最高傑作です。もうキメラは一人も作れません。
「試作品でもなんでもいい。あの程度の力では兄上に勝つのは不可能だ。少なくとも、さっきの奴を四十倍は強くしないと無理だろう」
「四十倍? えっ、四十倍⁉︎」
テミスの言葉にドロシーは動揺しています。キメラの強化担当はイシスです。
それに戻って来たとしても、頑張って強化して、四倍が限界です。
「ドロシー姉さん、もう諦めた方がいいよ。実際に手も足も出なかったのは事実でしょう。賢者様の所で別の研究を頑張りましょう」
マローネはドロシーに取り引き先変更を提案しました。
今の研究からはスッパリと手を引いて、オケアニス王国から賢者に変えたいようです。
けれども、ドロシーはやっぱり反対のようです。
「賢者様? マローネ、こいつは敵なのよ。私達を殺しに来た殺し屋よ! 仲良く協力できるはずないでしょう! 目を覚ましなさい!」
「……ドロシー姉さんこそ、いい加減に目を覚ましてよ!」
「あうっ‼︎」
ドロシーはマローネの肩をランプを持った手で、ガクガクと揺すって説得しています。
でも、マローネは負けた現実を受け入れない姉に対して、我慢の限界だったようです。
パァン‼︎ と負け犬の頬をビンタしました。
「私はドロシー姉さんみたいにはなりたくないの! 遺跡の暗い部屋で研究、研究ばかりして! やって来た男の人に弄ばれて、使い捨てのボロ雑巾のように捨てられたくないの!」
「弄ばれて捨てられたって⁉︎ ち、違うわよ⁉︎ 私の方から捨ててやったのよ! 年下には興味がなかったのよ! あんな男、私の方が弄んで捨ててやったんだから!」
テミスは二人の女の戦いを興味深そうに観察しています。
二人の話を聞けば聞くほどに、その男=ウォルターが最低な男に見えてしまいます。
「ドロシー姉さん、現実を受け入れて! 姉さんは行き摺りの男に、Pされて捨てられたの!」
「Pまでされてないわよ! したのは、Aまでよ!」
「Aでも、Pでも、されたのなら一緒よ!」
「もういい。そこまでだ。続きは行き摺りの男の前でしろ。喧嘩するなら、相手を間違えるな」
テミスは二人の激しい口論に割り込んで止めました。
血の繋がった弟が行き摺りの女と、AとかPとかした話は聞きたくないです。
同じ血が流れているかと思うと、ゾッとします。
「そうね。確かにイシス姉さんが薬物で意識を奪っている可能性もある。私の方が若いんだから、捨てられるなんておかしいのよ」
「そうかもしれないな。早く確かめたいのならば、資料室に案内する事だ。そうすれば、早く答えが分かる」
「うん、きっとそうよ。姉さんならやりかねない! いえ、絶対にそうよ!」
やはり現実を受け入れないタイプの女性のようです。
ドロシーは薬物でウォルターが洗脳されたと間違った結論を出しました。
そして、その答えを確認する為に、急いで研究資料が置かれている部屋に、テミスを連れて行きました。
「かなりの量があるんだな」
「ええ、イシス姉さんの研究資料は八年分。私のは十年分。マローネは二年分ぐらいよ。こう見えても、私が一番長く研究はしているから、一番優秀なのよ!」
「そうなのか……」
テミスはドロシーの自慢話を聞き流しながら、机の上に置かれている手書きの資料を軽く読んでいきます。
筆跡が綺麗なもの、独特の丸みを帯びたもの、読みやすいように文字が濃く太いものの三つあります。
その中で、テミスが注目したのは文字が濃く太いものでした。
(資料の内容をパッと見た感じだと、一番優秀なのは三女のマローネか。とくにこの『呪われた聖剣』というテーマは試す価値がありそうだ)
テミスはマローネの研究の中に、興味深いものを見つけたようです。
あとはじっくりと読むだけですが、まずはその前に、二人をウォルターの所に届けないといけません。
他にも囚われている人達を助けないといけません。
まだまだ後始末が終わらないと、行けそうにないです。
♦︎
——ウォルターの自宅。
大量の研究資料と一緒に、テミスはドロシーとマローネを港町に連れて来ました。
囚われていた十一人は、研究施設から一番近かった病院の前に放置して来ました。
テミスにとっては他国の人間なので、最後まで面倒を見るつもりはないようです。
「はぅ……もう駄目。外は私には明る過ぎる。太陽に焼き殺される」
遺跡の研究施設から港町まで、高速飛行でたったの数時間で到着しました。
ドロシーは少し元気がないですが、裏切り者の姉と男に再開すれば、元気は戻るはずです。
「ドロシー姉さん、頑張って。あの家に姉さんを傷物にした酷い男が、イシス姉さんとPしているから早く止めないと」
マローネは熱さと太陽に弱いドロシーに肩を貸して、家に向かって歩いて行きます。
新築のような三階建ての白い家は、二人暮らしにしては広過ぎですが、産まれて来る子供の部屋まで用意しているなら、納得です。
「すみません」
マローネは頑張って、ドロシーを玄関まで連れて行くと、コンコンと水色の扉をノックしました。
「はい。ちょっと待ってください」
「んっ? 誰?」
家の中からは若い女性の声が聞こえてきました。
イシスの声ではないので、マローネは首を傾げました。
ドロシーは両手で頭を押さえて、床に倒れている赤キメラを信じられない気持ちで見ています。
赤キメラの上顎の鋭い牙と下顎の鋭い牙の先端が、揃って上を向いています。
「グガァ……ガァ……」
そんな状態でも、赤キメラは辛うじて生きています。手足がピクピクと動いています。
通常のキメラならば、ドロシーの外科手術で治療も可能ですが、聖剣内蔵の赤キメラでは名剣でも刃が立ちません。出来る事と言えば、包帯を巻くか、添え木をする事ぐらいです。もちろん治りません。
(あれで最高傑作か。兄上の三十分の一ぐらいの力しかないだろうな)
テミスは落ち込んでいるドロシーにもマローネにも興味がないようです。
瀕死状態の赤キメラに近づいて行くと、その大きく開いた口の喉奥に、長さ十五センチ程に縮めた天爆の槍を放り込みます。長さは短く、威力は数百倍に跳ね上げています。
あとは大爆発させるだけですが、このまま爆発させるとマズイようです。
テミスは赤キメラの身体を宙に浮かせると、黒岩でその身体を何重にも覆い尽くしていきます。
部屋全体を黒岩が埋め尽くそうと増殖していきます。
「さあ、部屋から出るぞ。ここにいると岩に潰されて死ぬだけだ」
テミスはそう言って、ドロシーとマローネを連れて部屋を出て行きます。
そして、数分後……部屋の方向から、僅かな振動が起きました。
けれども、遺跡には目立った被害は出ませんでした。
黒岩の防壁が爆発の衝撃をほぼ完全に防ぎました。
♦︎
「聖剣とキメラを融合させた技術が知りたい。研究資料があるなら、その部屋まで案内しろ」
テミスは姉妹二人の手首を黒岩の手枷で繋いで、前を歩かせています。
ランプを左手に持って歩いているドロシーは、まだ負けを認めていないようです。
それでも、真っ直ぐに資料がある部屋に向かっています。
「くっ! この程度で勝ったと思わないでよ! あれは試作品なんだから!」
いつの間にか最高傑作が試作品に降格されたようです。
けれども、あれが最高傑作です。もうキメラは一人も作れません。
「試作品でもなんでもいい。あの程度の力では兄上に勝つのは不可能だ。少なくとも、さっきの奴を四十倍は強くしないと無理だろう」
「四十倍? えっ、四十倍⁉︎」
テミスの言葉にドロシーは動揺しています。キメラの強化担当はイシスです。
それに戻って来たとしても、頑張って強化して、四倍が限界です。
「ドロシー姉さん、もう諦めた方がいいよ。実際に手も足も出なかったのは事実でしょう。賢者様の所で別の研究を頑張りましょう」
マローネはドロシーに取り引き先変更を提案しました。
今の研究からはスッパリと手を引いて、オケアニス王国から賢者に変えたいようです。
けれども、ドロシーはやっぱり反対のようです。
「賢者様? マローネ、こいつは敵なのよ。私達を殺しに来た殺し屋よ! 仲良く協力できるはずないでしょう! 目を覚ましなさい!」
「……ドロシー姉さんこそ、いい加減に目を覚ましてよ!」
「あうっ‼︎」
ドロシーはマローネの肩をランプを持った手で、ガクガクと揺すって説得しています。
でも、マローネは負けた現実を受け入れない姉に対して、我慢の限界だったようです。
パァン‼︎ と負け犬の頬をビンタしました。
「私はドロシー姉さんみたいにはなりたくないの! 遺跡の暗い部屋で研究、研究ばかりして! やって来た男の人に弄ばれて、使い捨てのボロ雑巾のように捨てられたくないの!」
「弄ばれて捨てられたって⁉︎ ち、違うわよ⁉︎ 私の方から捨ててやったのよ! 年下には興味がなかったのよ! あんな男、私の方が弄んで捨ててやったんだから!」
テミスは二人の女の戦いを興味深そうに観察しています。
二人の話を聞けば聞くほどに、その男=ウォルターが最低な男に見えてしまいます。
「ドロシー姉さん、現実を受け入れて! 姉さんは行き摺りの男に、Pされて捨てられたの!」
「Pまでされてないわよ! したのは、Aまでよ!」
「Aでも、Pでも、されたのなら一緒よ!」
「もういい。そこまでだ。続きは行き摺りの男の前でしろ。喧嘩するなら、相手を間違えるな」
テミスは二人の激しい口論に割り込んで止めました。
血の繋がった弟が行き摺りの女と、AとかPとかした話は聞きたくないです。
同じ血が流れているかと思うと、ゾッとします。
「そうね。確かにイシス姉さんが薬物で意識を奪っている可能性もある。私の方が若いんだから、捨てられるなんておかしいのよ」
「そうかもしれないな。早く確かめたいのならば、資料室に案内する事だ。そうすれば、早く答えが分かる」
「うん、きっとそうよ。姉さんならやりかねない! いえ、絶対にそうよ!」
やはり現実を受け入れないタイプの女性のようです。
ドロシーは薬物でウォルターが洗脳されたと間違った結論を出しました。
そして、その答えを確認する為に、急いで研究資料が置かれている部屋に、テミスを連れて行きました。
「かなりの量があるんだな」
「ええ、イシス姉さんの研究資料は八年分。私のは十年分。マローネは二年分ぐらいよ。こう見えても、私が一番長く研究はしているから、一番優秀なのよ!」
「そうなのか……」
テミスはドロシーの自慢話を聞き流しながら、机の上に置かれている手書きの資料を軽く読んでいきます。
筆跡が綺麗なもの、独特の丸みを帯びたもの、読みやすいように文字が濃く太いものの三つあります。
その中で、テミスが注目したのは文字が濃く太いものでした。
(資料の内容をパッと見た感じだと、一番優秀なのは三女のマローネか。とくにこの『呪われた聖剣』というテーマは試す価値がありそうだ)
テミスはマローネの研究の中に、興味深いものを見つけたようです。
あとはじっくりと読むだけですが、まずはその前に、二人をウォルターの所に届けないといけません。
他にも囚われている人達を助けないといけません。
まだまだ後始末が終わらないと、行けそうにないです。
♦︎
——ウォルターの自宅。
大量の研究資料と一緒に、テミスはドロシーとマローネを港町に連れて来ました。
囚われていた十一人は、研究施設から一番近かった病院の前に放置して来ました。
テミスにとっては他国の人間なので、最後まで面倒を見るつもりはないようです。
「はぅ……もう駄目。外は私には明る過ぎる。太陽に焼き殺される」
遺跡の研究施設から港町まで、高速飛行でたったの数時間で到着しました。
ドロシーは少し元気がないですが、裏切り者の姉と男に再開すれば、元気は戻るはずです。
「ドロシー姉さん、頑張って。あの家に姉さんを傷物にした酷い男が、イシス姉さんとPしているから早く止めないと」
マローネは熱さと太陽に弱いドロシーに肩を貸して、家に向かって歩いて行きます。
新築のような三階建ての白い家は、二人暮らしにしては広過ぎですが、産まれて来る子供の部屋まで用意しているなら、納得です。
「すみません」
マローネは頑張って、ドロシーを玄関まで連れて行くと、コンコンと水色の扉をノックしました。
「はい。ちょっと待ってください」
「んっ? 誰?」
家の中からは若い女性の声が聞こえてきました。
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