【R18】暴力戦士妹LV68がダンジョンボスの死に際の攻撃で永遠に目覚めない呪いをかけられた。僧侶兄LV23はこのチャンスに♡♡♡する

もう書かないって言ったよね?

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第3章

第85話⑥ミッドポイント

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 この技は馬車の中でエルシア様と影俺が楽しんでいるのを、御者台で我慢して聞いている時に考えた。
 どうにかして俺も参加する方法を考えて考えまくった。そして、一つの答えを生み出した。
 一人が二人になるんじゃなくて、二人で一人になれば参加できる。

「うおおおおお!」

 影俺を俺から引き離さずに身体に纏う、身体に着る感じだ。
 魔法はイメージ力で決まる。やりたいならやるしかない。
 これが出来ないなら、エッチも出来ないという事だ。

 強い覚悟と性欲を持って、口とケツの穴から人間を詰め込まれるような感覚に耐え続ける。
 吐いても出しても駄目だ。影俺は俺だ。俺が俺を取り込めないはずがない。
 肌の色が黒く染まっていく。髪が伸びていく。身体の大きさはこのままみたいだ。
 全てを取り込むと、拳を鳴らしている体勢で固まっていた両拳を迫り来る石像達に解き放った。

「だりゃー!」
『——ッッ‼︎』
『何だと⁉︎』

 拳は重く、身体は軽い。普通に殴っただけで石像達が吹き飛び砕け散った。
 流石は二人の力が一つになった【俺影俺】だ。
 ストロベリアス邸でのレベルは職業二つ合わせると【LV163】。
 そして、影俺を合わせた今の俺影俺の推定レベルは【LV300超え】だ。
 クロックスでは負けるかもしれないけど、拳なら負ける気がしない。

『ば、馬鹿な⁉︎ 私の拘束術を破れる人間など存在しない⁉︎ お前、何者だ⁉︎』
「ただの僧侶だ」
『僧侶だと⁉︎ 僧侶が【変身】できるか‼︎ ”ロックコフィン石棺〟‼︎ 魂ごと潰れろ‼︎』

 何と呼ばれようと僧侶だから仕方ない。
 俺の周囲を隙間なく囲むように30本以上の太い石柱が現れた。
 さらに……

「うおっと……?」

 グラッと地面が揺れたかと思ったら、両足が岩盤の地面に飲み込まれていた。
 魔法的な拘束術と物理的な拘束術の二つを合わせて使ってきた。
 足だけじゃなく身体が岩盤の中に沈み込んでいく。
 石柱達が凄まじい速度で突進してきた。

 どれも死を覚悟する絶体絶命の回避不能の死だ。
 それなのに心は落ち着いている。その理由は分かっている。
 この程度の攻撃で今の俺を、俺達を殺すのは不可能だ。

「”ウルトラソウル〟——ウラッ!」

 両拳に暗黒の拳を纏った。まずは俺を飲み込む地面を右拳で粉砕した。

「うおおおおお‼︎」

 殴る殴る殴る殴る殴る。とにかく殴りまくる。
 自由になった身体で向かってくる石柱を容赦なく殴り壊していく。
 目の前で石柱が木っ端微塵に砕けていく。
 瓦礫が俺の身体にぶつかるけど、二重の神秘の守りをかけているから痛くもない。
 三秒もかからずに俺を殺すはずだった石柱達を地面の瓦礫に変えてやった。

「次はお前の番だ」

 そして、瓦礫の中に立って、軍師に人差し指を向けて言った。

『ば、化け物が……マンドレイク、お前、何を連れて来た……』

 すると、右手を震わせて俺を見ていた軍師が、エルシア様の方を向いて話しかけた。
「……」とエルシア様は視線を逸らして無視している。
 つまりお前とは話したくないという事だ。

 だったらもう終わりだ。右拳にトリプルウルトラソウル=天地の極三を纏った。
 だけど、今の俺影俺ならもう一段階上も可能なはすだ。
 さらにトリプルウルトラソウル=天地の極三を纏わせた。

「ぐっ、ぐぐっ、いけそうだ!」

 右拳に暴れる嵐を纏っている気分だ。
 それでも、この程度の暴れ馬ぐらいは乗りこなしてみせる。

『く、来るな‼︎ この化け物が‼︎』

 必殺の六重暗黒拳を構えて、軍師に向かっていく。
 次々と石柱が前から飛んできた。それを左拳だけで粉砕していく。
 右拳は軍師の顔面に叩き込む。こいつの技名は……

「”シックス〟‼︎」
『——ッガァ‼︎』

 考える時間はなかった。
 拳の間合いに入ると、必殺のシックスを石柱を砕き進みながら、軍師の顔面に叩き込んだ。
 軍師の顔が一瞬で消し飛び、残ったのは千切れ落ちた両腕、胴体半分と下半身だった。

「ゲームは終わりだ」

 拳を振って影俺を解除すると、頭の中に情報が流れ込んできた。

【古の魔人・軍師ガリアが倒されました】
【限定職『軍師』を獲得しました】
【軍師のスキル『拘束術』『石操術』を獲得しました】

 また新しい職業、三つ目の職業を獲得してしまった。
 ここまで来ると凄い事じゃなくて、悪い事をしている気分だ。
 もちろん、これも誰にも言わないようにしよう。
 バレたら他のダンジョンボスがいないダンジョンの隠れボスを取られてしまう。

「流石は重戦士LV230様‼︎ まさか、魔人を倒せる人間、いえ、もはや人間ではなく神です‼︎ どうか【研究所元所長】として【研究所名誉冒険者】の称号を与えさせてください‼︎」

 トン爺さんが助かった喜び全開で向かってきたけど、涙と鼻水でグチャグチャになっている爺さんの顔は見るに堪えない。

「いや、いい。要らない」
「そ、そんなぁー⁉︎」

 さっさとトン爺さんから目を逸らして、消えていく魔人の身体の足元を見た。
 紅色のひし形をした大きな輝く宝石が落ちている。
 今回はあれが戦利品みたいだ。
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