【R18】暴力戦士妹LV68がダンジョンボスの死に際の攻撃で永遠に目覚めない呪いをかけられた。僧侶兄LV23はこのチャンスに♡♡♡する

もう書かないって言ったよね?

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第1章

第17話⑦ピンチポイント②

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 早くも休憩終わりだ。ボス部屋の扉がリラによって開かれた。
 中に入って扉を閉めると、部屋の中央に魔法陣が現れた。
 魔法陣から現れるのは【キングオーク豚巨人】【ヘビーリザード巨大な赤トカゲ】【アルぺニアゴーレム剛腕剛足の岩人形】の三体のどれかだ。

 巨大な肉包丁を振り回すだけのキングオークはハズレ。
 アルペニアゴーレムは攻撃力と魔法防御力は高いけど、動きが遅すぎる。リラを倒すには力不足だ。
 期待できるのは攻撃力と速度のあるヘビーリザードだけだ。

 コイツが現れない時は俺が戦闘を妨害するしかない。
 ボスを回復したり、攻撃の邪魔になる位置に移動して立ち塞がる。
 ボスと俺、リラとヨハネの二対二のチームバトルだ。

「なぁっ⁉︎」

 だけど、予想外のボスが現れた。【オールドロード老いた支配者】だ。
 レアボスのくせに現れ過ぎだ。

「剣は落ちてないみたいだな。だったらさっさと倒して訊問だな」
「ええ。そうですね。今度こそ本当の事を喋ってくれると期待しましょう」

 レアボスなのに女二人がガン無視して地面を探している。
 何も無いと分かると、武闘家が拳、魔導師が鞭と杖を構えた。
 状態異常魔法しか使えないロードだと一方的に倒される。

 でも、考えようによっては絶好のチャンスかもしれない。
 あの呪いの一撃なら、当たれば確実に一人倒せる。
 それにもしかすると二人倒せるかもしれない。

 あの呪い魔法の一撃は貫通属性だった。
 俺のアンチスリープを撃ち破り、妹の身体を水色の光が貫通していた。
 アンチスリープ無しなら、きっと威力も速度も落ちない。
 何とか二人を誘導して、直線に並ばせる事が出来れば可能だ。

「ごくり……」

 それに二人を眠らせれば、妹同様にたっぷり復讐できる。
 帰り道のモンスターを倒せなくなるから生きて出られなくなるけど、その前に死ぬほど楽しめる。
 運が良ければ、あの三人組みたいな冒険者がやって来て、生きて帰る事も出来る。
 男ならこのチャンスを見逃したら駄目だ。

『”####〟』
「ぐぅ! 何だ、これは……うっ……」

 よし、効くみたいだ。ロードの杖から放たれた水色の光線がリラに直撃した。
 崩れ落ちるように地面に倒れて寝てしまった。

「すぅ……すぅ……」
「即死魔法じゃないみたいですね。おそらく睡眠魔法ですね。ゴミ、早く回復してください」
「はい!」

 仲間が倒れたのに、ヨハネが冷静に状況分析している。いつもの事だ。
 脳筋が二人もいるから、コイツが安全な位置から指示を出している。
 二人を呪いで眠らせたいなら、まずはヨハネを通常睡眠魔法で眠らせないと駄目だ。
 そして、脳筋リラだけを起こして、ロードを瀕死にさせる。

 あとは寝ているヨハネを呪いの一撃が当たる位置まで運んで、永遠に眠らせる。
 俺が二人を倒す方法は、これしか考えられない。

「”アンチスリープ〟」

 その為にはまずは信用させるしかない。
 リラに向かって、魔法を唱えた。リラの身体が水色の光に包まれた。

「ううっ……何で寝てしまったんだ……?」

 すぐに脳筋が起きてくれたけど、状況が分かってない。
 ここは家のベッドじゃなくて、命懸けの戦場だ。

「睡眠魔法です。ゴミが回復するので、いつも通りに戦ってください」
「チッ。姑息な魔法使いやがって。おい、ゴミ! ジャストで回復しろ! 出来なかったら玉潰すぞ!」
「お任せください!」

 脅さなくても回復してやる。こっちは初見じゃない。
 一つ問題があるとしたら、この脳筋じゃなくて魔導師だ。
 それを確かめる方法はあるけど、多分確かめる必要もない。

 ヨハネは鞭に防御魔法をかけて、相手の攻撃魔法を弾き返す事が出来る。
 ロードの光線もきっと弾き返す。だから、弾き返せないように妨害する。
 避難するようにヨハネの近くに移動して、杖を構えて待機した。
 毒と麻痺なら見逃す。狙うはアイテムを使った自己回復が出来ない睡眠だ。

「”####〟」

 リラに攻撃されながらも、ロードが黄色の光線をヨハネに撃ってきた。
 麻痺光線だ。これは見逃していい。

「無駄です。”スペルシールド魔力の盾〟」

 パシィン。やっぱりだ。飛んできた光線が鞭に弾き飛ばされた。
 しかも、俺の横を通過していった。弾き飛ばす方向までコントロールしている。

「……今、ジャストしませんでしたよね? 死にたいんですか?」

 そして、当然のように横目で睨んで脅してきた。

「すみません! 余計なお世話だと思ったので!」
「ゴミが余計な事を考える必要はないんです。次失敗したら、次はないですよ」
「はい! すみませんでした!」

 失敗した。必死に謝ってみたものの、今ので絶対に警戒している。
 俺がジャストしなくても、自分でも防御するはずだ。
 こうなったら眠らせるのは非常に困難だ。
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