【R18】暴力戦士妹LV68がダンジョンボスの死に際の攻撃で永遠に目覚めない呪いをかけられた。僧侶兄LV23はこのチャンスに♡♡♡する

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
上 下
16 / 98
第1章

第16話⑦ピンチポイント②

しおりを挟む
『ブヒヒン!』
「はぁはぁ! はぁはぁ!」

 3日目。馬車に引き摺られて、目的地の【古代アルペニア神殿】に到着した。
 もちろん両足と聖剣はヨハネが一瞬寝落ちした瞬間に回復した。
 回復した後は引き摺られずに走ってきた。残念だったなメスゴリラ。

「おい、ここで間違いないんだな? 居なかったら殺すだけじゃ済まないからな」

 急いで地面に寝転んだ。馬車の横扉を開けて、メスゴリラのリラが降りてきた。
 山のような壁を掘って作られた古代神殿の入り口を見ながら、俺に聞いてきた。

「うぐっっ、そ、そんなぁ……ここに入った後の事は知らないのに」
「そんなの知らねえよ。テメェーが逃げたからいけないんだろうが。このクソ雑魚野朗が」

 悲しそうな顔で言ってみたのに無駄だった。
 絶対いないって分かっているから、もう死ぬのは決定だ。
 馬車が止まって夜営している時は、両手足縛って逃げられないようにされた。
 あれさえなければ、絶対に逃げられていた。

「さっさと回復して案内してください。ゴミと一緒の時間を過ごすのは苦痛でしかありませんから」
「ほら、さっさと回復しろ。引き摺ってくれるとでも思ってんのか」

 3日間も人を引き摺ったかもしれないのに、なんて酷い奴らだ。
 俺が物なら、お前らは人間じゃねえ。

「ありがとうございます。”ヒール〟!」

 ……とか言える人間だったなら、今頃、俺は棺桶の中だ。
 生きていられるなら、物でも奴隷でも構わない。

「前衛は私一人で充分だ。おい、回復薬。しっかり付いて来いよ」
「はい、お任せください!」

 両拳に武闘家が操る【氣】を増幅する金属籠手を装着して、リラが言ってきた。
 いつもは妹と二人の脳筋前衛だ。回復するのが一人減ったから、余裕で付いて行ける。

「邪魔だ!」
『ギャン……!』

 早くもダンジョン入り口近くに現れたロックウルフが、天井まで蹴り飛ばされた。
 パラパラと肉片なのか、天井片なのか分からない石粒が降ってきた。
 可哀想だが、その女は猫の尻尾も平気で引き千切る極悪人だ。
 逃げる時は後ろ向きに走って逃げた方がいいぞ。

「チッ。この程度の雑魚にやられるわけないか。だったらボスだな。おい、ゴミ。遅れるんじゃないぞ」
「はい!」

 落ちてくる死体をアイテム鞄でキャッチしながら応えた。
 その通り、妹は無事にボス部屋まで辿り着いた。この脳筋武闘家なら余裕で辿り着ける。
 つまり、この女を倒せるのはボスしかいない。
 道の前後を武闘家と魔導師に挟まれたら逃げられない。
 リラをボスに始末してもらう。俺が回復しなければ、きっとボスが倒してくれる。

 残ったヨハネは魔導師だ。腕力は大した事ない。
 帰り道に現れるモンスターを倒していけば、精神力が削られていく。
 疲れて油断したところを剣で刺して殺す。二人はボスに挑んで死んだ事にする。

 いや、ついでに妹も死んだ事にしよう。
 俺達四人でボスに挑んで、俺だけ助かった事にしよう。
 これなら三人の女が消えても、事故で済ませられる。

「オラッ!」
『ゲロッ……!』

 そんな事とも知らずに、脳筋武闘家は現れた体長2メートルの【ギガントカエル巨大茶蛙】を一蹴りで蹴り飛ばした。
 自分が死に向かって爆走している事に気づいてもいない。
 これなら大丈夫だ。生きて帰ってこれたご褒美として、妹にお祝いしてもらおう。

 おっと、その前に何か食べさせないと駄目か。
 早く帰れたとしても、一週間も飲まず食わずだとかなりヤバイ。
 寝ているから体力を消費しないとはいえ、普通の人間なら死ぬ。
 LV65の脳筋戦士でも死ぬ可能性有りだ。

「ここみたいだな」
「はぁはぁ、はぁはぁ……!」

 やっぱり雑魚モンスターじゃ相手にならなかった。ボス部屋到着だ。
 ダンジョンを駆け足で爆走するメスゴリラの後を必死にモンスターの死体を回収しながら追い駆けた。
 ボス部屋入る前に休憩したい。

「途中にいないという事は外に出たか、この中にいるみたいですね」
「もしくはモンスターの腹の中だな」
「あとはこのゴミが嘘を吐いた、という可能性も有りますけどね」

 魔導師のくせに体力あるな。余裕で付いて来たヨハネとリラが話している。
 妹はベッドの中にいるので、ダンジョンの中にもボス部屋の中にもモンスターの中にもいない。
 俺を横目で見るヨハネのおっしゃる通り、俺が嘘を吐いているだけだ。

「あー、頭使うのは面倒だ! さっさと入るぞ。この中で死んでいるなら、剣ぐらいは落ちてるだろ」
「そうですね。道には何も落ちてなかったですし、ここにも無かったら、本格的な訊問をしないといけませんね」

 リラの方が考える事を放棄してくれたのに、ヨハネが氷の微笑を向けてきた。
 あの女の武器は【乗馬用鞭】と木の枝みたいな【短杖】だ。

 あの鞭で俺の背中を叩くのを生き甲斐にしているのかと思うぐらいに叩きまくる。
 最初は痛いだけだったが、今では叩かれると興奮する変態体質になってしまった。
 それなのに最近は叩かなくなった。俺をこんな身体にしたのに無責任な女だ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...