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第2部 最終章 絶対絶命のF級冒険者
第75話 ウィルと最後の日
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「(本気ですか?)」
男ドワーフ二人を袋から取り出すと、一人に透明マントを被せて囮になってもらう。僕は一人で戦っていない。強大な敵に一人で勝てないのならば仲間の力を貸してもらえばいいのだ。とりあえず話したこともないマイクというドワーフに透明マントを被せて、もう一人には何も被せない。
「何処だここは?」
「あんたは偽神様!」
(今は違う。本物だ)
「【さあ走れ】」
突然こんな場所に呼び出されれば誰だって混乱する。でも説明するそんな時間はないので行使力で簡単な指示を与える。神の命令は絶対なのだ。悪いけど飛んで来る氷柱の的になってくれたまえ。僕は全力で防壁から石飛礫を大量連射して援護する。
「(酷いことしますね)」
「(問題ない。どうせ助けなければ遅かれ早かれ地獄で死んでいた。命の有効利用だ)」
二人のドワーフは防壁の右と左から別々に飛び出した。フェンリルの意識は姿が見える左のドワーフに一瞬だけ集中するはずだ。その後に透明マントを被った右のもう一人に意識が向く。もちろん防壁に隠れた僕の気配を見逃すはずはない。こっちもただの時間稼ぎをしたいだけだ。ドワーフを殺してもいいし、殺さなくても問題ない。作戦はAとBの二つがある。
「何のつもりだ? 囮だとしても下手過ぎるぞ」
フェンリルはドワーフ二人を完全無視して氷の盾で石飛礫を防いでいる。ドワーフ二人がどんなに頑張ってもフェンリルにダメージを与えることは出来ない。それが現実だ。そして一人と三人ではまったく違う。お前達の勇気と死は絶対に無駄にはしないからな。
(ドワーフを殺さないのなら作戦Bを実行する。あの二人は遅かれ早かれ死ぬのだ。それがフェンリルから僕の手に代わっただけだ)
「行くぞ‼︎」
防壁から飛び出すと、フェンリルに向かって一直線に走って行く。走りながら剣に黒岩と雷を更に纏わせ、刀身二メートルを超える灼熱のマグマの大剣を完成させた。これで短いリーチをカバーすることが出来るし、雷を纏わせただけの魔法攻撃でもない。完全なる物理攻撃だ。この剣ならば氷の盾でも撥ね返すことは出来ない。
「【マイク、そのまま飛び掛かれ】‼︎」
透明マントを被ったマイクに最後の指示を与える。マントの下のマイクは無限収納袋を頭から腰の辺りまでスッポリと被っている。マイクを攻撃すれば収納袋が破壊されて中身が全て外に大放出する予定だった。でも攻撃しないのならマイクにやってもらうしかない。フェンリルが身体に生やしている氷柱にマイクが串刺しになれば、フェンリルは大量の物で埋もれるのことになる。
「ゴォプっ…」
フェンリルの近くまで行くと、透明マントは強い魔力によって強制的に透明化が解除された。それでもマイクは真っ直ぐに走って指示した通りに飛び上がって氷柱にドスッと突き刺さって死んでくれた。
「マイク、見事な最後だ」
パァンと収納袋が破裂すると中から大量の物が溢れて止まらない。服、食糧、武器、魔物の素材、金銀財宝とありとあらゆる物が入っている。その中にアシュリー、クレア、ミランダ、そして残りの九人のドワーフも見えた。これで十四対一だ。どんな手段を使ってでも勝たなければならない時がある。それが今だ。
「グゥッ⁉︎ 何だこれは? くっ…動けん」
身体の半分以上まで物に埋もれてフェンリルは身動きが取れない。それもそのはずだ。氷の身体に触れた物は瞬間的に凍り付き、隣の物も更に凍り付く。自分自身の力で自分の身体に巨大な氷の足枷を作ったのだ。その巨体が命取りになってしまったな。
「覚悟しろ‼︎」
瘴気蓄積装置を破壊してフェンリルに瘴気を浴びせて弱体化される。駄目だ。ドワーフ達に武器を持たせて援護攻撃させる。駄目だ。油をぶっかけて燃やす。駄目だ。可能な作戦を頭の中で想像しては却下した。世界の始まりから生きている神の使いに、子供の浅知恵なんかは通用しない。やるならシンプルな作戦しかない。
(全ての力を一撃に込めて、玉砕覚悟で突撃するのみ!)
「ヤアァァァ~‼︎」
「命を捨てた程度で我に勝てると思うな」
フェンリルの背中は物に埋もれていない。その背中に生えていた氷の氷柱が多数飛んで来た。最後の悪足掻きかもしれないが、チャンスは今しかない。絶対に止まったら駄目だ。敵に考える時間を与えてはいけない。
地面を走るのをやめると、飛行状態に切り替えて更に加速する。こっちの方が飛んで来る氷柱を躱しやすい。身体をクルッと反転させながら紙一重で回避し続けると、もうフェンリルとの距離は残り十五メートル。目と鼻の先だ。けれども障害物がまだ四つも残っている。
「【援護しろ】!」
アシュリー、クレア、ミランダ、十人のドワーフに武器を持って戦うように命じた。僅かでも意識が僕以外に向いてくれれば、それだけでも勝てる確率が一パーセントは上がる。出来れば四枚の氷の盾を一つでも引き付けてくれればいいのだが、それは無理だ。僕の攻撃以外は全てフェンリルに擦り傷も与えられない。
「まったく油断してしまった…」
「後悔しても今更遅い。くたばれ‼︎」
灼熱の大剣を両手でしっかりと握り、氷の盾に守られたフェンリルの頭部目掛けて渾身の力で振り下ろす。氷の盾は砕かれ、フェンリルの頭の天辺から顎までが真っ二つに斬り裂かれるはずだ。
「お前がな。【クリスタルブレード】」
灼熱の大剣を振り下ろそうと頭上に構えた。その瞬間を狙っていたように正方形に並んだ四枚の氷の盾が水平に倒れて、僕の目の前から消えた。いや消えたんじゃない。氷の盾が紙のように薄いから消えたように見えるだけだ。
でも今更、後には引けない。ここまで来たのなら渾身の力で剣を振り下ろすだけだ。
「セイヤァ‼︎」
全身全霊を込めた僕の一撃はまったく手応えがなかった。空を斬ったようなおかしな感じがする。剣を振り下ろしたはずなのにフェンリルは死んでいない。腕を振り下ろす途中で剣が忽然と消えるなんてある訳ないのに。
「残念だったな。無い腕では剣は振れないぞ」
「何を言っている? 腕なら…⁉︎」
無かった。両腕の肘の少し先から消えてなくなっていた。腕だけでなく膝から下も無くなっていた。
(凍っている。これで痛みを感じなかったのか)
「ただの盾だと思っていたか? 少し倒して回転させて飛ばせば鋭い刃にもなる。お前の負けだ」
「うっ‼︎ やめ…」
叫ぶ前に身体の中を何かが通って行った。何かが通って行くと、心と身体はもう何も感じなくなってしまった。
男ドワーフ二人を袋から取り出すと、一人に透明マントを被せて囮になってもらう。僕は一人で戦っていない。強大な敵に一人で勝てないのならば仲間の力を貸してもらえばいいのだ。とりあえず話したこともないマイクというドワーフに透明マントを被せて、もう一人には何も被せない。
「何処だここは?」
「あんたは偽神様!」
(今は違う。本物だ)
「【さあ走れ】」
突然こんな場所に呼び出されれば誰だって混乱する。でも説明するそんな時間はないので行使力で簡単な指示を与える。神の命令は絶対なのだ。悪いけど飛んで来る氷柱の的になってくれたまえ。僕は全力で防壁から石飛礫を大量連射して援護する。
「(酷いことしますね)」
「(問題ない。どうせ助けなければ遅かれ早かれ地獄で死んでいた。命の有効利用だ)」
二人のドワーフは防壁の右と左から別々に飛び出した。フェンリルの意識は姿が見える左のドワーフに一瞬だけ集中するはずだ。その後に透明マントを被った右のもう一人に意識が向く。もちろん防壁に隠れた僕の気配を見逃すはずはない。こっちもただの時間稼ぎをしたいだけだ。ドワーフを殺してもいいし、殺さなくても問題ない。作戦はAとBの二つがある。
「何のつもりだ? 囮だとしても下手過ぎるぞ」
フェンリルはドワーフ二人を完全無視して氷の盾で石飛礫を防いでいる。ドワーフ二人がどんなに頑張ってもフェンリルにダメージを与えることは出来ない。それが現実だ。そして一人と三人ではまったく違う。お前達の勇気と死は絶対に無駄にはしないからな。
(ドワーフを殺さないのなら作戦Bを実行する。あの二人は遅かれ早かれ死ぬのだ。それがフェンリルから僕の手に代わっただけだ)
「行くぞ‼︎」
防壁から飛び出すと、フェンリルに向かって一直線に走って行く。走りながら剣に黒岩と雷を更に纏わせ、刀身二メートルを超える灼熱のマグマの大剣を完成させた。これで短いリーチをカバーすることが出来るし、雷を纏わせただけの魔法攻撃でもない。完全なる物理攻撃だ。この剣ならば氷の盾でも撥ね返すことは出来ない。
「【マイク、そのまま飛び掛かれ】‼︎」
透明マントを被ったマイクに最後の指示を与える。マントの下のマイクは無限収納袋を頭から腰の辺りまでスッポリと被っている。マイクを攻撃すれば収納袋が破壊されて中身が全て外に大放出する予定だった。でも攻撃しないのならマイクにやってもらうしかない。フェンリルが身体に生やしている氷柱にマイクが串刺しになれば、フェンリルは大量の物で埋もれるのことになる。
「ゴォプっ…」
フェンリルの近くまで行くと、透明マントは強い魔力によって強制的に透明化が解除された。それでもマイクは真っ直ぐに走って指示した通りに飛び上がって氷柱にドスッと突き刺さって死んでくれた。
「マイク、見事な最後だ」
パァンと収納袋が破裂すると中から大量の物が溢れて止まらない。服、食糧、武器、魔物の素材、金銀財宝とありとあらゆる物が入っている。その中にアシュリー、クレア、ミランダ、そして残りの九人のドワーフも見えた。これで十四対一だ。どんな手段を使ってでも勝たなければならない時がある。それが今だ。
「グゥッ⁉︎ 何だこれは? くっ…動けん」
身体の半分以上まで物に埋もれてフェンリルは身動きが取れない。それもそのはずだ。氷の身体に触れた物は瞬間的に凍り付き、隣の物も更に凍り付く。自分自身の力で自分の身体に巨大な氷の足枷を作ったのだ。その巨体が命取りになってしまったな。
「覚悟しろ‼︎」
瘴気蓄積装置を破壊してフェンリルに瘴気を浴びせて弱体化される。駄目だ。ドワーフ達に武器を持たせて援護攻撃させる。駄目だ。油をぶっかけて燃やす。駄目だ。可能な作戦を頭の中で想像しては却下した。世界の始まりから生きている神の使いに、子供の浅知恵なんかは通用しない。やるならシンプルな作戦しかない。
(全ての力を一撃に込めて、玉砕覚悟で突撃するのみ!)
「ヤアァァァ~‼︎」
「命を捨てた程度で我に勝てると思うな」
フェンリルの背中は物に埋もれていない。その背中に生えていた氷の氷柱が多数飛んで来た。最後の悪足掻きかもしれないが、チャンスは今しかない。絶対に止まったら駄目だ。敵に考える時間を与えてはいけない。
地面を走るのをやめると、飛行状態に切り替えて更に加速する。こっちの方が飛んで来る氷柱を躱しやすい。身体をクルッと反転させながら紙一重で回避し続けると、もうフェンリルとの距離は残り十五メートル。目と鼻の先だ。けれども障害物がまだ四つも残っている。
「【援護しろ】!」
アシュリー、クレア、ミランダ、十人のドワーフに武器を持って戦うように命じた。僅かでも意識が僕以外に向いてくれれば、それだけでも勝てる確率が一パーセントは上がる。出来れば四枚の氷の盾を一つでも引き付けてくれればいいのだが、それは無理だ。僕の攻撃以外は全てフェンリルに擦り傷も与えられない。
「まったく油断してしまった…」
「後悔しても今更遅い。くたばれ‼︎」
灼熱の大剣を両手でしっかりと握り、氷の盾に守られたフェンリルの頭部目掛けて渾身の力で振り下ろす。氷の盾は砕かれ、フェンリルの頭の天辺から顎までが真っ二つに斬り裂かれるはずだ。
「お前がな。【クリスタルブレード】」
灼熱の大剣を振り下ろそうと頭上に構えた。その瞬間を狙っていたように正方形に並んだ四枚の氷の盾が水平に倒れて、僕の目の前から消えた。いや消えたんじゃない。氷の盾が紙のように薄いから消えたように見えるだけだ。
でも今更、後には引けない。ここまで来たのなら渾身の力で剣を振り下ろすだけだ。
「セイヤァ‼︎」
全身全霊を込めた僕の一撃はまったく手応えがなかった。空を斬ったようなおかしな感じがする。剣を振り下ろしたはずなのにフェンリルは死んでいない。腕を振り下ろす途中で剣が忽然と消えるなんてある訳ないのに。
「残念だったな。無い腕では剣は振れないぞ」
「何を言っている? 腕なら…⁉︎」
無かった。両腕の肘の少し先から消えてなくなっていた。腕だけでなく膝から下も無くなっていた。
(凍っている。これで痛みを感じなかったのか)
「ただの盾だと思っていたか? 少し倒して回転させて飛ばせば鋭い刃にもなる。お前の負けだ」
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