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第2部 第2章 帰って来たF級冒険者
第32話 ウィルと容疑者W
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グリフィン小屋に戻ると、大人しい雌グリフィンの背中に跨がった。目的地は変更せずにサークス村に向かう事にする。
「さてと、集まった情報をまとめて、事実だけを選ばないと…」
サークス村に到着するのは9時間後ぐらいだ。その間は睡眠時間ではない。メイドに斬られた背中の切り傷には液体治療薬でもぶっ掛ければ、数時間で治るだろう。これで治療は済んだ。
不確かな情報は、侯爵の遺骨の盗難、もしくは侯爵の失踪かな。今までのエミリアとの侯爵関連の会話を考えると、エミリアがモシェの殺害に協力した可能性は低い。だとしたら、侯爵が行使力をエミリアに使って、モシェの死体をエミリアに看病させていたのだろう。
まあ、この辺の目的と理由は分からないからどうでもいい。多分、ロクに戦えない寝たきりの状態だと、心石を奪われるかもしれないと考えたんだろう。モシェは心石を奪われない為の対策、そう考えるのが一番納得出来る答えだ。
「次は白聴会が賢者の壺とまったく関係が無かった場合だな」
こっちの予定では侯爵の遺骨に聞いて、『はい、問題解決』という流れだったのに、その予定は狂ってしまった。同じように白聴会に所属しているギルド長を問い詰めても分からない可能性がある。その場合はロザリンダから聞いた情報を元に、今から9年前ぐらいに侯爵が訪れた場所を調べるしかない。
その場所は冒険者手帳に書かれている地名や食べ物、出会った人の名前から大体の予想は付けられるはずだ。そうなると大規模な捜索になるから僕一人だと人手が足りなくなる。
ここは何とかギルド長達に協力してもらうしかないな。新世界に娘か、孫娘がいるんだ。僕が不死者でも、娘の為なら我慢して協力してくれるだろう。
「よし、次の行動予定は決まった。そして、次の問題が一番の難題だぞ」
そう、どうやって女の子3人を誰もが納得する正当な理由で連れ去ったのか、それを親御さん達に説明するのは無理難題である。ここは大嘘を吐くしかない。会わないという選択肢もあるけど、突然、自分の娘が消えたのだ。消えた理由はともかく、無事に生きている事ぐらいはしっかりと伝えて安心させないと駄目だ。それが人情というものだろう。
とりあえず、ユンのお父さんにはお金を渡せば解決すると期待して、問題は会った事もないクレアとミランダの親御さん達だ。『金なんてどうでもいいから娘を返してくれ!』とか言われても、無理なものは無理だ。でも、無事を知らせておいて会わせないというのも、かなり非情なんだよな。
正直、やりたくはない嫌な役だ。それでも誰かが伝えないと駄目なのは分かっている。そして、その嫌な役をやれるのはこの世界に僕しかいない。逃げる事が出来ないと思ってやるしかないだろう。
❇︎
「あれ? 何これ?」
サークス村に到着すると村の外観が立派になっていた。村の周囲を囲む黒岩の高さ1mぐらいの岩壁は、おそらくは世界が終わるまでの6日間の暇潰しに、アシュリーが作ったのは分かる。問題は村の出入り口を警備している人達だ。
「おはようございます。何かあったんですか?」
軽装で剣を左腰に差して、左手に槍を持っているフリオという男に声を掛けた。丸盾を岩壁に立て掛けているので、暇そうなのは見れば分かる。
「何を言っているんだ? この辺の魔物が凶暴化しているから警備するのは当たり前だろ。自警団も無いような小さな村々には近隣の町から、こうやって冒険者や町の兵士が派遣されているんだ。そんな事も知らないのか?」
「ええ、まったく知りませんでした。中に入ってもいいでしょうか?」
「ああ、魔物と盗賊以外なら入っていいよ。宿屋は村に入って直ぐ左にあるからそこに泊まるといい。奥の方に行けば冒険者ギルドもあるから警備の仕事をしたいなら登録するんだな」
「ご親切にありがとうございます」
「構わねぇよ。案内するのも仕事だからな」
ペコペコと頭を下げて、村の中に入ると中も結構整備されていた。畑に落ちないように畦道に杭を打ち込んで、杭と杭の間には蛍光塗料が染み込まされたロープが張られている。宿屋の数も二階建てが一軒増えていた。おそらくは冒険者ギルドの金庫のお金を使ったのだろう。金貨3万5000枚もあれば、このぐらいの事は余裕で出来る。
「「「おい、ウィル様が帰って来たぞ!
本当だ。ウィル様だ!
エミリアさんは何処にいるんだ?
クレアさんとミランダさんもいないぞ!」」」
自宅に戻る途中で村の人達の会話が聞こえて来た。なるほど、消えた4人の女性達は冒険者パーティー『ガルガル』のメンバーだ。長期間の依頼を受けて村を出たと考えても不思議じゃない。何人かは僕達が死んだと思っているようだけど、それは違う。まあ、それは村人の1人にでも話せば1日で村中に伝わるだろう。
『コンコン、コンコン』
自宅の前に立つと、木扉をノックする。僕が生きている事を父さんと母さんが知っても何もならないとは思うけど、こっちは新世界に行った後の村の情報が知りたいだけだ。特にユンのお父さん、クレアとミランダの親御さんが娘を心配して村に来たのか知りたい。
「はいはい……はいぃ~⁇」
「母さん、ただいま」
僕の顔を見た瞬間に母さんが苦い顔をした。僕の中でそれが息子が生きてて嬉しい時の母さんの顔だと思う事にするよ。
『ただいまじゃないわよ‼︎ 何処をほっつき歩いていたのよ! ユンちゃんは何処? クレアさんとミランダさんは何処なの? まさか、監禁して殺したんじゃないでしょうね⁉︎』
グラグラと凄い剣幕で身体を揺さぶられて問い詰められる。誰だか知らないけど、黒魔女蜘蛛女事件の事を母さんに教えた奴がいるようだ。
「落ち着いてよ、母さん! 皆んな生きてるよ」
『だったら何処にいるのよ! 生きているなら、さっさと連れて来なさいよ。出来ないなら行く所に行くわよ!』
母さんの言う行く所とはもちろん檻の中だ。そんな時間はないし、この母さんの反応が実際の親御さん達の反応だろう。きっと村の人達も僕が4人の女性達を監禁して殺したと思っているようだ。まったく最低でもやるとしたら監禁までだ。殺すなんて勿体ない事をする訳がないだろう。
「とにかく落ち着いて。僕は監禁もしていないし、殺してもいないよ。誰から何を聞いたか知らないけど、僕がそんな事をする意味が無いだろう? ユンとは婚約しているんだし、何で監禁してまで如何わしい事をしないといけないんだよ。母さんも村の人達も変なゴシップ記事に踊らされ過ぎなんだよ。まったく現実的に考えてよ」
どうせ、『サークス村集団神隠し事件』とか新聞に書かれて、行方不明のF級冒険者Wが最重要容疑者とか書かれていたんだろう? 何処の新聞社だよ。今から潰して来るから新聞見せてよ。
「そうよね。あんたにそんな度胸は無いわよね。じゃあ皆んなは何処にいるの? それで何で1人で戻って来たのよ」
「本当はまだ疑っているよね? はぁ、厄介な事に変な魔法空間に閉じ込められたんだよ。僕一人が皆んなの協力で何とか外に出る事は出来たんだけど、他の人達は無理そうなんだ。それにその魔法空間は不安定な状態で、このまま何もしないとあと2ヶ月ぐらいで消滅する可能性が高いんだよ。僕はその問題を解決する為に動いているんだよ」
とりあえず、説明が難しい事は魔法という言葉で片付けられる。それに大体の事情は合っているはずだ。何処かの洞窟に閉じ込められて、僕だけが何とか脱出して、皆んなを助ける為に動いている。そんな感じに思ってくれればそれでいいのだ。
「その話し本当なの?」
「信じるも信じないのも母さんの自由だよ。僕はユンのお父さんとクレアとミランダの親御さんに事情を説明したら、マンチェスターのギルド長に、皆んなを助ける為に協力してくれるように頼みに行くつもりだよ。時間が無いから村の人達に聞かれたら僕がそう言ってたって話せばいいから。じゃあ、ユンの家に行くからね」
予想以上に悪い状況だ。早く親御さん達の誤解を解かないとマズい。僕が無実の罪で凶悪な容疑者にされている。今頃、村人の誰かが出入り口に立っている暇そうな男達を呼びに行っているかもしれない。
「ちっ…」
そして、僕のその予想通りに家の扉を開けて外に出ると、武装した男達が1、2……12人も家の前で僕が出て来るのを待っていた。はいはい、凶悪犯じゃないので母さんを人質にはしませんよ。
軽く舌打ちしながらも扉をキチンと閉めると、一人の若い男が何の躊躇いもなく歩み寄って来た。
「久し振りですね、ウィル先輩。こんな形で再会したくなかったです」
やれやれ、まったく僕も同じ意見だよ。時間がないのに手間が掛かりそうだ。出来れば簡単な事情聴取だけで、連行するのはやめてもらおうかな。
「さてと、集まった情報をまとめて、事実だけを選ばないと…」
サークス村に到着するのは9時間後ぐらいだ。その間は睡眠時間ではない。メイドに斬られた背中の切り傷には液体治療薬でもぶっ掛ければ、数時間で治るだろう。これで治療は済んだ。
不確かな情報は、侯爵の遺骨の盗難、もしくは侯爵の失踪かな。今までのエミリアとの侯爵関連の会話を考えると、エミリアがモシェの殺害に協力した可能性は低い。だとしたら、侯爵が行使力をエミリアに使って、モシェの死体をエミリアに看病させていたのだろう。
まあ、この辺の目的と理由は分からないからどうでもいい。多分、ロクに戦えない寝たきりの状態だと、心石を奪われるかもしれないと考えたんだろう。モシェは心石を奪われない為の対策、そう考えるのが一番納得出来る答えだ。
「次は白聴会が賢者の壺とまったく関係が無かった場合だな」
こっちの予定では侯爵の遺骨に聞いて、『はい、問題解決』という流れだったのに、その予定は狂ってしまった。同じように白聴会に所属しているギルド長を問い詰めても分からない可能性がある。その場合はロザリンダから聞いた情報を元に、今から9年前ぐらいに侯爵が訪れた場所を調べるしかない。
その場所は冒険者手帳に書かれている地名や食べ物、出会った人の名前から大体の予想は付けられるはずだ。そうなると大規模な捜索になるから僕一人だと人手が足りなくなる。
ここは何とかギルド長達に協力してもらうしかないな。新世界に娘か、孫娘がいるんだ。僕が不死者でも、娘の為なら我慢して協力してくれるだろう。
「よし、次の行動予定は決まった。そして、次の問題が一番の難題だぞ」
そう、どうやって女の子3人を誰もが納得する正当な理由で連れ去ったのか、それを親御さん達に説明するのは無理難題である。ここは大嘘を吐くしかない。会わないという選択肢もあるけど、突然、自分の娘が消えたのだ。消えた理由はともかく、無事に生きている事ぐらいはしっかりと伝えて安心させないと駄目だ。それが人情というものだろう。
とりあえず、ユンのお父さんにはお金を渡せば解決すると期待して、問題は会った事もないクレアとミランダの親御さん達だ。『金なんてどうでもいいから娘を返してくれ!』とか言われても、無理なものは無理だ。でも、無事を知らせておいて会わせないというのも、かなり非情なんだよな。
正直、やりたくはない嫌な役だ。それでも誰かが伝えないと駄目なのは分かっている。そして、その嫌な役をやれるのはこの世界に僕しかいない。逃げる事が出来ないと思ってやるしかないだろう。
❇︎
「あれ? 何これ?」
サークス村に到着すると村の外観が立派になっていた。村の周囲を囲む黒岩の高さ1mぐらいの岩壁は、おそらくは世界が終わるまでの6日間の暇潰しに、アシュリーが作ったのは分かる。問題は村の出入り口を警備している人達だ。
「おはようございます。何かあったんですか?」
軽装で剣を左腰に差して、左手に槍を持っているフリオという男に声を掛けた。丸盾を岩壁に立て掛けているので、暇そうなのは見れば分かる。
「何を言っているんだ? この辺の魔物が凶暴化しているから警備するのは当たり前だろ。自警団も無いような小さな村々には近隣の町から、こうやって冒険者や町の兵士が派遣されているんだ。そんな事も知らないのか?」
「ええ、まったく知りませんでした。中に入ってもいいでしょうか?」
「ああ、魔物と盗賊以外なら入っていいよ。宿屋は村に入って直ぐ左にあるからそこに泊まるといい。奥の方に行けば冒険者ギルドもあるから警備の仕事をしたいなら登録するんだな」
「ご親切にありがとうございます」
「構わねぇよ。案内するのも仕事だからな」
ペコペコと頭を下げて、村の中に入ると中も結構整備されていた。畑に落ちないように畦道に杭を打ち込んで、杭と杭の間には蛍光塗料が染み込まされたロープが張られている。宿屋の数も二階建てが一軒増えていた。おそらくは冒険者ギルドの金庫のお金を使ったのだろう。金貨3万5000枚もあれば、このぐらいの事は余裕で出来る。
「「「おい、ウィル様が帰って来たぞ!
本当だ。ウィル様だ!
エミリアさんは何処にいるんだ?
クレアさんとミランダさんもいないぞ!」」」
自宅に戻る途中で村の人達の会話が聞こえて来た。なるほど、消えた4人の女性達は冒険者パーティー『ガルガル』のメンバーだ。長期間の依頼を受けて村を出たと考えても不思議じゃない。何人かは僕達が死んだと思っているようだけど、それは違う。まあ、それは村人の1人にでも話せば1日で村中に伝わるだろう。
『コンコン、コンコン』
自宅の前に立つと、木扉をノックする。僕が生きている事を父さんと母さんが知っても何もならないとは思うけど、こっちは新世界に行った後の村の情報が知りたいだけだ。特にユンのお父さん、クレアとミランダの親御さんが娘を心配して村に来たのか知りたい。
「はいはい……はいぃ~⁇」
「母さん、ただいま」
僕の顔を見た瞬間に母さんが苦い顔をした。僕の中でそれが息子が生きてて嬉しい時の母さんの顔だと思う事にするよ。
『ただいまじゃないわよ‼︎ 何処をほっつき歩いていたのよ! ユンちゃんは何処? クレアさんとミランダさんは何処なの? まさか、監禁して殺したんじゃないでしょうね⁉︎』
グラグラと凄い剣幕で身体を揺さぶられて問い詰められる。誰だか知らないけど、黒魔女蜘蛛女事件の事を母さんに教えた奴がいるようだ。
「落ち着いてよ、母さん! 皆んな生きてるよ」
『だったら何処にいるのよ! 生きているなら、さっさと連れて来なさいよ。出来ないなら行く所に行くわよ!』
母さんの言う行く所とはもちろん檻の中だ。そんな時間はないし、この母さんの反応が実際の親御さん達の反応だろう。きっと村の人達も僕が4人の女性達を監禁して殺したと思っているようだ。まったく最低でもやるとしたら監禁までだ。殺すなんて勿体ない事をする訳がないだろう。
「とにかく落ち着いて。僕は監禁もしていないし、殺してもいないよ。誰から何を聞いたか知らないけど、僕がそんな事をする意味が無いだろう? ユンとは婚約しているんだし、何で監禁してまで如何わしい事をしないといけないんだよ。母さんも村の人達も変なゴシップ記事に踊らされ過ぎなんだよ。まったく現実的に考えてよ」
どうせ、『サークス村集団神隠し事件』とか新聞に書かれて、行方不明のF級冒険者Wが最重要容疑者とか書かれていたんだろう? 何処の新聞社だよ。今から潰して来るから新聞見せてよ。
「そうよね。あんたにそんな度胸は無いわよね。じゃあ皆んなは何処にいるの? それで何で1人で戻って来たのよ」
「本当はまだ疑っているよね? はぁ、厄介な事に変な魔法空間に閉じ込められたんだよ。僕一人が皆んなの協力で何とか外に出る事は出来たんだけど、他の人達は無理そうなんだ。それにその魔法空間は不安定な状態で、このまま何もしないとあと2ヶ月ぐらいで消滅する可能性が高いんだよ。僕はその問題を解決する為に動いているんだよ」
とりあえず、説明が難しい事は魔法という言葉で片付けられる。それに大体の事情は合っているはずだ。何処かの洞窟に閉じ込められて、僕だけが何とか脱出して、皆んなを助ける為に動いている。そんな感じに思ってくれればそれでいいのだ。
「その話し本当なの?」
「信じるも信じないのも母さんの自由だよ。僕はユンのお父さんとクレアとミランダの親御さんに事情を説明したら、マンチェスターのギルド長に、皆んなを助ける為に協力してくれるように頼みに行くつもりだよ。時間が無いから村の人達に聞かれたら僕がそう言ってたって話せばいいから。じゃあ、ユンの家に行くからね」
予想以上に悪い状況だ。早く親御さん達の誤解を解かないとマズい。僕が無実の罪で凶悪な容疑者にされている。今頃、村人の誰かが出入り口に立っている暇そうな男達を呼びに行っているかもしれない。
「ちっ…」
そして、僕のその予想通りに家の扉を開けて外に出ると、武装した男達が1、2……12人も家の前で僕が出て来るのを待っていた。はいはい、凶悪犯じゃないので母さんを人質にはしませんよ。
軽く舌打ちしながらも扉をキチンと閉めると、一人の若い男が何の躊躇いもなく歩み寄って来た。
「久し振りですね、ウィル先輩。こんな形で再会したくなかったです」
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