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第27話 赤ジャージvs米三昧③
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金貨1枚だと……? Gランクの大型モンスター1体の討伐金額を、目の前の鉄パイプを持った貧弱な女を倒すだけで貰えるだと……? 銀貨5枚でも破格の値段だったけど、金貨1枚は更に馬鹿げた金額だ。時給銅貨3枚の米三昧のバイト風情が払える金額ではない。金貨1枚は33時間分のバイト代と同じ額だ。本当に払えるのだろうか。
「はい、これでお願いしますね!」
「なっ⁉︎ ちょ、ちょっと!」
僕の疑問を察知したのか、店員はポケットから急いで財布を取り出すと、そこから金貨を1枚取り出した。そして、僕の左手に強引に握らせると、急いで店の奥に逃げ込んで行ってしまった。はぁー、僕はまだやるとは言ってないのに。
「あんた、その金寄越しなさいよ。そしたら、問題解決よ。今日は帰ってあげる」
(今日は帰ってあげる、か。じゃあ、また来るんだろうな)
鉄パイプを左手に持った赤ジャージの女が、僕から3メートルほど離れた場所で立ち止まると、右手首をクイクイと前後に動かして、さっさと金を出せと脅してきた。アリサ、お兄ちゃんは今、お前と同じぐらいの女の子に喝上げされているよ。
「なるほど。いい考えですね。でも、断ります。店員が勝手に手の中に入れた金です。俺の金じゃないんですよ。欲しいなら店の奥に隠れている店員に聞いてみるんですね」
「ハァッ? さっさと寄越せって言っているのが分からないの? あっーあ、それともあんたもコイツらの仲間だったりするのかしら。残念だけど、デカブツは見掛け倒しのクソ雑魚よ。街のチンピラが冒険者舐めるんじゃないわよ!」
『ガァン‼︎』
赤ジャージの女は、腹立たしげに左手に持っていた鉄パイプを石畳に激しく叩きつけた。チンピラなら少し脅せば、金貨と自分の財布まで置いて逃げたかもしれないけど、僕の違う。
「仲間じゃないですよ。それにチンピラでもない」
「じゃあ、さっさとそこに金を置いて行きなさいよ!」
確かにこれだけの騒ぎになっているのに、さっさと家に帰らないのは怪しい。それに腰には剣を差している。そうやって間合いを取っているのも警戒している証拠だろう。
でも、ここで金を置いて逃げ出すような腰抜け冒険者にはなりたくない。それに同業者として、街の弁当屋を脅すような屑冒険者を見逃す訳にはいかない。この金は決して、この女には渡してはいけない金だ。
「だから、この金は——」
「煩いわね! さっさと寄越せって言ってんのよ、この変態覗き魔!」
「なっ⁉︎ やめろ……」
痺れを切らした赤ジャージの強盗が鉄パイプを置くと、両手を使って、僕が左手に握っている金貨を強引に奪い取ろうと動き出した。いたたたた……女だけど、なんて野朗だ! 左手の甲に爪を立てて来やがった! そこまでして金が欲しいのか。
「何、力入れてんのよ⁉︎ 離しなさいよ!」
「やめろ、やめ、やめろって言っているだろ!」
「ぐっぐぐぐ⁉︎ いいから、渡しなさいよ! それは私の慰謝料なんだから!」
僕もカツ丼を床に置くと、両手を使って、必死の抵抗を開始した。この女、女の癖に何て力なんだ⁉︎ 簡単には振り解けない。こっちが殴ったりしないと思って調子に乗りやがって、なんて悍しいほどの金への執念なんだ。
「いってぇー‼︎ 噛み付きやがったな‼︎」
「はがしなしゃいよぉー‼︎」
遂にやりやがった。赤ジャージの女が最終手段とばかりに、僕の左手首に思い切り噛み付いた。いたたたた……これはもう正当防衛成立だ! ビンタの一発ぐらいは社会的にも許される。やるぞぉーー、やってやる!
「俺の金だぁ~‼︎」
「きゃあ‼︎ ぐっ、最低ね! 女に手を上げるなんて!」
パァーンと右手で赤ジャージの左頬をビンタしてやった。もちろん、出来るだけ優しくビンタした。その証拠に赤ジャージはちょっとフラついているけど、まだ二本の足で立っている。
「あっ~~! 血が出ているじゃないか! 思い切り噛みやがって。人間と食べ物の区別も付かないのかよ、馬鹿女がぁ!」
左手の甲を見ると、引っ掻き傷と噛まれた場所から僅かに出血していた。これは金貨20枚は請求できる大怪我だぞ。
「そっちが離さないからでしょうがぁ! 何が俺の金よ! ただ金が欲しいかっただけじゃない。それよりも私を殴ったんだから、入院費と治療費と慰謝料の合わせて金貨56枚払いなさいよ」
「ああ、分かったよ。払えばいいんだな!」
金貨56枚。馬鹿げた金額だけど払ってやる。財布から銅貨1枚取り出すと、赤ジャージの左手に強引に渡してやった。
「ハァッ? 何よ、これ? 全然足りないわよ!」
「釣りは取っとけ、腐れ尼!」
赤ジャージに向かって、右手の中指を立てて言ってやった。アリサや知り合いには絶対に見せられない大変下品な行為だ。でも、今日だけはお兄ちゃんを許してほしい。
「本気でぶっ殺す!」
殺意が籠もったように呟くと、赤ジャージは左手の銅貨をレジカウンターにバァンと強く叩きつけて、店の外に歩いて行く。かなりキレている様子だから、家から包丁でも持って来るかもしれない。
さて、どうするべきか……僕が逃げると、赤ジャージが店員と外で伸びている大男を包丁で滅多刺しにする可能性があるけど、社会的に逃げても許される状況だと思う。まあ、赤ジャージが戻って来るまでに、三人で逃げれば問題ないだろう。店が破壊されるだけの被害で済むはずだ。
「んっ?」
どうやら、家に帰るつもりはないようだ。店の前に転がっていた鉄パイプを拾い上げている。あっーあ、なるほど。包丁なら、米三昧の厨房にあるから取りに帰らなくていいのか。あっははは♪ 馬鹿!
「ぶっ殺す!」
赤ジャージが鉄パイプを振り上げで向かって来た。笑っている場合じゃない。反射的に右手で剣の柄を握ると、振り下ろされて来る鉄パイプを弾き返す為に、疾風による高速の居合いを発動させた。
『『ガァン‼︎』』
「チッ……」
脳天に向かって振り下ろされて来た鉄パイプを軽々と弾き返した。基本的なパワーは僕の方が上だとは思う。けれども、赤ジャージがスラッシュを習得していた場合は分からない。それにしても、殺すという言葉の有言実行はマズイだろう。
♢♦︎♢♦︎♢
「はい、これでお願いしますね!」
「なっ⁉︎ ちょ、ちょっと!」
僕の疑問を察知したのか、店員はポケットから急いで財布を取り出すと、そこから金貨を1枚取り出した。そして、僕の左手に強引に握らせると、急いで店の奥に逃げ込んで行ってしまった。はぁー、僕はまだやるとは言ってないのに。
「あんた、その金寄越しなさいよ。そしたら、問題解決よ。今日は帰ってあげる」
(今日は帰ってあげる、か。じゃあ、また来るんだろうな)
鉄パイプを左手に持った赤ジャージの女が、僕から3メートルほど離れた場所で立ち止まると、右手首をクイクイと前後に動かして、さっさと金を出せと脅してきた。アリサ、お兄ちゃんは今、お前と同じぐらいの女の子に喝上げされているよ。
「なるほど。いい考えですね。でも、断ります。店員が勝手に手の中に入れた金です。俺の金じゃないんですよ。欲しいなら店の奥に隠れている店員に聞いてみるんですね」
「ハァッ? さっさと寄越せって言っているのが分からないの? あっーあ、それともあんたもコイツらの仲間だったりするのかしら。残念だけど、デカブツは見掛け倒しのクソ雑魚よ。街のチンピラが冒険者舐めるんじゃないわよ!」
『ガァン‼︎』
赤ジャージの女は、腹立たしげに左手に持っていた鉄パイプを石畳に激しく叩きつけた。チンピラなら少し脅せば、金貨と自分の財布まで置いて逃げたかもしれないけど、僕の違う。
「仲間じゃないですよ。それにチンピラでもない」
「じゃあ、さっさとそこに金を置いて行きなさいよ!」
確かにこれだけの騒ぎになっているのに、さっさと家に帰らないのは怪しい。それに腰には剣を差している。そうやって間合いを取っているのも警戒している証拠だろう。
でも、ここで金を置いて逃げ出すような腰抜け冒険者にはなりたくない。それに同業者として、街の弁当屋を脅すような屑冒険者を見逃す訳にはいかない。この金は決して、この女には渡してはいけない金だ。
「だから、この金は——」
「煩いわね! さっさと寄越せって言ってんのよ、この変態覗き魔!」
「なっ⁉︎ やめろ……」
痺れを切らした赤ジャージの強盗が鉄パイプを置くと、両手を使って、僕が左手に握っている金貨を強引に奪い取ろうと動き出した。いたたたた……女だけど、なんて野朗だ! 左手の甲に爪を立てて来やがった! そこまでして金が欲しいのか。
「何、力入れてんのよ⁉︎ 離しなさいよ!」
「やめろ、やめ、やめろって言っているだろ!」
「ぐっぐぐぐ⁉︎ いいから、渡しなさいよ! それは私の慰謝料なんだから!」
僕もカツ丼を床に置くと、両手を使って、必死の抵抗を開始した。この女、女の癖に何て力なんだ⁉︎ 簡単には振り解けない。こっちが殴ったりしないと思って調子に乗りやがって、なんて悍しいほどの金への執念なんだ。
「いってぇー‼︎ 噛み付きやがったな‼︎」
「はがしなしゃいよぉー‼︎」
遂にやりやがった。赤ジャージの女が最終手段とばかりに、僕の左手首に思い切り噛み付いた。いたたたた……これはもう正当防衛成立だ! ビンタの一発ぐらいは社会的にも許される。やるぞぉーー、やってやる!
「俺の金だぁ~‼︎」
「きゃあ‼︎ ぐっ、最低ね! 女に手を上げるなんて!」
パァーンと右手で赤ジャージの左頬をビンタしてやった。もちろん、出来るだけ優しくビンタした。その証拠に赤ジャージはちょっとフラついているけど、まだ二本の足で立っている。
「あっ~~! 血が出ているじゃないか! 思い切り噛みやがって。人間と食べ物の区別も付かないのかよ、馬鹿女がぁ!」
左手の甲を見ると、引っ掻き傷と噛まれた場所から僅かに出血していた。これは金貨20枚は請求できる大怪我だぞ。
「そっちが離さないからでしょうがぁ! 何が俺の金よ! ただ金が欲しいかっただけじゃない。それよりも私を殴ったんだから、入院費と治療費と慰謝料の合わせて金貨56枚払いなさいよ」
「ああ、分かったよ。払えばいいんだな!」
金貨56枚。馬鹿げた金額だけど払ってやる。財布から銅貨1枚取り出すと、赤ジャージの左手に強引に渡してやった。
「ハァッ? 何よ、これ? 全然足りないわよ!」
「釣りは取っとけ、腐れ尼!」
赤ジャージに向かって、右手の中指を立てて言ってやった。アリサや知り合いには絶対に見せられない大変下品な行為だ。でも、今日だけはお兄ちゃんを許してほしい。
「本気でぶっ殺す!」
殺意が籠もったように呟くと、赤ジャージは左手の銅貨をレジカウンターにバァンと強く叩きつけて、店の外に歩いて行く。かなりキレている様子だから、家から包丁でも持って来るかもしれない。
さて、どうするべきか……僕が逃げると、赤ジャージが店員と外で伸びている大男を包丁で滅多刺しにする可能性があるけど、社会的に逃げても許される状況だと思う。まあ、赤ジャージが戻って来るまでに、三人で逃げれば問題ないだろう。店が破壊されるだけの被害で済むはずだ。
「んっ?」
どうやら、家に帰るつもりはないようだ。店の前に転がっていた鉄パイプを拾い上げている。あっーあ、なるほど。包丁なら、米三昧の厨房にあるから取りに帰らなくていいのか。あっははは♪ 馬鹿!
「ぶっ殺す!」
赤ジャージが鉄パイプを振り上げで向かって来た。笑っている場合じゃない。反射的に右手で剣の柄を握ると、振り下ろされて来る鉄パイプを弾き返す為に、疾風による高速の居合いを発動させた。
『『ガァン‼︎』』
「チッ……」
脳天に向かって振り下ろされて来た鉄パイプを軽々と弾き返した。基本的なパワーは僕の方が上だとは思う。けれども、赤ジャージがスラッシュを習得していた場合は分からない。それにしても、殺すという言葉の有言実行はマズイだろう。
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