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警察ルート☆
第四十六話☆ 切られた倒木の枝
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登山口などは見つからない。まずは二人が降りたバス停付近で、人が通った形跡がある場所を探す事になった。雨が一日降っているから、足跡はハッキリとは残っていない。だとしたら、松島麻未が登れる場所を探すしかない。
「若くて体力があるとして、ここを女性が登れるのか?」
山中に入れそうな場所を見つけると、捜索隊はさっさと草むらを掻き分けて山という崖を登り始めた。考えるよりはさっさと登って広範囲に散らばって捜索するつもりのようだ。町でも山の中でも、ローラー作戦に変わりはないようだ。
俺も文句を言わずに岩崖ならず、土崖を登り始めた。滑る地面、蜘蛛の巣、蚊という吸血生物に山独特の臭い。服は20分も登ればシャツが汗でピッタリと肌にくっ付いた。
こんな場所を女性が積極的に登ったりはしない。どう考えても相模に脅されて登らされたとしか思えない。
「はぁはぁ……多分、ここじゃない」
2時間ぐらいは登ったと思って、携帯電話の時刻を見た。汗で画面が濡れているうえに、まだ46分しか登っていなかった。そもそも上に登る必要があるのか分からない。まずは縦一列に並んで横に移動するとか、赤外線カメラを搭載したヘリコプターに飛んでもらうとか……ああ、動物がいるから赤外線カメラには意味がないのか……。
捜索隊の作戦はこうだ。100メートル間隔で横一列になって、25名の捜索隊は山を登っている。何か発見した場合は無線機で連絡を取り合う事になっている。
浜松市のバス停がA地点。住吉市で最後に相模が防犯カメラに映った場所がB地点。A地点とB地点の間に相模は潜伏していると予想されている。なので、横一列に並んで山頂まで山を登り、反対側を降りて行けば、確実に痕跡を見つける事が出来るという訳だ。
もちろん何も見つからなければ、相模はこのAとBの範囲内にはいないという事になる。そうなると、CとDの範囲内の捜索になるが、それはおそらく行なわれない。
一時間……二時間……そして、三時間目になりそうな時に、複数の無線機から同じ内容の連絡がやって来た。
『複数の倒木の枝がノコギリで切られています。この付近で誰かが何かをしているようです』
「電線は通っていないし、キノコでも栽培しているのか?」
水道管も電線もガス管も通っていない。工事関係が木を切った可能性は薄い。キノコや山菜でも地元の人が採りに来た可能性もあるけど、ここは私有地なので無許可で侵入している事になる。誰かがコソコソと何かをやっている可能性はやっぱり高い。問題はそれが相模か第三者かになるだけだ。
「終わる前に出来れば到着したいんだけど……あっははは、体力的に無理そうだな」
枝が切られている倒木があった場所まではまだまだ登らないといけない。全員が集まってから、そこからまた探し始めたら時間が勿体ない。無線機で連絡して来た三人に任せるしかない。相模はおそらく単独犯なので三対一なら余裕で取り押さえられるはずだ。
・
・
・
「こっちに続いているようだ。静かにしないと逃げられるかもしれない。無線機のスイッチは切っておこう……こちら大久保。しばらく無線機のスイッチを切る。どうぞ……」
『……こちら内田。了解した。気をつけろよ』
「こちら大久保。了解……よし、人質が生きているかもしれない。容疑者が人質を殺す前に拘束するぞ」
無線機のスイッチをオフにすると、大久保、杉浦、斎藤の三人の警察官は倒木の痕跡を追って、西に向かって進み始めた。警察官は100メートル間隔で横並びに山を登っていたので、他の警察官も直ぐに三人を追いかけて来る予定だ。
「ここで行き止まりか?」
「こっちのようだ。ジグサクに進んでいるから面倒くさいなぁ」
切られた倒木の枝の痕跡を追って行くものの、真っ直ぐに進んでいる訳ではないので途中で見失う事もあった。どうやら、歩きやすい道に倒れている倒木の枝を切っているようだ。それでも、それらしい場所に辿り着く事が出来た。こんな場所で家庭菜園をやる人間はそうはいない。
「若くて体力があるとして、ここを女性が登れるのか?」
山中に入れそうな場所を見つけると、捜索隊はさっさと草むらを掻き分けて山という崖を登り始めた。考えるよりはさっさと登って広範囲に散らばって捜索するつもりのようだ。町でも山の中でも、ローラー作戦に変わりはないようだ。
俺も文句を言わずに岩崖ならず、土崖を登り始めた。滑る地面、蜘蛛の巣、蚊という吸血生物に山独特の臭い。服は20分も登ればシャツが汗でピッタリと肌にくっ付いた。
こんな場所を女性が積極的に登ったりはしない。どう考えても相模に脅されて登らされたとしか思えない。
「はぁはぁ……多分、ここじゃない」
2時間ぐらいは登ったと思って、携帯電話の時刻を見た。汗で画面が濡れているうえに、まだ46分しか登っていなかった。そもそも上に登る必要があるのか分からない。まずは縦一列に並んで横に移動するとか、赤外線カメラを搭載したヘリコプターに飛んでもらうとか……ああ、動物がいるから赤外線カメラには意味がないのか……。
捜索隊の作戦はこうだ。100メートル間隔で横一列になって、25名の捜索隊は山を登っている。何か発見した場合は無線機で連絡を取り合う事になっている。
浜松市のバス停がA地点。住吉市で最後に相模が防犯カメラに映った場所がB地点。A地点とB地点の間に相模は潜伏していると予想されている。なので、横一列に並んで山頂まで山を登り、反対側を降りて行けば、確実に痕跡を見つける事が出来るという訳だ。
もちろん何も見つからなければ、相模はこのAとBの範囲内にはいないという事になる。そうなると、CとDの範囲内の捜索になるが、それはおそらく行なわれない。
一時間……二時間……そして、三時間目になりそうな時に、複数の無線機から同じ内容の連絡がやって来た。
『複数の倒木の枝がノコギリで切られています。この付近で誰かが何かをしているようです』
「電線は通っていないし、キノコでも栽培しているのか?」
水道管も電線もガス管も通っていない。工事関係が木を切った可能性は薄い。キノコや山菜でも地元の人が採りに来た可能性もあるけど、ここは私有地なので無許可で侵入している事になる。誰かがコソコソと何かをやっている可能性はやっぱり高い。問題はそれが相模か第三者かになるだけだ。
「終わる前に出来れば到着したいんだけど……あっははは、体力的に無理そうだな」
枝が切られている倒木があった場所まではまだまだ登らないといけない。全員が集まってから、そこからまた探し始めたら時間が勿体ない。無線機で連絡して来た三人に任せるしかない。相模はおそらく単独犯なので三対一なら余裕で取り押さえられるはずだ。
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「こっちに続いているようだ。静かにしないと逃げられるかもしれない。無線機のスイッチは切っておこう……こちら大久保。しばらく無線機のスイッチを切る。どうぞ……」
『……こちら内田。了解した。気をつけろよ』
「こちら大久保。了解……よし、人質が生きているかもしれない。容疑者が人質を殺す前に拘束するぞ」
無線機のスイッチをオフにすると、大久保、杉浦、斎藤の三人の警察官は倒木の痕跡を追って、西に向かって進み始めた。警察官は100メートル間隔で横並びに山を登っていたので、他の警察官も直ぐに三人を追いかけて来る予定だ。
「ここで行き止まりか?」
「こっちのようだ。ジグサクに進んでいるから面倒くさいなぁ」
切られた倒木の枝の痕跡を追って行くものの、真っ直ぐに進んでいる訳ではないので途中で見失う事もあった。どうやら、歩きやすい道に倒れている倒木の枝を切っているようだ。それでも、それらしい場所に辿り着く事が出来た。こんな場所で家庭菜園をやる人間はそうはいない。
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