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第十九話★ 野鳥の焼き鳥
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「キュイ、キュキュィ、ヒュー……」
入れ、入れ、入れ……地面から1メートル程の高さの木の幹に設置した鳥籠の罠に、やって来た茶色いスズメのような野鳥が入るように祈った。
四角い穴が無数に空いているプラスチックBOXの内側に、缶詰の薄い金属蓋をくっ付けて、それに釘を打ち付け、プラスチックBOXを幹に固定している。BOXの中には缶詰の容器に入れた鳥用の餌がある。あとは鳥がBOXの中に入れば、紐を引っ張って、閉じ込めるだけだ。
「ふっ!」
「キュイキュイ! キュイキュイ!」
「よし!」
紐を軽く引っ張ると四角い木の板が野鳥をBOXの中に閉じ込めた。捕獲成功だ。野鳥図鑑はないので、捕まえた鳥の大きさで名前を付けている。スズメサイズは『焼き鳥』と名付けている。
「そろそろ、一羽ぐらいは飼ってもいいかもしれない」
焼き鳥の作り方は簡単だ。まずは頭、羽、足を包丁で叩き切って、毛を毟る。生きている鳥は暴れるのでキチンと殺してから切った方がいい。次に皮を剥いで腹を切って、臓器を取り出す。あとは肉をぶつ切りにして焼くだけになる。気分転換がしたいなら、ナイフで切った枝に肉を刺して焼くのもいいかもしれない。
火を使うなら短時間であり、煙を出さないようにしないといけない。煙が出るのは水分が理由だそうだ。つまりは乾燥した木を使えば、煙の量は抑えられる。本には広葉樹が良いと書かれていた。広葉樹とは桜のように横に広がった盾のような形の木で、針葉樹はクリスマスツリーのように縦に伸びた槍のような形の木である。
けれども、この森は針葉樹が圧倒的に多い。常に最適で望んだものが手に入らないのは世の常だ。針葉樹が多いからという理由で、せっかく見つけた洞窟を諦めるのは惜しかった。
「さて、下準備は終わった……」
調理用の金網に野鳥の細切れ肉を乗せた。地面に浅い穴を掘ると、そこに乾燥した小枝を敷き詰めて燃やす。あとは穴よりも大きい金網を乗せるだけだ。金網の上に肉を乗せて素早く焼いて、素早く水をかけて消火する。
調理道具はやっぱり必要だ。鍋は水を溜めるにも、沸かして煮沸するにも便利だ。包丁は良く切れる物が一本あればいい。時には武器にもなる。フライパンもいいとは思うけど、油がないと使い辛い。調味料は塩胡椒と醤油は欲しい。
けれども、消費期限がどちらもある。美味しいものを食べたいという欲は早く捨てないと危険だ。我慢できずに日本に帰る事になる。
「5分経過した。そろそろいいだろう」
そうこうしているうちに肉が焼けたようだ。金網を焚き火から離して、貴重な塩胡椒を振りかけて、枝の箸を使って一個だけ食べた。
「……うん、上手く焼けている」
焚き火は肉が焼けているのをしっかりと確認してから消火だ。生焼け状態で焚き火を消すのは焦り過ぎだ。
入れ、入れ、入れ……地面から1メートル程の高さの木の幹に設置した鳥籠の罠に、やって来た茶色いスズメのような野鳥が入るように祈った。
四角い穴が無数に空いているプラスチックBOXの内側に、缶詰の薄い金属蓋をくっ付けて、それに釘を打ち付け、プラスチックBOXを幹に固定している。BOXの中には缶詰の容器に入れた鳥用の餌がある。あとは鳥がBOXの中に入れば、紐を引っ張って、閉じ込めるだけだ。
「ふっ!」
「キュイキュイ! キュイキュイ!」
「よし!」
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「そろそろ、一羽ぐらいは飼ってもいいかもしれない」
焼き鳥の作り方は簡単だ。まずは頭、羽、足を包丁で叩き切って、毛を毟る。生きている鳥は暴れるのでキチンと殺してから切った方がいい。次に皮を剥いで腹を切って、臓器を取り出す。あとは肉をぶつ切りにして焼くだけになる。気分転換がしたいなら、ナイフで切った枝に肉を刺して焼くのもいいかもしれない。
火を使うなら短時間であり、煙を出さないようにしないといけない。煙が出るのは水分が理由だそうだ。つまりは乾燥した木を使えば、煙の量は抑えられる。本には広葉樹が良いと書かれていた。広葉樹とは桜のように横に広がった盾のような形の木で、針葉樹はクリスマスツリーのように縦に伸びた槍のような形の木である。
けれども、この森は針葉樹が圧倒的に多い。常に最適で望んだものが手に入らないのは世の常だ。針葉樹が多いからという理由で、せっかく見つけた洞窟を諦めるのは惜しかった。
「さて、下準備は終わった……」
調理用の金網に野鳥の細切れ肉を乗せた。地面に浅い穴を掘ると、そこに乾燥した小枝を敷き詰めて燃やす。あとは穴よりも大きい金網を乗せるだけだ。金網の上に肉を乗せて素早く焼いて、素早く水をかけて消火する。
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けれども、消費期限がどちらもある。美味しいものを食べたいという欲は早く捨てないと危険だ。我慢できずに日本に帰る事になる。
「5分経過した。そろそろいいだろう」
そうこうしているうちに肉が焼けたようだ。金網を焚き火から離して、貴重な塩胡椒を振りかけて、枝の箸を使って一個だけ食べた。
「……うん、上手く焼けている」
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