【完結】死が二人を祝福するまで〜私立高校生八人の殺処分島への殺人修学旅行〜

もう書かないって言ったよね?

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第10話 廃墟探索

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 ♦︎桃山・視点♦︎

「ん? 何だ、あれ……」

 食糧ポイントを目指して進んでいると、左右の森に灰色の建物が次々に現れた。
 コンクリート製の太った長方形の建物で、窓ガラスは壊されたのか無い。
 樹木が邪魔で全体が見えづらいが、七階ぐらいはありそうだ。

「猿橋、止めてくれ。おい、どうする? 建物襲ってみるか」

 猿橋に車を止めさせると、三人に聞いた。
 食糧ポイントに集まった男を捕まえて、女の居場所を白状させる予定だ。
 だが、そこに男が集まっているなら、建物の守りは手薄になっている。
 女子供だけが残っている可能性が高い。建物にいるなら直接狙った方が早い。
 
「良いんじゃねえか。本番前の連携取る練習にもなりそうだ」
「えー、窓から弓で狙い撃ちされそうじゃない?」

 俺の考えを話すと永鳥は賛成、犬石は不安だと言ってきた。
 確かに攻撃を受ける危険はある。弓はなくても、石を投げるぐらいは出来る。

「その辺は大丈夫だろ。猿橋、木避けて建物の前まで行けるか?」
「余裕だ。あそこに俺のア○ナがいるなら行ける」
「行けるか聞いてんだけどな。まあ、行けんだろうな」

 猿橋は相変わらず萌えているが、パパッと建物に入って、パパッと拉致れば平気だろ。
 車が狭いから、連れ込めるのは六人が限界だろうな。
 ロリガキだけなら、八人は乗れそうだが、やっぱり胸がないと楽しめない。
 十八歳以上の大人三人、十四歳以下の子供三人ぐらいは狙いたいところだ。

「なあ、桃山。行くのはいいけど建物多すぎだろ。何百人住んでんだよ? 千人超えてんだろ」

 これからってところなのに、賛成していた永鳥が水を差すようなことを言い出した。
 建物が七階建てで、一階ずつに五人住んでいるなら、三十五人だ。左右合わせて二十棟はある。
 この先にも建物があるとしたら、最低でも四十棟は余裕で超えている。
 千人よりは三千人と言った方がいいぐらいだ。そんなにいるか馬鹿野郎。

「先輩の話だと四百ぐらいらしい」
「でも、一年以上前の情報だろ。ちょっと古過ぎなんだよな」

 それは俺も同感だ。先輩が話を脚色しているから、実際どこまで信じていいのか分からん。
 地図の建物の位置は合っているが、数が八棟しかない。住民の数も倍はいそうだ。

「情報は古くても、女はいるんだよ。それとも男だけでドライブして、このまま空港に帰るか?」

 だが、ここまで来て帰れない。相手は丸腰だ。マシンガンで撃ちまくれば問題ない。
 いざという時は車に逃げ込めば、空港まで逃げられる。やる以外の選択肢はない。

「そんなつまんねえことしねえよ」
「だったら行くしかねえだろ」

 永鳥が勇者御一行様にご帰還した。ロリガキ拉致作戦開始だ。
 賢者猿橋に草むらに進軍するように命令した。
 車が草を踏み倒し、樹木の隙間を走り抜けていく。

「よし、行けそうだな」

 建物の前まで移動したら、犬石はポッチャリだから車でお留守番だ。
 団体さんが現れてヤバそうな時だけ、クラクションを鳴らさせる。
 猿橋は建物の中から、ライフルで狙撃だ。男なら頭と心臓、女なら足を狙わせる。
 マシンガンの俺と永鳥は、一階から最上階までの捜索だ。
 負傷した女は回収して、俺達が気持ち良い行為で慰める。完璧な作戦だ。

「よし行くぞ! 犬石、ヤバくても逃げるなよ」
「逃げないよ。早く行かないと逃げられるよ」
「分かってるよ。メス豚連れて来てやるよ!」
「豚じゃなくて、お姉さん系希望だからよろしくね」

 建物の前に到着した。車の扉を素早く開けて、外に出た。
 本当に置いて行かれたらヤバイから、念の為に犬石に釘を刺した。
 逃亡兵は狙撃の対象だ。犬石には内緒で、猿橋に極秘任務を与えてやろう。

「……人の気配はなさそうだ。罠に気を付けろ」

 ライフルを構えて警戒している猿橋が言った。
 適当に選んで入った建物の一階は、雑草が生えていて生活できそうにない。
 人が住んでいるなら二階になるが、階段にバリケードぐらいはありそうだ。
 無ければ住んでないと思った方がいい。時間の無駄だけは避けたい。

「いないみたいだ」
「そうだな。上を探すか」

 建物を支える剥き出しの支柱の裏にも、誰も隠れていなかった。
 トイレや個室、壁がないから探しやすい。
 掃除されてない広めの階段を上って、二階に上がった。

「ここも荒れているな」
「ああ。だが、人は来るみたいだ」

 二階も剥き出しの支柱が見える、壁のない空間だった。
 床には砂や葉っぱ、木の枝が散乱している。その中に食べ物の包み紙が落ちていた。
 風で飛ばされたか、誰かがここで食事した証拠だ。

「狙撃するなら屋上だな。壊れた窓から人のいる建物が分かるだろ」

 このまま一棟ずつ調べるのは面倒そうだ。
 猿橋のライフルのスコープで、広範囲を調べさせた方が早そうだ。
 住民がいる建物をピンポイントで狙いたい。

「その通りだ。高い場所を制した方が勝つ。逆に敵も高い場所にいる可能性が高い」
「居たら居たらで倒せばいいだろ。どっちみち敵の陣地を奪い取らないと勝てない」
「フム。戦いは避けられない運命というやつか。面白い!」

 猿橋は賛成なのか反対なのか分かりづらい。とりあえず賛成らしい。
 作戦を少し変更した。二階を調べ終わると三階に上った。
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