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第70話 審判の時
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「良い剣持ってんじゃん! これで殺すのが良さそうねえ!」
「あわわわわッ!」
僕が拾おうとした光の魔剣が奪われた。
絶対斬られて殺されちゃう。何とかお姫様を説得したいけど、絶対無理だよ。
「お願い、助けて」
「い・や・よ! さあ、ブスッと心臓に突き刺してやる!」
地面に倒れた状態で命乞いしたのに、やっぱり無理だった。
頭を足で踏まれて、お姫様が剣先を下に向けて、剣を振り上げた。
「さあ、死になさい!」
「嫌あああッッ!」
「そこまでじゃあ!《ホーリー・ジャッジメント(聖なる審判)!》」
もう終わりだと思ったのに、お爺さんの声と光の閃光が飛んできた。
「きゃああああッッ!」
その白い光にお姫様が打たれて、僕の悲鳴をかき消す悲鳴を上げて消えてしまった。
何なのこれ⁉︎
「危ないところだったの、チロル君」
「へぇっ?」
全然知らないお爺さんが、僕の名前を呼んできた。
長い白髪と顎ひげのお爺さんで、オレンジ色に近い、茶色いローブを着ている。
手には白い杖を持っている。このお爺さんが助けてくれたみたいだ。
でも、全然知らないお爺さんだ。
「君の頑張りはずっと見ていたぞ。まずはこれじゃあ。《エクストラ・ヒール(超回復)!》」
「ひゃぁ!」
甲高い声でお爺さんが杖先を向けると、緑色の閃光が飛んできた。
冷たいような温かいような、何とも言えない不思議な感覚だ。
それなのに僕のHPがどんどん回復していく。
「あっ、動ける」
「ハァハァ! 凄いHPじゃな! 回復するのも一苦労じゃわい!」
勝手に疲れている変なお爺さんだけど、凄い魔法使いだ。
HP72万があっという間に全回復しちゃった。
「ありがとうございます、お爺さん。ところでお爺さん……誰ですか?」
とりあえず回復のお礼を言ってみたけど、本当に知らないお爺さんだ。
誰なのか聞いてみた。
「ホォホォホォ! そうじゃったな! ワシは全てのスライムを召喚した者の前に現れる、ゴッドスライムじゃ」
「ゴッドスライム……神様っ⁉︎」
「まあ、そんなところじゃな」
凄い! 物本の神様だ! オリハルコンスライム召喚してないけど、初めて見たよ!
そう言われて見れば、何となく神々しい雰囲気がありそうな、なさそうな気がしてきたぞ。
「か、神様、いいったい、僕に何の用なんですか⁉︎」
「ホォホォホォ! 緊張しなくてもよいぞ。ワシは君の頑張りをずっと見ていた。だから、ご褒美に君の願いを叶えに来たんじゃ。さあ、遠慮なく言ってみなさい」
「本当にぃ⁉︎」
「ああ、本当じゃあ」
神様の前だから、噛み噛みだ。でも、凄い展開だぞ!
神様がお願いごとを叶えてくれるそうだ。だったら、僕のお願いは決まっている。
神様にすぐにお願いした。
「あわわわわッ!」
僕が拾おうとした光の魔剣が奪われた。
絶対斬られて殺されちゃう。何とかお姫様を説得したいけど、絶対無理だよ。
「お願い、助けて」
「い・や・よ! さあ、ブスッと心臓に突き刺してやる!」
地面に倒れた状態で命乞いしたのに、やっぱり無理だった。
頭を足で踏まれて、お姫様が剣先を下に向けて、剣を振り上げた。
「さあ、死になさい!」
「嫌あああッッ!」
「そこまでじゃあ!《ホーリー・ジャッジメント(聖なる審判)!》」
もう終わりだと思ったのに、お爺さんの声と光の閃光が飛んできた。
「きゃああああッッ!」
その白い光にお姫様が打たれて、僕の悲鳴をかき消す悲鳴を上げて消えてしまった。
何なのこれ⁉︎
「危ないところだったの、チロル君」
「へぇっ?」
全然知らないお爺さんが、僕の名前を呼んできた。
長い白髪と顎ひげのお爺さんで、オレンジ色に近い、茶色いローブを着ている。
手には白い杖を持っている。このお爺さんが助けてくれたみたいだ。
でも、全然知らないお爺さんだ。
「君の頑張りはずっと見ていたぞ。まずはこれじゃあ。《エクストラ・ヒール(超回復)!》」
「ひゃぁ!」
甲高い声でお爺さんが杖先を向けると、緑色の閃光が飛んできた。
冷たいような温かいような、何とも言えない不思議な感覚だ。
それなのに僕のHPがどんどん回復していく。
「あっ、動ける」
「ハァハァ! 凄いHPじゃな! 回復するのも一苦労じゃわい!」
勝手に疲れている変なお爺さんだけど、凄い魔法使いだ。
HP72万があっという間に全回復しちゃった。
「ありがとうございます、お爺さん。ところでお爺さん……誰ですか?」
とりあえず回復のお礼を言ってみたけど、本当に知らないお爺さんだ。
誰なのか聞いてみた。
「ホォホォホォ! そうじゃったな! ワシは全てのスライムを召喚した者の前に現れる、ゴッドスライムじゃ」
「ゴッドスライム……神様っ⁉︎」
「まあ、そんなところじゃな」
凄い! 物本の神様だ! オリハルコンスライム召喚してないけど、初めて見たよ!
そう言われて見れば、何となく神々しい雰囲気がありそうな、なさそうな気がしてきたぞ。
「か、神様、いいったい、僕に何の用なんですか⁉︎」
「ホォホォホォ! 緊張しなくてもよいぞ。ワシは君の頑張りをずっと見ていた。だから、ご褒美に君の願いを叶えに来たんじゃ。さあ、遠慮なく言ってみなさい」
「本当にぃ⁉︎」
「ああ、本当じゃあ」
神様の前だから、噛み噛みだ。でも、凄い展開だぞ!
神様がお願いごとを叶えてくれるそうだ。だったら、僕のお願いは決まっている。
神様にすぐにお願いした。
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