『スライム』しか召喚できない召喚士LV1★☆☆☆☆☆☆が初ダンジョンで脱出不能のデストラップ『深過ぎる穴』に落ちました

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
上 下
62 / 72

第62話 眩しい光の攻略法

しおりを挟む
「だああああッッ!」

 猛ダッシュで地面に落ちている、ダイヤとプラチナの剣をガシィと拾った。
 どっちもキラキラ輝いているから、遠くからでも分かるぞ。

「よぉーし! めった斬りだぁー!」

 倒させると言ったのに、倒させてくれなかった。
 こうなったら強制的に約束を守らせてやる。
 ライトスライムに猛ダッシュした。

「学習能力のない愚かな猿め……《リフレクトプリズン(光の監獄)!》」

 突撃する僕に対して、ライトスライムは自分を守るように、光の壁で四方と天井を塞いだ。
 馬鹿かもしれないけど、学習能力はあるぞ。もう目潰しは見切っているから効かないぞ。

「《スライム斬り!》」

 二本の剣を光の壁に思いっきり叩きつけた。ガキィンと鈍い音が鳴き響いた。
 でも、やっぱりヒビも入っていない。この壁を壊すのは無理みたいだ。

「《フラッシュ(眩しい光)!》」
「にゃああああ!」

 やっぱり来た! ピカッと凄い光が爆発した。
 でも、予想通りだ。目を押さえて、後ろに大袈裟に下がってみた。

「これで終わりだ。《リフレクト……」

 終わりなのは僕じゃない。お前の方だ!
 痛む右目は閉じたままで、ずっと閉じていた左目を開いた。

「やあッ!」
「なっ! 馬鹿な⁉︎」

 右側に素早く跳ぶと、ライトスライムを守っていた、光の壁の左右と天井が前に動くのが見えた。
 迫って来る壁を躱して、丸裸になったライトスライムに二本の剣を真横に振り抜いた。

「《スライム斬り!》」

 ズパァン!

「ゔがあああッッ!」

 二つの剣がライトスライムを切り裂いた。
 だけど、まだまだだ。このまま一気に倒してやる!

「やああああッッ!」
「ぐあっ、あがぁっ、ぐおおおッ!」

 二本の剣の乱れ斬りだ。絶対に逃がさない。絶対に反撃させない。
 もう止められないし、止まれない。この卑怯者め、覚悟しろ!

 ……
 …

「ハァハァ! ハァハァ!」

 やっぱり魔法使うスライムは超危険だ。危うく死にかけた。
 防御は最大の攻撃……凄く参考になる戦い方だ。
 忘れていたけど、僕もミスリルスライムに同じようなことしてた。
 毒の剣がボックススライムで作れるか試してやる。

「さてと……」

【光の実:たくさん食べると光魔法が使えるようになる。ライトスライムを倒すと落とす】
魔精水ませいすいの花:食べるとMPが500回復する。ライトスライムを倒すと落とす】

「うーん、どうしようかなぁー?」

 手に入れたアイテムを冒険者カードで調べてみた。
 最近は魔法を覚えていないから、そろそろ覚えた方が良いと思う。
 ダークスライムは闇魔法とか使いそうだから、光魔法が使えると有利だと思う。

「よぉーし! アイテムポーチをしっかり持って再戦だ!」

 今度は約束守ってくれると思うぞ。防御は最大の攻撃作戦だ!
「召喚!」と唱えて、ライトスライムを呼び出した。
 魔法陣からライトスライムが現れた。二度と現れない貴重スライムじゃないみたいだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ダンジョンの隠し部屋に閉じ込められた下級冒険者はゾンビになって生き返る⁉︎

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 Bランクダンジョンがある町に住む主人公のカナンは、茶色い髪の二十歳の男冒険者だ。地属性の魔法を使い、剣でモンスターと戦う。冒険者になって二年の月日が過ぎたが、階級はA〜Fまである階級の中で、下から二番目のEランクだ。  カナンにはAランク冒険者の姉がいて、姉から貰った剣と冒険者手帳の知識を他の冒険者達に自慢していた。当然、姉の七光りで口だけのカナンは、冒険者達に徐々に嫌われるようになった。そして、一年半をかけて完全孤立状態を完成させた。  それから約半年後のある日、別の町にいる姉から孤児の少女を引き取って欲しいと手紙が送られてきた。その時のカナンはダンジョンにも入らずに、自宅に引きこもっていた。当然、やって来た少女を家から追い出すと決めた。  けれども、やって来た少女に冒険者の才能を見つけると、カナンはダンジョンに行く事を決意した。少女に短剣を持たせると、地下一階から再スタートを始めた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政
ファンタジー
【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話 主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉 神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく…… ※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!! 内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません? https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html

ゴミ召喚士と呼ばれたスライム超特化テイマーの僕〜超特化が凄すぎて、最強スライムを育ててしまう〜

伊藤ほほほ
ファンタジー
13歳になる年の始め、子供達は教会に集まる。 人生が決まるに等しい、適性診断があるからだ。 全ての人がモンスターを召喚できる召喚士となり、サモナーとテイマーに分かれる。 これが問題で、一般的にテイマーはハズレ、サモナーはアタリとされていた。 適性診断では、どんなモンスターに特化した召喚士であるのかが分かる。 ここに、夢を語りながら教会へと向かう子供が二人。 主人公のカイト・フェイトと、その幼馴染のラビ・エンローズだ。 どんな召喚士になるのか、気になってしまうのは当然のこと。 同じ学校に通う、顔見知りの子供達が作る列の最後尾に並び、ドキドキしながら順番を待つ。 一人、また一人と診断を終えて出てくる子供の顔は三者三様。嬉しそうな表情ならサモナー、絶望を浮かべていればテイマーになったのだろうと分かりやすい。 そしてついに、二人の順番がやってきた。 まずは、幼馴染のラビ・エンローズから。 「……ねえ、カイトくん? ……ラビね、ドラゴン特化サモナーになっちゃった」  小さく呟き、振り返ったラビの顔は、悲しんでいるのか喜んでいるのかよく読み取れない。口角は上がっているのに涙目で、頬がヒクヒクと動いている。  何が起きたのか理解できず、まるでカイトに助けを求めているようで……。 「す、すごいじゃん!」  幼馴染が、世界最強のドラゴンサモナーになってしまったのだ。手の届かないところへ行ってしまった気がして、カイトには情けない一言を発することしかできない。 「僕だって!」 しかし、カイトも自分を信じて疑わない。 ステータスを見ると、スライム超特化テイマーと表示されていた。 絶望するカイト。世界から色が消え失せて、ショックからか意識を手放す。 親の助言もあり、立ち直ることはできた。 だが、いじめっ子同級生のザンブに決闘を挑まれる。 自分を信じてスライムをテイムし、カイトは困難に立ち向かう。

処理中です...