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第60話 防御は最大の攻撃

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「やああああッッ!」

 ボコボコボコ!

「ちょっ、ちょっとやめなさい! やめないと天罰が下りますよ!」

 やっぱりだ。回復させる時間も与えずに二本の剣でめった斬りだ。
 最近、デビルスライムをこの方法で倒したばかりだぞ。
「あうぅぅぅ~」とエンジェルスライムが地面に倒れたぞ。
 やっぱり武器が良いと戦いが楽になるね!

「えーっと……」

【天使の輪っか:天使の翼と合わせて装備すると、魔法攻撃を半減させる加護を得られる】

「なるほど。魔法に強くなる装備なんだね」

 手に入れた天使装備を試しに頭の上に乗せてみた。

「えいッ! えいッ! えいッ!」

 不思議な輪っかだ。頭を思いっきり振っても、全然落ちない。
 悪魔の翼や尻尾と同じで、ダイヤの鎧の上からでも、しっかりくっ付いている。
 魔法の力って凄いなぁー。

「よし! これで完璧だぞ!」

 悪魔と天使の力の合成だ。背中に赤と白の翼が四枚だ。
 この天使装備があれば、残り2匹のスライムも楽勝だぞ!

 ……
 …

「あれ? やっぱり駄目みたい」

 勢いは大事だけど、準備も大事だぞ。
 デビルスライムを呼び出してみたけど、やっぱり出て来なかった。
 エンジェルスライムも出て来ない。出て来たのはスライムだけだ。

「うーん、これが最強装備みたい。だったらやるしかないよね!」

 戦ってみたら案外弱かっただ。覚悟を決めると「召喚!」と唱えた。
 魔法陣から月の光のように輝く、丸い少し大きいスライムが現れた。

「やあッ!」
「んっ?」

 攻撃は最大の防御だ。現れたライトスライムに二本の剣を振り下ろした。

「《リフレクトシールド(光の盾)!》」

 ガキィン!

「あうっ!」

 ライトスライムの前に光の薄い壁が一枚現れると、僕の剣を受け止めた。
 こんなに薄いのにヒビも入っていない。凄く頑丈な壁だ。

「最大の攻撃は防御なのです。《フラッシュ(眩しい光)!》」
「にゃあああ!」

 ピカッと目の前で凄い光が爆発した。目が痛い!
 目が痛くて、涙を流しながら、地面をゴロゴロ転がってしまう。

「《リフレクトプリズン(光の監獄)!》——それがあなたのひつぎです。光の裁きを受けなさい」
「えっ? なになにぃ⁉︎」

 何かされているみたいだけど、目が見えません。
 もっと詳しく教えて欲しいです。

 ガァン!

「あたっ!」と転がっていると何かにぶつかった。
 手で確かめてみたら、何か壁みたいなものがある。横と上にもあるみたいだ。

「うぅぅぅ……」

 目がやっと見えるようになってきた。
 何度もまばたきして、目を開けると、僕の周囲を光の壁が囲んでいた。

「えっ? これだと出られないよ」
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