『スライム』しか召喚できない召喚士LV1★☆☆☆☆☆☆が初ダンジョンで脱出不能のデストラップ『深過ぎる穴』に落ちました

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第37話 ダークナイト対決

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「うぅぅ、あんなの絶対に躱せないよぉー」

 反撃したくても、速いし広いし、何も出来ない。
 でも、反撃の糸口はあるぞ。疾風突きだ。
 スライム斬りとメタル斬りと同じなら、叫べば僕も出せるようになるかもしれない。

 そうと決まれば、逃げながら習得するぞ。
 元気と体力には自信ありだ。

 左手を向けて、「《ロックレイン(岩の雨)!》」と唱えた。
 岩の雨が飛んで行くけど、ガガァンと黒い盾に防がれている。
 多分、全然効いていない。

「何だこれは? 小石を投げるだけなら、魔法を使う必要はない。必要なのは腕だけだ」

 僕もそう思うけど、それを言ったらおしまいだ。
 それに地味な魔法でも当たり続ければ、精神的なダメージは与えられるんだぞ。

「《ロックレイン!》」と今度は斜め上に左手を上げて、発射した。
 上から降り落ちる岩雨を盾で防げば、正面がガラ空きになる。
 そこを炎の球で狙ってやる。
 金属の鎧なら、炎の球で熱々になれば、着ていられなくなるぞ。

 …………
 ………
 ……
 …

「《疾風突き!》」と叫ぶと、ついに発動した。
 剣先が緑色に光って、「うわぁ!」と右手が剣に引っ張られる。
 凄い速さで加速して、ダークナイトスライムに一直線だ。

 ガキィン!

「ぐぬぬっ!」

 だけど、黒い盾に受け止められた。

「粘って、この程度か? 遊びは終わりでいいな?」

 まだに決まっているでしょ!
 防がれたのは右手の剣だ。まだ左手の短剣が残っている。
 もう一つの剣技も残っている。素早く短剣を鎧に突き出した。

「《メタル斬り!》」

 鉱石スライムが切れるなら、金属の鎧も切れるはずだ。
 もう逃げ疲れたので、倒せるヒントが欲しい。
 何でもいいから弱点ください。

「ぐぅっ!」

 ドォスと鎧を突き破って、プルンと中身に剣先が止められた。
 外が硬くて、中身が柔らかい。驚きの事実だけど……これはもしかして?
 と考えるよりも手を動かすのが先だ。

「《スライム斬り!》」と叫んで、短剣を強く押した。

「ぐはあ!」

 ドスッと突き刺さった! 突き刺さっちゃった!

「貴様あ……」
「《メタル斬り!》《スライム斬り!》《メタル斬り!》《スライム斬り!》」
「ぐふっ! ぐふっ!」

 僕は容赦しないぞ。
 短剣を引き抜くと、連続で鎧とその中身に突き刺していく。
 ドォスドォスドォスとめった刺しだ。

「ハァハァ! ハァハァ! や、やっちまった!」

 ダークナイトスライムが消えると、地面に黒い剣、黒い盾、黒い鎧が現れた。

【魔剣シュバリエ(騎士):ダークナイトスライムが落とすミスリル製の剣】
【魔盾シュバリエ:ダークナイトスライムが落とすミスリル製の盾】
【魔鎧シュバリエ:ダークナイトスライムが落とすミスリル製の鎧】

 冒険者カードで調べたけど、凄そうな武器だ。使わせて貰います。
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