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第8.5勝ざまぁ編(プロデューサーの場合)。
第120話・覚醒。
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「どういう事だ?死んだはずなのに、どうして生きている。」
コンティニュー、ロード、いや、それ以外の何か……。
「どっちも違うぞ、エッサ。これはリトライ、やり直しや再挑戦を意味する言葉だ。俺は優しい男だと言っただろう?今度は真面目に戦ってやるよ。あんなんじゃ全然倒した気分にはならないだろう?」
余計な気遣いです。そのまま永遠に倒されていて欲しかったです。エッサの剣技や魔法程度ではプロデューサーを実力で倒すのは難しいようです。そして、何とか奇跡的に倒す事が出来ても、システムによって自動的にリトライさせられます。
「ようするにシステムを壊せば、リトライは不可能なんだろう?あんたを殺すにはシステムを破壊するしかない。……システムは何処にあるんだ?」
「…エッサ、お前。本当は物凄い馬鹿だろう?ハァ~~、しょうがない、特別サービスだ。この杖がシステムを具現化したものだ。もう一つ、特別に教えてやるよ。この杖は絶対に壊せない。俺を殺す方が簡単なぐらいにな。フッフフフッ。さあ、楽しもうぜ!」
(楽しんでいるのは、お前だけだよ。あの本と同じで絶対に壊れない杖か。厄介だが、壊せないなら奪うしか方法はないだろう。回避と杖を奪う事に全集中すれば、行ける!)
岩田に目の前で逆転のチャンスをちらつかされて、上手く踊らされている気もしますが、他に手がないのも事実です。杖を奪っても使えませんが、アイテムボックスに収納すれば、プロデューサーにも使えないはずです。
「…なあ、エッサ。壊せない本って何だ?お前が四六時中読んでいたあのエロ本の事か?あの本は本当に壊せなかったのか!」
いやいや、前にモニターから確認したら王都で裏販売されていたエロ本で間違いなかったはずだ。それとも、NPCには別のものに見えていたのか?だとしたら………コイツはバグ本体じゃなくて、バグに感染しただけのただのNPCの1人という事なるが……本は今何処にある?エッサ?いや、今はエミィか!本を直接調べれば原因が分かるぞ。
「どうした?エロ本を思い出してニヤついているのか?確かにあの顔じゃ、女とは縁がなかっただろうな。ハァ~同情するよ、豚眼鏡。」
エッサの普段はイラつく挑発さえもどうでもいいようです。人工知能が感染する事で、劇的に進化するバグが存在するのならば、10億円でも、100億円でも取引き相手は山のようにいます。
岩田の当初の予定ならば、エッサを嬲り殺すのに飽きたら、ゲームを破壊して、会社の資金を奪って海外生活でした。会社の倒産が確実な状況で、ご丁寧にスポンサー連中に頭を下げて謝罪なんかやってられません。でも、目の前にチャンスがあります。上手く行けば大金に変わるかもしれません。
「フゥフッフフフ。エッサ、お前に感謝する日がやって来るなんてな。俺はこれからエミィの所に行くけど、どうして欲しい?殺して欲しいか?それとも犯して欲しいか?でも、俺は本物の人間なんだよ。お前らのようなデータの塊に欲情なんかしねぇんだよ。だから、ただ殺して来てやるよ。お前を先に殺してからな。じゃあな、エッサ。ライジング・パニィシュメント!」
一方的にプロデューサーから戦いの終了宣言をされたと思ったら、エミィまで殺すと言われます。エッサもエミィもこの世界の住民は全てデータであり、人間ではないと、岩田はハッキリと言いました。
「巫山戯るな!エミィは関係ないだろう!俺と戦え!逃げるのか、この臆病者!卑怯者!ああーーーー!殺してやる!」
エッサの怒りの言葉が続きます。エッサの本気の挑発を聞いても、プロデューサーの心には全く響きません。残念ながら、エッサが両手剣で攻撃しようと決めた時には手遅れでした。
『キュイーーーン、ガァンガァン!サァーーー。』
もう、岩田がエッサを復元する事はないでしょう。エッサは灰になって消えると、もう二度と生き返る事は出来ないでしょう。
「システムコール・ケリュケイオン。転送指示、ミルド王国王都、エミィ。」
『ビィー、転送指示了解。転送開始まで、3、2、1……………転送完了しました。』
プロデューサーは光の球体に包まれると、エミィのすぐ目の前まで、一瞬で移動してしまいました。
◆
(ここは何処だ?ああ、ここは岩田の世界か。俺はまた死んだんだな。)
エッサは四角の箱の中から、岩田の仕事場を見ていました。暗く、電気もつけていません。誰もいないようです。目の前の椅子に、変なヘルメットを被って寝転んでいる豚眼鏡以外は誰も………。
「おい、岩田!起きて、もう一度、俺と戦え!チッ、どうなってやがる。折角の攻撃のチャンスなのに手足がないから攻撃も出来ない。今なら寝ているコイツを楽に殺せるのに!」
自由に動ける身体があれば、岩田をぶん殴って、今すぐに殺す事も出来るはずです。でも、そんな手足はありません。本当に今のエッサは0と1のデータの塊でしかありません。出来るのは口撃する事だけです。
「紅蓮の焔よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」
何も起こりません。当たり前ですが、魔法なんて現実には存在しません。言葉には何の力もありません。
「まだだ。限界を超えろ。限界を超えろ。限界を超えろ!天空より訪れし神の雷!ライトニング!!」
やはり何も起こりません。気持ちだけでどうにかなる訳がありません。そもそも、人工知能に感情や気持ちなどが存在する訳がありません。
「…………限界を超えろ!超えろ!超えろ!超えろ!……………超えろ!」
諦めずに何度も何度も、エッサは言い続けました。小さな抵抗かもしれませんが、本当のエッサを取り戻す事が出来ると信じて言い続けました。
『ギィー、ガァー、ギィー、ギィー』
四角の箱から変な音が聞こえて来ます。まるで悲鳴のようです。
▷標準語
▶︎田舎弁
▷関西弁
▷外国弁
『ポチ。』
「超えるんだべぇ!」
コンティニュー、ロード、いや、それ以外の何か……。
「どっちも違うぞ、エッサ。これはリトライ、やり直しや再挑戦を意味する言葉だ。俺は優しい男だと言っただろう?今度は真面目に戦ってやるよ。あんなんじゃ全然倒した気分にはならないだろう?」
余計な気遣いです。そのまま永遠に倒されていて欲しかったです。エッサの剣技や魔法程度ではプロデューサーを実力で倒すのは難しいようです。そして、何とか奇跡的に倒す事が出来ても、システムによって自動的にリトライさせられます。
「ようするにシステムを壊せば、リトライは不可能なんだろう?あんたを殺すにはシステムを破壊するしかない。……システムは何処にあるんだ?」
「…エッサ、お前。本当は物凄い馬鹿だろう?ハァ~~、しょうがない、特別サービスだ。この杖がシステムを具現化したものだ。もう一つ、特別に教えてやるよ。この杖は絶対に壊せない。俺を殺す方が簡単なぐらいにな。フッフフフッ。さあ、楽しもうぜ!」
(楽しんでいるのは、お前だけだよ。あの本と同じで絶対に壊れない杖か。厄介だが、壊せないなら奪うしか方法はないだろう。回避と杖を奪う事に全集中すれば、行ける!)
岩田に目の前で逆転のチャンスをちらつかされて、上手く踊らされている気もしますが、他に手がないのも事実です。杖を奪っても使えませんが、アイテムボックスに収納すれば、プロデューサーにも使えないはずです。
「…なあ、エッサ。壊せない本って何だ?お前が四六時中読んでいたあのエロ本の事か?あの本は本当に壊せなかったのか!」
いやいや、前にモニターから確認したら王都で裏販売されていたエロ本で間違いなかったはずだ。それとも、NPCには別のものに見えていたのか?だとしたら………コイツはバグ本体じゃなくて、バグに感染しただけのただのNPCの1人という事なるが……本は今何処にある?エッサ?いや、今はエミィか!本を直接調べれば原因が分かるぞ。
「どうした?エロ本を思い出してニヤついているのか?確かにあの顔じゃ、女とは縁がなかっただろうな。ハァ~同情するよ、豚眼鏡。」
エッサの普段はイラつく挑発さえもどうでもいいようです。人工知能が感染する事で、劇的に進化するバグが存在するのならば、10億円でも、100億円でも取引き相手は山のようにいます。
岩田の当初の予定ならば、エッサを嬲り殺すのに飽きたら、ゲームを破壊して、会社の資金を奪って海外生活でした。会社の倒産が確実な状況で、ご丁寧にスポンサー連中に頭を下げて謝罪なんかやってられません。でも、目の前にチャンスがあります。上手く行けば大金に変わるかもしれません。
「フゥフッフフフ。エッサ、お前に感謝する日がやって来るなんてな。俺はこれからエミィの所に行くけど、どうして欲しい?殺して欲しいか?それとも犯して欲しいか?でも、俺は本物の人間なんだよ。お前らのようなデータの塊に欲情なんかしねぇんだよ。だから、ただ殺して来てやるよ。お前を先に殺してからな。じゃあな、エッサ。ライジング・パニィシュメント!」
一方的にプロデューサーから戦いの終了宣言をされたと思ったら、エミィまで殺すと言われます。エッサもエミィもこの世界の住民は全てデータであり、人間ではないと、岩田はハッキリと言いました。
「巫山戯るな!エミィは関係ないだろう!俺と戦え!逃げるのか、この臆病者!卑怯者!ああーーーー!殺してやる!」
エッサの怒りの言葉が続きます。エッサの本気の挑発を聞いても、プロデューサーの心には全く響きません。残念ながら、エッサが両手剣で攻撃しようと決めた時には手遅れでした。
『キュイーーーン、ガァンガァン!サァーーー。』
もう、岩田がエッサを復元する事はないでしょう。エッサは灰になって消えると、もう二度と生き返る事は出来ないでしょう。
「システムコール・ケリュケイオン。転送指示、ミルド王国王都、エミィ。」
『ビィー、転送指示了解。転送開始まで、3、2、1……………転送完了しました。』
プロデューサーは光の球体に包まれると、エミィのすぐ目の前まで、一瞬で移動してしまいました。
◆
(ここは何処だ?ああ、ここは岩田の世界か。俺はまた死んだんだな。)
エッサは四角の箱の中から、岩田の仕事場を見ていました。暗く、電気もつけていません。誰もいないようです。目の前の椅子に、変なヘルメットを被って寝転んでいる豚眼鏡以外は誰も………。
「おい、岩田!起きて、もう一度、俺と戦え!チッ、どうなってやがる。折角の攻撃のチャンスなのに手足がないから攻撃も出来ない。今なら寝ているコイツを楽に殺せるのに!」
自由に動ける身体があれば、岩田をぶん殴って、今すぐに殺す事も出来るはずです。でも、そんな手足はありません。本当に今のエッサは0と1のデータの塊でしかありません。出来るのは口撃する事だけです。
「紅蓮の焔よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」
何も起こりません。当たり前ですが、魔法なんて現実には存在しません。言葉には何の力もありません。
「まだだ。限界を超えろ。限界を超えろ。限界を超えろ!天空より訪れし神の雷!ライトニング!!」
やはり何も起こりません。気持ちだけでどうにかなる訳がありません。そもそも、人工知能に感情や気持ちなどが存在する訳がありません。
「…………限界を超えろ!超えろ!超えろ!超えろ!……………超えろ!」
諦めずに何度も何度も、エッサは言い続けました。小さな抵抗かもしれませんが、本当のエッサを取り戻す事が出来ると信じて言い続けました。
『ギィー、ガァー、ギィー、ギィー』
四角の箱から変な音が聞こえて来ます。まるで悲鳴のようです。
▷標準語
▶︎田舎弁
▷関西弁
▷外国弁
『ポチ。』
「超えるんだべぇ!」
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