禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?

もう書かないって言ったよね?

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第8.5章・ざまぁ編(エミィの場合)。

第116話・エミィ編完結。

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 ユラユラと波に揺られて、船は進みます。目指すは西の大陸ですが、エッサを警戒して、まずは北上してから遠回りで西大陸を目指す事に決めました。

「エミィ様、一体何から逃げているのですか?そろそろ教えてください。」

 訳も分からず、理由も教えられずにここまでエミィについて来たロックタですが、エミィが王都や仲間を捨ててまで一体何から逃げているのか、どうしても知りたいようです。

「エッサが生きてたのよ。いま王都を襲撃している頃でしょうね。あのまま王都に残っていたら私は捕まって酷い目に遭わせられて殺されていたでしょうね。もちろんエッサに隠れて私と夜な夜なニャンニャン、ワンワンしていたあなたもね。」

「あれは!エミィ様が無理矢理に迫って来たので仕方なくです。私の意思ではありません。」

 ロックタはそんな事を言いながらも、一回、二回、三回と最後の方は家の中で、エッサがお風呂に入っている時や寝ている時を狙って、エミィと2人でニャンニャン、ワンワンしていました。

「エッサにそんな言い訳が通じると思うの?でも、この本を読まれなければ私達のいけない秘密は永遠に隠し通す事が出来るわよ。アイテムボックスに入れれば本人以外は取り出せないから安心しなさい。」

 まあ、殺されたらアイテムボックスの中身は全部外に出るだけどね。私は最悪、エッサの性奴隷として殺されないけど、ロックタは危ないわね。本はやっぱり私が持っていた方が安全そうね。

 結局、ロックタはエミィにとっては1番都合の良い男なのです。顔は合格点の90点よりはちょっと低い70点ですが、39点のエッサに抱かれるよりはマシです。最後までエミィとお腹の子供の為に死ぬ気で働かされる事になるでしょう。

 ◆

「ハァハァ…ハァハァ…エッサ様、何で、また山を登るんですか?」

 エミィが船で逃げたのなら、船で追いかけるのが普通です。でも、エッサは言葉を話せる不思議なメス馬に乗って、隣国のエプト王国を目指していました。

『パァーシン、パァーシン……ムニュムニュ。』

あっあっビンタ中!……あっ!あっ!……モミモミ中

「今はエッサ様じゃないべぇ、エッサ国王様だべぇ!」

 馬鹿なメス馬にはお仕置きが必要です。叩いて揉んで、叩いて揉んでを繰り返しました。エッサは飴と鞭のつもりでしたが、メス馬にとってはどちらも鞭と鞭でした。

 船を船で追いかけても非効率的だべぇ。空の上から広範囲を捜索する方が早く見つけられるべぇ。

 エッサはエプト王国の飛行船を使うようです。でも、飛行船は燃料が切れたら墜落します。短時間の捜索で見つける事が出来るのでしょうか?

 ❇︎

「「「きゃ~~~~~!」」」

「おい、お前達!何をやっているんだ!こんな公衆の面前で恥を知れ!」

 折角、メス馬が頑張って、ここまでエッサを乗せて来たのに酷い反応です。巨大な湖の中にあるエプト王国の王都に入るには船に乗らなければなりません。意地悪な兵士達と船長が乗船拒否しました。

「おい、メス馬。この兵士達のHPは800前後だべぇ。武器を貸してやるから、5分で片付けるんだべぇよ。5分過ぎたら、お前には素っ裸で湖を泳いでもらうべぇよ。」

 もう最初から素っ裸ですが、そんなのどうでもいいです。エッサに渡されたランク14の片手剣で、ルナはザァクザァクと兵士達を斬り殺して行きました。

(このぉー、このぉー、死ねぇー、死ねぇー、エッサ!)

 いいえ、それはエプト王国の兵士モジャーナです。エッサはアイテムボックスから、ザックに作らせたオムライスを取り出して食べています。

 エプト王国に行く途中の山道で、バッタリとフローラちゃんとザックに出会ったので、ちょっとお願いしたら、わざわざ王都に走って作って届けてくれました。いつから出前まで始めたのか分かりませんが、とりあえずはフローラちゃんはお返ししました。

「おい、そこの別嬪さん。何で服を着ているんだべぇか?早く脱ぐべぇ。んんっ?んんっ?嫌だべぇか?ぐぅへへへへ、だったらオラが手伝うしかないべぇなぁ~~!」

 その日のうちにエプト王国の王都は陥落しました。数年後、新生エッサ王国のお城の中には、裸のメス馬に跨って、華麗な魔法でエプト王国王都を進撃するエッサの巨大な絵が飾られる事になります。見る人を必ず不快にさせるという最低評価の絵です。

 エッサは飛行船に乗って逃げようとする王族や貴族達を見つけると、飛び立とうとする飛行船に急いで飛び乗りました。隣国同士仲良くする必要があります。残念ながらメス馬を下に置いて来てしまったのが心残りですが、仕方ありません。あとで必ず見つけて服は脱がせましょう。

「やぁ、オラ、エッサだべぇ。隣の国で王様になったんだべぇな。これからはお隣同士で仲良くするんだな。まずは王女様にはドレスを脱いで欲しいだべぇな。ぐぅへへへへ、1人で出来ないオラも手伝ってやるべぇよ!」

 全ての美しい女性を裸にすると、邪魔者には退場してもらう必要がありました。男にダンスパーティーの参加権はありません。

「やめてくれ!やめてくれ!ぎゃあああーー!」

「お父様ぁ~~~!」

 安心してください。ランク14の防具とレベル200もあればこの程度の高さから海に落ちても助かります。

ドォパーンダメージ2万!!!サァーーーエプト王国国王マイゼル消滅。』

「さあ、お嬢様達には船を探してもらいますべぇよ!」

 夜通し続いた捜索パーティーとダンスパーティーによって、エッサの第二夫人が決定しました。残念ながら船を見つけた人は罰ゲームでエッサの第二夫人になる決まりがあるのです。

「嫌ぁー!嫌ぁー!お父様、助けてください!お父様ー!」

 もうお父様はお空のお星様になったべぇよ。今頃は流れ星になって地上に落ちて、新しい人生を始めた頃なんだべぇな。今度は女の子に生まれるだべぇよ。

 ◆

ヒューーーン、ドォパーンダメージ6000、エッサ緊急着水!!!』

「エミィ様!空から何かが落ちて来ました!」

「まさか!あの飛行船から誰かが攻撃しているの?一体どこの国の馬鹿よ!」

 注意するのは上ではありません。下です!下です!

『♬ズ~ズン、ズ~ズン、ズンズン、ズンズン、ズンズンズンズンズンズン、ザァパーン!』

「きゃあああ~~~!!!」

 海の中から大きな両手剣を背負ったエッサが船の上に飛び上がって来ました。海水滴るいい男の登場です。

「ぐぅへへへへ、ぐぅへへへへ、見い~~~つけた。こんな所でフィッシング魚釣りだべぇか?オラも誘って欲しかったんだな。」

 久し振りの再会ですが、ロックタにはエッサに謝りたい事が一杯ありました。

「エッサ様、お許しください!エミィ様のお腹の子供は私の子供です。お腹の子供には罪はありません!どうか、エミィ様と子供だけは助けてください!」

「馬鹿!ロックタ、何言ってるのよ!嘘よ、ロックタが言ったのは大嘘よ!」

 衝撃的な内容にエッサも少しは動揺しましたが、すぐに笑顔に戻って行きました。

「別にもうどうでもいいべぇよ。エミィの代わりは一杯いるべぇよ。」

 残念ながらがエッサには誰の子供でも、どうでもいい事です。子供なんて100人でも1000人でも、これから作れるのです。エミィは沢山の女性の中の1人なのです。でも、エッサを傷つけ、裏切り、殺すように指示した女は1人だけしかいません!

「エミィ、馬と犬と猿と豚と猫ならどれが好きだべぇ?」

「な、何を言ってるのよ。私を殺しに来たんでしょう!」

 エミィは攻略本を読んだので、どの動物を選んでも最悪なのは分かっています。何とか別の動物か、他の選択肢をエッサに出してもらおうと抵抗します。

「殺す訳ないべぇよ。何言ってるべぇか?んんっ?もしかして、その反応は本を読んだべぇな。読んでオラを攻略しようとしているべぇな。」

 エッサがエミィを簡単に殺す訳ありません。殺すなら何年も何年も痛ぶった後です。

「猫…猫がいいわ!猫にしてちょうだい!」

「オラ、魔法使いじゃないべぇよ。人間を猫には変えられないべぇよ。やっぱり、読んだべぇな~?」

 猿ならバナナしか食べられなくなります。しかも、たまにバナナ以外も食べさせられる事になります。豚ならば糞尿まみれの狭い小屋の中で生活させられます。猫ならば猫耳とお尻に尻尾を突き刺さられるだけです。比較的に楽な方です。

「お願いよ!エッサ!何でもするから許して!だから許してください!」

「…………分かったべぇ。オラ、本当はエミィの事が昔から大好きだったべぇ。今でも変わらないぐらい好きだべぇよ。もういいべぇ。一緒にオラの王国に帰るんだべぇよ。」

「エッサ!ありがとう!本当にごめんなさい!ごめんなさい!」

 オラはやっぱりお人好しなんだべぇな。女の涙には弱いんだべぇ。さあ、みんなで仲良く帰るんだべぇ。

 仲直りしたエッサとエミィは、船の進路を西から東の変えて、新生エッサ王国に戻って行きました。めでたし、めでたしです。

「さあ、エッサ、これからはお城で仲良く暮らしましょうね。」

「何言ってるべぇか?ロックタ~~!オルガ村の父ちゃんと母ちゃん、ついでに弟のホッサにオラが王様になったと伝えて欲しいんだべぇ。それとこの案山子かかしをオラの畑にぶっ刺して来るべぇよ。」

 ガラガラとエッサのアイテムボックスから、槍と大盾とロープが出て来ました。手慣れた手つきで素早くエミィを動けないように縛りつけると、エミィ案山子の完成です。邪魔な防具や服は脱がせましょう!

「嫌ぁー!お願い、エッサ!考え直して!何でもするから案山子はやめて!お願い、お願いです!」

「うるせい、尻軽女!何でもするなら案山子になるんだべぇ!ロックタ~~!村の男衆が案山子に悪戯しても邪魔するんじゃねぇべぇよ!それとエミィの父親のゴンゾウにあの時の槍は痛かったぞ!と必ず伝えとくんだべぇよ!分かったべぇな!」

 ロックタと案山子はオルガ村に追放されました。毎日、畑仕事の始まりと終わりには取れたて野菜をお供えされては、村の男衆によって悪戯されました。

『ホォーホォー。ホォーホォー。』とフクロウが鳴いています。

「トトペット?こんな時間にどうしたの?」

 深夜に誰もいないのを見計らって、14歳のトトペットがやって来ました。

「今まで我慢して来たべぇが、オラも男だべぇ。目の前で裸の美女がいるのに何もしないなんて出来ないべぇ!」

『ムニュムニュ、ペロペロ』

 ついに18点のトトペットにまで、エミィ案山子は悪戯される事になりました。ロックタはただただ、その光景を監視し続けるしかありませんでした。

(エッサ様は子供が産まれるまで私とエミィ様が我慢して耐え切れたら、許してくださると約束された。エミィ様、我慢してください!)

 今日もエミィ案山子は村の男衆の人気者です。土や何かで汚れた全身を綺麗にタオルで拭かれて行きます。何度も何度も………。オルガ村の顔面偏差値は28点です。45点のエミィは女神様のように29歳まで大切に扱われました。

【ざまぁ編・エミィの場合・完結。】

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