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第8.5章・ざまぁ編(エミィの場合)。
第110話・鬼になる。
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まずは雑魚マッコイを人質にするべぇか?それとも2人ともさっさと殺すべぇかな?
アランはレベル118のHP7120です。。マッコイはレベル83のHP3790です。
2人ともランク7以上の防具を装備していますが、それでもエッサの通常攻撃を一撃喰らうだけでも、ダメージ1500以上にはなります。それが通常攻撃ではなく、威力が3倍の剣技ならば、マッコイは1発の剣技で瞬殺される事になります。
(ハァハァ…ハァハァ…絶対にこのだべぇ男、ヤバイ奴だ。外の警備兵を1人で倒せるなんて、今までやって来た敵国の百人規模の軍隊でも無理だったんだぞ。)
敵国の兵士の平均レベルは24ぐらいです。高くて30程度です。エッサならば武器も使わずに殴るだけで倒せる相手です。
「マッコイ、お前は下がって逃げる準備をしていろ。おそらく俺は奴には勝てない……時間稼ぎをするから後の事は任せたぞ。」
アランもエッサに勝てない事を瞬時に理解したようです。敵の正体がエッサだという事を王妃に伝える役目をマッコイに任せて、自分は決死の時間稼ぎをする事を選びました。
まずは右手に持った片手剣で、アランは先制攻撃の牙突衝を放ちました。片手剣に引っ張られるようにして、エッサとの間合いを瞬時になくす突進突きが発動しました。
『ガァン!』
剣先がエッサの胸鎧に衝突すると、高らかな金属音が地下迷宮に鳴り響きました。
「べぇ?それだけだべぇか?もっと本気で攻撃してもいいんだべぇよ?ほらほら、早く打ってくるべぇ。」
あまりにもエッサとアランでは総合的な実力差があり過ぎました。今の剣技でHP15000のエッサの、HPの2%しか減らす事が出来ませんでした。
(手応えをまったく感じなかった。巨大な岩山に剣を突き刺しているような感じだ。)
「フッ……アッハハハハハ、これでは時間稼ぎも難しいようだ。マッコイ!さっさと逃げろ!」
アランの指示を受けて、急いでマッコイは地下迷宮の出入り口に走って行きました。アランは盾を捨てて、片手剣を両手に握ると、エッサの前に立ち塞がりました。
(ガードは無意味。ただ攻撃あるのみ。)
「それは困るべぇ。出来れば2人にはココに残ってもらって、しばらくは応援に来た奴と1対1で戦いたいんだな。逃さないべぇよ。」
エッサもアランと同じ事を思いついたようです。2人を殺せば、地下迷宮の中でも3対1で戦う事になります。外に出て応援に来た全員と戦うよりはマシかもしれませんが、それでも有利な条件で確実に倒す方がいいはずです。
『ヒューン、ダァン…ダァン…ダァン…』とエッサが地面を力強く踏んで走るだけで、大きな音が鳴り響きます。マッコイ程度の敏捷でエッサから逃げられる訳がありません。両手剣を水平に構えると、マッコイの背中に思い切り、両手剣を叩きつけました。
『ガァン!……ダァン、ダァン…ズゥサァーーー。』
マッコイは吹き飛ばされると、硬い岩の地面に何度も何度も身体をぶつけながら、やっと止まる事が出来ました。まるで巨大なドラゴンに後ろからぶつかられたようです。
「ぐぅへへへへ、次にオラの許可なく動いたら両手両足を叩き斬るべぇよ。でも、用心して足の骨ぐらいは折っとくべぇ。」
身体中の痛みを我慢して、マッコイは出入り口に這って進みますが、エッサは容赦なく両手剣を両足に振り下ろしました。
『ゴオシャーン!』
「あっ…うぎゃあああーーー!!」
「やめろぉー!殺すつもりか!もう十分だろう。今すぐに回復薬を飲ませないとマッコイがショック死するぞ!」
「回復薬が勿体ないべぇ。それに誰の断りを得て、このダンジョンに入ってるべぇ?元々はオラの仕事だったのに、あとから来たお前達が横取りしたのがいけないべぇよ。自業自得だべぇよ。」
「お前は何を言っているんだ?俺達は王様から依頼されただけだし、お前を探索メンバーから外したのは王妃じゃないか。逆恨みもいいところだ。マッコイには罪はないはずだろう?」
「そんな事どうでもいいべぇーー!いちいち理由なんか必要ないべぇー!殺したいから殺しているだけだべぇー!オラの積もり積もった恨みはこの程度じゃ、全然晴れないべぇよ!もっともっと滅茶苦茶にぶっ壊してやるべぇ!ハァハァ、ハァハァ……」
どう考えても今のエッサは狂っています。親友の妻を陵辱したり、15人の兵士を簡単に殺したり、元の優しいエッサとは別人のようです。
(フゥフゥ…フゥフゥ…エミィが近くにいるべぇ。ルナも近くにいるべぇ。もっと残虐に冷酷に極悪非道になるべぇ。そうしないとあの女達の甘い言葉にまた騙されてしまうべぇ。)
エッサはエッサなりに苦しんでいるようです。エミィのお腹には自分の子供が宿っているのです。『王様にしてあげる』とか、『この子供の為に私を許して欲しいの』とエミィに言われたら、恨みを我慢して許してしまうかもしれません。そうなったら、また裏切られるだけです。いま非情にならなければ、いつ非情になればいいのでしょう?エッサは鬼になる事を決めました。
アランはレベル118のHP7120です。。マッコイはレベル83のHP3790です。
2人ともランク7以上の防具を装備していますが、それでもエッサの通常攻撃を一撃喰らうだけでも、ダメージ1500以上にはなります。それが通常攻撃ではなく、威力が3倍の剣技ならば、マッコイは1発の剣技で瞬殺される事になります。
(ハァハァ…ハァハァ…絶対にこのだべぇ男、ヤバイ奴だ。外の警備兵を1人で倒せるなんて、今までやって来た敵国の百人規模の軍隊でも無理だったんだぞ。)
敵国の兵士の平均レベルは24ぐらいです。高くて30程度です。エッサならば武器も使わずに殴るだけで倒せる相手です。
「マッコイ、お前は下がって逃げる準備をしていろ。おそらく俺は奴には勝てない……時間稼ぎをするから後の事は任せたぞ。」
アランもエッサに勝てない事を瞬時に理解したようです。敵の正体がエッサだという事を王妃に伝える役目をマッコイに任せて、自分は決死の時間稼ぎをする事を選びました。
まずは右手に持った片手剣で、アランは先制攻撃の牙突衝を放ちました。片手剣に引っ張られるようにして、エッサとの間合いを瞬時になくす突進突きが発動しました。
『ガァン!』
剣先がエッサの胸鎧に衝突すると、高らかな金属音が地下迷宮に鳴り響きました。
「べぇ?それだけだべぇか?もっと本気で攻撃してもいいんだべぇよ?ほらほら、早く打ってくるべぇ。」
あまりにもエッサとアランでは総合的な実力差があり過ぎました。今の剣技でHP15000のエッサの、HPの2%しか減らす事が出来ませんでした。
(手応えをまったく感じなかった。巨大な岩山に剣を突き刺しているような感じだ。)
「フッ……アッハハハハハ、これでは時間稼ぎも難しいようだ。マッコイ!さっさと逃げろ!」
アランの指示を受けて、急いでマッコイは地下迷宮の出入り口に走って行きました。アランは盾を捨てて、片手剣を両手に握ると、エッサの前に立ち塞がりました。
(ガードは無意味。ただ攻撃あるのみ。)
「それは困るべぇ。出来れば2人にはココに残ってもらって、しばらくは応援に来た奴と1対1で戦いたいんだな。逃さないべぇよ。」
エッサもアランと同じ事を思いついたようです。2人を殺せば、地下迷宮の中でも3対1で戦う事になります。外に出て応援に来た全員と戦うよりはマシかもしれませんが、それでも有利な条件で確実に倒す方がいいはずです。
『ヒューン、ダァン…ダァン…ダァン…』とエッサが地面を力強く踏んで走るだけで、大きな音が鳴り響きます。マッコイ程度の敏捷でエッサから逃げられる訳がありません。両手剣を水平に構えると、マッコイの背中に思い切り、両手剣を叩きつけました。
『ガァン!……ダァン、ダァン…ズゥサァーーー。』
マッコイは吹き飛ばされると、硬い岩の地面に何度も何度も身体をぶつけながら、やっと止まる事が出来ました。まるで巨大なドラゴンに後ろからぶつかられたようです。
「ぐぅへへへへ、次にオラの許可なく動いたら両手両足を叩き斬るべぇよ。でも、用心して足の骨ぐらいは折っとくべぇ。」
身体中の痛みを我慢して、マッコイは出入り口に這って進みますが、エッサは容赦なく両手剣を両足に振り下ろしました。
『ゴオシャーン!』
「あっ…うぎゃあああーーー!!」
「やめろぉー!殺すつもりか!もう十分だろう。今すぐに回復薬を飲ませないとマッコイがショック死するぞ!」
「回復薬が勿体ないべぇ。それに誰の断りを得て、このダンジョンに入ってるべぇ?元々はオラの仕事だったのに、あとから来たお前達が横取りしたのがいけないべぇよ。自業自得だべぇよ。」
「お前は何を言っているんだ?俺達は王様から依頼されただけだし、お前を探索メンバーから外したのは王妃じゃないか。逆恨みもいいところだ。マッコイには罪はないはずだろう?」
「そんな事どうでもいいべぇーー!いちいち理由なんか必要ないべぇー!殺したいから殺しているだけだべぇー!オラの積もり積もった恨みはこの程度じゃ、全然晴れないべぇよ!もっともっと滅茶苦茶にぶっ壊してやるべぇ!ハァハァ、ハァハァ……」
どう考えても今のエッサは狂っています。親友の妻を陵辱したり、15人の兵士を簡単に殺したり、元の優しいエッサとは別人のようです。
(フゥフゥ…フゥフゥ…エミィが近くにいるべぇ。ルナも近くにいるべぇ。もっと残虐に冷酷に極悪非道になるべぇ。そうしないとあの女達の甘い言葉にまた騙されてしまうべぇ。)
エッサはエッサなりに苦しんでいるようです。エミィのお腹には自分の子供が宿っているのです。『王様にしてあげる』とか、『この子供の為に私を許して欲しいの』とエミィに言われたら、恨みを我慢して許してしまうかもしれません。そうなったら、また裏切られるだけです。いま非情にならなければ、いつ非情になればいいのでしょう?エッサは鬼になる事を決めました。
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