上 下
105 / 122
第8.5章・ざまぁ編(エッサの場合)。

第105話・エッサの帰還。

しおりを挟む
『名前・エッサ。職業・暗黒魔法騎士。称号・レベルの発見者。プレイヤーキラー。魔王の親友。穢れた欲望者。レベル204。HP15325。MP4160。攻撃力1043。魔力1053。敏捷1150』

 両手剣『レーヴァテイン邪神ロキに鍛えられし剣』攻撃力1659。

 防具・ランク14。最大で攻撃ダメージの70%を軽減してくれる全身鎧。

(ぐぅへへへへ、今すぐにパパが迎えに行きますべぇ。エミィママはとりあえずお尻ペンペンで許してやるべぇ。ルナの奴は痛めつけて奴隷として、オラの城で飼ってやるべぇ!)

 レベル204?最強武具?はっ、卑怯者と罵りたいなら、好きにするんだべぇ。オラの辞書には恥という文字は存在しないんだべぇな。こうなったら、エミィとルナのダブルお尻ペンペンで、オラの心を傷つけた罰を受けてもらうんだな。そうだべぇ!そうするのが人の道なんだべぇな。うんだぁ。人の道は守らなければならねぇ。

 ピョンピョンとエッサはスキップしながら王都を目指します。今のエッサにはプレイヤーキラーの称号があります。王都の入り口で門番に止められてしまうのは目に見えていた結果です。

「おい!そこのお前。止まれ!この薄汚れた犯罪者め。白昼堂々と王都に何をしに来た。すぐに牢屋に入れやるから覚悟しろ!」

『名前・フレデリック。職業・王都の門番騎士。称号・王都の守り手。レベル52。HP2395。MP712。攻撃力183。魔力193。敏捷288。』

 ハァ~~、やれやれだべぇ。オラが誰だか分かっていないようだべぇ。

「オラの事を知らないようだべぇな。これからお前達の王様になる男だべぇ。跪いて、オラのキュートなお尻にキスするんだべぇ。……あっ!やっぱり気持ち悪いからしなくていいべぇ。」

「する訳ないだろうが!ムカつく奴だ。お前のレベルはいくつだ?レベル1だと軽く殴っただけで消滅してしまう恐れがある。死にたくなければ、無駄な抵抗はせずに大人しく捕まるんだな。」

ブーン、ザァン両手剣、薙ぎ払い!』

「ぎあぁ~~、コイツ、俺の両足を斬りやがった!」

 エッサが素早く両手剣で門番フレデリックの両足を切断しました。力の差を教えてやる必要があるようです。

 バタバタバタとエッサの周囲を王都の門番が取り囲んで行きます。一体何処から出て来たのでしょう。門番達はレベル50超えの16人程度です。武器も防具もランク5程度でしょうか。相手がエッサでなければ、相当な強さなのでしょうが、相手が悪過ぎたようです。

「こんな危険な奴、捕まえる必要はないぞ!殺せ、殺してしまえー!」

「テメェー、門番舐めんじゃねえぞ!」

ザァンザァンザァン、ガァンガァンガァン、ザァンザァンザァン………怒れる門番16人による斬って刺して殴っての総攻撃

 エッサは地面に倒されると16人の武装した門番に袋叩きに遭いました。抵抗する隙もなく、ただただ門番達に剣で身体中を突き刺され続けました。

「ハァハァ、ハァハァ、ハァハァ、ハッハハハハ、さすがにやり過ぎたようだな。」

「………昇竜斬天を裂く強斬り上げ!」

『ブーン、ザァン!サァーーー門番ガルシア消滅

 突然、1人の門番が消滅しました。

「何だ?誰がやった!出て来やがれ!」

 キョロキョロとエッサ以外にも危険なプレイヤーキラーがいると門番は勘違いしているようです。周囲を探しても誰もいませんよ。見るなら地面です。

「おいおいおい、今のは攻撃だべぇか?それともマッサージエッサのHPダメージ4320だべぇか?お前ら雑魚じゃ相手にもならないべぇ。さっさと家に帰って、女房かママのおっぱいでもしゃぶって来るんだべぇな。」

 エッサは地面に仰向けになりながら、器用にエリクサー完全回復薬を飲んでいました。HP回復は重要です。

「ヒィーー、コイツ、人間じゃねぇー!逃げろー、住民も急いで避難するんだ!」

 悲鳴を上げながら、周りにいた王都の住民や残りの門番達は逃げ出して行きました。王都の中に恐怖と悲しみが満ちて行きました。

「ぐぅへへへへ。さあ、新しい王様の帰還だへぇ。今日は盛大な血祭りで新国王のオラの戴冠式をお祝いするんだべぇ。」

 まさにエッサの理想そのものです。この世界は力が全てです。強ければ全てが思い通りです。城に立て篭もる逆賊共を一掃して、エッサの理想郷をここ王都に完成させるつもりです。




しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました

三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。 助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい… 神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた! しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった! 攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。 ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい… 知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず… 注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ

悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。 残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。 そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。 だがーー 月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。 やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。 それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】 私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。 2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます *「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています ※2023年8月 書籍化

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

処理中です...