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第8章・ざまぁ編。
第101話・入浴シーン。
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エッサとグロリアの2人はランク14の武器と防具を身に付けて、EXダンジョン『恐怖』の最上階90階を目指します。
ウルスラ戦を想定して、HPとMPを全回復させるアイテム『エリクサー』30本は出来るだけ温存する事にしました。現在はHP量が異常に多いグロリアが、機械兵士と、槍と盾を使って殴り合っていました。
『ドォス、ガァン!』
グロリアは右手に持った槍で機械兵士の胴体を刺すと、次に左手に持った盾で頭部を殴りつけます。殴りつけられた機械兵士はヨロヨロとふらつきました。敵が通常攻撃で怯むようになったら、実力差が出て来たか、体格差がある証拠ですが、この場合は単純に体格差かもしれません。
(直接的な人間同士の殴り合いなら、体格的に重量級のグロリアに分があるんだな。敵が同じ人型の中量級で助かったべぇ。まあ、次の『未知』に出現するモンスターは全部大型モンスターのドラゴンとかだから、次はこっちが体格差があり過ぎてヤバイんだべぇな。)
さすがにそこまでの危険を犯して、ランク15の最強装備は欲しくありません。ランク15の武器を最大まで強化すると、元々の攻撃力の4倍にもなります。現在のランク14でも元々の武器の3倍の攻撃力になりました。
「よーし!エッサ、さっさと次の階に行くぞ。」
早くもグロリアは3体目の機械兵士を倒したようです。武器と防具の性能のお陰ですが、少しペースが早いです。奥さんに早く会いたい気持ちが先行して、気が焦っているように見えました。
「そうだべぇな。さっさと次に進むんだべぇ。」
(まあ、奥さんに会うのにビビって、先に進めないよりはマシだべぇな。それにこの程度のモンスターに油断した状態で負けるようじゃ、オラの役には立たないべぇ。)
ハァハァとエッサは最上階の90階に近づくごとに呼吸が速くなって行きました。緊張している訳ではありません。もう何十日もむさ苦しいマッチョ男と四六時中行動していました。この先には美しい美女がエッサ達侵入者を待っているはずです。
エッサはまだ18歳です。お年頃なのです!そろそろお楽しみがなければやってられません。美女ならば見るだけでも目の保養になります。
(オラは2人の再会を後ろで見守っているんだな。……もしも、戦いになった時はオラも全力で全裸にするのをサポートするんだべぇな。うんだぁ。)
エッサは出来れば戦いたいようです。脱がせたいようです。でも、そんなに簡単に服を脱がせる事は出来ないはずです。戦いで妻の服が破れて行くのに、夫のグロリアがエッサを放って置く事はしないでしょう。必ず部屋から出て行くようにお願いするはずです。
◆
EXダンジョン『恐怖』の最上階に到着したエッサは、そこで信じられないものを見てしまいました。
『ぽちゃん。ぽちゃん。』と水の滴る音が聞こえて来ました。
「もう脱いでるべぇーーー!」
絶叫するエッサの目の前には、白いバスタブの湯船に浸かる全裸のウルスラさんがいました。エッサに気づくと手招きして微笑んで来ました。
「僕ちゃんも一緒に入るかい?」
「もちろんだべぇーー!今すぐに服を脱ぐから待っているべぇよ!」
エッサは邪魔な武器や防具を急いでアイテムボックスに収納すると、白いバスタブに頭から飛び込んで行きました。
『ゴォチーン!』
「ぎゃあああ~~!痛いべぇ。痛いべぇ。バスタブは何処に消えたんだべぇ。」
エッサは頭から床に落ちてしまいました。ゴロゴロと頭を押さえて床を転がり続けました。どうやら幻のウルスラを見せられていたようです。
「………エッサ、ウルスラは幻術を使う事が出来る。どんな幻を見せられていたのか聞かないが、早く服を着るんだな。」
「くうぅ~~、そういう重要な情報は早めに言って欲しかったべぇ。」
本にはそんなこと書かれていなかったべぇ。ウルスラさんの事で知っている情報は洗いざらい話して欲しかったんだな。でも、あの幻術を有無で言えば、ぐぅへへへへ、もちろん有りだべぇ。
「エッサ、あなたに謝りたい事があるの………」
今度はパジャマ姿のエミィがエッサには見えています。ウルスラの幻術は姿だけでなく、声まで再現できるようです。ゆっくりと幻術のエミィはパジャマを脱ぎ始めた行きました。
「45点はいいべぇ。紅蓮の炎よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」
『ヒューン、ドォーン!』
エッサの右手から炎の塊が飛び出しました。何故か目の前のエミィに向かわずに、左方向にカーブしながら、何もない空中で爆発しました。
「ごほぉごほぉ!……もう見つかっちゃったようね。意外とエロいだけでなくて、頭も回るようね。いいでしょう。遊ぶのはやめて戦って差し上げますわ。」
何もなかった空間から薄紫色の長い髪と、褐色の肌を持つ美しい女性が、咳き込みながら突然現れました。手に持っている武器はレイピアです。服は黒色のロングドレスを着ています。本物のウルスラで間違いないようです。
(エミィと同じ高飛車女でも、見た目が違うだけでこうも印象が違うんだべぇな。ウルスラさんに命令されたら靴の裏も喜んで舐めるんだな。)
残念ながらウルスラとの戦いは避けられないようです。覚悟を決めて彼女を倒すか、ここは一旦逃げる事を考えるしか方法はありません。でも、エッサとグロリアは残る事を選んだようです。
「エッサ、頼む。俺に力を貸して欲しい。」
「当たり前だべぇよ。さっさとやるべぇ!」
これが2人にとっての最後の戦いになるかもしれません。そして、エッサには夢を叶える最後のチャンスかもしれません。
ウルスラ戦を想定して、HPとMPを全回復させるアイテム『エリクサー』30本は出来るだけ温存する事にしました。現在はHP量が異常に多いグロリアが、機械兵士と、槍と盾を使って殴り合っていました。
『ドォス、ガァン!』
グロリアは右手に持った槍で機械兵士の胴体を刺すと、次に左手に持った盾で頭部を殴りつけます。殴りつけられた機械兵士はヨロヨロとふらつきました。敵が通常攻撃で怯むようになったら、実力差が出て来たか、体格差がある証拠ですが、この場合は単純に体格差かもしれません。
(直接的な人間同士の殴り合いなら、体格的に重量級のグロリアに分があるんだな。敵が同じ人型の中量級で助かったべぇ。まあ、次の『未知』に出現するモンスターは全部大型モンスターのドラゴンとかだから、次はこっちが体格差があり過ぎてヤバイんだべぇな。)
さすがにそこまでの危険を犯して、ランク15の最強装備は欲しくありません。ランク15の武器を最大まで強化すると、元々の攻撃力の4倍にもなります。現在のランク14でも元々の武器の3倍の攻撃力になりました。
「よーし!エッサ、さっさと次の階に行くぞ。」
早くもグロリアは3体目の機械兵士を倒したようです。武器と防具の性能のお陰ですが、少しペースが早いです。奥さんに早く会いたい気持ちが先行して、気が焦っているように見えました。
「そうだべぇな。さっさと次に進むんだべぇ。」
(まあ、奥さんに会うのにビビって、先に進めないよりはマシだべぇな。それにこの程度のモンスターに油断した状態で負けるようじゃ、オラの役には立たないべぇ。)
ハァハァとエッサは最上階の90階に近づくごとに呼吸が速くなって行きました。緊張している訳ではありません。もう何十日もむさ苦しいマッチョ男と四六時中行動していました。この先には美しい美女がエッサ達侵入者を待っているはずです。
エッサはまだ18歳です。お年頃なのです!そろそろお楽しみがなければやってられません。美女ならば見るだけでも目の保養になります。
(オラは2人の再会を後ろで見守っているんだな。……もしも、戦いになった時はオラも全力で全裸にするのをサポートするんだべぇな。うんだぁ。)
エッサは出来れば戦いたいようです。脱がせたいようです。でも、そんなに簡単に服を脱がせる事は出来ないはずです。戦いで妻の服が破れて行くのに、夫のグロリアがエッサを放って置く事はしないでしょう。必ず部屋から出て行くようにお願いするはずです。
◆
EXダンジョン『恐怖』の最上階に到着したエッサは、そこで信じられないものを見てしまいました。
『ぽちゃん。ぽちゃん。』と水の滴る音が聞こえて来ました。
「もう脱いでるべぇーーー!」
絶叫するエッサの目の前には、白いバスタブの湯船に浸かる全裸のウルスラさんがいました。エッサに気づくと手招きして微笑んで来ました。
「僕ちゃんも一緒に入るかい?」
「もちろんだべぇーー!今すぐに服を脱ぐから待っているべぇよ!」
エッサは邪魔な武器や防具を急いでアイテムボックスに収納すると、白いバスタブに頭から飛び込んで行きました。
『ゴォチーン!』
「ぎゃあああ~~!痛いべぇ。痛いべぇ。バスタブは何処に消えたんだべぇ。」
エッサは頭から床に落ちてしまいました。ゴロゴロと頭を押さえて床を転がり続けました。どうやら幻のウルスラを見せられていたようです。
「………エッサ、ウルスラは幻術を使う事が出来る。どんな幻を見せられていたのか聞かないが、早く服を着るんだな。」
「くうぅ~~、そういう重要な情報は早めに言って欲しかったべぇ。」
本にはそんなこと書かれていなかったべぇ。ウルスラさんの事で知っている情報は洗いざらい話して欲しかったんだな。でも、あの幻術を有無で言えば、ぐぅへへへへ、もちろん有りだべぇ。
「エッサ、あなたに謝りたい事があるの………」
今度はパジャマ姿のエミィがエッサには見えています。ウルスラの幻術は姿だけでなく、声まで再現できるようです。ゆっくりと幻術のエミィはパジャマを脱ぎ始めた行きました。
「45点はいいべぇ。紅蓮の炎よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」
『ヒューン、ドォーン!』
エッサの右手から炎の塊が飛び出しました。何故か目の前のエミィに向かわずに、左方向にカーブしながら、何もない空中で爆発しました。
「ごほぉごほぉ!……もう見つかっちゃったようね。意外とエロいだけでなくて、頭も回るようね。いいでしょう。遊ぶのはやめて戦って差し上げますわ。」
何もなかった空間から薄紫色の長い髪と、褐色の肌を持つ美しい女性が、咳き込みながら突然現れました。手に持っている武器はレイピアです。服は黒色のロングドレスを着ています。本物のウルスラで間違いないようです。
(エミィと同じ高飛車女でも、見た目が違うだけでこうも印象が違うんだべぇな。ウルスラさんに命令されたら靴の裏も喜んで舐めるんだな。)
残念ながらウルスラとの戦いは避けられないようです。覚悟を決めて彼女を倒すか、ここは一旦逃げる事を考えるしか方法はありません。でも、エッサとグロリアは残る事を選んだようです。
「エッサ、頼む。俺に力を貸して欲しい。」
「当たり前だべぇよ。さっさとやるべぇ!」
これが2人にとっての最後の戦いになるかもしれません。そして、エッサには夢を叶える最後のチャンスかもしれません。
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