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第8章・ざまぁ編。
第95話・信用できない。
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神の使徒《レベル90》との戦闘時間は約10分程度です。HP16万のグロリアとHP9万の神の使徒との戦いは、通常攻撃とお互いの槍技と剣技を避けずにぶつけ合うだけの、まさに獣同士のぶつかり合いです。
『ドォス!ザァン!ドォス!ザァン!|』
(次は20体倒してから引き返すべぇ。)
現在のエッサのレベルは53です。たったの15体倒しただけで、レベルが12も上昇しました。
「はぁはぁはぁ。エッサ、私はいつまで1人で戦わなければならないのだ?そろそろ、『難しい』の次の『恐怖』に進まないか?」
「ぺぇっ。なに調子に乗ってるべぇ!お前のレベル、たったの93だべぇ。『恐怖』に出現するモンスターは前にも言ったようにレベル150だべぇよ。お前なんか5分もあれば、殺されて岩田の所に行くだけだべぇよ。このオラが大丈夫だと言うまで、レベルを上げるんだべぇ!」
まったく分かってないべぇ。メインストーリーのラスボスなんて、メインキャラクターがレベルを馬鹿みたいに上げれば、簡単に倒せるぐらいの雑魚だべぇ。自惚れるんじゃないべぇ!
(でも、もしかすると?グロリアは1回倒されると第2形態に変身するかもしれないべぇ。試して見たいような、駄目なような。どうするべぇか?)
最終的にグロリアは第3形態まで変身します。でも、変身出来るのはメインストーリーだけかもしれません。リスクを犯して確認する必要はありません。
◆
『ドォス!サァーーー。』
グロリアは単独で、目標の神の使徒20体目を倒しました。やっぱり、戦闘時間は約10分程度は掛かります。
「ご苦労様だべぇ。一度浮遊城に戻って入手した武器を強化するべぇ。とりあえずは入手したランク11の槍を強化するだけで、もっと早く倒せるようになるはずだべぇ。防具は武器の強化素材に使うから、まだまだ着るのは我慢するべぇよ。」
(はぁはぁはぁ。おかしい?私の勘違いかもしれないが、エッサに上手く利用されている気がしてならない。)
「エッサ。前から聞きたいと思っていたが、ウルスラに私をここまで連れて来るように頼まれたらしいが、私を手伝って、お前に何か得する事があるのだろうか?私がエッサと同じ立場なら、見ず知らずの異世界人の頼みなど断ると思うのだが……。」
(ふっ。さすがに馬車馬のように、こき使えば、オラに対しての不信感を募らせるべぇな。)
グロリアはもしかすると、強力な武器や防具をこのダンジョンから手に入れる為に、エッサに騙されて利用されているのではないかと疑っています。ほぼ正解です。
「はぁ~~~。いいべぇよ。疑われるのは慣れているべぇ。異世界人のオラを信用できない気持ちはよく分かるべぇ。はぁ~~~。友達だと思ってたのは、オラだけだったんだな。……ひっぐぅ…ずぅ~~う!」
何も言わずに、エッサは後ろを向くと、帰り道を歩いて行きます。時折、涙を堪えて鼻をすする音が聞こえて来ます。無収入の時に、ロックタに金を貸してもらう為によく使った手です。まだ、腕は落ちていないようです。
(私はとんでもない勘違いをしていたのではないのか?この人間は本当に私の為を思って、付き合ってくれているだけなのかもしれない。)
エッサはチラチラとグロリアの様子をうかがっています。
(焦ったら駄目だべぇ。こいつは今、オラに対してちょっとした罪悪感を感じているだけだべぇ。謝罪しようと喋ろうとした瞬間を待つんだべぇ。)
エッサはグロリアが次に口を開く瞬間を待っています。グロリアに絶対に謝罪させてはいけません。謝罪させると小さな罪悪感が、謝罪の言葉と共に外に出て行ってしまいます。謝罪させずに胸の中にいつまでも残しておく必要があります。
「エッサ、済まな」
「謝らなくていいべぇ!オラだって、一緒に戦いたいべぇ!でも、オラのレベルは53だべぇ。クソ雑魚だべぇ。HPなんて4000しかないべぇ。あの天使の攻撃を3発喰らっただけで、あの世行きだべぇ。グロリアはオ、オラに死んで欲しいんだな!」
「違う!そん」
「嘘つかなくていいべぇ!優しい嘘はもう懲り懲りだべぇ。オラを少しだけ、1人にして欲しいんだな。」
「あっ、エッサ………。」
エッサは一度も後ろを振り返らずに歩き去って行きました。残されたグロリアはエッサの寂しそうな背中を見る事しか出来ませんでした。
◆
(ふぅ~~、演技は疲れるべぇ。さてと、このランク11の槍を浮遊城の強化マシンで強化するべぇ。素材が少ないから、2回しか強化出来ないべぇ。)
何事もなかったようにエッサは浮遊城の強化マシンを使っています。武器は10回まで強化出来ます。武器のランクによって違いますが、最大まで武器を強化すると、本来の攻撃力の1.5~4倍になります。今回は2回強化する事で、本来の1.2倍の攻撃力になりました。
(あとは落ち込んでいるグロリアの部屋に行って、この槍を渡して、『オラはここを出て行くべぇ。この槍があれば前よりは楽に勝てるようになるべぇ。頑張って、ウルスラさんに会うんだべぇよ。』とか言えば、オラを必死に引き止めるべぇ。まったく!手間かけさせるんじゃないべぇ。)
『ドォス!ザァン!ドォス!ザァン!|』
(次は20体倒してから引き返すべぇ。)
現在のエッサのレベルは53です。たったの15体倒しただけで、レベルが12も上昇しました。
「はぁはぁはぁ。エッサ、私はいつまで1人で戦わなければならないのだ?そろそろ、『難しい』の次の『恐怖』に進まないか?」
「ぺぇっ。なに調子に乗ってるべぇ!お前のレベル、たったの93だべぇ。『恐怖』に出現するモンスターは前にも言ったようにレベル150だべぇよ。お前なんか5分もあれば、殺されて岩田の所に行くだけだべぇよ。このオラが大丈夫だと言うまで、レベルを上げるんだべぇ!」
まったく分かってないべぇ。メインストーリーのラスボスなんて、メインキャラクターがレベルを馬鹿みたいに上げれば、簡単に倒せるぐらいの雑魚だべぇ。自惚れるんじゃないべぇ!
(でも、もしかすると?グロリアは1回倒されると第2形態に変身するかもしれないべぇ。試して見たいような、駄目なような。どうするべぇか?)
最終的にグロリアは第3形態まで変身します。でも、変身出来るのはメインストーリーだけかもしれません。リスクを犯して確認する必要はありません。
◆
『ドォス!サァーーー。』
グロリアは単独で、目標の神の使徒20体目を倒しました。やっぱり、戦闘時間は約10分程度は掛かります。
「ご苦労様だべぇ。一度浮遊城に戻って入手した武器を強化するべぇ。とりあえずは入手したランク11の槍を強化するだけで、もっと早く倒せるようになるはずだべぇ。防具は武器の強化素材に使うから、まだまだ着るのは我慢するべぇよ。」
(はぁはぁはぁ。おかしい?私の勘違いかもしれないが、エッサに上手く利用されている気がしてならない。)
「エッサ。前から聞きたいと思っていたが、ウルスラに私をここまで連れて来るように頼まれたらしいが、私を手伝って、お前に何か得する事があるのだろうか?私がエッサと同じ立場なら、見ず知らずの異世界人の頼みなど断ると思うのだが……。」
(ふっ。さすがに馬車馬のように、こき使えば、オラに対しての不信感を募らせるべぇな。)
グロリアはもしかすると、強力な武器や防具をこのダンジョンから手に入れる為に、エッサに騙されて利用されているのではないかと疑っています。ほぼ正解です。
「はぁ~~~。いいべぇよ。疑われるのは慣れているべぇ。異世界人のオラを信用できない気持ちはよく分かるべぇ。はぁ~~~。友達だと思ってたのは、オラだけだったんだな。……ひっぐぅ…ずぅ~~う!」
何も言わずに、エッサは後ろを向くと、帰り道を歩いて行きます。時折、涙を堪えて鼻をすする音が聞こえて来ます。無収入の時に、ロックタに金を貸してもらう為によく使った手です。まだ、腕は落ちていないようです。
(私はとんでもない勘違いをしていたのではないのか?この人間は本当に私の為を思って、付き合ってくれているだけなのかもしれない。)
エッサはチラチラとグロリアの様子をうかがっています。
(焦ったら駄目だべぇ。こいつは今、オラに対してちょっとした罪悪感を感じているだけだべぇ。謝罪しようと喋ろうとした瞬間を待つんだべぇ。)
エッサはグロリアが次に口を開く瞬間を待っています。グロリアに絶対に謝罪させてはいけません。謝罪させると小さな罪悪感が、謝罪の言葉と共に外に出て行ってしまいます。謝罪させずに胸の中にいつまでも残しておく必要があります。
「エッサ、済まな」
「謝らなくていいべぇ!オラだって、一緒に戦いたいべぇ!でも、オラのレベルは53だべぇ。クソ雑魚だべぇ。HPなんて4000しかないべぇ。あの天使の攻撃を3発喰らっただけで、あの世行きだべぇ。グロリアはオ、オラに死んで欲しいんだな!」
「違う!そん」
「嘘つかなくていいべぇ!優しい嘘はもう懲り懲りだべぇ。オラを少しだけ、1人にして欲しいんだな。」
「あっ、エッサ………。」
エッサは一度も後ろを振り返らずに歩き去って行きました。残されたグロリアはエッサの寂しそうな背中を見る事しか出来ませんでした。
◆
(ふぅ~~、演技は疲れるべぇ。さてと、このランク11の槍を浮遊城の強化マシンで強化するべぇ。素材が少ないから、2回しか強化出来ないべぇ。)
何事もなかったようにエッサは浮遊城の強化マシンを使っています。武器は10回まで強化出来ます。武器のランクによって違いますが、最大まで武器を強化すると、本来の攻撃力の1.5~4倍になります。今回は2回強化する事で、本来の1.2倍の攻撃力になりました。
(あとは落ち込んでいるグロリアの部屋に行って、この槍を渡して、『オラはここを出て行くべぇ。この槍があれば前よりは楽に勝てるようになるべぇ。頑張って、ウルスラさんに会うんだべぇよ。』とか言えば、オラを必死に引き止めるべぇ。まったく!手間かけさせるんじゃないべぇ。)
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