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第6章・エミィ編。

第74話・エミィ探索隊。

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 エミィとルナの2人は、国王セントワーズ三世を、身体を使って何とか説得出来ました。けれども、結果はエッサの思い通りには行かなかったようです。

「このオラがダンジョン探索の一同行者になるだなんて。あの王様め!オラの女を寝取っておいて、その程度の許可しか出さないなんて、人間の屑だべぇ。」

 エッサ達4人はレベル40以上の奴隷10人と、お城の兵士100人と一緒に地下迷宮攻略に向かっていました。エミィとルナの身体を使った説得で、何とか探索の協力者という名目で同行する事が許されただけでした。

「エッサ様、本当に脳筋奴隷3人に任せて大丈夫なのでしょうか?アイツらレベルは高いですが、知能の方はスライム程度しかありません。ただ敵に突っ込んで行くだけですよ。すぐに魔法でやられると思います。」

 うんだぁ。ロックタの言う通りなんだな。地下の深くに行けば行くほどに、厄介な魔法を使うモンスターが増えるんだな。くっくく。麻痺攻撃に毒魔法とアイツらが苦しみ悶えて死んで行く姿が、オラにはハッキリ見えるんだな。

「ロックタ、そんなこと言ったら駄目だべぇ。たとえ頭が悪くても、顔が悪くても、アイツらも一生懸命に強さだけで生きているんだべぇ。地下15階ぐらいで麻痺攻撃で動けなくなって、サソリモンスターに殺されても笑っちゃ駄目なんだべぇよ。」

「エッサ様?地下15階にはサソリのモンスターがいるんですか?だとしたら、3人に教えてあげないと大変ですよ!今すぐに教えて来ますね。」

 ギャランは気に食わない男ですが、王都で一番強い奴隷です。死なれては大変です。ロックタは危険な場所がある事を教えに行こうとしました。

「ロックタ!余計な事は教えなくていいべぇ!地下15階にサソリはいないし、砂漠でもないべぇ。全部、オラの妄想だべぇ。絶対に話すんじゃないべぇよ!」

 ふぅ~、この馬鹿たれが、オラの計画が破綻してしまう所だったんだな。可哀想だべぇが、奴隷達にはダンジョンで死んでもらうべぇ。さっさと全員死んで、オラ達と探索を交代するんだな。

 可哀想ですが、エッサの計画通りには行きません。エミィとルナはエッサが帰った後に、王様に別のお願いをしていました。

 ◆

「この女が俺達の4人目のメンバーなのか?レベル13とは昨日、金玉潰されたマッコイと一緒じゃないかよ。役に立つのかよ!」

 乱暴な声で下品なギャランが騒いでいます。ワザと周囲に聞こえるように言っているようです。ギャランとエミィのレベル差は40です。地下の最深部まで突っ走るつもりなのに、足手纏いがいては迷惑なようです。

 エミィはお城の兵士の代わりに、ギャラン達の地下迷宮探索のパーティーメンバーとして参加する事になりました。もちろん、エッサには教えていません。何度か地下迷宮を探索した経験があり、回復と魔法攻撃が可能な僧侶が一緒に探索する事で、生存率と成功率を上げる事が出来ると、王様を説得する事に成功しました。

「今日は様子見、程度です。私達のパーティーが地下9階まで到着したので、それ以上を目標に地下迷宮を探索して行こうと思います。」

「チッ。テメェーの歩く速度に合わせてたら、1日で済む仕事が、1ヶ月はかかりそうだぜ。」

 怖いもの知らずの脳筋は楽でいいわね。今日の目標は地下15階の砂漠地帯まで進むわよ。そこまで行けば、ボスモンスターがランク6の武具を落とすはずだから、王様にも献上出来るわね。毎日、少しずつ進めば、私のレベルも急上昇するし、奴隷3人も少しは強くなる。最終目標の地下19階も制覇出来るはずよ。これで、エッサとルナに、力尽くでどうにかされる心配はなくなるわね。

「おい、姉ちゃん!俺達は弱い奴に命令されるのは嫌いだ。何処まで進むかは好きに決めていいが、戦闘まで指示されるのは我慢できねぇ。そこんところは忘れんじゃねえぞ。」

 はぁ~、この3人とも強気なエッサタイプね。1人でもガンガン、モンスターを倒しながらダンジョンを突き進んで、『オレ強ぇ~!』とか心の中で叫びまくっている変態野郎じゃない。暴走する前にキチンと対策を考えないといけないわね。まあ、回復するだけでも地下15階までは行けそうだけどね。





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