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第6章・エミィ編。
第71話・お野菜大好き女装好き。
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『ワァ~!ワァ~!』
闘技場内は観客達の歓声と、血湧き肉躍る奴隷達の激しい戦いによって、今日も汗と血が飛び散っていました。
「こんな試合を見てても意味はないけど、エッサ様がいないと王都の外には出られないからなぁ~。」
奴隷一人で王都の外に出る行為は、主人から逃げて脱走したとしか思われません。門番達は一人残らず、職業や称号の良し悪しを直感で判断する事が出来ます。通過させても良い人物は通して、悪い人物はとりあえず牢獄に連れて行きます。
「そうねぇ、こんな試合を見てても称号は手に入らないでしょうね。でも、試合に出場すれば称号が手に入るかもしれないわよ?」
「エミィ様?いつからいたんですか。それよりも、試合に出場するだけで称号がもらえるなら苦労しませんよ。私もここで何度か試合に出場しましたが、称号は持っていませんよね。チャンピオンになれるぐらい強くならないと無理なんですよ。」
ロックタの闘技場での成績は0勝6敗と負け続けていました。そんなロックタだからこそ、10万Gという安い金額で、エッサは購入する事が出来たのでしょう。子供の奴隷は女性と同じぐらいの金額で取引きされます。通常ならば、20~25万Gはするはずでした。
「ふっふふ。私の言う通りにしたら、称号を獲得出来るわよ。でも、教えるには条件があるんだけど、ロックタは守れるかしら?」
特にエミィは条件を考えていませんでした。難しいものや、短期間限定とかの条件はやめた方が良さそうです。長期的で簡単な条件の方が、ロックタをジワジワとエミィの協力者に引き込む事も可能なはずです。それに途中でロックタに裏切られる危険もあるので、下手な条件も言えません。
とりあえず仲良くしましょう!は怪しまれるからやめておくとして、ロックタに利益があって、私に利益がある事はレベルを上げる事だけねぇ。だとしたら、条件はコレしかないわね。
「私のレベルアップに協力してもらうだけでいいわよ。ロックタも一人じゃ強くなるのは大変でしょう。駄目かしら?」
確かに闘技場の奴隷剣士達は対人戦で強くなったようなものですし、回復魔法の使えるエミィ様と一緒だと、何度怪我してもすぐに治してもらえますし、悪い条件ではなさそうですね。
「決まりみたいね。この服に着替えて、早速試合にエントリーしてもらうわよ。武器はネギと人参のどちらがいいかしら?どっちでもいいけど、人参だと小さいから観客には見えにくいかもね。二刀流でいいんじゃない。」
『ヒラヒラ。ピラピラ。』と可愛いスカートやフリルのついた上着が、エミィから渡された紙袋の中から出て来ます。どう考えても女物の洋服でした。
「エミィ様、もしかして私に女装して、ネギと人参を持って戦えと言っているんですか?そんな事したら、私が野菜大好き女装好きの変態奴隷だと思われてしまうじゃないですか!もしかして、私を揶揄って楽しんでいましたね!くだらない冗談はやめてください。」
ロックタは紙袋に服とネギと人参を戻すと、エミィに突き返しました。どう考えても、エミィの悪い冗談にしか思えませんでした。
「あら、やらないの?私の言う通りにして、もしも称号が手に入らなかったら、私の事を好きなようにしていいわよ。殺してもいいし、この身体を自由に楽しんでもいいわよ。でも、称号が手に入ったら、ちょっとだけ条件を増やさせてもらうわよ。」
「嫌なものは嫌です!そんなにやりたいなら、エミィ様がやればいいじゃないですか!私は絶対にやりませんよ。」
この奴隷め!エッサの言う事なら、女装でもしそうなのに、私の言う事は聞かないのね。だったら、エッサの事を上手く使えば行けるかもしれないわね。
「これはエッサの命令よ。さっさとこの服に着替えて、戦いなさい!それとも、ご主人様の命令でも嫌な事はしなくていいのかしら?これを着て戦うか、今日から闘技場に戻って奴隷として暮らすか、好きな方を選ぶといいわ。どっちも嫌でしょうけど、服は今日だけ着れば済むのよ。せいぜい、ロックタの好きな方を選ぶ事ね。。」
うぐぐ~、着るは一時の恥、着ぬは一生の恥。でも、エッサ様にこんな変態的な趣味があったとは?仕方ない、これも私が奴隷だからいけないのだ。やるしかないのだ!
「服を貸してください。すぐにエントリーして来ます。ハッ!下着まで!何というご主人様なんだ。仕方ない、仕方ないんだ。」
ロックタは急いで、受付にエントリーを済ませに走って行きました。観客席には、ギャラン達を殺す為に、エッサとルナの2人がいました。女装姿のロックタの勇姿を、チラッとは見ていたかもしれません。
闘技場内は観客達の歓声と、血湧き肉躍る奴隷達の激しい戦いによって、今日も汗と血が飛び散っていました。
「こんな試合を見てても意味はないけど、エッサ様がいないと王都の外には出られないからなぁ~。」
奴隷一人で王都の外に出る行為は、主人から逃げて脱走したとしか思われません。門番達は一人残らず、職業や称号の良し悪しを直感で判断する事が出来ます。通過させても良い人物は通して、悪い人物はとりあえず牢獄に連れて行きます。
「そうねぇ、こんな試合を見てても称号は手に入らないでしょうね。でも、試合に出場すれば称号が手に入るかもしれないわよ?」
「エミィ様?いつからいたんですか。それよりも、試合に出場するだけで称号がもらえるなら苦労しませんよ。私もここで何度か試合に出場しましたが、称号は持っていませんよね。チャンピオンになれるぐらい強くならないと無理なんですよ。」
ロックタの闘技場での成績は0勝6敗と負け続けていました。そんなロックタだからこそ、10万Gという安い金額で、エッサは購入する事が出来たのでしょう。子供の奴隷は女性と同じぐらいの金額で取引きされます。通常ならば、20~25万Gはするはずでした。
「ふっふふ。私の言う通りにしたら、称号を獲得出来るわよ。でも、教えるには条件があるんだけど、ロックタは守れるかしら?」
特にエミィは条件を考えていませんでした。難しいものや、短期間限定とかの条件はやめた方が良さそうです。長期的で簡単な条件の方が、ロックタをジワジワとエミィの協力者に引き込む事も可能なはずです。それに途中でロックタに裏切られる危険もあるので、下手な条件も言えません。
とりあえず仲良くしましょう!は怪しまれるからやめておくとして、ロックタに利益があって、私に利益がある事はレベルを上げる事だけねぇ。だとしたら、条件はコレしかないわね。
「私のレベルアップに協力してもらうだけでいいわよ。ロックタも一人じゃ強くなるのは大変でしょう。駄目かしら?」
確かに闘技場の奴隷剣士達は対人戦で強くなったようなものですし、回復魔法の使えるエミィ様と一緒だと、何度怪我してもすぐに治してもらえますし、悪い条件ではなさそうですね。
「決まりみたいね。この服に着替えて、早速試合にエントリーしてもらうわよ。武器はネギと人参のどちらがいいかしら?どっちでもいいけど、人参だと小さいから観客には見えにくいかもね。二刀流でいいんじゃない。」
『ヒラヒラ。ピラピラ。』と可愛いスカートやフリルのついた上着が、エミィから渡された紙袋の中から出て来ます。どう考えても女物の洋服でした。
「エミィ様、もしかして私に女装して、ネギと人参を持って戦えと言っているんですか?そんな事したら、私が野菜大好き女装好きの変態奴隷だと思われてしまうじゃないですか!もしかして、私を揶揄って楽しんでいましたね!くだらない冗談はやめてください。」
ロックタは紙袋に服とネギと人参を戻すと、エミィに突き返しました。どう考えても、エミィの悪い冗談にしか思えませんでした。
「あら、やらないの?私の言う通りにして、もしも称号が手に入らなかったら、私の事を好きなようにしていいわよ。殺してもいいし、この身体を自由に楽しんでもいいわよ。でも、称号が手に入ったら、ちょっとだけ条件を増やさせてもらうわよ。」
「嫌なものは嫌です!そんなにやりたいなら、エミィ様がやればいいじゃないですか!私は絶対にやりませんよ。」
この奴隷め!エッサの言う事なら、女装でもしそうなのに、私の言う事は聞かないのね。だったら、エッサの事を上手く使えば行けるかもしれないわね。
「これはエッサの命令よ。さっさとこの服に着替えて、戦いなさい!それとも、ご主人様の命令でも嫌な事はしなくていいのかしら?これを着て戦うか、今日から闘技場に戻って奴隷として暮らすか、好きな方を選ぶといいわ。どっちも嫌でしょうけど、服は今日だけ着れば済むのよ。せいぜい、ロックタの好きな方を選ぶ事ね。。」
うぐぐ~、着るは一時の恥、着ぬは一生の恥。でも、エッサ様にこんな変態的な趣味があったとは?仕方ない、これも私が奴隷だからいけないのだ。やるしかないのだ!
「服を貸してください。すぐにエントリーして来ます。ハッ!下着まで!何というご主人様なんだ。仕方ない、仕方ないんだ。」
ロックタは急いで、受付にエントリーを済ませに走って行きました。観客席には、ギャラン達を殺す為に、エッサとルナの2人がいました。女装姿のロックタの勇姿を、チラッとは見ていたかもしれません。
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