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第5章・シナリオ遂行編。
第62話・地下8階の戦い。
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「エミィは離れ過ぎだべぇ!もっと近くに来ないと、回復魔法が届かないべぇよ。」
「怖いから仕方ないじゃない!回復して欲しいなら、あんた達が私の所に来なさいよ!」
人選ミスだべぇ。回復魔法のヒールは、ファイヤーボールのように遠距離の仲間にも使えるんだべぇが、届く距離は8~10メートルなんだな。十分に敵と距離があると思ったべぇが、怖がりのエミィには近過ぎる距離だったんだな。
「仕方ないべぇ。ロックタとルナは急いで僧侶エミィを倒すべぇよ。間違っても味方の僧侶エミィを攻撃するんじゃないべぇよ!」
「えっ!人間の方じゃないの?紛らわしいわね。」
ルナは役立たずのエミィに喝を入れる為に弓矢を射ろうとしましたが、違ったようです。慌てて、敵僧侶に弓矢を向け直しました。
普通は間違えないべぇ。みんな、三体同時のボス戦で混乱しているみたいなんだな。オラが急いで魔術師エミィを倒さないと、パーティーが全滅するかもしれないべぇ。
「やぁ!はぁ!おりゃ!」
『ザァン、ザァン、ザァン!』とルドルフの剣を装備して、通常攻撃三連続でダメージ900を与えました。魔術師の残りHPは1500程度です。
これで魔術師は攻撃しないべぇ。魔術師はHPが減ると、逃げるか、回避行動を優先するようになるんだな。そして、戦士の首無しデュラハンはHPが低い味方から助けようとするから、オラの所に向かって来るはずなんだな。その隙にロックタとルナが僧侶を倒してくれればいいんだべぇが、それは2人の攻撃力的に無理なんだな。くっふふふふ。だからこそ、エミィに頼るしかないんだべぇ。
「エミィ!オラのルドルフの剣をそっちに投げるから、ロックタ達と急いで、僧侶エミィを倒すんだべぇ!たったの3回ぐらい斬れれば倒せるはずだべぇ。オラ達の命はエミィにかかっているべぇ。急ぐんだべぇよ!」
『ブゥンブゥンブゥンブゥン、ガァツゥ!』
エミィの方に向かって、エッサは剣を投げました。グルグル回転しながら、エミィの8メートルぐらい前の、柔らかい地面に突き刺さりました。
「ちょっと、私は後衛なんでしょう!剣なんて使えないわよ。ロックタにやらせなさいよ!」
「ロックタと私は攻撃中よ!手が空いているのは、あんたしかいないわよ!私達が死んだら、次はあんたが殺されるんだからね!それとも、仲間を見捨てて逃げ出そうとか考えてないでしょうね?」
エッサの嘘つき!全然作戦と違うじゃない。ダンジョンから逃げるのは出来るけど、山道にもモンスターは出るのよ。私1人で王都に帰れる訳ないでしょう。逃げて1人で戦うのと、逃げずに4人で戦うのなら、残って戦うに決まっているでしょう!覚えてなさいよ。
「今回だけだからねぇ。2人とも、しっかりと私が怪我しないようにサポートするのよ。」
うんだぁ。それでいいんだな。でも、それで走っているつもりならオラがヤバイんだな。さっさと剣を拾って、僧侶を倒すんだな。
エッサは予備のジェネラルソード+4を装備して、剣技で魔術師を攻撃します。剣技は大技ほど威力は上がりますが、使用後の硬直時間が長くなります。
「はっ!りぁ!おりゃ!三連突き!豪・昇竜斬!」
トータル予想ダメージ2000を超えるエッサの通常攻撃と剣技を組み合わせたコンボ技です。1つだけ問題があるとしたら、剣技使用後の硬直時間ではなく、その威力です。
『ザァンザァンザァン、ドォスドォスドォス、ゴォシャン!サァーーー。』
合計7連続攻撃によって、魔術師エミィは残りHP1500を一気に失ってしまい、灰になって消えてしまいました。エミィの方はやっと剣を拾って、敵僧侶に向かって行く所でした。
「ちょっと、エッサ!1人で倒せるならそう言ってよ!私が怪我したらどうするのよ!さっさとその首無しも1人で倒しなさいよね。」
だから、エミィに知られるのは嫌だったんだべぇ。この辺のボスモンスターのレベルは28~30ぐらいだから、オラ1人でも無理すれば倒せるんだべぇ。。問題は地下9階からモンスターの基本ステータスが倍になるから、難易度が跳ね上がるんだな。つまりは地下8階程度のボスモンスターぐらいは、エミィ達だけで倒せなければ、この先に進むのは無理なんだな。
「エミィ達3人で残りの僧侶と戦士を倒せないようなら、オラのパーティーには必要ないんだな。特に役立たずのエミィを置いておくぐらいなら、代わりの僧侶を探した方がマシなんだな。エミィが村に帰りたいのなら、戦わなくていいべぇよ。この先どうなるかは、エミィの行動次第だべぇ。」
エッサのくせに、この私を捨てるつもりなの!この偽村人のくせに!すぅ~はぁ~。冷静に考えるのよ。退屈な村に戻るぐらいなら、死んだ方がマシよ。でも、まだ王都で1人で暮らせる力はないわ。今はまだエッサの言う事を聞くしかないのよ。大丈夫!あいつの通常攻撃なら1、2回当たっても倒されたりしないはずよ。やるしかないのよ。
「やぁ~~~~~!」
エミィは杖を捨てて、剣に持ち替えました。高々と剣を持ち上げて、敵僧侶に向かって走って行きました。残念ながら、走っているかは微妙な速さでしたが、今のエミィの全速力です。
『ザァン!サァーーー。』
エミィの上から剣を振り下ろすだけの一撃でしたが、HPが残り僅かだった敵僧侶にはトドメの一撃になってしまったようです。灰になって消えると地面にはキラキラ光る丸い石が落ちていました。
「うそ、こんなに簡単に倒せるの?」
「エミィ様、まだ首無しのデュラハンが残っています。油断しないでください!私が前衛で戦うので、回復魔法でサポートしてください!」
「分かってるわよ!行くわよ。」
うんだぁ。そうだべぇ。オラの為に仲間の絆を深めるんだべぇ。そうしないとプロデューサーのシナリオ通りに進まないんだな。オラの輝かしい未来の為に、みんなには今よりも強くなってもらわないと困るんだな。くっふふふふ。オラの手足となって、一生死なない程度に働いてもらうんだな。
「怖いから仕方ないじゃない!回復して欲しいなら、あんた達が私の所に来なさいよ!」
人選ミスだべぇ。回復魔法のヒールは、ファイヤーボールのように遠距離の仲間にも使えるんだべぇが、届く距離は8~10メートルなんだな。十分に敵と距離があると思ったべぇが、怖がりのエミィには近過ぎる距離だったんだな。
「仕方ないべぇ。ロックタとルナは急いで僧侶エミィを倒すべぇよ。間違っても味方の僧侶エミィを攻撃するんじゃないべぇよ!」
「えっ!人間の方じゃないの?紛らわしいわね。」
ルナは役立たずのエミィに喝を入れる為に弓矢を射ろうとしましたが、違ったようです。慌てて、敵僧侶に弓矢を向け直しました。
普通は間違えないべぇ。みんな、三体同時のボス戦で混乱しているみたいなんだな。オラが急いで魔術師エミィを倒さないと、パーティーが全滅するかもしれないべぇ。
「やぁ!はぁ!おりゃ!」
『ザァン、ザァン、ザァン!』とルドルフの剣を装備して、通常攻撃三連続でダメージ900を与えました。魔術師の残りHPは1500程度です。
これで魔術師は攻撃しないべぇ。魔術師はHPが減ると、逃げるか、回避行動を優先するようになるんだな。そして、戦士の首無しデュラハンはHPが低い味方から助けようとするから、オラの所に向かって来るはずなんだな。その隙にロックタとルナが僧侶を倒してくれればいいんだべぇが、それは2人の攻撃力的に無理なんだな。くっふふふふ。だからこそ、エミィに頼るしかないんだべぇ。
「エミィ!オラのルドルフの剣をそっちに投げるから、ロックタ達と急いで、僧侶エミィを倒すんだべぇ!たったの3回ぐらい斬れれば倒せるはずだべぇ。オラ達の命はエミィにかかっているべぇ。急ぐんだべぇよ!」
『ブゥンブゥンブゥンブゥン、ガァツゥ!』
エミィの方に向かって、エッサは剣を投げました。グルグル回転しながら、エミィの8メートルぐらい前の、柔らかい地面に突き刺さりました。
「ちょっと、私は後衛なんでしょう!剣なんて使えないわよ。ロックタにやらせなさいよ!」
「ロックタと私は攻撃中よ!手が空いているのは、あんたしかいないわよ!私達が死んだら、次はあんたが殺されるんだからね!それとも、仲間を見捨てて逃げ出そうとか考えてないでしょうね?」
エッサの嘘つき!全然作戦と違うじゃない。ダンジョンから逃げるのは出来るけど、山道にもモンスターは出るのよ。私1人で王都に帰れる訳ないでしょう。逃げて1人で戦うのと、逃げずに4人で戦うのなら、残って戦うに決まっているでしょう!覚えてなさいよ。
「今回だけだからねぇ。2人とも、しっかりと私が怪我しないようにサポートするのよ。」
うんだぁ。それでいいんだな。でも、それで走っているつもりならオラがヤバイんだな。さっさと剣を拾って、僧侶を倒すんだな。
エッサは予備のジェネラルソード+4を装備して、剣技で魔術師を攻撃します。剣技は大技ほど威力は上がりますが、使用後の硬直時間が長くなります。
「はっ!りぁ!おりゃ!三連突き!豪・昇竜斬!」
トータル予想ダメージ2000を超えるエッサの通常攻撃と剣技を組み合わせたコンボ技です。1つだけ問題があるとしたら、剣技使用後の硬直時間ではなく、その威力です。
『ザァンザァンザァン、ドォスドォスドォス、ゴォシャン!サァーーー。』
合計7連続攻撃によって、魔術師エミィは残りHP1500を一気に失ってしまい、灰になって消えてしまいました。エミィの方はやっと剣を拾って、敵僧侶に向かって行く所でした。
「ちょっと、エッサ!1人で倒せるならそう言ってよ!私が怪我したらどうするのよ!さっさとその首無しも1人で倒しなさいよね。」
だから、エミィに知られるのは嫌だったんだべぇ。この辺のボスモンスターのレベルは28~30ぐらいだから、オラ1人でも無理すれば倒せるんだべぇ。。問題は地下9階からモンスターの基本ステータスが倍になるから、難易度が跳ね上がるんだな。つまりは地下8階程度のボスモンスターぐらいは、エミィ達だけで倒せなければ、この先に進むのは無理なんだな。
「エミィ達3人で残りの僧侶と戦士を倒せないようなら、オラのパーティーには必要ないんだな。特に役立たずのエミィを置いておくぐらいなら、代わりの僧侶を探した方がマシなんだな。エミィが村に帰りたいのなら、戦わなくていいべぇよ。この先どうなるかは、エミィの行動次第だべぇ。」
エッサのくせに、この私を捨てるつもりなの!この偽村人のくせに!すぅ~はぁ~。冷静に考えるのよ。退屈な村に戻るぐらいなら、死んだ方がマシよ。でも、まだ王都で1人で暮らせる力はないわ。今はまだエッサの言う事を聞くしかないのよ。大丈夫!あいつの通常攻撃なら1、2回当たっても倒されたりしないはずよ。やるしかないのよ。
「やぁ~~~~~!」
エミィは杖を捨てて、剣に持ち替えました。高々と剣を持ち上げて、敵僧侶に向かって走って行きました。残念ながら、走っているかは微妙な速さでしたが、今のエミィの全速力です。
『ザァン!サァーーー。』
エミィの上から剣を振り下ろすだけの一撃でしたが、HPが残り僅かだった敵僧侶にはトドメの一撃になってしまったようです。灰になって消えると地面にはキラキラ光る丸い石が落ちていました。
「うそ、こんなに簡単に倒せるの?」
「エミィ様、まだ首無しのデュラハンが残っています。油断しないでください!私が前衛で戦うので、回復魔法でサポートしてください!」
「分かってるわよ!行くわよ。」
うんだぁ。そうだべぇ。オラの為に仲間の絆を深めるんだべぇ。そうしないとプロデューサーのシナリオ通りに進まないんだな。オラの輝かしい未来の為に、みんなには今よりも強くなってもらわないと困るんだな。くっふふふふ。オラの手足となって、一生死なない程度に働いてもらうんだな。
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