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第5章・シナリオ遂行編。

第61話・絶対に勝てる作戦。

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「すぅ~、すぅ~。」

「休憩は終わりだべぇ。エミィは起きるんだべぇ。」

 昼食後にゆっくりと、1時間も休憩する事になってしまいました。体力の無い非戦闘員はパーティーの足手まといになってしまうので、ダンジョンでしっかりと鍛えなくてはいけません。

「オラの作戦をよく聞いて覚えるんだべぇよ。ボスモンスター三体は簡単に言えば、戦士、魔術師、僧侶のパーティーだべぇ。オラ達で考えると、ロックタが戦士で、エミィが2人いて、魔術師と僧侶をやっているんだな。ロックタなら、この中で一番初めに倒すなら誰にするんだな?」

「私なら範囲攻撃と遠距離攻撃が可能な魔術師エミィを倒します。」

 このガキ、今何って言った!この私を倒すですって?やれるもんなら、やってみなさいよ!レベルが私よりも低いくせに生意気よ。

「うんだぁ。オラも魔術師エミィを最初に倒すべきだと思っているべぇ。ルナは魔術師の次は誰を倒した方がいいか分かるべぇか?」

「どっちでもいいとは思うけど、倒しやすいエミィから先に倒した方がいいんじゃない。」

 どっちでもいいなら、ロックタを倒しなさいよ!私はあんた達と違って、一般人なのよ。最近までお花を摘んでいただけの美少女なんだから、こんなダンジョンなんかに居ていい、人間じゃないんだからね。

「うんだぁ。オラも残ったエミィを倒した方がいいと思っているべぇ。エミィもそれでいいべぇな?」

 わざわざ、突っ込まないわよ。

「えぇ、私もそれでいいと思うわ。魔術師エミィと僧侶エミィを先に倒せばいいのね。でも、戦士ロックタは誰が相手をするの?さすがに魔術師エミィを倒すまでは、足止め役が必要でしょう?」

 コイツらは私を怒らせたいだけね。いちいち相手にしてやらないんだから。それよりも、私とロックタとルナで敵の僧侶エミィと戦って、エッサが魔術師エミィと戦うなら、敵の戦士ロックタがフリーじゃない。私達が仲間の魔術師と僧侶を倒すまで待ってくれないわよ。

「エミィ、よく気づいたんだな。そこは問題ないべぇ。さっき、ルナが言ったように戦士と僧侶はどちらを先に倒しても問題ないべぇ。だから、戦士が攻撃して来たら、そっちを優先して相手をするんだな。」

 敵戦士が魔術師と戦っているエッサの方に向かって行った場合は、エミィ達3人がエッサを援護しないといけません。逆にエミィ達3人が魔術師と戦っていた場合は、エッサが援護に行かないといけません。

「魔術師と僧侶の区別は見た目じゃ分からないべぇ。足下に出現する魔法陣の色が黄色なら、魔術師で、白色なら僧侶だべぇ。魔術師に魔法を使わせたら絶対に駄目なんだな。」

 はぁ?何でエッサはそんな事まで知ってるのよ。

「ねぇ、エッサ?何で戦った事もない相手の事をそんなに詳しく知っているのよ。前から思ってたけど、ダンジョンも迷わずに進んでいるし、本当は前に来た事あるんじゃないの?」

 エミィだけでなく、ルナもロックタも前から思っていた事です。エッサは本の事を誰にも知られないように秘密にしています。最近では人前で本を読まないように気をつけてもいます。本の存在は絶対に隠し通さないといけません。

「バレてしまったべぇか。恥ずかしくて、みんなには秘密にしてたべぇが、前に1人で挑戦した時に殺されかけたんだな。だから、今度は絶対に勝てるように最高の仲間を集めたんだな。みんなの力をオラに貸して欲しいだな。」

 もちろん、嘘です。エッサが話したボスモンスター三体の倒し方も、細かい注意点まで本に載っています。エッサは本の内容を話しただけです。

「そうだったんですね。エッサ様も負けそうになると聞いて、ちょっと安心しました。今まで一度も負けた事のない天才剣士なのかと思っていましたよ。」

「しょうがないわねぇ~。ダンジョン探索のお金も、15万Gも貰っているし、エッサの為じゃないけど頑張っちゃおうかしら?」

 ロックタとルナの2人はエッサの嘘を信じたようです。エミィだけが、納得していないようですが、何も言わないので問題ないでしょう。エッサと仲間達は本の通りにボスモンスター三体と戦いに行きました。必ず勝てる作戦なので、きっと勝つ事が出来るでしょう。




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