禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか？

第4章・パーティーメンバー編。

第44話・臨時パーティー終了。

　古代遺跡の1階から4階までに出現するモンスターは、スケルトン系と呼ばれる二足歩行の骸骨や、ウルフ系と呼ばれる四足歩行の狼です。

「紅蓮の焔よ！敵を焼き尽くせ！ファイヤーボール！」

　エッサはフローラちゃんに魔力が上昇するルドルフの剣を持たせると、後衛から初級炎魔法を使わせます。見事に数秒間だけ自動追尾する炎の塊がスケルトンファイターに直撃しました。

『ドォン！サァーーー。』と小さな爆発音が聞こえると、スケルトンファイターは灰になって消えました。

「フローラちゃん、その調子だべぇ。この辺のモンスターはほとんど一撃で倒せるような雑魚ばかりだから、ドンドン倒してみるんだべぇ。」

「でも、何だかモンスターさん達が可哀想です。」

「そんな事、気にしなくていいべぇ！こういうダンジョンは1回外に出て、また入ればすぐにモンスターが復活するように出来てるべぇ。今日は1階にいる二体のボスモンスターを倒したら、それを3回ほど繰り返して終わるべぇ。」

　1回ダンジョンの外に出れば、倒したボスモンスターも復活するから、好みの武具が出るまで何度も挑戦出来ます。首無しの鎧のデュラハンは武器を落とします。分かれ道の右を進んだ先にいる、獅子と蛇と蝙蝠の『キメラ』を倒すと防具を落とします。エッサも腕と足を守るランク1の防具をここで調達していました。

「フローラ、その剣見せてくれないか。どうも見た事がないんだよなぁ～？王都で売ってある剣も他所の国で売ってある剣も、そこそこは知っているんだが、魔法の威力を高める剣なんて聞いた事がないぞ。」

　それは当然だべぇ。メインキャラクター限定武器で、この世界に一本しかないレア物だべぇ。オラ達のようなサブキャラやおまけサブキャラが持てるような代物じゃない貴重な品なんだべぇ。

「エッサさん、この剣は何処で買ったんですか？もしかして、呪われた武器を鑑定したんですか？」

「そんな事ねぇべぇ。たまたま遭遇した強そうなモンスターを倒したら、その剣を落としただけだべぇ。なんとなく強化してたら、そうなったべぇ。」

　確かに呪われた武器を鑑定すると、思いのほかに凄い武器があるらしいべぇさぁ。でも、ストーリー後半に行ける敵の世界で拾って来た武器限定だべぇ。たまに行商人の人がランダムで売りに来るけど、高いお金を払って、微妙な特殊効果の武器は欲しくないべぇ。

　エッサとザックは前衛と後衛を交代しながら、地下4階まで進んでいます。地下1階程度では楽勝過ぎて、すぐに終わってしまいます。地下1階ごとのモンスターの数は30体程度です。30分もあれば全てのモンスターを倒して、下の階に移動出来ました。

「フローラちゃん、今のレベルはどのくらいだべぇ？」

『名前・フローラ。職業・見習い魔術師。称号・酒場の看板娘。レベル9。HP４２０。MP１９６。攻撃力28。魔力１２５。敏捷１０８。』

「レベル9です。魔力も１２５になっていました。」

「さすがは俺の娘だなぁ～！凄いぞ、フローラ！」

　予想通りに魔力の伸び方は凄いんだども、それ以外は村人よりも酷いもんだべぇ。可愛い顔で、魔法が使えなければ人生終わってただな。うんだぁ。

「とりあえず今日は帰るんだべぇ。パーティーメンバーなら、レベルアップするようだから、明日からは戦闘が得意な人を探してみるべぇ。」

　この2人は臨時のパーティーメンバーです。毎日のように長時間の探索は協力してくれません。フローラちゃんの協力で古代遺跡の探索には、魔術師タイプよりも戦士や剣士のような接近戦が得意な職業の方が向いている事が分かりました。

　やっぱり、最低1人は常に一緒に行動してくれる仲間が必要だべぇ。出来れば可愛い女の子と一緒が一番だべぇ。頑張って探してみるんだなぁ。