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第3章・武器強化編。

第37話・ルドルフの剣。

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『ドォス、ドォス、ドォス!サァーーー。』と4体目の幽霊船長が三連突きで倒されました。倉庫の床にはキラキラ光る丸い石が落ちていました。

「オラ、とんでもねぇ事やっちまっただぁ!本来なら救世主様達が倒すボスモンスターを、オラが倒してしまうなんて、天に唾を吐く行為だぁ!オラは罪人だぁ!」

 いやいや、もしかするとキャラクターデザイン様か、モンスターデザイン様が新しい幽霊船長を用意してくれるかもしれねぇ。うんだぁ。なら安心して、落ちてるアイテムと毒除けのお守りを持って行くべぇ。

「やっぱりおかしいんだなぁ?オラのステータスで幽霊船長を倒せるとは思えねぇ。それに幽霊船長を倒したら強くなった気がするし。まさか、幽霊船長と戦っただけで、経験値が4万も貰えねぇべぇ?」

 オラの計算では次のレベルアップには経験値が4万ちょっと必要だべぇ。さすがにスライム1匹が経験値21なのに、幽霊船長の経験値が4万とかありえねぇ。とりあえずはレベルアップしたか、確認するべぇ。

『名前・エッサ。職業・魔法剣士。称号・王都の貢献者。レベル22。HP1045。MP352。攻撃力93。魔力103。敏捷218。』

「んんっ?」

 オラのステータスを見たつもりだったんだけど、別の人のステータスでも見てしまっただか?もう一度、確認するべぇ。うんだぁ。

『名前・エッサ。職業・魔法剣士。称号・王都の貢献者。レベル22。HP1045。MP352。攻撃力93。魔力103。敏捷218。』

「んんっ?やっぱりおかしいんだなぁ?オラの名前は合ってるけど、他の部分が全然違うんだなぁ。んんっ~~~、この称号の王都の貢献者って、もしかすると、あれの事なのか?」

 まさかとは思うけど、鉄鉱石と銀鉱石の取れる場所を教えた事で、王様から書状をもらった事とレベルアップが関係するんじゃねぇのか。だとしたら、オラのステータスに変化が起こったのは、それが原因かもしれねぇ。でも、レベル22とは一気に上昇したなぁ。

「とりあえずは強くなるのは問題ねぇ。でも、救世主様達が使う武器を手に入れられるとは思わなかったべぇ。この片手剣『ルドルフの剣』は攻撃力が0で、魔力が55という変わった性能を持っているからなぁ。でも、強化すれば最強の装備になるという凄え武器なんだな!」

 パラパラと本をめくって再確認します。1回目の強化で魔力150で、2回目の強化で魔力185になる強力な武器です。強化に必要な素材が特殊で鉄鉱石や銀鉱石ではありません。

「この辺のモンスターを倒していたら手に入る『海鉱石(かいこうせき)』が10個必要なんだな。手当たり次第に倒していれば簡単に手に入るんだな。夕方に船が来るから、それまでに最低で10個集めないといけねぇ。」

 第二段階までの強化をするには、海鉱石が合計で30個必要だから、しばらくはこの貸し切り状態の難破船で頑張るしかねぇな。今のオラならMPにも余裕があるし、魔法剣士なら魔法を使っても、通常の消費MPで魔法も使えるはずだべぇ。

「紅蓮の焔よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」

『ドォン!』

 エッサの右手の手の平から炎の塊が勢いよく撃ち出されました。真っ直ぐに飛んで行くと、空中を泳いでいた魚モンスターに直撃しました。小さな爆発音が難破船の中に広がって行きました。

「これでモンスターがオラの所に集まって来るべぇ。さらに集まって来たモンスターを派手な魔法で倒し続ければ、一歩も動かずに目的達成だべぇ。」

 使うなら弱点属性の雷魔法『ライトニング』だべぇ。攻撃範囲は狭いけど、一直線に敵を貫通して、ダメージを複数に与える事が出来るべぇ。ここにいるモンスターなら8発当てれば確実に倒せるなぁ。

「あれ?でも、オラのMPが満タンでも50回しか使えねぇぞ?もしかして、ヤバイんでねぇのか?それに呪文を途中で噛むとヤバイんでねぇのか!」

『ウニョウニョ。ペタペタ。フヨフヨ。』と沢山のモンスターの気配が近づいて来ました。

 オラ、調子に乗ってしまっただ!トリトンさんでも、3匹以上は同時に戦えないと言ってたのに、3匹以上のモンスターが釣れていまっただ!今すぐにキャッチアンドリリースするか、返品をお願いしたいんだなぁ。

「あぁ~!もう手遅れなんだぁ~。やるしかねぇ。やるしかねぇんだ。行くどぉ!」

 エッサは魔法を使わずに、飛ぶ斬撃の斬空波を振り続けました。畑で鍬を振り下ろし続けたので、1日300回ぐらいの斬空波にも何とか耐え切りました。
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