12 / 122
第一章・村人編
第12話・村人ではない者。
しおりを挟む
「おりゃー!おりゃー!当たったら、死んじまうぞぉー!」
ブゥンブゥンと剣をデタラメに振り回しながら、エッサは人垣が薄い場所に突っ込んで行きます。この先を真っ直ぐに進めば森の中に隠れる事が出来ます。エッサの狙い通りに死にたくない、5~6人の村人が逃げるように道を開けてくれました。
「何してるんだぁー!そいつを逃せば、次は仲間を一杯連れてやって来るぞぉ~!何としても捕まえて殺すんだぁ~!」
エミィの父ちゃんのゴンゾウが、逃げるエッサの背中を狙って、力一杯、竹槍を投げ付けました。
『ヒューーー、ドォス!』
「うぐぅ!」
竹槍の軌道が左に少し逸れた事で、背中には直撃しませんでした。けれども、エッサの左脇腹を僅かに削り取ってしまいました。
ふぅ~、ふぅ~、痛い!絶対に血が出ているやつだぁ。でも、傷口は見ちゃいけねぇ。見たら心が折れしまうぅ。オラはみんなを傷付けたくねぇのに、酷えよぉゴンゾウさん!
「はぁはぁはぁ。もう少しの辛抱だぁ。」
このまま森の中に入れば隠れられる。流石にみんなも、そこまでは追って来ないはず。でも、もしも、森の中まで追いかけて来たら?森の中にはモンスターがいるのに、そんな所にみんなを連れて行くのは出来ねぇ!オラは、どうしたらいいんだぁ~?
「いや、構わねぇ!どうせ、死んだ村人の代わりは、キャラクターデザイン様が作り直してくれるぅ~!どうせなら、さっき2、3人ぶっ殺していても良かったんだぁ~!行くどぉ~!死にてぇーい奴はオラについて来い!」
エッサは西の森を目指して走ります。ご丁寧にマップデザイン様が用意した入り口から入るつもりはありません。デザイン様にも色々あるらしくてぇ~、マップデザイン様はオラのような村人は作らねぇらしい。何でも担当があるらしいんだぁ~。神様も大変だなぁ!
『ズゥボォ。ガサガサ、ガサガサ、ガサガサ。』
「痛たたたた!傷口に葉っぱ当たって痛ぇ~よぉ~。何でオラが何でこんな目に遭わないといけないけろ?きっとキャラクターデザイン様がオラがいないなったから、代わりのオラを新しく作ったのが原因だべぇ!プロデューサー様にこってりと、しぼられたらいいんだべぇ。」
そんなに奥までは行かなくていいけろ、心配なのは、モンスターよりも村人だぁ~。その辺の茂みに隠れていれば、モンスターは絶対に通路しか通らないからいいけど、村の衆は草の根分けて、オラを探しそうな勢いだったからなぁ~。
「ぐぅ~~~。はぁ~~、腹減ったなぁ~。これから、オラはどうすればいいんだぁ~?この本に載っている冒険者のように、モンスターを倒して、お金とか、アイテムとか、経験値を手に入れて、宿屋暮らしをしないといけないんじゃろうかぁ~?はぁ~~、嫌じゃのぉ~。」
本の通りなら、畑を耕す必要はないし、一日中遊んでいても、朝・昼・晩と飯も食えるし、最高だったんじゃがのぉ~。それにこの辺のモンスターはレベル16~18だから、オラには到底倒せないし、このままじゃ飢え死にしてしまうのぉ。
「普通に考えたら、レベルが低いモンスターがいる場所に移動するしかないんじゃろなぁ~。はぁ~~、オラは外に一度も出た事ないのに、これも全てはキャラクターデザインの岩田の所為だなぁ~!プロデューサー様は岩田をマップデザイン様と交代させるべきだぁ!うんだぁ、うんだぁ!絶対にそうするべきだぁ~。」
ぐぅ~~~。とりあえずは今日はここで寝るしかねぇ。明日の事は明日考えるべぇ。
ブゥンブゥンと剣をデタラメに振り回しながら、エッサは人垣が薄い場所に突っ込んで行きます。この先を真っ直ぐに進めば森の中に隠れる事が出来ます。エッサの狙い通りに死にたくない、5~6人の村人が逃げるように道を開けてくれました。
「何してるんだぁー!そいつを逃せば、次は仲間を一杯連れてやって来るぞぉ~!何としても捕まえて殺すんだぁ~!」
エミィの父ちゃんのゴンゾウが、逃げるエッサの背中を狙って、力一杯、竹槍を投げ付けました。
『ヒューーー、ドォス!』
「うぐぅ!」
竹槍の軌道が左に少し逸れた事で、背中には直撃しませんでした。けれども、エッサの左脇腹を僅かに削り取ってしまいました。
ふぅ~、ふぅ~、痛い!絶対に血が出ているやつだぁ。でも、傷口は見ちゃいけねぇ。見たら心が折れしまうぅ。オラはみんなを傷付けたくねぇのに、酷えよぉゴンゾウさん!
「はぁはぁはぁ。もう少しの辛抱だぁ。」
このまま森の中に入れば隠れられる。流石にみんなも、そこまでは追って来ないはず。でも、もしも、森の中まで追いかけて来たら?森の中にはモンスターがいるのに、そんな所にみんなを連れて行くのは出来ねぇ!オラは、どうしたらいいんだぁ~?
「いや、構わねぇ!どうせ、死んだ村人の代わりは、キャラクターデザイン様が作り直してくれるぅ~!どうせなら、さっき2、3人ぶっ殺していても良かったんだぁ~!行くどぉ~!死にてぇーい奴はオラについて来い!」
エッサは西の森を目指して走ります。ご丁寧にマップデザイン様が用意した入り口から入るつもりはありません。デザイン様にも色々あるらしくてぇ~、マップデザイン様はオラのような村人は作らねぇらしい。何でも担当があるらしいんだぁ~。神様も大変だなぁ!
『ズゥボォ。ガサガサ、ガサガサ、ガサガサ。』
「痛たたたた!傷口に葉っぱ当たって痛ぇ~よぉ~。何でオラが何でこんな目に遭わないといけないけろ?きっとキャラクターデザイン様がオラがいないなったから、代わりのオラを新しく作ったのが原因だべぇ!プロデューサー様にこってりと、しぼられたらいいんだべぇ。」
そんなに奥までは行かなくていいけろ、心配なのは、モンスターよりも村人だぁ~。その辺の茂みに隠れていれば、モンスターは絶対に通路しか通らないからいいけど、村の衆は草の根分けて、オラを探しそうな勢いだったからなぁ~。
「ぐぅ~~~。はぁ~~、腹減ったなぁ~。これから、オラはどうすればいいんだぁ~?この本に載っている冒険者のように、モンスターを倒して、お金とか、アイテムとか、経験値を手に入れて、宿屋暮らしをしないといけないんじゃろうかぁ~?はぁ~~、嫌じゃのぉ~。」
本の通りなら、畑を耕す必要はないし、一日中遊んでいても、朝・昼・晩と飯も食えるし、最高だったんじゃがのぉ~。それにこの辺のモンスターはレベル16~18だから、オラには到底倒せないし、このままじゃ飢え死にしてしまうのぉ。
「普通に考えたら、レベルが低いモンスターがいる場所に移動するしかないんじゃろなぁ~。はぁ~~、オラは外に一度も出た事ないのに、これも全てはキャラクターデザインの岩田の所為だなぁ~!プロデューサー様は岩田をマップデザイン様と交代させるべきだぁ!うんだぁ、うんだぁ!絶対にそうするべきだぁ~。」
ぐぅ~~~。とりあえずは今日はここで寝るしかねぇ。明日の事は明日考えるべぇ。
0
お気に入りに追加
156
あなたにおすすめの小説

【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました
三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。
助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい…
神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた!
しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった!
攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。
ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい…
知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず…
注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
村人召喚? お前は呼んでないと追い出されたので気ままに生きる
丹辺るん
ファンタジー
本作はレジーナブックスにて書籍化されています。
―ー勇者召喚なるものに巻き込まれて、私はサーナリア王国にやって来た。ところが私の職業は、職業とも呼べない「村人」。すぐに追い出されてしまった。
ーーでもこの世界の「村人」ってこんなに強いの? それに私すぐに…ーー
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる