おにぎり好きな天才放浪画家が、異世界転移で絵を実体化させる『画聖』の力を手に入れる話

今年が裸の大将と呼ばれる放浪画家『山下清』の生誕100年になるが、この小説の登場人物は同姓同名なだけで、本人ではありません。似たような人だと思ってくれると助かります。

♦︎あらすじ♦︎

白いランニングシャツに薄茶色の半ズボン、黒い鼻緒の二枚歯の下駄をカランコロンと鳴らして、山下清は田舎道を歩いていた。目的地は決めていない。目的地は突然決まるものだ。

田舎道で出会った農家のおじいさんに、山の中にある白鳥が立ち寄るという秘境の湖を教えられて、清は喜んで山登りを始めた。

山の湖から流れる川を目印に進んでいくが、途中で急な雨に襲われてしまった。山の天気は変わりやすいから仕方ない。その結果、複数の川が出現してしまい、清は山で遭難する事になってしまった。もちろん初めての遭難ではない。冷静に対処する事が出来る。

まずはリュックサックから水筒を取り出して、飲み水を確保した。次に食糧になりそうな青いとんがり幻覚キノコを数本採取した。食べても死なない弱めの毒キノコだ。よく焼けば大丈夫だと清は判断した。

だが、よく焼いても駄目な物は駄目だ。清は幻覚状態になってしまった。雨が降る中を赤い傘を差して、湖を目指して、なんとなく見える気がする道を歩き出した。もちろん幻の道で、湖には絶対に辿り着けない。

でも、洞窟に辿り着いてしまった。その洞窟に入ると、麦わら帽子を被った骸骨を見つけた。骸骨の側には虫網と虫カゴがあり、虫カゴにはカブト虫の残骸が入っていた。虫取りに来て、遭難した人間で間違いない。未来の清の姿だ。

幻覚状態の優しい清は骸骨に紅白饅頭の絵を渡して、マッチを線香代わりに供養した。そのマッチの明かりで、清は洞窟の奥に白い雲のようなものを見た。骸骨から麦わら帽子と虫網を借りて、清は洞窟の奥を目指した。そして、長く白い雲を通り抜けて、清は異世界にやって来てしまった。
24h.ポイント 7pt
0
小説 37,997 位 / 192,750件 ファンタジー 5,586 位 / 44,669件

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

色彩の大陸3~英雄は二度死ぬ

谷島修一
ファンタジー
 “英雄”の孫たちが、50年前の真実を追う  建国50周年を迎えるパルラメンスカヤ人民共和国の首都アリーグラード。  パルラメンスカヤ人民共和国の前身国家であったブラミア帝国の“英雄”として語り継がれている【ユルゲン・クリーガー】の孫クララ・クリーガーとその親友イリーナ・ガラバルスコワは50年前の“人民革命”と、その前後に起こった“チューリン事件”、“ソローキン反乱”について調べていた。  書物で伝わるこれらの歴史には矛盾点と謎が多いと感じていたからだ。  そこで、クララとイリーナは当時を知る人物達に話を聞き謎を解明していくことに決めた。まだ首都で存命のユルゲンの弟子であったオレガ・ジベリゴワ。ブラウグルン共和国では同じく弟子であったオットー・クラクスとソフィア・タウゼントシュタインに会い、彼女達の証言を聞いていく。  一方、ユルゲン・クリーガーが生まれ育ったブラウグルン共和国では、彼は“裏切り者”として歴史的評価は悪かった。しかし、ブラウグルン・ツワィトング紙の若き記者ブリュンヒルデ・ヴィルトはその評価に疑問を抱き、クリーガーの再評価をしようと考えて調べていた。  同じ目的を持つクララ、イリーナ、ブリュンヒルデが出会い、三人は協力して多くの証言者や証拠から、いくつもの謎を次々と解明していく。  そして、最後に三人はクリーガーと傭兵部隊で一緒だったヴィット王国のアグネッタ・ヴィクストレームに出会い、彼女の口から驚愕の事実を知る。 ----- 文字数 126,353

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...