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第20話 黄金に輝くオリハルコン
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「フゥッ、フゥッ、フゥッ!」
少し痛みが落ち着いてきたので、根性で立ち上がった。グズグズしていられない。
涙と鼻水を白ワイシャツの袖で急いで拭き取った。
ティラノサウルスの頭部に乗ると、突き刺さった角が引き抜けるか挑戦してみた。
ググググッ……無理だな。
今度、現れた恐竜は素手で倒さないといけない。
「こいつの歯でもへし折って、ナイフ代わりに使うしかないな」
ティラノサウルスの口の中には、三十センチの鋭い歯並んでいる。
武器なら、これを使えばいい。だが、その前に……ここがどこだか分からない。
デタラメに走って逃げ回ったから、キャンピングカーに自力で戻れる自信がない。
それでもやる事だけは分かっている。
まずは口をこじ開けて、体内から魔石を取り出す。
念の為に先に歯をへし折って、魔石を固定しているリングやシャフトを壊す工具にしてもいい。
その後は灰色魔石をティラノサウルスの魔石と交換する。
パワーアップしたら、頭に刺さった角が抜けるかもしれない。
先の事は分からない。出来る事から始めるとしよう。
まずはアビリティリングの灰色魔石を別の灰色魔石に交換した。
高所からの落下でエネルギーをかなり消費したはずだ。
次にズボンのポケットから折り畳んだ三角形のリングを取り出した。
これを足の裏に武器として装着して、ティラノサウルスの歯をへし折ってやる。
「オラッ、オラッ、オラッ、オラッ!」
ガンガンガンガン! ハァ、ハァ、ハァ……。
ガンガンガンガン! ハァ、ハァ、ハァ……。
五分三十六秒後。
口をこじ開け、トリケラトプスと同じように、口の中に瓦礫を詰めていく。
恐竜には歯はあるが、舌はない。広い口内から少し狭くなった喉を這って進んでいく。
流石は大型恐竜だ。私の下っ腹の我儘ボディをすんなりと受け入れてくれた。
「おお! これは……」
喉の先にある卵型の広い空間は金色の金属に囲まれていた。
この黄金の輝きは知っている。これは【オリハルコン】だ。
ミスリルよりも高価な貴重金属に分類されている。
金よりも高い金と言われている金属だ。
「奥の方にあるのは、トリケラのミスリルか」
胃のような空間の奥には青白く輝く金属が転がっている。
消化されずに残っていたようだ。
私の右手には苦労して折った鋭い牙がある。私の苦労は何だったんだ。
「はぁぁ……もう終わった事だ。どうでもいい」
ため息を吐きつつ、視線を奥から下に向けた。
どこかに丸い穴が開いているはずだ。
「これか……」
携帯電話の明かりで周囲を照らして、しばらく探してみると、五角形の穴を見つけた。
その穴の中には、五個の白色の魔石が嵌め込まれた五角形の金色リングがあった。
リングを固定しているシャフトは五本。太さは五センチはありそうだ。
足蹴りならば、苦戦していただろう。だが、今回は頼れる工具がある。
「おりゃー!」
ティラノサウルスの細く長い牙を両手で握り締めると、リングの端を狙って振り下ろした。
ガキィンと金属同士が激しく打つかり合う。
三回目の攻撃でリングにヒビが入り、六回目の攻撃でリングが割れた。
あとはリングを力で曲げて、白魔石を手に入れるだけだ。
「ふっふふ。やはり今日は運が良い日だ。きっと助かる」
口の中から這い出ると、まずは灰色魔石を白色魔石に交換した。
この巨体を車に全部運ぶのは無理だ。
グググッと頭部に突き刺さった角を力尽くで引き抜いた。
角を持って地上に降りると、ずらりと並んだ鋭い牙に向かって、角をフルスイングした。
「ふんぬぅ!」
パキィン‼︎ 気持ち良いぐらいにティラノサウルスの牙が沢山へし折れた。
白魔石を取り外して防御力が落ちたのか、私がパワーアップし過ぎたのか、理由は分からない。
とりあえず、どっちでもいいので、へし折れた真っ白な牙を回収した。
灰色魔石三個、白魔石五個、ハイミスリルの角、オリハルコンの牙、これだけ持って帰れば文句はないだろう。
ティラノサウルスが通った破壊された道を辿れば、どこかにトリケラトプスの頭部が落ちているはずだ。
そこまで戻れば、なんとか車まで帰れると思う。
だが、今回は時間がないので、別の方法を使おう。
「まずは走る準備をしないとな」
ティラノサウルスの緑色の皮を牙で素早く切って、四角い大きな皮を三枚作った。
次にその皮でへし折った牙を包んでいく。三枚で包めば、移動中に破れはしないだろう。
最後に外壁の蔓草を引き千切って、身体に皮包みをバツ印に縛って、更に横に縛った。
これだけやって落ちたら仕方ない。落ちたのを拾いながら後悔しよう。
「準備は出来た。さあ、行くぞ!」
背中に角を背負うと、また高層ビルを登り始めた。
屋上まで登れば遠くまで見える。
それに運が良ければ、バッグを持った白い鳥人間を見つけられるかもしれない。
まあ、その可能性は低い。探すのはキャンピングカーを駐めている広い駐車場だ。
走る方向さえ分かれば、あとは問題ない。
障害物を破壊しながら、白魔石搭載の私が、法定速度を守らずに真っ直ぐに突っ走るだけだ。
「フゥ、フゥ、フゥ!」
六十階以上の高層オフィスビルを登り続ける。
さっき半分登って落ちたから、もう大丈夫だ。
屋上まで登れる自信はあるし、落ちても大丈夫な自信もある。
それに白魔石でパワーアップした。もう何も怖くない。
「ふぅ~~~、到着だ」
地上三百六十メートル以上を登るのに、十分もかからなかった。
草が生い茂る屋上から廃都の街並みを眺めてみる。
冷たい風が吹き荒れる。これがパトリが見ている世界なのだろう。
眼下に緑と黒と灰色の世界が一面に広がっている。
その中で空を飛ぶ白色を探してみた。
残念ながら、見つかったのは真っ白な雲だけだった。
「やっぱり見つからないな」
可能性はあったが、期待はしていなかった。バードウォッチングは終了だ。
それに見つかったとしても、私を抱えて車まで運んでくれない。
自分の足で自力で車まで帰る事は決定事項だ。
駐車場の周辺で見かけた特徴的な建物でも探してみよう。
駐車場さえ見つかれば、その近くまで伸びる道を一直線に走ればいい。
「間違いない。多分、あの辺だ」
確証はないが、廃都の端は建物が少なく、その先は荒野が続いている。
トリケラトプスがいたのが、廃都の中心部近くだから、距離的にも一致する。
「よし、帰るぞ!」
屋上から地面に向かって、目印に角を投げた。
あの角が突き刺さった……。
カラン、コロン、カラン。
いや、転がっている道路の先がキャンピングカーだ。
外壁の蔓草を掴んで、飛び降りたいと思ったが、そこまで若くない。
危険な挑戦はやめて、屋上の錆びた扉を破壊してビルの中に入った。
やっぱり安全第一だ。階段が多少崩れて、数階転落しても死にはしないだろう。
ガァン! ゴォン! バギィ!
いきなり床が崩れ落ちた。
「あふっ! おふっ! うわああああ!」
背中や頭を強打しながら、瓦礫と一緒に床を打ち壊して落ちていく。
地下一階まで二分で辿り着いてしまった。
「うぐぐぐぐぐぐ! 予定通りだな」
両膝を震わせながら、素早く立ち上がった。
ここまでは予定通りだ。
ジャンプして一階に着地すると、外壁と草壁を壊して外に出た。
さあ、娘の元に戻ろう。土下座させないといけない。
♢
少し痛みが落ち着いてきたので、根性で立ち上がった。グズグズしていられない。
涙と鼻水を白ワイシャツの袖で急いで拭き取った。
ティラノサウルスの頭部に乗ると、突き刺さった角が引き抜けるか挑戦してみた。
ググググッ……無理だな。
今度、現れた恐竜は素手で倒さないといけない。
「こいつの歯でもへし折って、ナイフ代わりに使うしかないな」
ティラノサウルスの口の中には、三十センチの鋭い歯並んでいる。
武器なら、これを使えばいい。だが、その前に……ここがどこだか分からない。
デタラメに走って逃げ回ったから、キャンピングカーに自力で戻れる自信がない。
それでもやる事だけは分かっている。
まずは口をこじ開けて、体内から魔石を取り出す。
念の為に先に歯をへし折って、魔石を固定しているリングやシャフトを壊す工具にしてもいい。
その後は灰色魔石をティラノサウルスの魔石と交換する。
パワーアップしたら、頭に刺さった角が抜けるかもしれない。
先の事は分からない。出来る事から始めるとしよう。
まずはアビリティリングの灰色魔石を別の灰色魔石に交換した。
高所からの落下でエネルギーをかなり消費したはずだ。
次にズボンのポケットから折り畳んだ三角形のリングを取り出した。
これを足の裏に武器として装着して、ティラノサウルスの歯をへし折ってやる。
「オラッ、オラッ、オラッ、オラッ!」
ガンガンガンガン! ハァ、ハァ、ハァ……。
ガンガンガンガン! ハァ、ハァ、ハァ……。
五分三十六秒後。
口をこじ開け、トリケラトプスと同じように、口の中に瓦礫を詰めていく。
恐竜には歯はあるが、舌はない。広い口内から少し狭くなった喉を這って進んでいく。
流石は大型恐竜だ。私の下っ腹の我儘ボディをすんなりと受け入れてくれた。
「おお! これは……」
喉の先にある卵型の広い空間は金色の金属に囲まれていた。
この黄金の輝きは知っている。これは【オリハルコン】だ。
ミスリルよりも高価な貴重金属に分類されている。
金よりも高い金と言われている金属だ。
「奥の方にあるのは、トリケラのミスリルか」
胃のような空間の奥には青白く輝く金属が転がっている。
消化されずに残っていたようだ。
私の右手には苦労して折った鋭い牙がある。私の苦労は何だったんだ。
「はぁぁ……もう終わった事だ。どうでもいい」
ため息を吐きつつ、視線を奥から下に向けた。
どこかに丸い穴が開いているはずだ。
「これか……」
携帯電話の明かりで周囲を照らして、しばらく探してみると、五角形の穴を見つけた。
その穴の中には、五個の白色の魔石が嵌め込まれた五角形の金色リングがあった。
リングを固定しているシャフトは五本。太さは五センチはありそうだ。
足蹴りならば、苦戦していただろう。だが、今回は頼れる工具がある。
「おりゃー!」
ティラノサウルスの細く長い牙を両手で握り締めると、リングの端を狙って振り下ろした。
ガキィンと金属同士が激しく打つかり合う。
三回目の攻撃でリングにヒビが入り、六回目の攻撃でリングが割れた。
あとはリングを力で曲げて、白魔石を手に入れるだけだ。
「ふっふふ。やはり今日は運が良い日だ。きっと助かる」
口の中から這い出ると、まずは灰色魔石を白色魔石に交換した。
この巨体を車に全部運ぶのは無理だ。
グググッと頭部に突き刺さった角を力尽くで引き抜いた。
角を持って地上に降りると、ずらりと並んだ鋭い牙に向かって、角をフルスイングした。
「ふんぬぅ!」
パキィン‼︎ 気持ち良いぐらいにティラノサウルスの牙が沢山へし折れた。
白魔石を取り外して防御力が落ちたのか、私がパワーアップし過ぎたのか、理由は分からない。
とりあえず、どっちでもいいので、へし折れた真っ白な牙を回収した。
灰色魔石三個、白魔石五個、ハイミスリルの角、オリハルコンの牙、これだけ持って帰れば文句はないだろう。
ティラノサウルスが通った破壊された道を辿れば、どこかにトリケラトプスの頭部が落ちているはずだ。
そこまで戻れば、なんとか車まで帰れると思う。
だが、今回は時間がないので、別の方法を使おう。
「まずは走る準備をしないとな」
ティラノサウルスの緑色の皮を牙で素早く切って、四角い大きな皮を三枚作った。
次にその皮でへし折った牙を包んでいく。三枚で包めば、移動中に破れはしないだろう。
最後に外壁の蔓草を引き千切って、身体に皮包みをバツ印に縛って、更に横に縛った。
これだけやって落ちたら仕方ない。落ちたのを拾いながら後悔しよう。
「準備は出来た。さあ、行くぞ!」
背中に角を背負うと、また高層ビルを登り始めた。
屋上まで登れば遠くまで見える。
それに運が良ければ、バッグを持った白い鳥人間を見つけられるかもしれない。
まあ、その可能性は低い。探すのはキャンピングカーを駐めている広い駐車場だ。
走る方向さえ分かれば、あとは問題ない。
障害物を破壊しながら、白魔石搭載の私が、法定速度を守らずに真っ直ぐに突っ走るだけだ。
「フゥ、フゥ、フゥ!」
六十階以上の高層オフィスビルを登り続ける。
さっき半分登って落ちたから、もう大丈夫だ。
屋上まで登れる自信はあるし、落ちても大丈夫な自信もある。
それに白魔石でパワーアップした。もう何も怖くない。
「ふぅ~~~、到着だ」
地上三百六十メートル以上を登るのに、十分もかからなかった。
草が生い茂る屋上から廃都の街並みを眺めてみる。
冷たい風が吹き荒れる。これがパトリが見ている世界なのだろう。
眼下に緑と黒と灰色の世界が一面に広がっている。
その中で空を飛ぶ白色を探してみた。
残念ながら、見つかったのは真っ白な雲だけだった。
「やっぱり見つからないな」
可能性はあったが、期待はしていなかった。バードウォッチングは終了だ。
それに見つかったとしても、私を抱えて車まで運んでくれない。
自分の足で自力で車まで帰る事は決定事項だ。
駐車場の周辺で見かけた特徴的な建物でも探してみよう。
駐車場さえ見つかれば、その近くまで伸びる道を一直線に走ればいい。
「間違いない。多分、あの辺だ」
確証はないが、廃都の端は建物が少なく、その先は荒野が続いている。
トリケラトプスがいたのが、廃都の中心部近くだから、距離的にも一致する。
「よし、帰るぞ!」
屋上から地面に向かって、目印に角を投げた。
あの角が突き刺さった……。
カラン、コロン、カラン。
いや、転がっている道路の先がキャンピングカーだ。
外壁の蔓草を掴んで、飛び降りたいと思ったが、そこまで若くない。
危険な挑戦はやめて、屋上の錆びた扉を破壊してビルの中に入った。
やっぱり安全第一だ。階段が多少崩れて、数階転落しても死にはしないだろう。
ガァン! ゴォン! バギィ!
いきなり床が崩れ落ちた。
「あふっ! おふっ! うわああああ!」
背中や頭を強打しながら、瓦礫と一緒に床を打ち壊して落ちていく。
地下一階まで二分で辿り着いてしまった。
「うぐぐぐぐぐぐ! 予定通りだな」
両膝を震わせながら、素早く立ち上がった。
ここまでは予定通りだ。
ジャンプして一階に着地すると、外壁と草壁を壊して外に出た。
さあ、娘の元に戻ろう。土下座させないといけない。
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