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火炙りの刑・乙
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大規模な盗賊集団(35人)を捕まえる事に成功した長崎奉行所だったが、肝心の盗まれた仏像の隠し場所を誰一人話そうとはしなかった。盗賊頭の竜蔵(りゅうぞう)が身の安全を保障するならば、仏像を返してやると遠山景晋に取り引きを持ちかけた。
遠山景晋「鬼頭はどう思う?この取り引きを受けるべきだと思うか!」と向かいに座る拷問官に相談しました。
鬼頭「………。おそらくは、あれやこれやと要求しては、仏像の話ははぐらかすでしょう。幸い、捕まえた人数が多いので、許可を頂ければ結果を出せると思いますが……」と遠山景晋に甲乙丙丁の『乙以上』の話しを聞かせる許可をもらおうとしました。
遠山景晋「……乙以上の話しとなると、何人の死人が出ることやら?」と前回の牢屋内での集団失踪を揉み消すのに大変苦労した事を思い出していた。
鬼頭「遠山殿、こちらの方でしっかりと掃除しますので、御安心を!」と席を立つと罪人の1人にホタルを連れて会いに行った。
竜蔵「腹が減った。いい加減に何か食べさせろ!」と3日間、水だけしか飲んでいない盗賊頭が鬼頭に向かって命じました。
鬼頭「そうだな。お前に死なれては困る」と言って、拷問部屋から出て行くと、ドンブリに赤飯を入れて持ってきました。
鬼頭「食いたければ、盗んだ仏像の隠し場所を話せ!話したら食べさせてやる?」と空腹の竜蔵の目の前で赤飯を『ムシャムシャ』と食べて見せました。
竜蔵「分かった!先に食べさせてくれれば、仏像の隠し場所を話すから、先に食べさせてくれ?」と懇願しました。
鬼頭は黙って赤飯を竜蔵に渡すと『不味い、不味い』と文句を言いながらも、綺麗に平らげてしまいました。
鬼頭「約束通りに隠し場所を話してもらうぞ?」竜蔵「知らねぇ」とさっきまでの態度を豹変させて、太太しい態度で言い退けてしまいました。
鬼頭は「3日後にまた来る」と言い残すと部屋を出て行きました。
ーーーー3日後ーーーー
鬼頭「おばあさんはおじいさんのいる畑に走って行きました。けれども、おじいさんは握り飯を地面に叩きつけた後でした。おばあさん『許してくれ~、じい様!この通りだぁ~、もう二度と梅干しを入れ忘れたりしねぇ~!』と地面に頭をつけて涙を流しながらお願いしました。けれども、おじいさんは持っていた鎌を勢いよく振り回して、おばあさんの首を刈り取ってしまいました」と話し続けます。
竜蔵『ドォン‼︎』「なんだぁ?それは俺の首をはねると脅しているのか‼︎」と木製の机に拳を叩きつけて、鬼頭を睨みつけました。
鬼頭「その時におばあさんが持っていた梅干しが畑に落ちてしまいました。おじいさんはおばあさんを畑に埋めると家まで帰って行きました。それから4年の年月が経った頃、畑には見事な梅の木が育ちました。おじいさんは手塩にかけて育てた梅の木から実を取ると、早速、梅干しを作りました。けれども、おじいさんは我慢が出来ずに、1年後に食べようと思っていた梅干しを、たったの1ヶ月で1粒だけ食べてしまいました」と話し続けます。
竜蔵「おい、鬼頭さんよ。こっちは3日間も水だけしか飲んでいないんだよ!この前の赤飯でいいから食べさせろよ!」と3日前に『不味い』と言いながら食べた赤飯を要求しました。
鬼頭「梅干しを食べた、おじいさんは口の中に血の味が広がります。『ペッ‼︎』と梅干しを吐き出しても、血の味が残っていました。水を飲んでも、米を食べても、酒を飲んでも、全てが血の味しかしません。とうとう、おじいさんは気が狂ってしまい、畑の梅の木に首を吊って死んでしまいました。めでたしめでたし!」と話し終わりました。
鬼頭「この前、食べた赤飯でいいんだな?ホタル!材料と米を持って来い!」と言うと、ホタルと呼ばれる顔の見えない人物と、竜蔵の手下の1人が拷問部屋に入って来ました。
雷蔵(らいぞう)「頭~‼︎まだ死にたくない!早く喋ってください‼︎」とジタバタと竜蔵にすり寄って懇願しました。けれども、ホタルが雷蔵の首を持っていた鎌で刈り取ってしまいました。首からドクドクと流れる血液をドンブリの中の炊きたての米に流し込むと、竜蔵がこの前、食べた赤飯が出来上がりました。
竜蔵「グゥガァッアバ‼︎てめぇ~、こんな物、食わせたのか‼︎」と空っぽの胃から、水を吐き出しました。
鬼頭「ホタル、食べてみろ!美味しいか?」と命じると、ホタルと呼ばれる人物が『ガッガッ!』と赤飯を食べ始めました。ホタル「不味い。こっちの男は美味そうだ!」と顔の部分が竜蔵を見つめました。
鬼頭「竜蔵、仏像の隠し場所は知らないらしいな?だったらお前に用はない。ホタル、食べていいぞ!」と命じるとヒタヒタと歩いて、竜蔵に近寄って行きました。
竜蔵「知っている‼︎知っているから、早くコイツを退けてくれ‼︎町外れの荒れ寺の床下を調べれば分かるから、早く退けてくれ‼︎」と恐怖で気が狂ったように、覆いかぶさったホタルの身体を『ボカボカ‼︎』と殴りながら、鬼頭に命乞いしました。
鬼頭「知らねえ」と太太しい態度で拷問部屋から出て行きました。ホタルと竜蔵を残して…………。
《めでたし、めでたし》
遠山景晋「鬼頭はどう思う?この取り引きを受けるべきだと思うか!」と向かいに座る拷問官に相談しました。
鬼頭「………。おそらくは、あれやこれやと要求しては、仏像の話ははぐらかすでしょう。幸い、捕まえた人数が多いので、許可を頂ければ結果を出せると思いますが……」と遠山景晋に甲乙丙丁の『乙以上』の話しを聞かせる許可をもらおうとしました。
遠山景晋「……乙以上の話しとなると、何人の死人が出ることやら?」と前回の牢屋内での集団失踪を揉み消すのに大変苦労した事を思い出していた。
鬼頭「遠山殿、こちらの方でしっかりと掃除しますので、御安心を!」と席を立つと罪人の1人にホタルを連れて会いに行った。
竜蔵「腹が減った。いい加減に何か食べさせろ!」と3日間、水だけしか飲んでいない盗賊頭が鬼頭に向かって命じました。
鬼頭「そうだな。お前に死なれては困る」と言って、拷問部屋から出て行くと、ドンブリに赤飯を入れて持ってきました。
鬼頭「食いたければ、盗んだ仏像の隠し場所を話せ!話したら食べさせてやる?」と空腹の竜蔵の目の前で赤飯を『ムシャムシャ』と食べて見せました。
竜蔵「分かった!先に食べさせてくれれば、仏像の隠し場所を話すから、先に食べさせてくれ?」と懇願しました。
鬼頭は黙って赤飯を竜蔵に渡すと『不味い、不味い』と文句を言いながらも、綺麗に平らげてしまいました。
鬼頭「約束通りに隠し場所を話してもらうぞ?」竜蔵「知らねぇ」とさっきまでの態度を豹変させて、太太しい態度で言い退けてしまいました。
鬼頭は「3日後にまた来る」と言い残すと部屋を出て行きました。
ーーーー3日後ーーーー
鬼頭「おばあさんはおじいさんのいる畑に走って行きました。けれども、おじいさんは握り飯を地面に叩きつけた後でした。おばあさん『許してくれ~、じい様!この通りだぁ~、もう二度と梅干しを入れ忘れたりしねぇ~!』と地面に頭をつけて涙を流しながらお願いしました。けれども、おじいさんは持っていた鎌を勢いよく振り回して、おばあさんの首を刈り取ってしまいました」と話し続けます。
竜蔵『ドォン‼︎』「なんだぁ?それは俺の首をはねると脅しているのか‼︎」と木製の机に拳を叩きつけて、鬼頭を睨みつけました。
鬼頭「その時におばあさんが持っていた梅干しが畑に落ちてしまいました。おじいさんはおばあさんを畑に埋めると家まで帰って行きました。それから4年の年月が経った頃、畑には見事な梅の木が育ちました。おじいさんは手塩にかけて育てた梅の木から実を取ると、早速、梅干しを作りました。けれども、おじいさんは我慢が出来ずに、1年後に食べようと思っていた梅干しを、たったの1ヶ月で1粒だけ食べてしまいました」と話し続けます。
竜蔵「おい、鬼頭さんよ。こっちは3日間も水だけしか飲んでいないんだよ!この前の赤飯でいいから食べさせろよ!」と3日前に『不味い』と言いながら食べた赤飯を要求しました。
鬼頭「梅干しを食べた、おじいさんは口の中に血の味が広がります。『ペッ‼︎』と梅干しを吐き出しても、血の味が残っていました。水を飲んでも、米を食べても、酒を飲んでも、全てが血の味しかしません。とうとう、おじいさんは気が狂ってしまい、畑の梅の木に首を吊って死んでしまいました。めでたしめでたし!」と話し終わりました。
鬼頭「この前、食べた赤飯でいいんだな?ホタル!材料と米を持って来い!」と言うと、ホタルと呼ばれる顔の見えない人物と、竜蔵の手下の1人が拷問部屋に入って来ました。
雷蔵(らいぞう)「頭~‼︎まだ死にたくない!早く喋ってください‼︎」とジタバタと竜蔵にすり寄って懇願しました。けれども、ホタルが雷蔵の首を持っていた鎌で刈り取ってしまいました。首からドクドクと流れる血液をドンブリの中の炊きたての米に流し込むと、竜蔵がこの前、食べた赤飯が出来上がりました。
竜蔵「グゥガァッアバ‼︎てめぇ~、こんな物、食わせたのか‼︎」と空っぽの胃から、水を吐き出しました。
鬼頭「ホタル、食べてみろ!美味しいか?」と命じると、ホタルと呼ばれる人物が『ガッガッ!』と赤飯を食べ始めました。ホタル「不味い。こっちの男は美味そうだ!」と顔の部分が竜蔵を見つめました。
鬼頭「竜蔵、仏像の隠し場所は知らないらしいな?だったらお前に用はない。ホタル、食べていいぞ!」と命じるとヒタヒタと歩いて、竜蔵に近寄って行きました。
竜蔵「知っている‼︎知っているから、早くコイツを退けてくれ‼︎町外れの荒れ寺の床下を調べれば分かるから、早く退けてくれ‼︎」と恐怖で気が狂ったように、覆いかぶさったホタルの身体を『ボカボカ‼︎』と殴りながら、鬼頭に命乞いしました。
鬼頭「知らねえ」と太太しい態度で拷問部屋から出て行きました。ホタルと竜蔵を残して…………。
《めでたし、めでたし》
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