長崎奉行所拷問官・鬼頭仁之助

もう書かないって言ったよね?

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禁錮の刑

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 市中で酒に酔って暴れている男が長崎奉行所に保護された。仕方なく鬼頭仁之助は酔いが覚めるまで『赤リンゴと白リンゴ』の話しを聞かせてあげた。

 鬼頭「ある森の中に赤リンゴと白リンゴの村がありました。赤リンゴの村は太陽の光がサンサンと降り注ぐ、明るく元気な村でした。白リンゴの村は洞窟の中にあり、一日中真っ暗な闇の中で生活していました。それでも、白リンゴ達の村も暗くて元気でした」と話し続けました。

 長吉(ながきち)「赤リンゴに白リンゴ?酒持って来い‼︎」と鬼頭の話しが全然、頭に入っていません。

 鬼頭「ある日のことです。赤リンゴの子供達が白リンゴが住んでいる洞窟に遊びに行きました。赤リンゴの子供達は白リンゴの子供達はとても仲良しでした。村の近くや洞窟の中を探検しては、毎日、楽しく遊んでいました。そんなある日の事です。事件が起きてしまいました」と話し続けました。

 長吉「白リンゴなんって、あるわけないだろう!酒持って来い!」とまだまだ酔いが覚めません。

 鬼頭「ここにある」と1個の白リンゴを長吉の目の前に『トン』と置きました。

 長吉「おお‼︎白リンゴだぁ~?食べられるのか?」と白リンゴの匂いを嗅いだり、表面を触ったりした後に『ムシャムシャ!』と皮ごと丸齧りしました。

 鬼頭「ある日の事です。いつものように赤リンゴと白リンゴの子供達が遊んでいると、白リンゴの子供が1人だけ居なくなっている事に気付きました。子供達はいなくなった白リンゴの子供を探しましたが、全然見つかりません。夜になっても洞窟の村に帰って来ないので、大人のリンゴ達も一緒に森の中や洞窟の中を隅々まで探し回りました」

 長吉「そりゃ~大変だなぁ!一体どこに隠れているんだぁ~?」と一緒になって子供の隠れそうな場所を考え始めました。

 鬼頭「その頃、白リンゴの子供は人間に捕まっていました。人間『なんとも珍しい、白いリンゴだ!都で売れば、高く売れるぞ‼︎』と大喜びで町まで帰って行きました。大変珍しい白リンゴの子供を多くの人間が欲しがりました。そこに1人のお侍さんがやって来ると『3両(約39万円)でいいか?』と白リンゴの子供を買って行きました」と話し続けます。

 長吉「ヒェ~!そんなに高価なものなのか‼︎勿体ねぇ事したな!」と白リンゴをペロリと食べてしまった事を後悔しました。

 鬼頭「おや?ここに置いた白リンゴが無くなっているぞ?」と部屋の中をウロウロ、キョロキョロ探し始めました。

 鬼頭は部屋中、探しても見つからなかったので、懐から短刀を抜くと「お前の腹の中を調べさせろ!」と長吉を床に押し倒すと、腹に短刀を力いっぱい振り下ろしました。長吉の酔いはすっかり覚めてしまいました。

 《めでたし、めでたし》
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