長崎奉行所拷問官・鬼頭仁之助

もう書かないって言ったよね?

文字の大きさ
上 下
12 / 14

禁錮の刑

しおりを挟む
 市中で酒に酔って暴れている男が長崎奉行所に保護された。仕方なく鬼頭仁之助は酔いが覚めるまで『赤リンゴと白リンゴ』の話しを聞かせてあげた。

 鬼頭「ある森の中に赤リンゴと白リンゴの村がありました。赤リンゴの村は太陽の光がサンサンと降り注ぐ、明るく元気な村でした。白リンゴの村は洞窟の中にあり、一日中真っ暗な闇の中で生活していました。それでも、白リンゴ達の村も暗くて元気でした」と話し続けました。

 長吉(ながきち)「赤リンゴに白リンゴ?酒持って来い‼︎」と鬼頭の話しが全然、頭に入っていません。

 鬼頭「ある日のことです。赤リンゴの子供達が白リンゴが住んでいる洞窟に遊びに行きました。赤リンゴの子供達は白リンゴの子供達はとても仲良しでした。村の近くや洞窟の中を探検しては、毎日、楽しく遊んでいました。そんなある日の事です。事件が起きてしまいました」と話し続けました。

 長吉「白リンゴなんって、あるわけないだろう!酒持って来い!」とまだまだ酔いが覚めません。

 鬼頭「ここにある」と1個の白リンゴを長吉の目の前に『トン』と置きました。

 長吉「おお‼︎白リンゴだぁ~?食べられるのか?」と白リンゴの匂いを嗅いだり、表面を触ったりした後に『ムシャムシャ!』と皮ごと丸齧りしました。

 鬼頭「ある日の事です。いつものように赤リンゴと白リンゴの子供達が遊んでいると、白リンゴの子供が1人だけ居なくなっている事に気付きました。子供達はいなくなった白リンゴの子供を探しましたが、全然見つかりません。夜になっても洞窟の村に帰って来ないので、大人のリンゴ達も一緒に森の中や洞窟の中を隅々まで探し回りました」

 長吉「そりゃ~大変だなぁ!一体どこに隠れているんだぁ~?」と一緒になって子供の隠れそうな場所を考え始めました。

 鬼頭「その頃、白リンゴの子供は人間に捕まっていました。人間『なんとも珍しい、白いリンゴだ!都で売れば、高く売れるぞ‼︎』と大喜びで町まで帰って行きました。大変珍しい白リンゴの子供を多くの人間が欲しがりました。そこに1人のお侍さんがやって来ると『3両(約39万円)でいいか?』と白リンゴの子供を買って行きました」と話し続けます。

 長吉「ヒェ~!そんなに高価なものなのか‼︎勿体ねぇ事したな!」と白リンゴをペロリと食べてしまった事を後悔しました。

 鬼頭「おや?ここに置いた白リンゴが無くなっているぞ?」と部屋の中をウロウロ、キョロキョロ探し始めました。

 鬼頭は部屋中、探しても見つからなかったので、懐から短刀を抜くと「お前の腹の中を調べさせろ!」と長吉を床に押し倒すと、腹に短刀を力いっぱい振り下ろしました。長吉の酔いはすっかり覚めてしまいました。

 《めでたし、めでたし》
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

本能のままに

揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください! ※更新は不定期になると思います。

幕府海軍戦艦大和

みらいつりびと
歴史・時代
IF歴史SF短編です。全3話。 ときに西暦1853年、江戸湾にぽんぽんぽんと蒸気機関を響かせて黒船が来航したが、徳川幕府はそんなものへっちゃらだった。征夷大将軍徳川家定は余裕綽々としていた。 「大和に迎撃させよ!」と命令した。 戦艦大和が横須賀基地から出撃し、46センチ三連装砲を黒船に向けた……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

戦艦タナガーin太平洋

みにみ
歴史・時代
コンベース港でメビウス1率いる ISAF部隊に撃破され沈んだタナガー だがクルーたちが目を覚ますと そこは1942年の柱島泊地!?!?

最終兵器陛下

華研えねこ
歴史・時代
黒く漂う大海原・・・ 世界大戦中の近現代 戦いに次ぐ戦い 赤い血しぶきに 助けを求める悲鳴 一人の大統領の死をきっかけに 今、この戦いは始まらない・・・ 追記追伸 85/01/13,21:30付で解説と銘打った蛇足を追加。特に本文部分に支障の無い方は読まなくても構いません。

【新訳】帝国の海~大日本帝国海軍よ、世界に平和をもたらせ!第一部

山本 双六
歴史・時代
たくさんの人が亡くなった太平洋戦争。では、もし日本が勝てば原爆が落とされず、何万人の人が助かったかもしれないそう思い執筆しました。(一部史実と異なることがあるためご了承ください)初投稿ということで俊也さんの『re:太平洋戦争・大東亜の旭日となれ』を参考にさせて頂きました。 これからどうかよろしくお願い致します! ちなみに、作品の表紙は、AIで生成しております。

岩倉具視――その幽棲の日々

四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】 幕末のある日、調子に乗り過ぎた岩倉具視は(主に公武合体とか和宮降嫁とか)、洛外へと追放される。 切歯扼腕するも、岩倉の家族は着々と岩倉村に住居を手に入れ、それを岩倉の幽居=「ねぐら」とする。 岩倉は宮中から追われたことを根に持ち……否、悶々とする日々を送り、気晴らしに謡曲を吟じる毎日であった。 ある日、岩倉の子どもたちが、岩倉に魚を供するため(岩倉の好物なので)、川へと釣りへ行く。 そこから――ある浪士との邂逅から、岩倉の幽棲――幽居暮らしが変わっていく。 【表紙画像】 「ぐったりにゃんこのホームページ」様より

奇妙丸

0002
歴史・時代
信忠が本能寺の変から甲州征伐の前に戻り歴史を変えていく。登場人物の名前は通称、時には新しい名前、また年月日は現代のものに。if満載、本能寺の変は黒幕説、作者のご都合主義のお話。

処理中です...