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血塗れの刑
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?『ほーほーホ~タル来い!ほーほーホ~タル来い!』
厳しい取り調べを終えた囚人達が、長崎奉行所の牢屋の中で自分が知っているとっておきの噂話を披露していた。
長助(ちょうすけ)「罠にかかった鶴を助けた爺さんの話は知っているだろう?実はあれには続きがあったんだよ!」と聞いたばかりの『鶴の恩返し』という話しの続きを語り出した。
長助「助けた鶴は自分の羽根を使ってとても綺麗な反物を作りました。罠から助けてくれた感謝の気持ちでお爺さんにあげます。その反物をお爺さんは商人の長助に売りに行きました」と話します。
囚人「おいおい、お前が買い取ったのかよ!」と笑いながら話しの続きを聞きます。
長助「あまりに美しい反物だったので長助は反物を買い取った後に、帰って行くお爺さんの後をつけて反物の作り方を盗もうと考えていました。今日もお鶴は『絶対に部屋を覗かないでください!』とお爺さんにお願いします。長助は『あの若い綺麗な女が反物を作っているのか?』とお鶴を見て、反物もお鶴も欲しくなりました」と話します。
囚人「確かに美しい女と高価な反物は欲しくなるよなぁ~!」といやらしい顔をしながら長助の話しを聞き続けます。
長助「長助はお爺さんが家に居ない時にお鶴の元にやって来て『爺さんを殺されたくないなら俺の言う通りにしろ‼︎』とお鶴を脅しました。お鶴は長助の言う事をきいて、ワザといつもよりも大きな音で反物を織っていきます。そしてお爺さんがお鶴を心配して部屋の中を覗いてしまうと、お鶴は別れの言葉を言ってお爺さんの家から出て行ってしまいました」と話しの続きを話します。
囚人「長助の爺さんもとんだ悪党だな!」と目の前の長助爺さんをニヤニヤと見つめます。
長助「美しいお鶴と美しい反物を手に入れた長助は幸せの絶頂でした。お鶴は『私の反物はこの身体が汚されると、酷く汚れた反物になってしまいます!』と長助の誘いを断り続けます。長助は仕方ないとお鶴を眺めるだけで満足することにしました。お鶴の作る反物は飛ぶように売れて、ついにはお城の将軍様にも献上することになりました。けれども、沢山の反物を織ったことでお鶴の美しい羽根は全て使い切ってしまいました。お鶴はこのような醜い姿になってしまったことを恨みました」と話し続けます。
囚人「おいおい、反物の織れないお鶴は女としての価値しかないな。だとしたらもう断れないよなぁ~‼︎」と『ヒッヒッヒ!』と舌で唇を舐めました。
長助「お鶴は長助に復讐する為に家に棲みつく鼠を捕まえます。捕まえた鼠の皮を剥いで、自分の血を染み込ませます。お鶴は真っ赤な美しい反物を使って【血鼠の衣】を作ると早速、長助に持って行きました。長助はお鶴に言われた通りに血鼠の衣を着ると見る見る長助の身体から血が吸い取られていきました。長助の血を死ぬまで吸い取った血鼠の衣はさらに美しさを増しました」と話している途中で!
囚人「爺さん!後ろに居るのは何だ‼︎」と長助爺さんの背後に居るとても綺麗な赤い衣を纏った恐ろしい顔の人物を指さします。
長助「ふっふっふっ!脅かそうとしても引っかかりませんよ!」と笑いながら後ろを振り返った。
?『ほーほーホ~タル来い!ほーほーホ~タル来い~‼︎』
《めでたし、めでたし》
厳しい取り調べを終えた囚人達が、長崎奉行所の牢屋の中で自分が知っているとっておきの噂話を披露していた。
長助(ちょうすけ)「罠にかかった鶴を助けた爺さんの話は知っているだろう?実はあれには続きがあったんだよ!」と聞いたばかりの『鶴の恩返し』という話しの続きを語り出した。
長助「助けた鶴は自分の羽根を使ってとても綺麗な反物を作りました。罠から助けてくれた感謝の気持ちでお爺さんにあげます。その反物をお爺さんは商人の長助に売りに行きました」と話します。
囚人「おいおい、お前が買い取ったのかよ!」と笑いながら話しの続きを聞きます。
長助「あまりに美しい反物だったので長助は反物を買い取った後に、帰って行くお爺さんの後をつけて反物の作り方を盗もうと考えていました。今日もお鶴は『絶対に部屋を覗かないでください!』とお爺さんにお願いします。長助は『あの若い綺麗な女が反物を作っているのか?』とお鶴を見て、反物もお鶴も欲しくなりました」と話します。
囚人「確かに美しい女と高価な反物は欲しくなるよなぁ~!」といやらしい顔をしながら長助の話しを聞き続けます。
長助「長助はお爺さんが家に居ない時にお鶴の元にやって来て『爺さんを殺されたくないなら俺の言う通りにしろ‼︎』とお鶴を脅しました。お鶴は長助の言う事をきいて、ワザといつもよりも大きな音で反物を織っていきます。そしてお爺さんがお鶴を心配して部屋の中を覗いてしまうと、お鶴は別れの言葉を言ってお爺さんの家から出て行ってしまいました」と話しの続きを話します。
囚人「長助の爺さんもとんだ悪党だな!」と目の前の長助爺さんをニヤニヤと見つめます。
長助「美しいお鶴と美しい反物を手に入れた長助は幸せの絶頂でした。お鶴は『私の反物はこの身体が汚されると、酷く汚れた反物になってしまいます!』と長助の誘いを断り続けます。長助は仕方ないとお鶴を眺めるだけで満足することにしました。お鶴の作る反物は飛ぶように売れて、ついにはお城の将軍様にも献上することになりました。けれども、沢山の反物を織ったことでお鶴の美しい羽根は全て使い切ってしまいました。お鶴はこのような醜い姿になってしまったことを恨みました」と話し続けます。
囚人「おいおい、反物の織れないお鶴は女としての価値しかないな。だとしたらもう断れないよなぁ~‼︎」と『ヒッヒッヒ!』と舌で唇を舐めました。
長助「お鶴は長助に復讐する為に家に棲みつく鼠を捕まえます。捕まえた鼠の皮を剥いで、自分の血を染み込ませます。お鶴は真っ赤な美しい反物を使って【血鼠の衣】を作ると早速、長助に持って行きました。長助はお鶴に言われた通りに血鼠の衣を着ると見る見る長助の身体から血が吸い取られていきました。長助の血を死ぬまで吸い取った血鼠の衣はさらに美しさを増しました」と話している途中で!
囚人「爺さん!後ろに居るのは何だ‼︎」と長助爺さんの背後に居るとても綺麗な赤い衣を纏った恐ろしい顔の人物を指さします。
長助「ふっふっふっ!脅かそうとしても引っかかりませんよ!」と笑いながら後ろを振り返った。
?『ほーほーホ~タル来い!ほーほーホ~タル来い~‼︎』
《めでたし、めでたし》
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