長崎奉行所拷問官・鬼頭仁之助

もう書かないって言ったよね?

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斬首刑

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 御禁制のアヘンを密売しようと企んでいた悪徳商人達が捕まり、お白州(おしらす)で遠山景晋が裁きを下す!

 遠山景晋「お国(おくに)!その方が申すところでは、そこの米商人の菊衛門(きくえもん)が密かに米俵の中にアヘンを忍ばせ、各地にて違法に販売していると申すが、左様相違ないか?」とお国と名乗る25.6歳になる女の町民に問いかける。

 お国「相違ありません!この菊衛門はその現場をたまたま見てしまった、お蜜(おみつ)ちゃんをアヘン漬けにして、川に身投げさせた極悪人なんです!」と悔しさと怒りを滲ませて菊衛門を睨みつける。

 遠山景晋「お国!お白州の場であるぞ!聞かれたことにだけ答えれば良い!」とお国の言動を注意する。

 お国「申し訳ありません!」と頭を深く垂れる。

 遠山景晋「菊衛門!お国の申し立てたことに異論あるか?」と尋ねる。

 菊衛門「滅相もありません!手前ども商人は真っ当に商いをしているだけであります。御禁制のアヘンなど見た事も聞いた事もありません!お国には同情するばかりです。お蜜が身投げしてからは妄言妄想に取り憑かれて、あること、ないことを申すばかりです!お奉行様にはお国が安心して治療に専念できるように配慮をお願いしたいと思います」と深々と丁寧に頭を下げる。

 お国「お奉行様!菊衛門の申したことは全て出鱈目です!そうだ!景(かげ)さんなら此奴らの悪事を証言してくれます!お奉行様!景さんを探して下さい!」と謎の男の捜索を遠山景晋に頼み込む。

 菊衛門「はっはっはっ!お奉行様!景さんとは、ただの穀潰しの遊び人です!そんな奴の証言が何の意味があります!お国!あまりお奉行様を困らすでない!」とお国を嘲笑っている。

 お国「お奉行様!お願いです!景さんならば此奴らの悪事を証言してくれます!」と必死に頼み込む。

 菊衛門「お国!もういいだろう?景さんなんて最初からいないんだ!お前は気が狂ったんだ!さあ、お奉行様!もうこの辺で十分でしょう?手前どもを商いに戻して下さい!」とお白州を終わらせようとする。

 遠山景晋『…。うるせいなぁ~!そんなに景さんに会いてぇいなら、今すぐに会わせてやろうじゃあないか!あの晩この背中に咲いた遠山椿(つばき)、まさか見忘れたとは言わせねえぜ!』と着物を脱いで背中の真っ赤な椿を菊衛門達やお国に見せつける。

 お国「景さん!」菊衛門「まさか!お奉行様が……!」と口を開けて驚いている。

 遠山景晋は着物を着直すと「裁きを申す!菊衛門は打首獄門!その他の者も順に裁きを申す!ひったてい!」と菊衛門達がお白州の場から牢屋に連れて行かれる。遠山景晋「お国!お蜜の分まで幸せになるんだぞ!」と優しく微笑むと「これにて、一件落着!」とお白州を終わらせた。

 《めでたし、めでたし》
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