【R18】月読神社の賽銭箱に選ばれた色欲高校生〜たった五円で願いを叶えられる賽銭箱〜

もう書かないって言ったよね?

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第八章 小島の王vs偉大なる大国の聖女

第97話 キリマンジャロの上級土地神

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『複数の獣神の力を感じる。私達が来るのを待っていたようだ』

 いつものようにヘリコプターで土地神を探して回る。神爺が団体さんを見つけたようだ。
 土地神狩りの噂が広まっているのか、最近では数体の土地神が一緒に行動している。

「なるほどね。だったら、挨拶するしかないか」

 だけど、こっちもアメリカ海兵隊の攻撃ヘリコプター『AH-1Z・ヴァイパー』に変更している。
 ガトリング砲、レールガン、ミサイルを搭載している。現代兵器では神は殺せないから、攻撃し放題だ。
 三体の獣神をミサイルで吹き飛ばすと、肉片を宝箱に封印させてもらった。

「今までに人神に会った事ないけど、この国にはいないんじゃないのか?」

 よく考えたら、黒龍は獣神のような気がする。やっぱり獣神の中でも協力的な奴はいると思う。
 吹き飛ばす前に、上級土地神と交渉した方がいいかもしれない。

『おそらく人神は獣神に狩られているだけだ。これだけの人間が住んでいれば、年に二十は下級神が生まれているはずだ』
「なるほど。だったら、獣神を倒しまくれば、人神が増えるから一石二鳥なのか」

 俺の疑問に神爺が答えてくれた。
 俺もケンタウロス、キメラ、岩石象よりは女神に増えて欲しい。
 でも、巨大な女神は遠慮する。出来れば人間サイズで仲良くしたい。

『そうとも限らないぜ。獣神が少なくなると動物も少なくなる。結局は飢えて人間は死んでしまう。まあ、困るのはいつだって人間の方だな』
「じゃあ、あんまり殺さない方が良いんじゃないのか?」
『何言ってんだよ。増えて困るものは増えないんだよ。それが自然だ。人間なんてたったの七十億だ。昆虫なんかは何兆匹以上もいるんだ。牛が絶滅して食えなくなったら、虫でも食えばいいんだよ』

 虫は食べたくないけど、スサノオの言う通りだと思う。
 気にせずに倒して、人口が百億人になるように協力するのが、俺の使命だと思う。
 オー○巨人師匠もパンパンやな、と言っていた。パンパンの力が世界を救う。

 ♢

『間違いない。上級土地神だ』
『ヘッへへ。仲間が封印されて、かなりお怒りのようだ。交渉は無理そうだな』

 目的の上級土地神を発見した。山頂に雪を被った『キリマンジャロ』にいるようだ。
 上級神は神聖な場所に住んでいる事が多いそうだ。日本だったら、富士山にいるという事だろう。
 ヘリコプターを飛ばして山頂まで行くと、ヘリを雪の上に着陸させた。
 
『気を付けろ。近づいてくるぞ』
「ゴクリ……」

 スサノオが注意してきたけど、何も見えない。
 空気が薄くて寒いから、緊張しても汗も流れない。
 だけど、雪の中から何かが飛び出してきた。

「うっ!」
『異国の神が死に場所を求めてきたか』

 青い瞳、白黒の模様を待つ白豹が雪の中から現れた。
 大きさは普通だ。若い男の声で話して、敵意も殺意も何も感じない。
 感じるのは、そこに何かいるという圧倒的な存在感だけだ。

『お前と契約したい。自主的に協力するか、強制的に協力するか、好きな方を選べ。自主的なら敗北という不名誉は避けられるぜ』
『蛮族に従う以上の不名誉もあるまい。誇り高き同胞達の名誉の為に、お前達には死してもらう』
『ヘッ。交渉決裂だな』

 神爺もスサノオも交渉が下手過ぎる。一度も成功していない。
 白豹が雪の中に潜り込んで姿を消すと、山がガタガタと揺れ始めた。
 噴火させるのだけは待ってほしい。コーヒー豆を栽培していた人達が山の途中にいた。

「ヘリを出せ。ここは足場が悪い」
「了解!」

 俺もその意見には大賛成だ。白豹がデカ豹になる前にヘリコプターに乗り込んだ。
 空中からミサイル、レールガンで一方的に攻撃して仕留めさせてもらう。

「……雪?」

 上空で攻撃準備万端で待っていると、空が黒雲に覆われていき雪が降ってきた。
 現地の人達は天変地異が起こったと騒いでいるはずだ。すぐに倒して安心させるしかない。

『来るぞ』

 スサノオに言われて雪山を警戒していると、巨大な何かが空中に向かって飛び出してきた。

「なっ⁉︎ キメラと同じかよ⁉︎」

 錆竜よりも身体は小さいけど、立派な竜だ。
 大きな白い翼を羽ばたかせて、ヘリコプターを狙っている。
 水色蛇がキメラになったように、白豹が白い竜に姿を変えた。
 中国から核ミサイルを借りてくれば良かった。

『我が名はヒョウエイ。お前達に死を与える者の名だ。最速の竜の前に逃げ場はないと知れ』
「くっ!」

 白竜が名乗ると翼が硬直したように停止した。何か来る前にロックオン状態のミサイルを発射した。
 だけど、白竜が空を泳ぐように急降下で躱すと、ヘリコプターに向かって急上昇してきた。

「右下に緊急回避だ。当たると死ぬぞ」
「ぐぅぅぅ!」

 傭兵に言われなくても分かっている。急いでヘリコプターを右下に急降下させた。
 空中を羽ばたきなしで、指でなぞるように飛んでくる。
 スピードは明らかに白竜の方が上だ。撃墜させられるのは時間の問題だ。

「俺はどうすればいいんだ!」

 ヘリコプターを直感でデタラメに動かして、白竜の攻撃を躱し続ける。
 だけど、もう終わりだ。後方にピッタリ付けられた。
 二秒やるから、誰でもいいから助かる方法を教えてくれ。

『兄貴、どうしたらいいと思う?』
「緊急脱出だ!」

 どうやら時間がもっと必要みたいだ。脱出ボタンを押して、座席二つを発射した。
 これで十五秒ぐらいに増えたと思う。体当たりされたヘリが潰れて、地上に落ちていく。

「神爺、ヤバイぞ! 逃げられない!」

 引き返してくる白竜がパラシュート部隊を攻撃する前に、名案を用意しないと死ぬ。
 とりあえず瞬間移動は使えない。左腰の神爺に頼むしかない。

『無理だな。スサノオ、お前がどうにかしろ』
『分かった。任せておけ!』
「なっ⁉︎」

 薄々気づいていたけど、この二人は緊急事態に対処する能力が欠けている。
 力で無理矢理に解決するタイプだ。座席に座るガルシアの姿が変わっていく。
 肌の色が白く、髪の色が金色に変わっていく。
 変化が終わると座席を踏み台にして、こっちに向かって飛んできた。

『まさか、飛べる奴とは思わなかったな』
『どうでもいい。さっさと地上に降りるぞ』
『そうだな。空中戦は分が悪そうだ』

 ゆっくりと落下する座席に金髪の男がしがみ付くと、すぐに言い訳を始めた。
 二人がかりなら楽勝だという言葉を信じた俺が馬鹿だった。
 シートベルトを外して座席から出ると、スサノオに抱き抱えられて空中に脱出した。

「どうするんだ! このままだと落下するぞ!」
『慌てるなよ。俺の力を半分兄貴に貸すから、それで神化すればいい。あとは集めた宝箱を神器で破壊して、力を吸収すれば戦えるよ』
「だったら早くやれよ!」

 もう時間がない。地面に向かって、頭から急降下していく。
 やっぱり力尽くで解決するしか考えていない。スサノオが俺の賽銭箱を掴むと意識が飛んだ。
 これで黒龍と同じように、白竜の前に放置された状態だったら許さない。
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